『紅き翼と漆黒の双剣』
第5話〜薔薇達の心象〜
蓮と恭也は理事長室に来ていた
「さて、今日からしばらくあなた達はここの生徒になります。校則を守り楽しい学園生活を送って下さいね」
理事長である上村は2人にそう告げ、編入するクラスや校則が載っているプリントを手渡した。
「では、そろそろホームルームが始まる時間です。教科書などに関しては明後日には届くと思うので、それまでは我慢して下さいね、では」
理事長にそう言われ、2人はそれぞれの教室へ向かっていった
時を同じくして薔薇の館では・・・・・・・・
「・・・・・と言うような事がありまして・・・・・」
そうつぶやいているのは紅薔薇の蕾、小笠原祥子である
話している内容は昨日自宅で恭也と会い、視察としてしばらくこの学園に通う事などをその場にいる人物達に愚痴っていた
「それは面白いことになりそうね」
そうにやりと不敵な笑みを浮かべながらつぶやいたのは”黄薔薇様”こと鳥居江利子
「でもま、男が来るなんてね〜。まぁ面白そうだから良いけどね」
江利子と同じように笑みを浮かべるのは”白薔薇様”こと佐藤聖
「ふ〜、お願いだからあなた達、余計なちょっかいは出さないで頂戴ね?」
と、3薔薇の中で一人だけため息をついているのは”紅薔薇様”こと水野蓉子である。
ちなみに今館に来ているのはこの4人だけである。
「あぁ、にしても失敗したなぁ〜。名前聞くの忘れるなんて・・・・・・・」
と、後悔先に立たずというのを見事に体現しているかのようにつぶやく聖。
「まだ言ってるの?確かにお礼をしたいというのは言い心がけだけど、たぶん会うことはないでしょう?後悔しても仕方がないでしょ聖」
「うぅぅ、確かにそうなんだけどね」
ボソボソと愚痴っている聖に呆れたように言う蓉子。でもやはり聖は苦い顔をしていた。
「まぁここで悩んでいても仕方ないじゃない、今度会えた時にお礼をすればいいじゃない?」
だから気にするな、と言いたいのであろう江利子を見て
「とりあえずそういう方向で考えるか」
と、ひとまず思考を切り替えることにする聖
「さて、そろそろホームルームが始まるわ。流石に薔薇様が揃いも揃って遅刻なんて拙いでしょ?」
そう言って蓉子は立ち上がり、それに習うようにみんな立ち上がった。
「では、お姉さま方、またお昼に」
先に祥子が出ていき、それぞれ自分の教室へと向かうのだった・・・・・
いよいよ恭也と蓮の学園生活が始まる〜。
美姫 「恭也は護衛だけれど、蓮の目的とはなにか」
その辺も含め、次回以降が楽しみです。
美姫 「次回も楽しみにしてますね」
ではでは。