お読みくださる皆様へ

この作品では「IZUMO2」「とらいあんぐるハート3」のクロス作品ですが原作とは違った人間関係や世界関係が成り立っています

念のためですが「恭也は一歳だけ年が若くなってる」「海鳴の住人の一部が出雲に居ます」

「IZUMOのキャラの数人が、とらハのキャラと入れ替わってます」

ご容赦ください

 

 

 

トライアングル IZUMO   

不破たる剣の閃記

 

 

 

4話「FAZE to love知らない世界へ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なお部員達の名前はウケ狙いの為に色んな場所から取ってきてます

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「恭也・・・お前に負けるわけにはいかない・・・!」

「勇吾・・」

鬼気迫る勢いの勇吾に恭也は戸惑っている。

が、それでも一歩も引かずに正面から見据えていた。

(覚悟か・・)

「あの日」の誓い。

自分の目標たる父。

傍若無人で理不尽で子供臭くて無計画で・・それでも優しかった父を思い出す。

(応える。全てを出して斬る!)

全ての行動において全力で正面から当たる。

ソレを思い出した。

「互いに全力を出すように・・・一本勝負・・・はじめぇ!」

六介が旗を振り下ろした瞬間、剣道場の中央で恭也と勇吾が激しく激突した。

 

 

 

 

 

 

 

事の発端は少し前の部活にて起きた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「めん!」「こて〜〜!」

出雲学園の剣道場は今日も熱気に溢れている。

県内でも有数の実力校であるし、顧問の指導力も年季が長いのか高いといえる。

故に自然と部員が集まり活気があふれるのは当然のことだった。

 

 

 

 

 

 

 

「竜宮。鉈を振るってる気もしなくは無いが・・兎に角面の動作の隙が少ない。切り札を持っている以上は其処に繋がる様に戦術を組み立てるべきだ」

「ありがとうございました!」

一礼をして部員の一人である竜宮は恭也の前から去っていった。

代わって同じく剣道部員である伊達と宮本が向き合って試合を始めた。

(伊達は突きからの胴狙い・・・対する上園はフェイントで距離感を撹乱しつつ連撃をねらうか?)

今の恭也は副部長として後輩の面倒を見ている。

隣では勇吾を含めた数人も同じ事をしており、此れは観察眼を付けると共に自分の戦術を組み立てる練習でもあるのだ。

「昇竜乱舞!」

「雷将一撃!」

恭也の読みどおり宮本が連激を放ち、その間隙を狙って伊達が胴を決めていた。

「一本!」

全員が全員で大会も近いこともあり熱心だった。

 

 

 

 

 

 

 

「全員、整列」

六介に呼び出されて全剣道部員は道場の中心に集まった。

そして静かになる。

まるで此れから何が有るのか判っているかのようにだ。

「さて・・・全国大会の件についてじゃが」

恭也の隣で勇吾の顔を引き締まった。

それだけでなく全員が引き締まる。

「団体戦のメンバーは後日として・・個人戦じゃが一人だけ出雲学園に推薦枠がある」

この時点で部員のメンバーは恭也と勇吾に視線が集まった。

事実上、両名が代表以外に考えられ無いと言う位に実力の差を感じ取っているのだ。

「さて、代表者じゃが・・・」

その時出た言葉を恭也は疑った。

「不破恭也、お前を代表者とする」

 

 

 

           ・

     

           ・

 

           ・

 

 

「はい?」

「!」

恭也は勿論だが勇吾も驚いた。

「少し待ってください師・・・先生。代表者ならば部の1番の実力者を出すのが当然なのでは?」

「だから、お前を代表に選んだんじゃ、不破恭也よ」

「・・・・」

既に黙っている勇吾を無視するかのように恭也は勇吾の実力を訴える。

(勇吾の性格では自分が上だと言えるはずも無い・・ならば俺が言わなければ)

恭也は多数の抗議を出す、が六介は変えない。

周りの部員達も一部は思い当たる節があるらしく、残った部員達は入りきれない雰囲気ゆえに何も言えなかった。

 

 

 

 

 

「ならば不破恭也よ。一本だけ試合をしてみるか」

不意に六介が言う。

恭也は上手く反応できないが勇吾は違った。

「やらせてください!」

やる気満々である。

何時もの懐っこい笑みであるが目は笑ってない。

「の用じゃが・・・どうする?」

此処まで言われては恭也も引き下がることは出来ない。

何時も通りに試合をする。

それだけと思う。

そして結果で分かるだろう。

の筈だった。

「恭也・・・覚悟を決めろ!」

その言葉は確かに恭也の中の何かを動かした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勝負は一瞬で決まった。

驚異的な踏み込みは勇吾が竹刀を振り下ろす前に射程圏まで到達。

「胴」

脇をすり抜けながら一薙ぎ。

「一本!不破恭也!」

六介が旗を揚げるが誰も気付かない。

それだけに恭也の踏み込みの速度は尋常ではなかったのだ。

当事者の恭也も何が起きたのかは完全に理解できてない。

ただ、彼にとって一歩踏み出しただけの筈なのだ。

「ゆ、勇吾」

「・・・・!」

恭也が声を掛けたのを無視して面を外してドアへ向かって走る。

「キャ!」

外に偶々居た那美が避け様としてバランスを崩し、壁に頭をぶつけた挙句に持っていた段ボール箱を落として足にぶつけたが関係ない。

「勇吾!」

「待つんじゃ・・不破!」

後を追おうとする恭也を六介は止めた。

構わず走ろうとするが止めた。

六介の出す殺気が足を動かすことを無理やり辞めさせているのだ。

「し、師匠」

「スマンが本日は解散じゃ・・・不破は少し残りなさい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「恭也・・・お前にとって勇吾君は何じゃ?」

「大事な親友です!」

先ほどの結果に納得いかないのか珍しく怒気が含まれる。

だが答えを予想していたのか六介は平静なままで続けた。

「親友か・・本当にそうか?」

問い詰めるように言い切る。

「お前は士郎君にも美影にも似て優しいし、其処はワシも嬉しい・・だが」

六介の言いたい事を上手く理解できていないのか恭也は答えを得たがっている。

だから一気に事実を突きつける。

ソレが互いの為と信じて今は何かを壊そうともだ。

「相手の気持ちを考えない優しさは時として破局を生む・・」

衝撃を受けたのか恭也は先ほどの威勢を失い急に黙った。

畳み掛けるように六介は優しく話す。

「確かに勇吾君は明るく周りを率先していくリーダーの面が強いし人当たりも良い・・同時に精神的に脆い一面があるのは気づいておろう?」

「長い付き合いです・・十分に承知してます」

 

長所と短所は紙一重の存在である。

人懐っこいと言う事は誰かと一緒に居なければ寂しくなる精神の裏返しであるし、思案深いという事は優柔不断とも取れる。

勇吾の強くありたいと言う意思の表れとしてリーダー気質が認められるが、それは誰かと一緒に居たいから中心にあろうとしている姿勢。

そしてそのリーダー気質はハリボテであり、中がガランドウの建築物なのは長い付き合いで恭也は理解していた。

 

「お前は気を使って勇吾君を前に押し立て、自分は一歩引いて彼を立てる・・」

少し区切り

「ソレが本当の友情か?お前は友人ではなく保護者か?」

「・・・」

完全に黙るしかなかった。

最初にあったときからの自分ポジションを本能のままに行ったのだ。

その事実を指摘されて考える。

「それでは勇吾君は対等の立場でない・・相手を認めない者の何処が武道家か?其処の何処が友情か?」

思い当たる節を探す。

(父さんは・・)

相手が依頼人だろうと権力的に圧倒的な上の存在たるアルバートだろうと常に対等と見てきていた。

それだけでなく護衛で相対した強者も弱者も全てを対等と認めて戦っていた。

「俺は・・・」

間違っていたのか?そういうことしか頭に生まれない。

どうしたらいいか?

全然思いつかない。

「答えは自分で考えるのじゃ・・ソレが分からん限りは・・」

言われる前に恭也は立ち上がり道場を飛び出していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クソ!クソ!クソ!」

裏庭で壁を蹴りながら勇吾は吼える。

理解していたが理解したくなかった事。

恭也が本気でない。

気付いていたが認めていなかった。

「恭也・・・」

だが認めないと言う盾は一瞬で破壊された。

手も足もでない程の差で自分は敗北した。

「ナンなんだ、俺は・・俺は恭也の何なんだ?」

嘘だ!

既に自分と恭也の本当の関係を既に気付いている。

自分は活発で明るい白で恭也は冷静で暗い黒と言った人が居た。

外れてはいないだろう。

しかし・・

「勇吾さん?!」

 

 

 

 

 

 

視られた・・・

勇吾は自分の愚かな姿を琴乃に視られたと理解した。

「琴乃さん?」

「・・・・」

勇吾が何をしていたのか理解できていない眼。

何かは知らないが気に喰わない。

「これは・・・」

互いに沈黙する。

両者共に何も喋れない。

その沈黙に耐えられなかったのはことのも一緒である。

「恭也さんは剣道場ですか?」

何気ない一言だったのだが不味かった。

「ははっはははっは・・嗚呼嗚呼嗚呼」

不意に勇吾の顔に笑みが浮かぶ。

その笑みは慟哭だった。

(結局、俺は彼女にとっては付属品なんだな)

豹変振りに一歩引きながら琴乃は驚く。

って言うか、アンナ笑い方で驚くなと言う方が無理だ。

「ドイツもコイツも恭也、恭也か!君は本当に真っ直ぐだな」

「え?!」

褒められてるのに同情や嘲りのかかった言葉に更に一歩引く。

「本当に応援してたよ・・・その一途さに・・・でもな」

言葉の毒気に怯えている。

その表情に気を好くしたのか勇吾は叫んだ。

「気付くわけないだろ?アイツが?ご立派だな!」

「・・・っ」

怯む。

止めを刺したい攻撃衝動に駆られる。

そして叫ぼうとした。

「貴方に関係ない!私、貴方の事なんか大っ嫌い!」

フラガラックを撃った瞬間にゲイボルクで返された気分だった。

自分よりも弱者だと思った相手に強烈なカウンターである。

しかし、本当のカウンターは違った。

「恭也さんの事を知らないくせに!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(分かっていた。俺が白で恭也が黒であっても関係はない)

人は勇吾を中央にして集まり恭也が補佐する。

大局的に視れば事実であった。

(何時も・・何時もな)

例を思い出すのなら球技大会。

リーダーは言うまでも無く勇吾で恭也達のリーダーだった。

(本当に頼られているのは・・・恭也、アイツだ!)

しかし、試合になると違う。

リーダー以上に恭也という存在を周りは信頼し頼る。

リーダー大和勇吾という存在以上に不破恭也というプレイヤーを基点とした試合になった。

そう、自分と言う基点から恭也が中心の流れに変わる。

(アイツこそ太陽なんだ・・黒い太陽と白い月・・笑うな、本当に)

恭也がいて初めて自分は輝ける・・彼が居なければ何もない。

 

 

 

 

 

 

「五月蝿い!」

理解したといっても納得できる問題ではないのだ。

「恭也が何なんだ!本当に上なのは俺だ!」

「きゃ!」

知らず知らずの内に琴乃を突き飛ばしていた。

だが運が悪い。

「・・痛!」

尖った石があり琴乃の足が血で滲む。

「・・・?」

自分のした事が分かり慌てて駆け寄ろうとする。

だが

「勇吾・・・!」

顔面めがけて投げつけられた黒い円筒物を掴むと先には恭也が怒った表情でたっていた。

 

 

 

 

 

 

 

「貴様・・・何をした!」

今までの「勇吾の親友」の顔たる平時の顔を脱ぎ捨て・・目の前の相手を倒すことに専念した剣鬼の表情に変わりつつある。

「だまれ!」

対抗するかのように投げつけられた黒い円筒物の中を理解して手に掛けながら吼える

最早一触即発の二人。

「ヤメテエぇェェ!」

「お姉ちゃん!」

何処からとも無く現れた明日香が琴乃の元へ向かう。

同時に芹が叫ぶ。

「喧嘩なんかダメだよ!二人は親友なんでしょ!」

「「・・・」」

直ぐに黙り込む二人。

確かに黙る。

 

 

この時に互いに圧倒的な差があった。

恭也は元の平時の顔に戻っている。

だが勇吾の顔は敵意と憎悪が残っていた。

 

 

 

 

 

 

「勇吾・・それは分かるな?」

静かに恭也は語る。

先ほどに投げつけた黒い円筒物。

彼にとって夜の愛用品たるものの一つ。

「此れで語りたい・・・」

「・・・」

六介の問いに恭也はどうしたら良いか分からなかった。

ならば自分を見つめなおすには夢中になりながらも冷静になれるものが良い。

そう考えて学校にコッソリと置いていたモノを持ち出しきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「互いに全力で・・」

ドガガッガガガッガン!

何かを言おうとした時に急な地震が彼等を襲う。

 

 

 

 

 

同時に空が落ちてきてぐるぐる回る感覚

墜落したような霧にの中に迷い込んだような浮遊した感触。

 

 

 

 

地震が収まると

「わぁ、真っ暗!」

明日香が叫んだとおり辺りが暗くなっていた。

「な、なに?」

芹が混乱を示すように叫ぶ。

「なんなの?」

琴乃が全員の考えを代弁するかのように言った。

 

 

 

「琴乃!」

悪寒が走り恭也は琴乃を抱きかかえて壁まで走った。

同時に

ズザザザザザ!

「な・・・」

何が起きたのか理解した勇吾は現実を疑う。

琴乃のいた場所には巨大な根が突き刺さり、その発生源には・・・

「巨大な植物・・・?!」

恭也の言葉通り謎の超弩級植物が戦闘態勢でいた。

 

 

 

 

 

 

20年の歳月を越え・・

出雲学園を中心に物語りは始まる。

        

        

     




後書き

神楽:・・・やっとかけたよ・・おめでとう、俺!

クオン:ガウ?(何言ってんだろう、このヘッポコ作者)

神楽:お前は・・別作品で書いてる奴に出てくる久遠とは名前違いの狐型生物クオン!

クオン:キャイン、キャイン!(無理して書くからこうなるんだろな、本当なら蔓戦終わってるはずなのに)

神楽:通し(午前9時半出勤、午前2時半仕事終了)は勘弁・・・

クオン:きゅ〜ん(ゲーム内ではキャラに平気でさせてるくせに・・)

神楽:・・・(寝てる)

クオン:ガル(起すか?)

クオンの尻尾が九本になり前足の肩から第3の腕が出てくる。

ガシュ!

神楽:・・・・

クオン:(やっちまいましたね・・逝ったか?)

 





いよいよ本当に始まる。
美姫 「さてさて、これから恭也たちを待つものとは」
一体、どんな展開になるのかな〜。
美姫 「次回も楽しみにしてますね」
ではでは。



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