『HOLY CRUSADERS』
第十二幕『魔石使い(ジュエルサモナー)』
シルフィとロゼットがフィアッセに対する脅迫状が届いたことを知った翌日、海鳴に一人の女性が降り立った。
海鳴ではほとんど見かけることもない、高級車に乗っていたその女性はクリステラ・ソング・スクールがコンサートを行う
ホールのあるホテルに着くと、車から下りてそれを見上げる。
「この国もこんなふうになってるなんて・・・。七十年前からしたらそれこそ驚きね。」
ホテルの前に立った女性はそんなふうにつぶやいてホテルに足を運ぶ。しかし、その女性は七十年前から考えるといったものの、
どこからどう見てもまだ二十代はじめといったところだ。その女性はホテルにチェックインするとそのまま部屋に向かった。
その階にはティオレ・クリステラが泊まっている。おそらくは今回のコンサートを聞きに来たのだろう。
その女性は部屋にはいるとベッドに飛び込んでつぶやいた。
「ロゼットたちも生きてたら、これが見れてたかもね・・・。」
ロゼットの名前をつぶやいたその女性は左手に大きな宝石の埋め込まれたグローブをはめていた。
「で?恭也はフィアッセさんの護衛につくんだ。」
シルフィは道場の中で恭也にそういった。二人ともタオルを手に汗を拭いている。どうやら剣を交えていたようだ。
「ああ。昨日フィアッセから頼まれた。お前だから言っても大丈夫だろうから言うが、ティオレさん宛に脅迫状が届いたらしい。
それをうけて・・・・な・・・・。」
恭也がそう言ってことの経緯を説明した。シルフィもそのことは知っているが、あえて口には出さずに、別の情報を恭也に告げる。
「実は、俺、教会と仲違いをしてね。どうやら教会もフィアッセさんの狙ってる。だから、俺も少し警戒しようと思ってるんだ。」
その言葉に恭也は少し驚いた。
「仲違いって・・・。それに教会が・・・?」
恭也の言葉にシルフィが返事をする。
「うん。フィアッセさん、どうやら教会にとって重要な人物らしいんだ。昨日、そういう電話がかかってきて、
身柄を引き渡すようにいってきたから反対したら破門だってさ。ロゼットも俺と一緒に抜けたから、
教会にとっても俺らは敵ってことになってるはずだよ。」
シルフィはそう言うとおもむろに立ち上がってラヴィス=カノンを手にとって恭也に向ける。
「そういうわけだから俺とロゼットもフィアッセさんの護衛につくよ。教会の始末は教会にいた者がつけるべきだからね。」
恭也は立ち上がって小太刀を腰にかけると一振りを抜き放って腰を落とす。
「それはいいが、日下部のほうは大丈夫なのか?」
シルフィはラヴィス=カノンを構えなおして、右足を後ろに引く。
「大丈夫だよ。連中、前回手に入れた懐中時計を直すのに時間かかるだろうし。それまでは安全と言い切ってもいいだろうね。
そういうわけだから・・・。」
ラヴィス=カノンの切っ先が見えない範囲で動く。
「そうだな。」
恭也の目つきが一段と鋭くなる。
「日ごろの鍛錬は欠かせない。」
二人の声が重なった。と、同時に二人が動く。目視はできるがその動きは剣士として超一流の部類に入るといっていいだろう。
二人はそれから4時間、ノンストップで剣を交え続けた。
「うーん・・・。聖火弾(セイクリッド)のほうはなんとかなりそうだけど、福音弾(ゴスペル)は無理っぽいなぁ・・・・。」
忍は自分の家のラボにロゼットと共にこもり、二つの銃弾をしばらく分析してそういった。
「聖火弾(セイクリッド)のほうは成分検査と時代検査からして使ってるのは中世の銀なんだけど、
福音弾(ゴスペル)のほうはわかんないんだよなぁ・・・。なんなんだろ・・・。
成分もほとんど聖火弾(セイクリッド)とは変わりないんだけどなぁ・・・・。」
忍はそうつぶやくと再び検査結果の書かれたペーパーに目をやる。
「確か、福音弾(ゴスペル)は祝福儀礼が施されてたような気がするんだよね。実際、昔も福音弾(ゴスペル)はあんまりいっぱいなかったし。
でも、本当に聖火弾(セイクリッド)、作れるの?」
ロゼットは日本語でかかれて読めもしないペーパーを眺めながら忍に尋ねた。
「うん。素材さえ手に入ればね。っていうか、いっそ炸裂弾かなんかにしたほうがいいかも。
今こんなに古い銀なんか手に入らないだろうし、おまけに教会が作ってたってことはこの銃弾、
元々は十字架だって考えたほうが妥当じゃないかな?悪魔に効果的面だっていうのもそれなら筋が通るし。
とにかく、この銃弾作るには素材の入手が一番難しいね。」
忍はそう言って机の中から一発の銃弾を取り出してロゼットに手渡す。
「一応、代わりになりそうな銃弾作って見たんだけど、どうかな?その銃弾はあくまでサンプルだからロゼットの使ってる銃には
あわないかもしれないけどね。ちなみにその銃弾、弾殻は純鋼製チタニウム加工弾殻で装薬はニトログリセリン。
弾頭にはニトログリセリンとパーシヴァル火薬を混合させて使ってる。撃ったときの衝撃は多分44マグナムレベルだろうけど、
一発で人間ぐらいなら、はじき飛ぶんじゃない?まあ、かなり反則な銃弾だけど、
前の戦闘を見たらこんぐらいじゃないと無理かなぁって思ってね。劣化ウラン弾使うのもありかなぁなんて考えたけど
あれ人体に有害すぎるからね。」
説明を聞いていたロゼットは自分の握っている銃弾の危険性を聞かされてさすがに真っ青になった。
「ちょ、ちょっと待ってよ!!装薬にニトログリセリンって・・・。ダイナマイトの小さいのを手元で爆発させるみたいなもんじゃない!!
っていうか、忍、そんな危険なの一体どこから手に入れてきたのよ!?」
ロゼットのあわてように忍は少し笑いながら、
「大丈夫だって。ノエルにためし撃ちさせて見たけど、手はふっとばなかったし。
ロゼットでも十分使えると思うよ。ためしに撃ってみる?」
忍はそう言ってラボを出るとロゼットを地下の射撃場に連れて行った。
「な、なんでこんなものまで・・・?」
ロゼットの言葉にも無理はない。普通の家にこんなものはないはずだ。
「力になるって決めたからね。速攻で作ってみたんだ。」
忍はそういいながらロゼットに一丁拳銃を手渡した。
「これがこの銃弾用の銃よ。撃ってみて。」
ロゼットはそれを受け取るとイヤホンをつけて的にむかって構える。装薬にニトログリセリンを使っている以上油断はできない。
ロゼットはしっかりと構えてそれを撃った。銃声は普通の銃声と変わりないものの、衝撃は福音弾(ゴスペル)よりも激しい。
しかし、耐えられないほどのものでもないため、何とか使える銃弾とは言えるだろう。ちなみに、的は粉々に吹き飛んだ。
「あ、案外いけるかも。」
ロゼットは率直にそうもらした。実際、銃弾としてはかなり使える部類のようだ。
「昔はここまでの技術なかっただろうからね。やっぱり悪魔殺しも時代に応じて近代化していかなきゃ。
じゃあ、こっちのほうをロゼットの銃にあわせてつくろっか。聖火弾(セイクリッド)も作ってはみるけど、あくまで素材が手に入ったらね。」
忍はそう言うとロゼットが腰に下げていたヤスミノコフ2000Hを抜き取るとラボに歩いていく。
ロゼットも忍について射撃場を後にする。どうやら銃弾については何とかなったようだ。
・・・・・・危険物所持、銃刀法違反のような気もするが。
ところ変わって香港。高層ビル群が立ち並ぶが、繁華街から裏路地に入ると時代に取り残された人々や、職を失った人々、
表舞台では活動していないような人々が生活している。そこに一人の女性が、場違いもはなはだしい真っ白なゴスロリチックな服を着て
歩いている。
「しっかし、ここはいつ来ても変わらないねぇ。この雰囲気、嫌いじゃないんだけど。」
その女性は裏路地にひときわ高く聳え立つビルの中に入っていく。
「おい!!貴様!!」
場違いな服装がたたったのか、入り口に入ってすぐ、警備員に呼びとめられてしまった。しかし、女性はそんな声、どこ吹く風、
完全に無視してエレベーターに向かって歩いていく。しかし、警備員のほうは無視していない。
すぐに数人が女性にむかって駆け寄って行く。
「あは♪」
しかし、駆け寄っていく警備員たちが彼女に触れることはなかった。彼女の手には二本のナイフ。
刃渡り20センチほどの通常サイズだが、まだ彼女と警備員との間合いは優に3,4メートルはある。
接近した気配も感じられないし、何より返り血を浴びていない。警備員の体が四肢をバラバラにされているにもかかわらず。
「うーん、あいつも部下の躾がなってないなぁ。ま、どうせ日雇いかなんかなんだろうから変えはきくでしょ。」
女性は自分が殺したにもかかわらず、まるで始めからそうであったかのようにエレベータに乗って最上階を目指す。
一分もたっていないだろう、エレベータは最上階に到着した。女性は最上階につくと何もなかったかのようにエレベータを下りて、
その目の前に見える大きな扉にむかって歩いていく。女性はそのまま躊躇うこともなくドアを開けると、部屋の中にいる男性に話しかける。
「はろ〜♪呼ばれたから来たよ〜♪」
女性はかわいらしい声で言いながら男性に近づいていく。
「あいも変わらず、テンションが高いな。まあ、いい。今回の仕事に関する書類は机の上にあるのですべてだ。」
男性はそう言って女性のほうを向く。顔立ちからして日本人だろう。女性は机の上の書類を取り上げると軽く目を通していく。
「ふーん・・・。『御使い』フィアッセ・クリステラの暗殺ねぇ・・・。別にかまわないんだけど、『夜烏』をもう派遣してるんでしょ?
別に私が出向くまでもないんじゃない?おまけに、あくまでコンサートの中止を要求して拒否したら殺すってあるけど、
向こう側が中止したらどうすんのさ?」
女性は書類をつく柄に乱雑に放って、男性の机の前に立つ。
「なに、最後の保険と言うやつだ。確かに、『夜烏』は相当な使い手だが、とはいえ、人間だからな。失敗しないとも限らない。
コンサートにしてもそんなのはどうだっていいんだよ。まあ、十中八九、向こうが中止にすることはないだろうから、
そうしたほうが後々の始末が楽で済むと言うだけの話しだ。」
男性はそう言うと机から葉巻を一本取り出すとそれをふかす。
「ま、いいけどさ。『龍』としてはなんで古神四大神の依頼受ける気になったのかしら?
むしろ、自分は神様だって言ってるやつらを怪しいとは思わなかったの?」
女性はそう言うと腕を組んだ。その一瞬、男性が吸っていた葉巻の先端が宙に舞う。それだけではなく、
宙を舞った葉巻の先端は地面に落ちる前に四つに切断されていた。
「お前のようなやつがいて、どうして神の存在を否定できようか。お前はそれに一番近い存在だろう?
それに、金さえ積まれればなんだってするさ。将来必要になる資金集めをするための組織に過ぎんからな『龍』は。」
男性は別段驚くこともなく再び葉巻に火をつけなおす。
「ふぅん・・・。ま、いいけどね。じゃあ、あたしもそろそろ行こうかな。」
女性は言いながら男性の後ろに回り、壁一面の張りガラスの前に立つと、それをたたき割った。
「後は任せたぞ。『死装束』、『死色の純白』、九重和。」
男性はこれといってガラスを割ったことに腹をたてていないようだ。そういうと和の後ろに立って肩をたたく。
「ま、期待しててもいいよ。将来の日本国総理大臣、七海隆さん?」
和はそういうとそのまま外に飛び降りた。裏の世界では史上最強、『死装束』、『死色の純白』と呼ばれる殺人鬼、
九重和がフィアッセ暗殺に本格的に動き出した。
ロゼットとシルフィは今回、フィアッセがコンサートを行うホテルのホールに来ていた。
ホールの広さとしてはかなり広い部類に入るだろう。作りからも音響は申し分なく、まさしく歌姫復活の場としては相応しいところだ。
二人はフィアッセが会場視察に行くということで恭也たちと共に護衛としてやってきた。
「うひゃぁ・・・。広ぉ・・・。」
ロゼットはそのホールの広さに驚いていた。シルフィも声には出していないものの、結構驚いていたりする。
シルフィたちの時代にも広いホールは当然あったが、それよりも圧倒的に広いようだ。
「これだと、本番までに十全にしとかないと、ケリつけ損なってたら、ここでフィアッセを護衛するのは至難の技だね。」
シルフィもその広さからここでの護衛は不可能に近いことを確認したようだ。
フィアッセはさっきからティオレと共にホテルの一室でこのホテルの支配人たちと話しをしている。
「さて、俺たちもフィアッセさんのとこに行こうか。」
シルフィはそういうとロゼットの手をとってホールを後にした。一階ロビーの中央階段、シルフィとロゼットがそこについたとき、
一人の女性が中央階段から下りてきた。その女性は秘書と思われる人物をとなりに従えて階段のど真ん中を歩いて下りてきた。
しかし、その女性は、階段の中ごろで足を止めた。シルフィとフィアッセもその女性を視認してから一歩も動けていない。
「ロゼット・・・シルフィ・・・?」
秘書を連れた女性がそうつぶやく。
「サテラ・・・?」
ロゼットとシルフィも声をそろえてそうつぶやく。
「え・・・?うそ・・・?ふたりとも・・・・?え・・・・?」
秘書を連れた女性は軽く混乱しているようだ。
「サテラ!!!」
ロゼットはその女性をそう呼ぶと階段を一気に駆け上がっていき、そのまま飛びついた。
「ロ、ロゼット・・・?ロゼットなの!?」
サテラは自分に抱きついてきたロゼットをそう呼んだ。ロゼットはそうだよ、ロゼットだよと返す。
サテラはそれを聞くと、ロゼットを抱き返した。
「おやおや、これはこれは。どうやって今までの時間を過ごしてきたかは知らないけど、やけに若いね。サテラ。」
シルフィもサテラのそばに歩み寄るとその肩をたたく。
「あ、あんたたちだってどうやって今まで生きてきたのよ。公式記録じゃ死んだことになってるし、
どう考えてもあんたたちだって若すぎじゃない。」
サテラは顔を上げると涙で目を潤ませたままシルフィの方を向いてそういった。
「ま、いろいろとあってね。おかげさまでこうやって今も生きてるよ。」
シルフィははぐらかす様にそういってサテラの頭に手を乗せた。ロゼットはサテラの胸に顔をうずめて泣いていた。が、
「サテラ・・・胸大きくなった・・・?」
ロゼットは顔を上げるとサテラをにらみつける。
「へ?」
ロゼットの一言は感動の再会をぶち壊すのには十分なものだった。
「むっかー!!!なんでまた大きくなってんのよ!!!」
ロゼットはサテラと距離をとると指をさしてそういった。シルフィはくすくす笑いながら二人のやり取りを見ている。
サテラも少し驚いたものの、かつて、ロゼットたちと一緒に過ごした日々を思い出したのか、
昔に戻って笑いながらロゼットの相手をしていた。そのときの三人は、70年という月日がたっているにもかかわらず、
70年前となんらかわらないものだった。
「で?アイオーンの時間凍結のおかげであの時は事なきを得て、三年ほど前に目を覚ましたってこと?」
ロゼットはフィアッセの元にむかいながらサテラにそういった。
「そうよ。信じられない?」
サテラは腕を組んだままロゼットを見る。ロゼットは首を振ると、
「信じられないも何も。筋は通ってるじゃない。信じるとか信じないとかいうなら、あたしのほうが筋とおってないんじゃない?
そもそも、あたし30年生きられなかったはずなのに今も生きてるんだから。」
ロゼットがそういうとサテラはそれもそうねと笑った。と、突然、前を歩いていたシルフィが立ち止まる。
ロゼットがどうしたの?と聞いたのとほとんど同時だった。フィアッセたちがいる部屋から恭也がドアを突き破って放り出されたのだ。
「恭也!!」
シルフィは恭也にかけよって抱えおこし、ロゼットは四聖文字砲を手にもつとフィアッセのいる部屋に踏み込んだ。
その部屋には確かに、フィアッセとティオレ、美由希の姿があった。しかし、美由希は床に倒れこんでいる。
だが、そこにはもう一人、黒い服に身を包み、二本の刀を携えた髪の長い女性が立っていた。
「今は加減したが、私はこれ以上のことができると思ってくれ。そのことを考慮に入れて今後のことを考えてほしい。」
黒い服の女性はそう言うとロゼットに向きなおす。
「君もやめておいた方がいい。できれば怪我はさせたくない。」
そのまま黒い服の女性はロゼットの横を普通に通り過ぎて行く。ロゼットは動けなかった。すさまじいまでの威圧感。
体が動かなかったのだ。しかし、その前にシルフィが立ちふさがった。
「さっき言ったはずだが。」
黒い服の女性は立ち止まると鯉口をきった。シルフィもロングコートに隠していたラヴィス=カノンを抜き放ちかまえる。
「フィアッセさんの邪魔はさせません。諦めてください。」
シルフィはそういうが、しかし、始めから通じる相手ではないと言うことはうすうす気がついていた。
「そういうわけにはいかない。私にも理由がある。」
言うや否や、黒い服の女性はシルフィに駆け寄る。恭也をはるかに凌ぐ速度で。一瞬の出来事だった。
シルフィは一切手を出すことができず、その場に倒されていた。血が出ていないところをみると刃は立てなかったのようだ。
「もしも、これ以上被害を出したくないなら中止してください。それでも中止しないと言うのならば、
そのときは・・・・わかっていますね。」
黒い服の女性はそう言い残すと今度こそその場を去った。ロゼットとサテラは倒された恭也、美由希、シルフィを抱えおこし、
ベッドにフィアッセたちの力を借りて運んだ。
「でも、一体なんだったの?」
サテラは一階の喫茶店にロゼットをさそうと事の次第を聞いた。ロゼットはサテラということもあって
今自分たちが置かれている状況を詳しく説明した。
「時代はくり返す・・・・か・・・・。」
サテラはそうつぶやくと暫く目を閉じて何かを考えるように腕を組んでいたが、目を開けるとロゼットの目を見て話し始めた。
「本当にあんたたちって厄介ごとに巻き込まれやすいわね。まあいいわ。・・・・・手伝って上げたいのは山々なんだけど、
今は見てのとおり生家の企業の頭取をしてて残念ながら手伝えないの。
それに、魔石使い(ジュエルサモナー)としての力もなくなっちゃったから・・・。」
ロゼットはそれを聞くと首を振った。
「そんな、手伝ってもらわなくたっていいわよ。サテラが忙しいのはわかるし、もう、闘う理由だって今回についてはないんだから。
私たちに任せてよ。さくさくっと・・・とはいかないと思うけど、絶対に阻止して見せるから。」
ロゼットはそういってコーヒーを飲み干すと、おもむろに立ち上がった。
「でも、まさかシルフィと恭也君がやられちゃうとは思わなかったな。結構、マジでヤバイかも。善後策、立て直さないと。
ごめんね、あんまり話せなくて。」
そう言い残すとロゼットは喫茶店を後にした。一人残されたサテラは一人コーヒーを飲んでいた。
確かに、表立ってはもうロゼットたちを助けることはできない。でも、最大限の協力をすると心に誓って。
圧倒的な刺客の強さ。
まだ姿を現していない古神や教会、『死装束』。
闘いは最悪の方向にフルスロットルで加速を始めていた。
あとがき
さて、今回の更新で最大の目玉にして更新四作目HOLY CRUSADERS第十二幕、いかかでしたか?
(フィーネ)定番ね。無難だけどその出だしはないんじゃない?
俺もそう思う。失敗だったな。まあいいや、ついに美沙斗さんが動き出したぞ。
(フィーラ)強すぎない?なんか、原作より強い気がするんだけど・・・。
うん。原作より強めに設定してみました。まあ、その分、恭也も強くなるんだけど。
(フィーリア)まあ、そうでもしないとこれから先生き抜くことなんか不可能だよね。
そういうこと。
(フィーネ)でも、教会と仲たがいさせるって言うのも、なかなか・・・・。
うーん・・・書いてるうちになかなか教会の連中を出せなくてねぇ・・・・。
(フィーラ)だから、いっそのこと敵に?
そういうことになるね。じゃあ、続いて最後の更新、第十三幕『神と悪魔と』にいってみよー!!!
美沙斗、強し!
美姫 「果たして、恭也たちは無事にフィアッセを守ることができるのか!?」
次回、『神と悪魔と私♪』
美姫 「いや、それ違うから。って、それは私がやるつもりだったのにぃぃ」
ふっ、お前の考えぐらい、お見通しだ。
美姫 「……だったら、そんな事をした後、どうなるのかも分かってるわよね」
……(汗がダラダラダラ)
ふっ、も、勿論だよ(ガクガクガク)
美姫 「ふふふふふ♪」
ア、アハハハハハ。
美姫 「うふふふふ」
アハハハハ。