『赤き翼と漆黒の双剣』




  第14話  〜幼き日〜




 聖達を送ってから数時間後、蓮は自室で考え込んでいた。

「やつらが行動し始めてきたか・・・・・・・・・・、まぁ今回の事で俺が居るのが分かっただろうからしばらくはおとなしくしてくれるだろうが・・・・・・・・・。」

そこまで言うと一つため息を吐いた

「にしても、令さんが前に出てくるとはな。確かにもう少し鍛えればそこら辺のちんぴらには負けなくなりそうだけど、女の子にそれをさせるのもな・・・・・・・・・・・・
あぁ、そういえば叩いしまった。流石に女の子に手を上げてしまうのは拙かったか・・・・・・・
明日会えたら謝らないと・・・・・・・・・・・」

そこで蓮は眠気を感じた。

「ふぅ、久々に感情を表に出したから疲れたかな?まぁ今日の所は何も無さそうだし素直に寝るか。力も少し使っちゃったし」

そう言ってベッドに入るとすぐに眠りに落ちていった


    ※       ※        ※
 
キンッ!カキィン!

金属を撃ち合っているような音が響いている

その音の発生源は2本の刀

それを振るっているのは2人の少年

「はぁ、はぁ、はぁ」

「どうした蓮?もうばてたのか、そんなんだと一人前の紅を名乗れる日はまだまだ遠いな」

「まだまだ大丈夫だよ蓮慈兄さん」

蓮と呼ばれた少年は、兄さんと呼んだ少年と剣を撃ち合わせていた。

「おぉ、なかなかやるようになったじゃないか蓮!」

その言葉に2人の少年、蓮と蓮慈は剣を止めた

「親父!」

「父さん!いつ帰ってきたの?」

剣を止めた2人は笑顔だった。

「今さっき帰ったところだ。母さんに聞いたらここだって聞いたからな」

微笑みながらそう答える2人の父親

「じゃあ、また父さんも教えてくれるの?剣術」

満面の笑みを浮かべて父親に尋ねる蓮

「あぁ、次の仕事までは時間があるからな。2人ともビシバシしごくから覚悟しとけよ?」

こちらも満面の笑みを浮かべ返事をする父親に

「「はい!」」

声をそろえて嬉しそうに返事をする少年達だった。

「んじゃ、今日の所は家に戻ろう。俺も疲れてるし、明日からビシバシしごくからお前達も今日は早めに切り上げて休め、いいな?」

そう言って2人の手を握り仲良くその場を後にした。

その場から少し離れた日本家屋

「「「母さんただいま〜」」」

3人が声をそろえて帰宅を告げると、今まで食事の用意をしていたのかエプロンを着けた女性がパタパタと中から出てきた。

「おかえりなさい。もうすぐご飯が出来ますからね〜、先にお風呂に入ってらっしゃい。あなたもね♪」

「「「は〜い」」」

元気良く返事をする3人。
父親までもが息子達と一緒に子供っぽい返事の返し方をしたため、微妙に苦笑しながら母親は家内に戻っていった。

「さて、お前達久しぶりに一緒に入るか。汗かいたままほっとくと風邪ひくからな」

妻を見送って、息子2人にそう言うと親子水入らずのお風呂となる

「お、蓮、ずいぶん男らしくなったじゃないか、こことかいっちょまえじゃないか(ニヤリ)」

「と、父さん、んなことないってば。それよりも蓮慈兄さんの方がすごいんだってば」

これ以上色々言われるのが恥ずかしいため、矛先を兄へとずらそうとする蓮

「ほうほう、蓮慈、ちょっと来い」

見事に誘導にひっかかる父
当然ながら恥ずかしがる兄
矛先が自分から反れたことにほっとする蓮

そんなこんなしながら風呂から出るとちょうどいいタイミングだったのか、母親が呼びに来ていた。

「あら?ちょうどご飯が出来たから呼ぼうと思ってたのよ。ナイスタイミングね♪」

母親の一言にすかさず反応したのは父親だった。

「まぁこれも、愛の力だね、かあさん」

満面の笑顔でそう言ったのだが

「あら、ずいぶん安っぽい力なのね・・・・・・・私に対する愛は夕ご飯と同位置なのね、よよよ」

そう切り替えされ、あたふたする父親。

「あ〜あ、母さん泣いちゃった。父さん知らないよ?」

「そうだな、親父もしかしたら今日の夕ご飯抜きかもよ?」

2人は漫才をしている両親を後ろに夕ご飯を食べるため居間へと向かう。

居間にはすでに1人の男性が座っていた。

「お祖父ちゃん、ただいま〜」

「ただいま戻りました。」

その男性、2人にとっては祖父にあたる、その人に挨拶をし、

「あぁ、今うちの両親は廊下で漫才をしてるから先に食べちゃおう、お祖父ちゃん」

「そうか、じゃぁ先に食べるかの?蓮、蓮慈」

3人とも手を合わせ頂きますをし、静かに食べ始めた。
しばらくして、決着が付いたのか両親も居間に来たため、静かだった食卓が賑やかな食卓となった

「ふむ、それで蓮悟、今回の依頼はどうじゃったか?」

その中で祖父は蓮達の父親、蓮悟に聞いた。

「ん〜、大したことは無かったな。今回は御神の人達も一緒だったから、相手も動けなかったんだろう」

「そうか、あの御神と一緒じゃったか。まぁ敵としてで無ければあれほど心強い味方はいないじゃろうて」

そんな祖父と父親の会話を興味深く聞いていた蓮と蓮慈。
先に言葉を出したのは蓮慈の方だった。

「御神ってそんなに強いんですか?お祖父ちゃん」

「あぁ、彼らは強い。正直やり合いたくない相手じゃな。うちの流派を皆伝してさらにその先まで行ければ戦えるかもしれんが、皆伝ぐらいの実力じゃと拙いじゃろうな」

「そう・・・・・・・・・・」

自分の流派に自信を持っている蓮慈は祖父の言葉に多少なりショックを受けたようだ。

「じゃが、わしらの流派は皆伝から先が本当の意味での紅流となる。この言葉2人とも忘れるでないぞ?」

微笑みながらそう諭す祖父。

「「はい」」

声をそろえて返事をする2人。

「さて、飯も食ったしそろそろ寝るか〜。流石に仕事明けじゃ疲れが溜まってしょうがない」

「あなた、食べてすぐ寝るなんて体に悪いですよ?それに子ども達がマネしても困ります」

「んあ?この程度で損ねる健康なんて、健康じゃない。まぁこの程度のことで体調を崩す俺じゃないがな」

自信たっぷりという感じの顔でみんなに向かって威張っている蓮悟

「よいか2人とも、決してああいう大人になるんじゃないぞ?」

「そうですよ、あれは悪い大人の見本ですからね。今に見てなさい、絶対体調を崩すから」

「「そんなこと分かってるよ」」

自分の妻、父親、息子2人にまで否定され部屋の隅でのの字を書いてしまっている蓮悟

その様子をみて、部屋には笑いが満ちた。



※    ※    ※    ※


空がうっすらと明るくなって来ていた。

窓から淡い光が入ってきて蓮の顔に当たっていた。

「ん、結構寝たかな」

上半身を起こし軽く伸びをする。

「ふぅ、それにしても懐かしい夢を見たな、あんな夢ここ数年見てなかったのに・・・・・・・・


自分の目線の先に手を伸ばす。

「まるで今の俺への当てつけみたいだな、あんな豊かな感情なんて封印したはずなのに・・・・・・・・」

ふ、そう自嘲の笑みを漏らす

「今回こそ逃がさない。今度こそ奴らに終止符を撃つ」

そう言うとベッドから降り、登校の準備を始めるのだった。

この時、蓮は気付いていなかった。

おおよそ今までの自分と今の自分が変わり始めていることに・・・・・・・・








はい〜紅蓮です。

今回は蓮の過去を彼の夢を通して見る

という話になりました。

あと今回の話の一部に出てきましたが、紅流と御神流の人達は

たまに依頼の場で一緒になったりする事があり、お互いを認識しています。

多少は交流があったでしょう。

では、蓮や恭也は?

まぁ。そこはこれからの先の話でわかるでしょう。

ではでは、また次回にでも┳┳~旦( ̄*)




少しだけとは言え、蓮の過去が…。
美姫 「この事が、今後どう関係してくるのか」
次回も楽しみにしてます。
美姫 「それでは、また次回で〜」



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