『君ヲ想フ』
―――ギシリ、とベッドのスプリングが軋んだ。
伸ばした手で投げ出された君の身体を押さえつけ、そのまま強引に唇を奪う。
「・・・・・!」
一瞬の硬直。震える身体。必死に振り払おうとする君がどうしようもなく愛しくて、味わうように、キスを続けた。
やがてゆっくりと余韻をかみしめながら唇を離すと、君はこちらを睨みつけるように視線を向ける。
「どうして・・・・こんな・・・・っ!」
唇を震わせながら言葉を紡ぐ君。・・・ああ、きっと気付いていない。
まるで手負いの猫のような君のその様子はたまらなくこちらの嗜虐心を刺激してくるんだよ。
質問には答えないまま代わりとばかりにもう一度唇を奪う。今度はもっと強く。
「・・・!・・・!」
君は目を見開き手足をジタバタさせながらまた抵抗しだした。さっきは抵抗を許したが二度目となるとやはり新鮮味に欠ける。
君は犬じゃなくて猫だけれど、やはり上下関係は明らかにしないといけない。
そう思い、唇を離すと同時に俺は押さえつけている手の握力を開放した。
「い!?・・・・た・・・・ぁ!!」
ミシミシと骨が軋む。痛みに反応して瞳を涙が覆う。
「抵抗するな。口を開け」
口角を歪めながら用件だけを端的に言い、もう一度。
痛みからの逃げ道を掲示された身体は本人の意思は介さずに唇を開いていた。
唇を舌で割り、口の中を蹂躙する。君のに舌をのばしてみるがやはり拒んできた。が、いまはまだそれでいいだろう。
そのままたっぷりと口内を舐りつくし、うまく呼吸できずに苦しげに呻いていたのが判ったので開放してやった。
「はあ・・・・はあ・・・はあ・・・」
失った酸素をかき集めるのに夢中な様子に満足して、そのついでに先の問いに答えてやった。
「愛しているからだよ。君を」
「はあ・・・はあ・・・・・・ぇ・・・?」
若干の険が取れた瞳が俺を見る。
――――――美しい。なんて綺麗。
その白磁のような肌も、絹のようにすべらかな髪も、小さな瑞々しい唇も、宝石のような瞳も。
筆舌に尽くし難いとは正にこの事だ。それほどまでに、目の前の美は完成している。
「だけど・・・・そんなの、許されない・・・・だって・・・んん!?」
そう、言うだろうと思った。だからその先は言わせない。そんな常識は要らない。
キスをしながら拘束しているのとは逆の手を身体に這わす。邪魔な服を剥ぎ取り直接、白磁の肌に手を触れた。
瞬間。抵抗が過去最高に達するが強い痛みを与えることで押さえ込む。
俺の手の平が、指先が、肌に触れるたびに背筋に電気のような痺れがはしる。
嗚呼、これは麻薬だ。とびっきり上等の、それも依存性の高い禁断の果実。人の身でありながら女神の身体を知ってしまったような、そんな恍惚の刹那。
至近距離で映る君の顔。
瞳はさっきとは違う意味で潤み始め、頬は赤く上気している。
本能では、とうの昔に求めているのに。それでも君は理性で以って押さえ込む。
下らない常識に縛られて、薄っぺらい倫理を愛して。―――そんな事、絶対に許さない。
君を縛っていいのは俺だけ。君の瞳が映していいのは俺だけ。君の唇が織り成す言葉が向けられてもいいのは俺だけ。
「あ・・・・!?」
唇を離し、柔らかな石鹸の匂いがする髪に顔を半分だけ埋めながら君の首筋に舌を這わせ、口付けを何度も何度も執拗に繰り返す。
繰り返しながら俺のものだという刻印を刻み付ける。
可愛い、可愛い、俺の小鳥。
二度と空を飛べないように翼をもいで、何処へも行けないように腱を切り裂き、俺無しでは生きられないようにしてあげよう。
可愛い、可愛い、俺の小鳥。
離れられぬように手錠と鎖で縛りつけ、麻薬と愛で依存させ、俺無しでは生きられないようにしてあげよう。
可愛い、可愛い、俺の小鳥。
常識捨て、倫理を殺し、狂気を信じ、快楽に溺れて――――――どこまでも堕ちていこう。
「愛しているよ―――――――――宮小路瑞穂」
「きょう・・・や、さん――――――――」
もう、君の嬌声しか聞こえない。
明らかなに言い訳
はい。なんていうかもうごめんなさいとしか(涙)
テーマはもちろん禁断の愛で。
恭也×瑞穂でちゃんと両想いですよ?設定では。
・・・なんていうか魔が差したんです。つーか瑞穂は女の子にしかみえないよ!!だからきっと大丈夫です。色々。
でも個人的には黒恭也が書けたので満足だったりします。殺人鬼化した恭也とかもかっこいいだろうなあと思う私は相当歪んでますね(汗)
ダークサイド恭也だとこういう愛し方もありなのではないのかと思いつつ。
ダーク恭也降臨。
美姫 「うーん、ぞくぞくね」
いやいや、ぎりぎりの展開で(笑)
美姫 「こういうのも良いわよね〜」
うんうん。ありがとうございました〜。
美姫 「ございま〜す」