『紅き翼と漆黒の双剣』
第1話〜恭也受難?!〜
時間は蓮が学園に入った時から数時間遡り・・・・・・・・
「それで、今回の任務場所は?それに護衛対象についてもまだ聞かされていないですよね?」
そう自分の前に座っているリスティに尋ねる恭也。
「ま、そろそろ話しても良いかな?」
と、微笑を浮かべながら話し始めるリスティ
「ちなみに今回の依頼主はあの小笠原グループの会長さんだ。んで、その孫が通っている学園に1通の脅迫状が来たのが事の発端だ。」
「脅迫状・・・・・・ですか・・・・・・・・ん?小笠原?」
どこか苦虫を潰したような顔になる恭也であったが《小笠原》という言葉にわずかに反応する。
んな事を気にせず話を続けるリスティ
「それで、脅迫状の内容だが・・・・・・・・」
そう言うと、1枚のコピー用紙を取り出して見せた。
そこには・・・・・・・・・
《あなたの学園に咲く6つの薔薇、蕾、全て頂きます》
と書かれていた。
「6つの・・・・・薔薇・・・・・?」
「あぁ、そこらへんは向こうについてから聞くと良いよ。手配とか全て終わってるから、流石小笠原グループの会長だ。根回しが速いこと速いこと。
あ、ちなみにそれと同じモノが小笠原会長のもとにも届いていたらしい」
「なるほど、それで会長の方から依頼があったわけですね。」
「そうだ。しかし、このことは孫本人には伝えていないそうだ。だから恭也、君も護衛していると気付かれないように行動して欲しい、とのことだ。それは護衛対象だけではなく他の人物においても言えることだ。」
「分かりました。気をつけます。それで護衛するのは・・・・・・・」
恭也が言いきる前に
「24時間だ」
とリスティが言い切った
「は?」
思わず間抜けな声をあげる恭也。
「今日から任務が終わるまで小笠原家で過ごして貰う。」
「そう言うことですか・・・・・・・・。でも流石に学園にいる間は・・・・・・・」
またもや言い切る前に
「もちろん、恭也も学園に同行して貰う。もちろん学生としてだ。」
「ま、まさかさっきの根回しがどうだ、とか言う話はこのことだったんですか?!」
「まぁ、そう言うことだ。恭也の人となりを話したら信用してくれたよ。ま、たしかに恭也なら心配する必要もないだろうし。 僕としては多少心配の種があるんだけど・・・・・」
最後の方はあまりに小声になっていたため恭也には聞こえていなかった。
「それで、その学園の名前は?」
「あぁ〜、それがだな・・・・・・・・・・」
本格的にあさっての方向を見ながら
「恭也、落ち着いて聞いてくれ。」
「はい・・・・・・・・」
リスティはとても言いづらそうだが、明らかに顔は笑いをこらえている
「リリアン女学園だ」
「は?」
「だからリリアン女学園だ」
恭也は唖然とした表情だ、が対照的にリスティは必死に笑いをこらえている
「ちょ、ちょっと待って下さい、今女学園といいませんでしたか?」
「あぁ、言ったよ?」
「いくらなんでも、それは入り込めな・・・・・・・・は?!このことも含めて根回しだったんですね!!!」
「ぷっ、ふふぁ、あはははは、もう駄目、恭也面白すぎ!!」
そう言うと、一人で笑い始めてしまい、しばらく恭也は憮然としていた・・・・・・
「流石に翠屋でこの話をすると断られてしまう可能性があったからね、恭也には悪いとは思ったんだけど、教えるのを大分遅らせてもらったよ、ちなみに桃子さんには了解をとってあるから心配しないでいいよ」
両目に涙を浮かべながら、なんとかそう話したリスティだった。
そんなリスティをみて恭也はその背中の後ろに悪魔のしっぽのようなモノが見えたとか
「護衛対象については向こうで理事長が教えてくれるだろう。他に質問は?」
「・・・・・・・・・今のところ特には。そういえば、犯人の目星は?」
「・・・・・・・すまない、まったくと言って良いほど掴めていない。」
急に真顔に戻るとリスティは申し訳なさそうにつぶやいた。
「そうですか・・・・・・・」
「そうだ、忘れてた。未確認の情報なんだが、恭也と一緒に視察という名目でリリアンに来る生徒がいるらしい。詳しいことは知らないけどどうやらそっちも男らしい。」
「男、ですか?また変な偶然ですね。その女学園はこんな事が多いんですか?」
「確かに、どうなんだろうね?僕もこの事は今日知ったんだ、あちらの理事長と電話ではなした時にね」
そうした会話があった後、恭也もリリアン女学院へと足を踏み入れるのだった。
さてさて、これからどうなるのかな。
美姫 「女子高に男が二人も」
一体、どうなるのか!?
美姫 「そして、他の生徒たちの反応は!?」
次回も楽しみにしてます。