『紅き翼と漆黒の双剣』




  第18話  〜蓮の思惑〜






 蓮と恭也が会話をしているところを島津由乃は見ていた。
とは言っても、何気なく外を眺めているところに2人が視界に入ってきただけのことだ。
女学園では見ることがなかった男子学生だ、と言うことも目に入った要因だろう

「蓮さまと恭也さまは何を話してるんだろう〜・・・・・・・・それにしても祐巳さん達は何をしているのかしら、あんな所に隠れて」

そう、由乃の視点からは先ほど起こった事の一部始終が見えているのだ。

「話が終わったみたいね。ん?蓮さまは教室に戻らないみたいだけど・・・・・・・・・・・・あ、後ろの祐巳さん達に気がついてたんだ。なんか慌ててるみたいね2人とも」

その光景を眺めながらくすくすと笑っている由乃。そんな由乃をクラスメイト達が見て可愛いと思っていたとか。

視線の先では話が終わったのか祐巳達と蓮が校舎に戻ろうとしていた。その光景を見ていて由乃はちょっと変な事に気がついた。

「あれ?・・・・・・・・今・・・・・・・」

目をこすってもう一度見てみる

「やっぱり片方しか反射してない・・・・・・。蓮さまもう片方は外しているのかな?」

この由乃のつぶやきは他の人には聞こえていなかった





〜放課後〜


放課後になりいつもの面子が薔薇の館で顔を合わせていた。先ほどまで行っていた劇練習の反省点についての話し合いをしていた。

「みんな大分いい演技するようになっているわ。恭也さんも蓮さんもまだ間もないのにすごい上達ぶりです。本番もこの調子でいきましょう」

紅薔薇様である蓉子のこの一言で話し合いは終了。となれば年頃の女の子達は雑談モードに切り替わる。

そんな周りの様子を感じ蓮は恭也を見る。

恭也もその視線に気がつき頷く。

恭也のうなずきを見て、自らの気配を消しながら席を立ち表へ出た。

恭也もそれに習い同じ様に気配を消し表へと出た。



〜恭也視点〜

「昼の続きをしようかと思ってさ」

薔薇の館から少し離れたところでそう言いながら紅が振り返りながらそう言った。

「紅の正体について、か・・・・・」

今、俺の胸中は複雑だった。確かに任務を遂行するためには不確定であった紅の正体を知ることは大切なことだ。だが聞いてしまったらその後どうなるか予想がつかない。

”万が一紅が敵だったら” これは何度も考えたことだがそのたびに打ち消してきた。まだ短い時間しか経っていないが、紅とは良い友人関係を築いていけるそう思ったからだ。恐らく俺の正体を知っても・・・・・・

「俺の正体を知るのが怖いか?恭也」

あまり表情を変えずに紅がそう言ってきた。
その問いは当たっている。つまり俺は紅の正体を知ることが怖い。知ったことで友人となりうる存在を失ってしまうのが怖いのだ。

「あぁ、正直に言うと聞いた後にどうなってしまうか予想がつかない。それが怖い」

俺の言葉を聞くと紅はクスっと笑い

「正直だね、恭也は」

そこまでは普段の表情だったが急に表情が締まった感じになり

「なら今日夜中の0時にここで。そこで正体を明かそう。おそらく今この場でよりそっちの方が良さそうだ。お互いにとってもな」

そう言いきると

「さてそろそろ戻ろうか」

踵を返しながらそう言い、一人でに歩いて行った。

「互いにとっても・・・・・か・・・・・」

先に行かれた為、一人になった恭也もそう呟くと薔薇の館へと戻っていった。




〜薔薇の館・蓉子視点〜

がちゃ

そう音を立ててビスケットの様な扉が開いた。

みんな、え?と言う表情で扉を見る。それもそうだこの時間帯にほかの生徒がここに来ることはほとんど無いし、誰一人この部屋を出ていって無いのだから。

そこまで考えて私は違和感に気がついた。先ほどまで座られていた席が空席になっているのだ。確かあそこには・・・・・・・・・


〜蓮視点〜

恭也との話を終え薔薇の館に戻る。おそらく恭也なら来てくれるだろう。

がちゃ

お菓子のような扉をあけて中に入ると一斉に視線がこちらに向いた。
そういえば気配消して部屋を出たんだった。ん?令さんが少し落ち込んでるみたいだ。多分気配のことだと思うけど。逆に気付かれたらこっちが落ち込むし。

あ、他の皆さんは元に戻っているのに祐巳さんだけ戻って来てない。
らしいと言えばらしいんだけど。

お、恭也も戻ってきた。そろそろ時間も時間だし下校させておかないと。



〜恭也視点〜

がちゃ

扉を開ける、何故か俺に視線が集中している。紅はなにやら苦笑いしているが。

とりあえず席に着く。とそこで

「一体いつの間に外へ出られたのですか?」

蓉子さんがそう尋ねてきた。

「ええっと、10分ほど前ですね。紅も一緒に」

俺ばかりに質問されても困るので紅も巻き込むことにした。多分これを考慮して先に戻ったんだろうからな。



☆    ☆     ☆

その後しばらく色々聞かれたが時間も時間なのですぐにお開きとなり帰宅することになった。

昨日の事があったため今回も蓮と恭也がそれぞれ送っていくことになった。


・・・・・・・・・・・・


そして数時間後。日付が変わろうという頃、2人の剣士が月の下で対峙していた。

それぞれ自分の刀を持って・・・・・・・・・・・・











はい、紅蓮です。シリアスとギャグとほのぼのの使い分けが上手くできませんllllll(-_-;)llllll  

またもや更新に時間がかかってしまいました〜。待っていて下さっているみなさん、申し訳ないっす。

18話目にしてようやく進展が見られましたね(遠い目)

さっさと続きを書かねば(笑)

ではでは、また次回にでも(´・ω・`)ノシ




正体を語る場に刀を持参で赴く二人。
美姫 「果たして、彼らは何をする気なの?!」
いやいや、次回が気になるところで続く。
美姫 「滅茶苦茶気になるじゃない」
ああー、次回はどうなるのか。
美姫 「続きを楽しみに待っていますね〜」
待っています。



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