平行世界……そんな言葉がある

いわゆるIFの話だ

もしあの時こうすれば、ああなれば

そんな事を言ってしまえば世界は一分一秒で増えていく

もちろん、そんなに細かい単位じゃ変わることは少ない

だから、眼に見えて変化がわかるのは細かい事が積み重なった時ではないだろうか

例えば一人の人が生きているか死んでいるか

一見この事だけで世界がわかれているように思えるが実際は死ぬ前の事が変化していなければ変わることはない

そして、その前の事が変わるにはその前が……

こんな形で世界はわかれているのではないか

この考えがあっているのなら世界は大まかに分類されているにすぎない

だからこそ同じ事象の流れでも次の瞬間、物語が変わることもある

この物語は、そんな数多くある流れの一つの変化がおこす新たなお話








        魔法少女リリカルなのはA'S

          〜漆黒の王者〜

第零話 プロローグ








――神速――

心の中でそう唱えると俺の視界にはモノクロの世界が広がった

俺が扱う御神流の中で一人前と認められるには必須の技

一人前になるには必須だが剣士としてはもっとも重要だと俺は考える

神速がなければ銃を持った敵には勝てないし、ここ一番で役に立つのも神速だ

即ちこの技が完成しなければ守りたい人を守れない

…………今の俺には関係ないことだが

何故なら俺には守りたい人――守るべき人が一人もいないからだ

叔母、叔父、お祖母ちゃん、従妹、そして父さんもテロで死んでしまった

まぁ、父さんは違うテロである少女を助けようとして死んでしまったんだがな

それに、助けようとした少女もその親も死んでしまった

もし、あの時、父さんがあの人と――高町桃子さんと結婚していたらあるいは…………

だが結局父さんは御神の剣士としていつ死ぬかもしれない自分と結婚したら桃子さんを不幸にしてしまうと思い想いを胸の内にしまった

だから今まで目標にしてきた父さんを失い守りたい人がいない俺はがむしゃらに力を求めた

来る日も来る日も剣を振り体をイジメぬいていた

まだ当時十歳にも満たなかったため当たり前だがある日、俺は倒れてしまった

しかも、その時は人里はなれた森にいたため誰も助けてくれる人などいなかった

死ぬんだ……そう思ったとき俺は出会ったんだ

その人が今では師であり父であり兄であり、そして――


「恭也、神速の練習は俺がいる時にやれと言っただろう」


「あっ師匠!」


     ・・・・
「全くもし俺のように膝を壊してしまったらどうするつもりだ」


「す、すみません」


師匠は嘆息すると俺の眼をギッと見てきた

それだけで冷や汗がでてくる

                           ・・・・
そう、この目の前で俺を睨んでる人こそ俺の今の目標である高町恭也だ

俺こと不破恭也と根を同じくするものだ

少しわかりにくいか?

簡単に言うと師匠は平行世界の人物であるんだ

テロまでは俺と同じ流れだったが、そこから俺と師匠は違う道を歩んでいる

テロでは俺と父さんだけでなく従妹と叔母も生き残ったらしいし父さんは桃子さんと結婚している

そして、なんと父さんはテロにはあったが奇跡的に生きているらしい

だが、その時うけた怪我のため御神の剣士としてはダメらしい

と、まあこのように根は恭也と一緒だけれど違う人生を歩んでいる


「だから神速を無理して使うと…………ちゃんと聞いてるだろうな」


「え、あ、あ、その……聞いてなかったです」


「ふむ、なら言葉ではなく体に叩き込んでやるか」


「ス、ストップ! これから旅立ちなんですし!」


「なら、ちゃんと聞け。とりあえず神速は一日最大五回までだ」


一日五回か…………

もうちょっと練習したいがここで何か言えば地獄を見ることになるだろうし譲歩するか


「はい」


「それと無理言ってしまってすまないな」


「いえ、逆に感謝しています」


俺に新たな選択肢を提示してくれたのだから


「そうか…………恭也」


「なんですか?」


「強制はせんが守りたい人を探してみろ」


何度か言ったが御神の剣士は守る時こそ真価を発揮する

師匠も守る時の強さは普段と段違いらしい

守りたい人、守るべき人…………か


「そうですね。探してみます」


「「…………」」


場を沈黙がしめる

それは息苦しいものではなく逆に気持ちいい沈黙

少しすると師匠は顔を上げた


「時間だ」


師匠の言葉と同時に普通の人にはわからないが時空震動が発生した

細かいことは知らないが俺はこの時空震動で師匠の世界に行く

師匠はやることがあるらしく残るらしい

あっちでの生活については師匠の仲間が色々工面してくれるらしい


「やるぞ八景」


(イエス、マスター)


師匠がデバイス――八景を取り出した

八景とは父さんの武器なのだが何故か師匠のはデバイスとなっている

言うのを忘れていたがデバイスとは魔法を使うための武器のことだ

魔法についてはこれから色々とでてくるだろうから詳しいことは言わないでおく


「準備はいいか?」


「はい」


俺が返事をすると師匠の足元に魔方陣が描かれた

一つ、二つ、三つ――計十二個の魔方陣が輝きを放つ


「…………いい忘れていたがお前は三年生からだからな」


「え?」


今もの凄く爆弾発言が聞こえた

俺、十一歳なんですが


「師匠、俺は十一歳ですよ。それに小学校に行くんですか」


「なのはと同じ学年、同じ学校の方がなにかと都合がいいだろう」


師匠の悪い癖――シスコン全開だな

俺は当たり前だろという風な師匠に呆れを隠せなかった


「他に言い忘れていることないですよね」


「ないハズだ」


「ハズが気になります」


「気にするな。それよりいくぞ」


師匠が八景を真ん中の魔法陣に突き刺した瞬間、俺の意識はブラックアウトした

意識が消える直前に見えたのは真っ黒な空間だった






あとがき


書いてしまった…………

恭也「何をだ? 作者よ」

とらハもなのはも二次作でしか知らないくせに二つのクロスオーバーを

恭也「無謀にもほどがあるぞ」

読者様からのツッコミが凄そうだ…………

恭也「自業自得だ」

とりあえず恭也の口調が一番しんどかった

よく憶えていなかったし

恭也「曖昧な記憶なことだ」

発言が少ないからだ〜〜〜!!!

恭也「こういう性格だから仕方なかろう」

へっ! でも、この作品では子供の恭也で尚且つ盆栽や釣りを趣味にはしてないから可愛らしく喋らしてやるぜ!

恭也「だが俺のような男が可愛らしく喋ったら不気味だろう」

子供の恭也はパッと見たら可愛いハズだから大丈夫

恭也「ふむ、大きな問題すら山積みだから細かい所は気にしないということか」

イエス!!

恭也「そうか」

ってことで次回話も読んでくれると嬉しい…………ような恐いような気もするけど頑張りまっせ〜

おかしいところがあったらバンバンとは言いませんができればソフトにお願いします





二人の恭也。
美姫 「片方は成長して、しかもデバイスまで持っていたわね」
これからどんなお話が繰り広げられるんだろうか。
美姫 「とても楽しみね」
ああ。次回も待っています。
美姫 「待ってますね〜」



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