『紅き翼と漆黒の双剣』
第19話 〜対峙〜
〜恭也視点〜
闇も深まりもう1時間程したら日付も変わろうという時間、恭也はいつもの鍛錬を少なくし瞑想をしていた。
(紅は一体何が目的なのか・・・・・・・。正体を知った先で何が起こるのか。)
そこまで考えて首を振り喝を入れる。
「ふぅ、さっきから不安や弱音ばっかりだ。こんなことでは瞑想にならない。まったくこんな所を美由希の前では見せられないな」
自嘲気味に笑い、ふと時計を見る。
「そろそろ向かうか。」
と、そこで携帯がなった。液晶画面を見ればリスティからの電話だと分かる。
「はい」
「恭也かい?今到着したよ。こっちの警備は気にしないで行ってこい。」
恭也は小笠原家に戻ってきた後、リスティに事の次第を話し自分がいない間の護衛を頼んだのだ
「ありがとうございます、わがままを聞いてもらって。助かります」
「まぁ気にするなよ、恭也には結構借りがあるからね。今度買い物に付き合ってくれればいいよ。」
ちゃっかりしているリスティのセリフに苦笑する。
「あと、これは出来ればの話なんだが話にケリがついたら彼と会わせてもらえないかい?」
「分かりました。やってみます」
「無事戻って来いよ」
リスティがそこまで言うと電話が切れた。
そして恭也は携帯をしまい静かに小笠原家を後にした。
〜リリアン女学園・警備員視点〜
「ん〜、そろそろ見回りに行かなくてわな」
そう言って警備員室から出て、見回りを始める。
「良し、体育館も異常なし。後はあそこだけか」
特に変わったことも無く、残すは薔薇の館の方だった。
「ん、いつも通りだな。戻るか」
そう言って振り返ろうとした瞬間だった。
気配すら感じられなかった何かに意識を刈り取られてしまったのだ。
〜同時刻、蓮視点〜
「すまないがしばらく寝ていてくれ。」
一瞬で警備員の意識を断ち、警備員室へと連れていく。
「後はこれで・・・・・・・・・と、目が覚めたらいつも通りの生活だ」
警備員を横たえ、額に手をあて目をつぶると”力”を使う
これで残すのは恭也の到着だけだ。
「さて」
そう呟いて立ち上がる。自らの”武器”を持って
〜数分後、同場所、恭也視点〜
学園に到着し、周囲の気配を探っていたがとりあえず確認できたのは1人。
いや、もうひとつかすかだが気配がある。
より強く感じる気配の方へと向かう。
(この方向はもしかして薔薇の館か)
俺の予想は当たっていた。薔薇の館を背景に紅が立っていたからだ。
その腰には日本刀のような物が挿してある。
「来てくれたか」
紅はそれだけ言うと挿してあった刀を抜き放った
〜視点・第三者〜
月明かりの下で二人の剣士が対峙している。
蓮は刀を抜き放っているが恭也はまだしていない。
「・・・・・・どういうつもりだ」
恭也がそう呟いたが蓮は答えなかった
代わりに恭也との距離を縮め斬撃を放ってきたのだ
「っつ!」
それを一瞬早く抜き放った八影で受けとめ、離れる。
「紅・・・・・・・・」
恭也からは周囲の暗さの所為で蓮の表情までは見えなかった。
「やるしか・・・・ないのか・・・・・」
そう呟きもう一方の小太刀も抜く。と、そこで
「二本の小太刀・・・・・・・・・・・」
紅がそう呟いた。
「二本の小太刀に・・・・・・・・・キョウヤ・・・・・・・・・・」
また蓮がそう呟くがその後に首を横に振り
「そんなはずはない、例えそうだとしても今の俺には」
言葉をそこで切り、恭也へと視線を向け静かに構える
蓮が構えるのを見て恭也も戦闘態勢に入る
剣道の試合の時と同じように睨み合いが続く
2人の間を風が通りすぎ木の葉が月の光に照らされながら舞う
丁度一枚の葉が2人の視線の間に入った瞬間、2人は同時に動き出した!
蓮は刀を腰の方に持ち下段の構え、恭也は両手の刀を下に下げている。
""""闇の中で刀が交錯する""""
""""月明かりの下で幾度となく""""
""""刀がぶつかり合う音をBGMに""""
""""まるで踊っているかのように""""
どもです、お久しぶりです。紅蓮です
大学に復帰し、バイトも忙しくなかなか執筆できていないというのが現状ですがどうにか
書いていきたいなと思う今日この頃です。
さて今回は開始時点での時間軸を前回の話の最後より巻き戻しております。
書かれていなかった数時間の間に何があったのか?と言うのをメインに書いてます。
とりあえず次号はちゃんと戦闘を書く予定です(あくまで予定です(笑)
ここだけの話なんですが、最近ふと気がついたことでこの話、学園祭前となっているにも
関わらず祥子と祐巳がスールになってます。そこらへん大分設定をねじ曲げてしまっている
のでどうしたものかとちょっと悩んでいたり。
まぁきっとこのまま突っ走っていくのだとは思いますがw
ではではまた次回にでも(´・ω・`)ノシ
いよいよ始まる対決〜。
美姫 「紅の真意とは」
そして、この決着の行方は!?
美姫 「次回も楽しみに待ってますね〜」
待っています。