『HOLY CRUSADERS』







     第十一幕『歌声(ソング)』





忍襲撃事件が幕を下ろし、一週間がたった。悪魔は事件の後急激に姿を現さなくなり、ここ二日はその姿自体見ていない。

まるで事件全てが終結したかのような穏やかな時間が当たり前のように流れていた。

ロゼットはイレインと共に居間でお茶をすすっている。ちなみに今日は土曜日で、恭也と美由希は稽古に出ていて今はいない。

桃子は買い物で出払っていて、レンは病院に行っている。シルフィはというと、

「やぁぁぁぁぁ!!!!」

 庭で威勢のいい声と共に拳を放つ晶の拳を軽く受け流していた。

先日、シルフィが拳術ができると言うことを知って早速稽古の相手になってもらっているようだ。

とはいえ、身長差は44センチどれだけ頑張っても晶の拳はシルフィの顔には届かない。同様に蹴りも届かない。

身長差がありすぎて座ろうかとシルフィが提案したのだが、晶はそれを断って真っ向勝負のほうを選んだのだ。

無謀としか思えないが、それでも晶はシルフィを驚かせる戦いぶりを見せている。

そもそもリーチの差もとてつもないのに、晶はシルフィの長いリーチを逆手にとって零距離戦闘を試みている。

しかし、シルフィもその程度で倒されるほどやわではない。至近距離でも使える膝蹴り、

身長差を利用してのスカイフックと使い分けて戦う。少ないながらも全てに一撃必殺の威力を誇るためこれだけでも十分である。

晶は一撃必殺とはいえどうしても単調になってしまうシルフィの打撃を避けながらいくら鍛えても

確実にダメージが残る左脇腹を最終目的にする連携打撃でシルフィを攻める。シルフィが感心したのは晶の戦い方である。

最終的に左脇腹を狙っていることはわかりきっているが、それにいたるまでの攻撃に緩急の差が激しいのだ。

ゆるい攻撃は相手のカウンターを貰いやすいが、晶はそれを承知で、いや、カウンターを狙って放っている。

その上、すべての打撃に十二分な体重が乗っていて、しっかりとしたガードをしなければシルフィといえども危険なのだ。

と、晶の胸にシルフィの拳が迫った。スカイフックではなく、スマッシュ気味の打ち上げである。

しかし、それは晶がカウンターを誘発させるゆるい攻撃に対する反撃のため、予知されたものであり、その上、

リーチが長すぎるシルフィにとってのこの一撃には十分な威力がない。それは空手をやっている晶には明白なことだ。

晶はその一撃を左手で受け止め、返す右手で左脇腹を狙った。いや、狙おうとしたができなかった。

なぜなら、そのシルフィの一撃によって庭の端まで弾き飛ばされたからだ。

「いやいや、出鱈目に強いね。これは将来が楽しみだよ。後一つ壁を越えられれば素手じゃあ俺、負けるだろうね。」

 晶を弾き飛ばしたシルフィの一撃。それはワンインチ・パンチと言われる零距離戦でも達人と呼ばれるごく一部の人間しか使えない技である。

晶はシルフィに起こされながら既にその一瞬の動きを頭の中で再生していた。

と、何を思ったか起こされてすぐ、晶はほぼ不意打ちと言っていい一撃をシルフィにはなつ。

シルフィは完全に戦闘解除していたため、受けることができず、直撃を喰らって晶と同じぐらい弾き飛ばされた。

「あらら・・・。豪快に吹っ飛ばされたねぇ・・・・。」

 居間でその様子を見ていたロゼットはやる気のかけらも感じさせないような声音でそういった。

イレインもお茶をすすりながらそのことを気にかけてすらいない。晶はまさかくらうとは思っていなかったのか、

大慌てでシルフィを抱え起こした。

「いててて・・・。まさかあれを一回でコピーされるとはね。天賦の才とはまさにこのことか。」

 シルフィは立ち上がると晶の頭をなでて縁側に座った。と、イレインがお茶を二人分、お盆に乗せて持ってきた。

お茶請けはせんべいだ。

「イレインさん、良かったら後で手合わせしてもらえませんか?あれ試したいんで。」

 晶は早速イレインと手合わせをしたいようだ。しかし、イレインの素手での戦闘能力はシルフィを凌いでいる。

イレインは晶の頭に手を置いて

「なら先におとーさんを倒さなきゃね。倒せたら戦ってあげるよ。」

 イレインはせんべいを一枚宙に放るとそれを指一本で受け止める。そのままもう一度放るとそれを手刀で綺麗に半分にする。

それを見て晶が目を点にした。

「戦う時、私これ使うから少なくともおとーさんの攻撃をすべて避けきらないと、最悪、命落とすよ。」

 イレインは淡々と語った。晶はそのイレインの瞳をまっすぐ見つめている。どうやらどうであれ手合わせを願いたいといっているようだ。

イレインは仕方ないねと言って晶との手合わせを認めることとなった。と、そのときどこからともなく電子オルガンの音が聞こえてきた。

電子オルガンの音であるのは明確ではあるが、その音はまるで一流のピアニストが奏でるかのようにシルフィたちの耳に届いた。

そして前奏が終わり歌声が届き始めるその歌声はとても柔らかく、澄みわたり、まるで自然の奏でる交響曲のように庭に、

居間に響き渡った。シルフィたちはしばしその歌声に聞き入った。

(こんな日常を守りたいんだよね・・・。私たち・・・。)

 ロゼットはそのまま目を閉じた。何もおきない日常。これを嫌がる人たちもいる。違う日常を求める人もいる。

でも、何より素晴らしいのはこの何もない日常。ロゼットはこの歌声を聴きながらこの日常を守りたいと再び心に刻み込んでいた。

と、その歌声が終わり、伴奏も終わり、庭に、居間に静寂が訪れる。と、シルフィが手をたたき始めた。心からの賞賛。

それにつられて居間に居合わせた全員が拍手を始めた。その拍手はいつまでも止むことなく続いていたが、

フィアッセが二階から降りてきて、

「そ、それくらいにしてもいいよ・・・。ちょ、ちょっと恥ずかしいし・・・」

 居間に入ってきて、顔を赤らめそういった。とはいえ、もしもライブでやっていたら拍手はまだ止まってはいないだろう。

ロゼットは居間に入ってきたフィアッセにお茶を出して席を勧めた。

「本当に歌、うまいですね。ここまでうまい歌手は今いないんじゃないですか?」

 シルフィはフィアッセの歌声に本当に驚いたようだ。確かにその澄みきった歌声、一部の狂いのない音律。

フィアッセのこのレベルに達している歌手はそうそういないということは素人でもはっきりとわかるものだった。

「そんなことないよ。私よりもうまい人はソングスクールに何人もいるし。」

 ロゼットはそこで自慢しないって言うのも本当にすごいよと言う。シルフィもそうだねといってお茶をすする。

と、晶が立って庭先に出てイレインを呼んだ。イレインもそれに応じて靴を履いて庭に出る。

フィアッセは何が始まるのか察知したらしく、

「晶、イレイン、ほどほどにしないとだめだよ。強くなるのもいいけど、体が第一だからね。」

 二人がこれからするであろうことに注意を促した。二人はそれぞれ返事はしたものの、

ないがしろにするのは火を見るよりも明らかだった。結局、二人の稽古はイレインに一撃も入れられないままイレインの圧勝に終わった。



「そういえばそろそろじゃないか?フィアッセ。」

 夕飯の席で恭也が不意にそうもらした。そう、そろそろフィアッセの復帰ステージが海鳴会館で開かれるのだ。

「来週にもお母さんが来日するみたいだし、そろそろ本格的に忙しくなると思うよ。」

 フィアッセはそういって紅茶をすする。

「そうだね。そうなったらいろいろと手伝うよ。フィアッセさんがそっちに集中できるように全力でサポートするし。」

 シルフィは翠屋の手伝いぐらいならいつでもするよというつもりであるようだ。

学校もあるが、そもそもシルフィにとって見ればもう何十年も前に通ってきた道であるから、さして新鮮味があるというわけではない。

授業中はもっぱら科学の専門誌などを読んで自分が寝ていた空白の間に成立した新しい定理などを勝手に勉強している始末なのだから。

「忍ちゃんの件から大分落ち着いてきたし、ま、大丈夫じゃない?いまさら何があってもさ。」

 ロゼットはそういって紅茶を飲み干すと自室に引き上げていった。シルフィもそれにつれられるように席を立ち居間を後にする。

「いろいろあるだろうけどがんばってください。フィアッセさん。」

 という言葉を残して。フィアッセはそれにうん。と答えただけだったが、そのときはこの言葉の大きな意味に誰一人として、

言葉を発したシルフィでさえも気づいてはいなかった。





海鳴市のはずれにある古びた廃ビル。バブル期に立てられたのだろうか、

ぼろぼろになった内装にもどこか高級感というものが感じ取ることができる。

また、いくつもの部屋があることからおそらくここはビルというよりもホテルだったといったほうがいいのかもしれない。

しかし、現在の状況から見てビルであろうとホテルであろうとマンションであったとしてもそんなものは関係なく、

ただ時代の遺物のひとつとしか見受けられてはいないだろう。

その廃ビルの屋上に一人の女性が立っていた。そこからの眺めはひとしおで海鳴市を一望できるものだ。

しかし、その夜景には似ても似つかないものをその女性は持っていた。日本刀だ。

しかも同じ長さのものを二振り持っているということは二刀流であるということが容易に想像がつく。

誰かを待っているのだろうか。それともほかに理由があるのだろうか。それは彼女のみが知るところである。

と、彼女の後ろに黒いスーツに黒いサングラスといういまどき見られないような服装をした男性が現れた。

夜にそのような服装をするあたり、表立って動いている人物でないことは容易に想像がつく。

「さて、今回の仕事が最後だ。これが終わればお前のほしい情報、すべてくれてやる。手段これといって指定しない。

お前の好きなとおりにやればいいさ。ま、どうせそれを使うことにはなるだろうがな。」

 男性は矢継ぎ早にそういうとそのまま闇の中に消えていった。男のいう仕事とは何なのだろうか。

それはその男と振り向きもしなかった女性だけが知っていることだろう。

男が消えて数分後、その女性はおもむろに二振りの日本刀の鯉口を切り、ビルの中に消えていった。

果たしてそれと関係があるのかどうか、翌日、その廃墟で十数人の斬殺死体が見つかった。






 その事件の報道が薄れだした一週間後、ティオレ・クリステラが来日した。

日本のメディアはこぞって我先にとその報道をして午後のワイドショーの話題もほとんどがそれになっていた。

時を同じくしてシルフィとロゼットは警察にいた。警察といっても悪魔の事件を主に取り扱うために創設された

部署のリスティの元にで働くことになったのだ。理由は至極簡単である。教会と仲違いをしたのだ。

フィアッセについての処遇である。日にちはこの日より、三日さかのぼる。シルフィの下に協会から一本の電話が最初にあった。

それが事の発端である。

「フィアッセさんツアー参加をやめさせての身柄を教会が引き取る!?何わけのわからないこといってるんですか!?

秋姫ちゃんならまだしもフィアッセさんは関係ないでしょう!!」

 シルフィは珍しく感情的になっていた。それはロゼットですらほとんど見たことのないシルフィの一面だった。

ロゼットも驚いて箸でつかんでいたご飯を落としてしまった。ちなみに場所は高校の屋上である。

シルフィはしばらく電話の相手と口論を続けていた。日本語で話していたためロゼットは何を言っているのか、ちんぷんかんぷんだが、

一緒にいた忍は聞き取れはしているものの、内容がちんぷんかんぷんのようだ。と、シルフィが荒々しく電話を切ってその場に座り込んだ。

「な、何だったの?」

 ここまで機嫌の悪いシルフィを見るのはロゼットも初めてで、どういう風に接触すればいいかさっぱりわからないようだ。

「教会がフィアッセさんの身柄を引き渡せって言ってきた。どうやら彼女は『御使い』らしい。」

 とシルフィはロゼットに説明した。忍には通じてないものの、ロゼットにとって説明はそれだけで十分だった。

「じゃあ、アズマリアと同じ・・・?」

 ロゼットはかつての友、アズマリアのことを思い出した。彼女は『御使い』の一人でその力はパンデモニウムの動きを封じるほどの力を

持っている。当然、その力はパンデモニウムの復活にも利用できるはずである。

教会にとってそれだけは事前に防がなければならないものだった。

「だからといって身柄を引き渡したりなんかできないだろ。もし引き渡したら十中八九戦いが終わった後もむこうに拘束されるに決まってる。

昔みたいに行けばいいけど、どうも今の教会、すべて信じるわけにはいかないみたいだし。

なにせ、俺たちのことを1945年以降死亡ってことにしてるし、パトリシアさんもどうも信じきるにはいまいちって人だ。

おまけに上層のやってることがさっぱりわからない。俺たちのときとは大違いだ。」

 そういって、シルフィは再び続ける。

「とはいえ、向こう側に面切って反対した上に自分からそんなことをする所にいる気はないといった以上、

教会からははずされるだろうね。ロゼットはまだはずされはしないだろうけど、たぶん今に連絡が来るんじゃない?」

 とシルフィがいったそのときロゼットの携帯がなった。ロゼットはしばらく携帯を眺めていたが電話に出ることはなかった。

それは自ら教会から離れるということを意味していた。

「いいのか?」

 シルフィがロゼットにたずねた。

「うん。別に教会のために戦ってるわけじゃないから。私はあれを繰り返さないために戦ってるんだもの。」

 ロゼットはそういって携帯をポケットの中に押し込んだ。

「どうやら教会は本気でことに当たるつもりらしい。俺たちはその中でフィアッセさんの身柄引き渡しを拒んだんだ。

最悪、教会側とやりあう羽目になるかもしれないね。」

 シルフィのその言葉にロゼットが反応した。

「ちょっと待ってよ。まさか教会とやりあうって、人間とやりあうことになるかもしれないってこと?」

 どうやらロゼットが言いたいのは人間とも戦わなければならないのかということのようだ。

「最悪、ね。どうやら教会は今回の事件を機に何かをしようとしている気がする。

邪推ってわけじゃないけど、もしかしたら古神四大神の裏に絡んでるかもしれないね。」

 とシルフィはロゼットに返す。シルフィのその推測の根拠はどこにあるのだろうか。

おそらく、何か知っているのではないだろうか。ロゼットはそんな感じを受けたが、あえて聞かなかった。

「でも、どうしよう。教会と絶縁状態になったんなら、福音弾(ゴスペル)も聖火弾(セイクリッド)も今ある分で戦わないとまずいんだよね・・・。」

 とロゼットは今後の戦いに備えての装備に不安をもらした。確かに、教会と絶縁状態になればこれ以上の補給は望めなくなる。

シルフィは武器が刀だからいいものの、ロゼットは銃である。当然弾は使い捨てだ。

しかも、忍の件もあってこれから先、いつ終わるとも知れない戦いなっている以上、いつでも補充できなければ心もとない。

四聖文字砲があるが、それ一丁だけでこれから戦っていくには不十分だろう。

「・・・・ねえ、良かったらその銃弾ちょっと見せてもらえる?」

 忍はそういってロゼットにその銃弾を見せてもらおうとした。

ロゼットは制服の仲に隠し持っていたヤスミノコフ2000Hから一発銃弾を取り出すとそれを忍に見せた。

「んー・・・・・・。家に帰ってばらしてみないとはっきりとはいえないけど・・・これに似たのならできるかも。

これって聖火弾っていうだけあってやっぱり特殊な鉄使ってるのかなあ?考えられるのは教会にある銀十字溶かしたのかな・・・・。」

 と忍は受け取った銃弾を眺めてつぶやいた。

「つ、つくれるの!?」

 それにはさすがのロゼットも驚いた。まあ、教会でしか作れないと思っていたものを一介の女子高生が作れるとは思わなかったようだ。

まあ、壊れたノエルを復活させた経緯からしてできてもおかしくはないが。

「うーん・・・。こっちなら何とかなると思うよ。まあ、素材があればだけど。後、もう一発は見てみないとわかんないなぁ。」

 と忍は返事をして銃弾をロゼットに返した。

「ところで、これからどうするの?」

 ロゼットは忍から銃弾を受け取りながらそう答えた。シルフィはつてが一つだけあるといって自分に任せるようにいった。

そして今、リスティの部屋にいるわけである。

「なるほどね。そういうことがあったのか。まあ、今の教会は結構胡散臭いところがあるからね。

まあ、ある意味、懸命な判断だったんじゃないか?そういうことなら事情はわかったよ。今日からこっちの旗の下ですればいい。

僕は基本的に口出ししないから好きなようにしてかまわないし。あ、でも、一つだけ仕事が増えたんだ。

さっきの事を聞いておそらく関係ないってことはないんじゃないかな。」

 リスティはシルフィから事情を聞いてそれならばと自分の旗の下で活動することを進めた。

シルフィとロゼットは当然反対することもなくそれに従った。そしてリスティの取り出した封書の中の手紙に目を通す。

 手紙に書かれたのはクリステラ・ソング・スクールの日本公演を中止にするようにとの文章があった。

「これは・・・。」

 ロゼットはそういってリスティを見る。

「ああ。昨日、日本についたティオレ・クリステラのホテルの部屋のドアに挟まっていたらしい。

最初は単なるいたずらかと思ったが、君たちの話を聞いてみるとどうやらいたずらには思えなくなってね。」

 シルフィはそれを眺めて一言、

「・・・教会でも古神四大神の手でもないでしょうね。おそらくは別の組織じゃないでしょうか。

でも、フィアッセさんが御使いと判った以上それを狙ってのことでしょう。動くべきですね。」

 シルフィはそういうと壁に立てかけられていた一本のケースを手に取る。

「ああ、それがお前さんの言っていたヤツだ。しかし、ここの警察も裏で何してるかわかんないな。

まさかそんなものが世界にあるとは思いもよらなかったよ。案外、ここが一番信用にならないのかもしれないね。」

 リスティは言いながらタバコをふかす。

「なに?それ?」

 ロゼットがそれがなんなのか分らず、シルフィに尋ねる。シルフィは少し笑ってその中から一振りの剣を取り出す。

刀身は蒼く澄み、この世の鉱物でないことは一目でわかる。

「ラヴィス=カノン。この世界に現存する唯一の超古代文明の遺産だよ。ハミルトン牧師が持ってたやつもこれと同じと思っていいと思う。」

 シルフィはそういうと剣を振る。と、今まであったはずの切っ先が消えてしまった。

どうやらその刀身はハミルトン牧師の持っていたあの剣と同じつくりのようだ。

「古神四大神相手となると・・・・いや、かーさんが相手となるとこれを使わないと勝てっこないからね。」

 シルフィはそういって柄だけになったラヴィス=カノンを懐になおしてドアの前に立つ。

「ありがとうございます。リスティさん。」

 シルフィは頭を下げて先に部屋を出た。ロゼットも後を追って出ようとしたが、それをリスティが呼び止める。

ロゼットはなんですかとシルフィの机の前まで来た。

「全く、シルフィも照れ屋だね。はい、これをキミに。」

 リスティはそういってロゼットの前に一丁の銃を置いた。

「ヘブンパニッシャーって言うらしい。これも超古代文明の遺産なんだそうな。」

 ロゼットは自分の前に置かれた銃を手に取り、それを構える。

「おいおい、間違えても撃ってくれるなよ。シルフィ曰く、威力は四聖文字砲の十倍はくだらないらしいからな。」

 リスティは犯人のように手を上げてそういった。しかし、驚いたのはロゼットである。

四聖文字砲の十倍はくだらないとなると、ある意味使い物にならないんではないだろうか。

 ロゼットは礼を済ませてシルフィを追い、警察署を後にした。

「ありがと、シルフィ。」

 ロゼットはそういってシルフィと手を繋いだ。シルフィは真っ赤になって一言うんとだけ答える。

「さて、これからが正念場だ。何があってもフィアッセさんを守りきってパンデモニウムを復活させないようにしないと。」

 シルフィはそういって決意を新たに、迫りくる脅威に立ち向かうことを示す。

「そうだね。あれは絶対に復活させちゃいけない。絶対に・・・・。」

 ロゼットもそれに応じて決意を新たにする。







新たに迫りくる敵の脅威。





フィアッセを狙う三つの勢力。





シルフィとロゼットの戦いに最大の危機が訪れようとしていた。












(あとがき)




いや・・・、本当に久しぶりの投稿だな。

(フィーネ)テスト、お疲れサマ。

おう。一応これで無事、大学生活における一年目は終わったってことだ。

(フィーラ)勉強勉強行ってたわりにろくに勉強してなかったような気がするけど?

うむ。ラジアータ・ストーリーズにはまってな。まだおわってないから暫くはそっちもしないと。

(フィーリア)ちゃんと小説も書いてね。

無論だ。やっとかけるようになったんだし、ペース戻して頑張るぞぉ!!

(フィーネ)そうそう頑張って。

おう!!リリカルなのはの第二期シリーズも製作予定があるって話しだし、モチベーションは最高だ!!!

(フィーネ)なかなかの壊れっぷりね。

うむ・・・。最近どうもな。ここんとこキテる。毎日がネコソギラジカルだ。

(フィーネ)わけわかんないこといわないでよ。しかも、ネコゾギラジカルってあんたが最近読んだ小説じゃない。

まあな。でも、なんか、毎日があんな感じだ。

(フィーリア)ともあれ、これからも頑張ってね。

おう!!じゃあ、魔法少女リリカルなのは、第二期シリーズ製作予定アリと言うことで今日は飲むぞー!!!

(フィーネ)あんた未成年でしょ!!!おまけになによその理由!!!

馬鹿言え!!これは非常に重要なことだぞ!!ハウルの金獅子賞なんかよりも世界的に考えて重要なことだ!!

(フィーラ)あ、また始まった。

むしろ、今後の製作に非常に影響すること・・・

(フィーリア)ちょっとシャラップね。

ぐはあっ!!!!

(フィーネ)じゃあ、次回、第十二幕!!

(フィーラ)「魔石使い(ジュエルサモナー)」で。

(フィーリア)ついにあの人が登場!!!

(フィーネ&フィーラ&フィーリア)乞うご期待!!!!

(フィーネ)ところで、クロスワールドのほうなんだけど、外伝含めて人気あんの?

(フィーラ)さあ?微妙ってとこ?ジャンプなら連載二話で打ち切り決定じゃない?邪○台○記みたいに。

(フィーリア)テコ入れの必要アリかも。

(フィーネ)無理でしょ。あっち、はじめっから物語自体破綻してるし。

(フィーラ)主人公に敵無しっていうのがねぇ・・・。

(フィーリア)私は好きだけどなあ・・・。ああいう物語。

(フィーネ)好みだけでやってけないわよ・・・。少年ジャ○プだって人気至上主義なんだから。

って、まだカメラ回ってるじゃない!!ちょ、ちょっとさっさと止めなさい!!

『ぶちっ・・・・。』(お見苦しいところをお見せしました。)


フィアッセを狙う三つの勢力。
迫り来る、謎の影。
美姫 「まあ、そっちの方は彼女だと思うんだけど」
いや、意外と違うかもしれんぞ。
と、今回は二人の新しい武装が出てきたな。
美姫 「そうね。そして、新たな真実も」
次回がどうなるのか。
美姫 「これまた非常に楽しみな展開よね」
うんうん。次回も楽しみに待ってます。
美姫 「待ってます〜」



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