『紅き翼と漆黒の双剣』




  第10話  〜二人の剣士〜



 
 武道場の中央で2人の剣士が向き合っていた。その身体には防具を付け手には竹刀を握っている。周りの空気が少しずつ重く静かになってくる。

「手加減はいらない、全力で来てくれ紅」

「わかった。お互い全力を尽くそう」

互いに軽く挨拶をし、蓮と恭也は静かに構えている。

「それでは、紅 蓮対高町恭也、無制限一本勝負」

令はそこまで言うと一呼吸置き

「始め!!」

その手を天にかざすのだった。

 始めの合図がかかった。相手がどう動くか分からない、そうなれば先手必勝と攻めるのが普通の考えであろう。だが、対峙している2人は普通ではなかった。恭也はそれこそ見誤れば命を落とすような場に生きる剣士だった。

(やはり恭也は俺に近い道を歩いている人間のようだな・・・・・・・・・雰囲気が違う)

(む・・・・・・・・隙がない・・・・・・、それに撃ちに行きづらい雰囲気だ・・・・・・・)

お互いに似たような事を内心に思っていたが

(しかし、いつまでもこうしている訳にはいかない。恭也実力を見せて貰うぞ!)

そう心で言うと蓮は上段の構えから面を撃ちに行った。

(来たか!)

すかさず恭也も防御の型をとる。

「めぇぇぇぇぇぇん!」


蓮はあえて移動速度は抑えていた。だが、竹刀を振る瞬間に力を込めた。
(速度のギャップについてこれるかな・・・・・・・・)

「!」

恭也は内心驚いていた。先ほどの隙の無い構えと言いこの剣速の速い撃ち込みと言い
相当な鍛錬を積んでいないとここまでにはならない、と思っていた。
だが、その撃ち込みをこちらも上段に構えたしないで受け、流す

(やはりこれぐらいでは防がれるか・・・・・・・・!)

蓮が内心でそんな事を考えていたが、恭也がそんな暇は与えないと言わんばかりに受け流した後すぐに胴を撃ってきたのだ。それもかなりの速さだ

それをギリギリの所でバックステップしてかわす蓮

そこで再び対峙し、硬直する2人

「「そろそろお互いに全力を出そう」」

この言葉をきいて驚いたのは当人達ではなく審判をしている令の方だった。

(え?この2人あれでまだ全力じゃないの?私撃ち合ってる所は目で追うのがやっとだったんだけど・・・・)

「せぇい!」

今回先に仕掛けたのは恭也の方だった。

(ここで加減してしまうのは蓮に対して失礼だ。それに御神の剣はどんな相手でも負けは無い!)

胴と小手への2連撃それも高速である。

これに対して蓮は

(想像以上だ。下手すると俺と互角・・・・・・もしくはそれ以上かもしれないな・・・・・・・だが!)

そう考えつつも同じく2連撃で相殺しつつ後ろに下がる。そして今までの上段とは違う構えをとる

(これで勝負だ!)

その構えから蓮から発する気迫を感じた恭也は

(ならば俺は・・・・!)

納刀した時の構えをとる。

この2人の普通ではない構えとただならぬ気迫を感じた令、そして場の空気が変わって行くのを感じ息を飲む山百合会の面々

時間にして1分ほどだったか、2人にとってはもっと長く感じた合間の後、

「おぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

「せぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」

令の目ですら追えない程の速さで2人は剣を振るう

互いの竹刀がぶつかり合い

それから一瞬の間・・・・・・・・

互いに離れ一礼をした

「へ?終わりなの?」

その場で2人の試合を見ていたものみんながそう思った瞬間

ぱきっ!!

そう高い音が鳴り2人が持っていた竹刀が折れたのだった。

その光景を見てぼーっとしていた面々だが
ふと令が思い出しかのように

「この勝負、引き分け。礼!は終わってるから・・・・・・・・と、とにかくお疲れさまです」

と2人に頭を下げるのだった。

令が話し始めるのをみて他のみんなも思いだしたかのように喋りだし、やがて2人に拍手をしていた。

大人数の盛大な拍手につつまれ、蓮と恭也は気まずそうに顔を見合わせていた。

「ありがとう、良い鍛錬になった。」

「こっちこそ。それにしても恭也強いね、まさか相打ちになるとは」

お互いに相手の力を認め健闘をたたえ合っていた、

(コレがもし真剣だったら・・・・・・・・・・)

と考えずにはいられない2人であった。









10話目にして初めて挨拶させていただきます。紅蓮と申します。

ホントはもう少し早く挨拶していないといけないのですが、ぶっちゃけた話をすると挨拶の

事を忘れていたとかいないとか・・・・・・・・

初っぱなからキャラ設定にミスがあり文章も稚拙な私ですが、やる気だけは満々で書いて

いるのでどうか見捨てずに見守ってやってくださいm(_"_)m

さてさて、ここでオリジナルキャラである蓮の誕生について少し語らせていただきます。

自分のペンネームと読みが違うだけで名前は一緒です。これは”この名前に愛着がある”

というのと”愛着がある名前の方が初めは動かしやすいだろう”という考えがあったから

です。何故愛着があるのかは機会があればお話する事としてと(あるのかな?)、

ひとまず名前に関してはこんな感じの理由で付けました。


と、今回の挨拶はここまでにしておきますね。

あまり喋りすぎると次喋るときのネタがなくなりそうなので(笑)

最後に、こんな稚拙な文章を載せてくだっている浩さん、このHPを運営している方々、

文末にて感想を言って下さる美姫さん、そしてこんな文章を読んでくれている皆さん

本当にありがとうございました。そしてこれからも宜しくお願いしますm(_"_)m

今しばらく、紅き翼と漆黒の双剣という世界にお付き合い下さいませ

ではでは、また次の話であいましょう、

12/10 紅蓮 ┳┳~旦( ̄*)



勝負は引き分け〜。
美姫 「獲物が折れたんだし、仕方ないわよね」
まあ、そうだな。
にしても、紅って一体何者なんだろうか。
美姫 「気になるわね〜。でも、それよりもまずは学園祭よね」
確かに。一体、何が起こるんだろうね。
美姫 「次回も楽しみね」
うんうん。
美姫 「それじゃあ、また次回を待ってますね〜」
ではでは。



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