この物語はオリジナル主人公登場の魔法少女リリカルなのはASの二次創作です。

  自分の文才の無さが原因で登場人物の人格及び性格が変わっている可能性もあります。その様な事に耐えられない方は気合を入れられて見るかブラウザの戻るを押される事をお勧めします。

 

 

 

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魔法少女リリカルなのはAS二次創作

【八神の家】

 

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  12月3日03時過ぎ、速人が徐々に部屋を席巻しだした本を驚異的な速さの速読で読破している時、速人の携帯電話が着信音を発した。

  発信者はシグナムになっており、直ぐに電話に出る速人。

  繋がった瞬間速人が名乗る前に相手から速人かどうかの確認が来た。

『シグナムだ。天神か?』

「そうだ」

『そちらに主はやては居られるか?』

「居ない」

『そうか、ならば急ぎ用件を伝えよう。先程蒐集の為ある魔導師と交戦、更に管理局の援軍と思しき者も現れたが、特に此方に負傷者は出ず我らの所在も判明する事無く蒐集を終え帰還した。しかし最初に蒐集対象にし蒐集した者はここ近辺の住民、高町なのはだった』

  速人は黙って続きを促す。

『我らは既に相手と交戦し面も割れている。遠からず主はやては高町なのはをこの家に招待するだろうが、そうなればあとは言わずとも解るであろう?

  故に何とかその事態を回避したい。何か案はあるか?』

  それに即座に返答する速人。

「大別して二つ。 一つ目は相手の排除。二つ目は此方の回避。

  排除案は殺害や住居の移動、回避案は住居移動や来訪時に場に存在しない事」

『理想案と最善案と妥当案を述べてくれ』

「理想案は高町なのはを丸め込めるだけの何らかの技能保有者が存在し、高町なのはを納得させて口を封じる。

  最善案は高町なのは殺害による口封じ。

  妥当案は蒐集が完了するまでは回避し続け、蒐集完了後はやてに打ち明け、和解するか交戦するか逃亡するかを選択する。

  俺としては魔法で以って高町なのはの思考に干渉し、この家に招く若しくは招かれる事を阻害するものが有るかを知りたい」

『記憶消去関係ならば兎も角、そのような都合の良い魔法は知りうる限りは無い』

「ならば先程の案が今提案出来るモノだ」

  速人はそう言い、暫く電話からシグナムがヴィータ達と相談する様な声が聞こえてきた。

  そして2〜3分程した後にシグナムから返答が来た。

『私達はその妥当案を推す事になったが、天神は他の案を推しているのか?』

「俺も基本的に変わらないが、予期しない訪問や招待で出くわした際は最善案に切り替えるつもりだ」

『……………………………………………………………………それは此方も同意見だ』

「ならばその案を通す事でそちらの意見は一致したのだな?」

『ああ』

「ならばはやてと外出時、高町なのはが八神家に寄る事になった時はその旨を伝える。適当な理由………………地下研究所に魔法の研究解析等の名目で出払ってくれても構わない。

  それとザフィーラはどちらの格好で相対したのだ?もし獣人化状態ならば狼状態で高町なのはに接触しても解らないならば、護衛で残す事は可能なのか?」

『獣人化状態で接触したのでその案は一応可能だが危険度は高い。可能な限りこの家に訪れさせないようにしてくれ』

「了解した」

『詳しくは後程対面して話す。その際私かシャマルかヴィータの誰かが欠けるだろうが構わないか?』

「構わない。はやてが入浴している時にでも詳細を説明してくれ」

『解った。では協力に感謝する』

「ああ」

  速人の返事と共に通話は打ち切られた。

  六法全書級の本を30分程で読破するという非常識な速さを睡眠不足の身体で様々な薬品を使い維持し続け、身体に徐々にだが深刻な負担をかけながら様々な本を読破していった。

  無駄になるだろうと予測しながらも、特に自身の身体を省みる事無く。

 

 

 

                                   

 

 

 

  そして速人の発言通りはやてが入浴中に事の説明を受ける事になった。

  この場に居ないのははやてと入浴中のシャマルで、他は全員リビングに居た。

「さて、説明まで随分と待たせたな。それではこれから説明に入るが構わないな?」

「構わない」

「では事のあらましを説明する。まず高町なのはを襲撃してしまった理由だが、これは私達の中で高町なのはの容姿を知っている者は私とザフィーラのみだったのが原因だ。

  そして高町なのはと認識せずにヴィータが蒐集を行おうとし、途中から管理局の援軍と思しき者が3名来た。

  そのとき高町なのはだという事は気付いていたが、既に混戦状態の最中であり、無抵抗に逃げた際追撃されるのは危険と判断した為、足止めの意味も兼ね当初の目的通り蒐集を行った。

  戦闘が終わりこちらに特に負傷者はおらず、相手側も一番の負傷は高町なのはの蒐集された事による衰弱だがこれは4日〜10日で完治するだろう。尚闇の書の頁は535頁だ」

  それを聞き速人はしばし熟考していた。

  そして10秒程熟考した後に話し出した。

「経緯は概要だけだが理解した。援軍とされる3名の容姿及び詳細は伝えられる時に急ぎ伝えてくれ。

  で、確認だが、現在以前述べていた時空管理局という組織が正式に介入してきた可能性が極めて高く、高町なのははその組織に属している可能性も高く、高町なのは及びその援軍と判断される者達の戦闘能力はシグナム達に危険視される程のもので、これからの蒐集活動において妨害してくる可能性は高く、またはやてと高町なのはが接触する事ではやてが殺害乃至捕縛される可能性が極めて高い。

  この認識で間違いないか?」

「過不足無い認識だ。容姿や詳細は後ほどシャマルに調査させて伝えさせよう」

  その言葉を聞きまた少しの間熟考する速人。

  そして幾つか疑問が湧き尋ねてみる。

「シグナム、俺の魔法資質は最低ランク近辺でこれは然程珍しく無い値なのか?」

「そうだ。その程度の魔法資質ならばこの世界でも然程珍しくは無い」

「そしてその値ならば魔導師としての実力は高町なのは達に遠く及ばず、また警戒に値されない。この認識に間違いは無いか?」

「そうだ。お前の魔法資質で出来る事は殆ど無く、魔導師にとって基礎中の基礎の騎士甲冑すらまず身に纏えない。魔導師手としてお前を警戒する者はまずいない」

「魔導師としての実力が高い者は基本的な身体組成がこの星のヒトという種と違うのか?」

「…………この世界の者で無い者は基本的な身体組成が違う者もいるだろうが、主はやてや高町なのははまずこの世界の基本的な身体組成と差異は無いと思って間違い無い」

「衰弱した者を即回復させるのは不可能乃至困難であり、快復は自然治癒に任せる事になる。この認識に間違いは無いか?」

「そうだ。魔法で回復させる事も可能だがその場合は失った体力を回復させるのではなく、体力を削り活力に転換しているだけだ。魔力の消費が衰弱にも繋がるというのに僅かな魔力でそれを帳消しになど出来ない。尋常ならざる莫大な魔力を行使すれば、体力の回復も可能だがまず実行する者はいないだろう」

「病に罹った者は魔法での治療は極めて困難で、魔法で出来る範囲は自然治癒の加速のみで、基本的に治療は薬物治療及び自然治癒に任せる。この認識に間違いは無いか?」

「そうだ。魔法での治癒は身体を変成させているのではなく、自己治癒能力を高めて回復させているだけで、本人の自己治癒能力の限界を超えたモノならば魔法では治せない」

  そこまで一息に尋ねた速人は得られた情報を整理し、僅かの間逡巡したがある結論に達しそれを述べる前にもう一度確認してみる。

「時空管理局の医療技術がどの程度のものか解るか?」

「………………詳しくは知らないがこの星の医療技術の延長線上のものとぐらいしか言えない。推定だがこの世界の医療技術の1世代か2世代先の技術だろう。無論魔導師等の固有病気等は除くが」

「…………………………情報を基に新たな案を提示する。高町なのはを八神家に立ち入らせないという方針に変化は無いが、緊急事態になると判断された場合生物兵器や神経系毒を行使し、蒐集が終わるまで拘束状態にして事態の悪化を防ぐ。この案の是非を問う」

  淡々と非人道的と思われる案を提示する速人に息を呑むシグナム達。

  そしてシグナムがまだ沈黙しているのを見て、今まで黙っていたヴィータが速人に問いかけてきた。

「…………殺すよりは穏やかな様な気もするけど、そんな都合良く病気とか毒とかコントロールできるのか?」

「死にそうになればその時点の闇の書の頁蒐集具合で殺処理するか、管理局側が回収できるように放逐して回復させるかを決めればいいと考えている。ただし放逐する際は眼球や三半規管や脊髄を摘出及び損傷させて戦闘能力を減退させるが」

「……………………久しぶりにハヤトのブッ飛んだセリフ聞いたな…………………。

  だけど…………まぁ…………今回はハヤトの言う事は尤もだとアタシは思う。

  …………あいつは一応はやての友達みたいだからな……………気にいらないけどアタシも出来るだけ殺したくねえ……………はやてが悲しむからな……………。

  ……………………………だけどハヤト、もう少し穏便な案は無いか?」

  相手を気遣う意味もあるが、何よりもはやての為に無駄な争いを極力回避しようとするヴィータが速人に尋ねてきた。

「海鳴市から強制退去させるという案もあり、二日以内に法的手続きに基づき強制退去させられる算段は有る」

  その案を聞きヴィータではなくシグナムが速人に話しかけた。

「そのような平和的案があるならば何故それを推さない?」

「強制退去させたとしても近辺にホテルを借りられたら役には立たない。

  行動を制限するならば一類感染症の疾患ということにして、特定感染症指定医療機関にでも隔離する様にする手筈はあるが、高町なのはの交友関係及び接触したとされる者は精密検査及び完全消毒され、その中にはやても含まれる。ただ俺が医師免許と精密検査可能な設備を保有しているので、地下研究所で検査すれば半日も経たず終わる。

  しかしまず一類感染症に罹っていないだろうが、帰還後以前の生活を送れる可能性はあまりに少なく、周囲との交流はまず疎遠になり店の経営も悪化し高町なのはに中傷的発言も多数浴びせられ、はやてはそれを見て著しく気分を害すだろう。

  この案を推さない理由ははやてを著しく不快にさせる期間が長い事の確率が高く、非可逆性の強い案件なので推していない」

  なのはの事は微塵も配慮していないが、はやての事を配慮してその案を却下した速人。

  しかしシグナムはその案を聞き、疑問に思った事を尋ねてみた。

「主はやてが心痛めないようにする事は賛成だ。しかし天神、徹底した合理主義者のお前が高町なのはの殺害を推さないのは何故だ?」

  その言葉にザフィーラも同意見だと速人を見てきた。

  しかしヴィータはシグナムが訪ねている間考え込み、その間に出した結論を速人がシグナムの問いに答える前に速人に話しかける。

「ハヤト。お前はやてと人を殺さない……………っていうか、多分なるべく殺さないって約束してねえか?」

「その通りだ。他に妥当な案が無い限り殺人は回避するとはやてと約を交わした。

  故に俺は他に妥当な案が無い限りは殺人をする気は無くそれを推しもしない。

  ただ他の者が殺人をしようとしても特に止める気は無く、以前はやてからの言伝をヴィータ達に話したが、実際に戦場に立っていない俺がそれを強制する事は出来ず、またはやての要望に応えなかったとしても非難する気も無い」

  特にその言葉に意思も想いも籠められておらず、いつも通り淡々とした言葉だったが、はやての安全面と健康面で恐らく初めてはやての意見を優先させ、危険に対する備えを一部放棄すると取れる発言をする速人。

「…………………主はやての意見を尊重させる姿勢は買うが、その結果主はやてが死の危険に晒された時お前はどうする気だ?」

「危険に対し消去・守護・避難、何れかの選択を実行するつもりだ」

「………………………そうではなく、主はやてを危険に晒した事についての責任をどう取るかと聞いている」

「危険に対し消去・守護・避難、何れかの選択を実行するつもりだ」

  先程と全く同じ発言を繰り返す速人。

  それを聞きシグナムは眉を顰めながらもう一度問い質そうとしたが、そこにヴィータがシグナムに話しかけてきた。

「シグナム、ハヤトが言う通りだと思うぞ。まずはやての無事を確保するのが第一だ。

  だいたいアタシ達の失敗の責任をハヤトに押し付けようとするんじゃねえよ。アタシ達があいつ等の事をもっとしっかり調べて、はやてと関係があると解って蒐集を止めればそもそもこんな事にはならなかったんだ」

「……………………………たしかに責任の取り方は主はやての身の安全の確保以外に無いな。そしてそのような事態になるのはたしかに私達の失敗によるものだな。それを天神が合理的判断を下さなかったというだけで、全ての責任を天神に被せるのは筋違いだな。

  そもそも天神が高町なのはを殺害できるとは考え難い事だ」

  ヴィータの意見を聞きシグナムはその発言に納得し、ザフィーラもシグナムとほぼ同じ考えだった。

  シグナムとザフィーラが納得している最中にシグナムの発言に訂正箇所を見つけた速人が話し出す。

「一応高町なのはを殺害する算段はあり、その場合は合成有機化合物の毒を広域散布や、石油トレーラーの中身を爆薬にしておき至近距離に近づいた時に炸裂させるという案がある。

  合成有機化合物は皮膚からも侵入するので無呼吸でも5秒程度毒霧の中に居れば1分もせずに死ぬ程の毒性があり、高濃度二酸化炭素も同時に噴霧するので一呼吸でもすればショック死し、そうでなくとも毒により即死する。

  爆薬は火薬の燃焼速度を調節し1秒以内に全て燃焼するようにし、半径100mがクレーターと化し更に600mが更地に成る程の熱量と風圧を生む。

  実行すればシグナム達並の反射速度と防御力と仮定しても殺害可能だろう」

  物騒なことをサラリと述べ、更にその発言はシグナム達もその対象になれば殺害可能だと言っている様なものだったが、実際無防備にそのような脅威に晒されればまず即死は免れないとこの場に居る誰もが理解していたので、その発言に憤慨する者はいなかった。

「……………………なんか管理局が質量兵器を禁止する理由が少し解った気がするぜ………………」

  頬を引き攣らせながらそう述べるヴィータ。

  そしてそれに追随して喋るシグナムとザフィーラ。

「全くだな。私達の力が無価値とは言わないが、魔導師としての実力は最底辺以下で、肉体的にも非力な上完成されていないにも拘らず、金銭さえ積めばそのような事が可能とわな………………」

≪有史から現在までの知識と技術の積み重ねが質量兵器であり、それに相対するという事はこの世界の歴史と相対する事と同義という事ならば、質量兵器がやたら強力な理由も解る気がするな…………≫

  使い手の資質に左右されず一定の能力を発揮できる質量兵器に少なからず抵抗を感じるヴィータ達。

  たしかに携帯できる銃火器類……………対人兵器は高位魔導師にはほぼ通用しない。だが対軍・対物・戦略級兵器の出力は殆どの高位魔導師の攻撃力を凌駕し、場合によっては星すらも破壊するほどの出力がある。

  魔導師としては魔法資質が最底辺の者が自分達を遥かに凌ぐ攻撃方法を実現可能な速人に少なからず反感を持つのは致し方ない事だった。

「単身で様々な事象を引き起こせる魔導師と違って質量兵器と呼ばれる物は殆ど単一の機能しか保有しておらず、一定以上の出力を持つ物は殆ど固定兵装で使用準備が必要な物が多く、魔導師の様な汎用性は殆ど無い。

  高町なのはを殺害可能と推測される理由は警戒能力が殆ど無いからで、自分の身に危険が及ぶ可能性を戦闘時以外に考慮していないのだろう。恐らく高町なのはの戦闘能力は高くとも、戦闘技術や戦闘知識や警戒能力はこの国の平均的な者と然程差異は無い筈だ。暗殺や謀殺は容易だろう」

  魔導師と質量兵器の差異と、自身のなのはに対する評価も述べる速人。

「今の俺の意見を考慮し何か方針に変更はあるか?」

  速人の問いかけにヴィータ達はしばし考え込み、ザフィーラは疑問点があったらしく速人に問いかける。

≪天神、先程他に妥当案が無い限り殺人を回避すると言っていたが、その線引きはどのようになっているのだ?主が危険な目に遭っている最中であっても妥当案が有れば殺人をする気は無いのか?≫

「そうだ」

≪殺さなければ回復した後に主が危険に晒されるとしてもか?≫

「その備えをしないならばそれは妥当案ではない」

≪ならばその備えとは何だ?≫

「眼球・鼓膜・三半規管・口唇・顎部・声帯・脊髄・四肢、これらを破壊し無力化を試みる」

  破壊されても出血とショック死以外の要因で生命維持に支障が無い箇所ばかりだが、これらを全て破壊されれば戦闘どころか日常生活すら困難になる程の念の入れ方だった。

  ザフィーラだけでなく聞いていたヴィータもシグナムも眉を顰めていた。

≪………………そこまでするのならば殺した方が慈悲だと思うが?≫

「生きて無力化されているならば、対象がどの様な状態であろうと構わない」

≪………………殺人に対して想う所があるのか?≫

「はやてとの約があるので妥当案が有る限り回避するべきだとは思っている」

≪………………主との約を抜きにして、天神自身は同種を殺害する事に想う所は無いのか?≫

「自身に不利益を齎す者の存在を排除するのに同種も別種も関係無い。ヒトであろうと蚊であろうと対象を殺すという事に差異は無く、蚊を平然と殺している俺がヒトを殺す事自体に頓着する道理は無い」

  殺人行為に恐怖も嫌悪も陶酔も興味も示さず、ただ平然と殺すだろうと述べる速人。

  それを聞きザフィーラ達は速人が戦闘訓練時、不気味なまでに痛みに顔を顰める事も死の恐怖に怯える事も無く、通じないとはいえ常人なら致死の攻撃を平然として繰り出しながら立ち向かって来たのを思い出していた。それを鑑みるに速人は殺すと決めた時は人倫を一切無視し、最も殺害成功率が高い方法を試みると理解した。

≪…………………天神の殺人に対する考え方への議論の時間は無いので追求しない。が、先程述べた無力化では主が深く悲しまれる……………それどころか現場を御覧になられたらどれだけ心に傷を残されるか判らない。

  先程述べた無力化は主の眼が届く範囲では極力控えろ。その様な無力化をするならばいっそ殺害するがいい。その場合は此方が弁護をしてやろう≫

  はやてが入浴してからかなりの時間が経過しており、そろそろ話を纏めないとはやてに話を聞かれてしまう為急ぎ話を纏めに入るザフィーラ。

  ザフィーラの発言にシグナム達も同意の様であり特に異論は無かった。

「……………無力化時にはやてが傍に居る場合、可能な限り精神的負担にならない方法を実行するが、殺人については俺の判断で実行する。ザフィーラの意見を優先しはやてとの約を違える事をするつもりは無い」

  恐らく殺人よりも無力化が出来るなら先に述べた凄惨な無力化を実行するだろうが、はやてとの約束を破棄しろとは強く言えず、凄惨な無力化を可能な限り回避するという言葉が聞けただけでもザフィーラ達は良しとした。

「話は変わるが以前からはやてに資金援助を行っていたグレアムという者を以前から調べていたが、昨日結論としてこの星に存在はしたが現在まずこの星に存在していないという結論が出た」

  その言葉を聞き、僅かに眉を顰めるシグナム達。

「…………誰かがその意思を継いで援助を続けているのではないのか?」

  シグナムの尤もな意見にヴィータとザフィーラも同意を籠めて頷く。

「戸籍は未だ存在しているのでその可能性は低い。それとはやての親類及びそれらと交流が有ったと思われる者にグレアムという者は存在しない。

  グレアムという者を調べた結果、一番適合するだろう者は英国のギル・グレアムという者で、詳しい年代は不明だが行き倒れの者を介抱した後に度々長期間消息を絶つ事が多くなったらしい。他のグレアムという者は生死問わず全員経済的に適合せず、調査結果でもまずはやて及びその親類と関係が無いと出ている」

  行き成りその様な事を言われ困惑しているシグナム達に速人は更に言葉を続ける。

「仮定に仮定を積み重ねた推測というより憶測の域だが、はやて及びその親類に全く接点が無いと思われる以上、第三者との接点で一番可能性があるのは闇の書だろう。

  そして闇の書と関係が有るならば、闇の書よりヴィータ達守護騎士ヴォルケンリッターが具現した時から今に至るまで接触が無い以上闇の書活用の可能性は低く、その場合時空管理局若しくはそれに敵対する組織に所属している可能性が高い。

  そして時空管理局に勤めていると仮定し更に闇の書の蒐集作業を知っていると仮定した場合、蒐集作業で人的被害が幾らか発生していると容易に連想出来るにも拘らずこの場所が襲来されていない理由で最も可能性が高いのは、現在拿捕乃至捕縛させる気が無く何かしらの理由で闇の書を完成若しくは時間が経過するのが目的だと思われる。

  俺が下した結論としてはこれから先第三勢力が介入してくる可能性が高いと思っている」

  速人本人が言う通り既に推測というより憶測の域の話だが、一応筋は通っている話だった。勿論確たる裏付けも無く仮定に仮定を積み重ね、極めて不確かな話で幾らも穴が有る内容だが。

  シグナム達はその話しを聞き何と答えるべきか迷っていたがまたもや速人はさらに言葉を続ける。

「憶測の域を出ない話なので俺はこれ以上の情報を提示できないのでこの場で議論する必要は無いだろう。

  第三勢力が現われる可能性を念頭に置き、第三勢力が一見助力しているように見える時それを受けるかどうか後程俺を抜いてヴィータ達だけで議論すればいいと思う」

「………………………解った。その話は後程シャマルを含めて私達だけで議論をすればいいだろう。他に何か有るか?」

「本日高町なのはは病の為に病欠したらしく遭遇しなかったが、回復後は高確率で遭遇するだろうが護衛はどうするのだ?」

「今まで通り遠距離からの護衛では無く、変身魔法を行使して近距離で護衛をする。若しくはザフィーラを狼形態で護衛に付けさせる。

  天神はこの家に高町なのはが来訪しないようにしてくれればいい」

「了解した。適度に高町なのはが嫌悪感を抱くようにし、来訪に拒絶感を持つ様にしよう」

「………………(態々嫌悪感を抱かれる様にしなくても普段通り振舞えば十分な気もするが)そうしてくれ。他に何か有るか?」

  その言葉に速人は軽く逡巡した後答えた。

「議論するべき意見や疑問点は無い」

「そうか。ザフィーラとヴィータは何かあるか?」

≪特に思い当たらない≫

「アタシも特にねえ」

  その言葉を聞きシグナムが場を締め括ろうとした時速人が声を掛けてきた。

「議論に値することでは無い疑問点が有るが、尋ねても構わないか?」

「何だ?話してみろ」

「何故俺の意見を聞き議論したのだ?今回の会話の中で俺が持つ有益な情報といえば最後のグレアムに関する話だけで、他は全て参謀役のシャマルの仕事だろう。

  将と参謀がいるのならば俺を抜きにして行動方針を決定し、決定した行動方針を俺に紙面通告するなりし、俺の意見も紙面にてさせるようにすればいいと思うのだが?」

  速人の話を聞きシグナムは話すべきかどうか逡巡したが隠す必要も無いと思い話す事にした。

「お前が自分をどのように評価しているかは知らぬが、我ら守護騎士でのお前の評価は高く、シャマルは自分より天神が参謀役として相応しいとすら言っている」

「…………………何を評価しているかは兎も角、今より少しだけシャマルは冷徹且つ平淡に思考すれば俺を完全に上回る」

「その事に対し議論する気は無いので聞き流す。

  私達がお前と議論する最大の理由は、口惜しいが主はやてがお前に無類の信頼と信用を置かれているからだ。……………天神流に言うならば微塵も疑っておられない。

  主はやては重大な取り決めならば我ら守護騎士全ての意見よりも、お前一人の意見を優先されるだろう。ならば議論の場にお前を招き、此方の意見にお前を納得させて詳細を把握させ、主はやてに説明し易くした方がいい」

「………理解した。

  ただはやてが家族と認識している者に優先順位を付けるとは思えないので、はやてが俺の意見を優先するのは俺の意見での成功例や納得した回数が多く、拒否感が薄いのが要因で、特に他の面々と差異は無いだろう」

  はやての想いを理解していないと思われる発言をしているが、はやてが家族に優先順位を付けると思って無い故なので、敢えて聞き流すことにしたシグナム達。

「ならばこれで議論は終わりにしよう。丁度主はやてが此方に向かっておられるしな」

「了解した」

「分かった」

≪そうだな≫

  それぞれ了承の意を示し議論はそれで終了した。

 

 

 

  そして間も無くリビングにはやてが来、恒例の整体を受けて悶えている最中にシグナム達は先程の内容を念話で素早くシャマルに伝えた。

  シャマルは速人が自分を想像以上に評価している事に驚きながらも、速人から齎された情報をシグナム達から聞きながら今後の事を考えていた。

  夜のしじまにはやての悶え声が響く中、守護騎士達は蒐集速度を下げてはやての安全を強化するか、それとも現状のままの速度で急ぎ完成を目指すか、そして速人の言う第三勢力についての対応を考えながら夜は更けていった。

 

 

 

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  12月5日夕方前、本格的に寒くなってきたので商店街ではなく、駅前のショッピングモールにはやて・速人・すずか・アリサ、四人の面々はウィンドウショッピングをする為に移動していた。

「けどなのはちゃん、もう3日も顔見とらんけど大丈夫なんかな〜」

  月村家の専属メイドが運転する車に乗って移動中にはやては心配げに呟いた。

  それにすずかが答えた。

「もう殆ど大丈夫だけど念の為今日までは大人しくしてるんだって。

  「もう本当に大丈夫だから心配しなくていい」ってはやてちゃんに言伝られたよ」

「それならいいんやけど……………お見舞いせんで良かったんやろか?」

「大丈夫よ。本当にしんどい時はお見舞いに行っても迷惑だし、第一入院しているわけでも無いのに迂闊にお見舞いに行って治り掛けだった時は、気を使わせて却って悪化してしまうわよ。

  お見舞いするなら本当にヤバイ時かある程度落ち着いた時にすればいいのよ」

「………………うん……………そうやね。たしかに治りかけの時にぞろぞろ大勢家に訪ねても迷惑やろしね。

  ……………そやけどアリサちゃんは速人はんみたいなアッサリした事言うんやな〜」

「ふふん。これが大人の対応ってやつよ。速人もそう思うでしょ?」

  速人の思考に近い事が嬉しいのか自慢気に胸を張りながら速人に同意を求めるアリサ。

「俺も見舞いの件に関してはアリサと同意見だが、一般的とされる大人の対応はそれ以外に友人間ならば、電報なり何なりで気遣う旨は伝えるだろう」

「それなら大丈夫よ。あたし達の見舞いの言葉をきちんとなのはに伝えているし。

  …………しっかし速人は案の定なのはに凄い言葉見舞ったわね。桃子さんが言うにはそれを聞いた時なのはは頬を引き攣らせていたらしいわよ。あと桃子さんも私からそれを聞いた時は頬を引き攣らせたみたいよ」

  電話で桃子から各自の見舞いの言葉の感想を聞いた時の事を思い出して苦笑しているアリサとすずか。はやては案の上の結果になったと同じく苦笑していた。

  はやて達は普通に回復を願う言葉だったが、速人の見舞い言葉は「はやてが心配するので急ぎ快復しろ。そして今後は命に別状が無いと判断される病症時は、心配させぬように適当な理由を付けて隠蔽し、はやてを心配させるな」だった。

  微塵も速人自身がなのはの快復を想っていないのが伝わってくる言葉だった。

  アリサは速人らしいと笑っていたが、流石にそれは無いとはやてとすずかは別の言葉を要求したが、速人からは「高町なのはがどうなろうが俺個人は一切構わない」とアッサリ断定され流石にはやてが反論しようとしたが、その前に「アリサと違い友人関係構築中でもないのならそんなモノだろう」と速人が述べ、はやては速人が友人を作ろうとしていると実感し甚く感動して反論し忘れ、すずかは驚いて意見し忘れ、アリサはそうなる自信が有ったらしく不敵な笑顔で喜びながらそれぞれの見舞い言葉を電話で伝えた。

  御丁寧にはやてとすずかが復活して速人の言葉を伝えるのを妨害しないように一番初めに伝え、伝え終わった時に復活したはやてとすずかは頭を抱えて二人して『やられた』という顔をしていた。

  その時の事を思い出しながらはやては一人ごちる。

「あの時感動してて止められ無かったんは失敗やったな〜。おかげで速人はんとなのはちゃんの溝が益々深くなってもうた……………」

「はやてちゃん…………すでに収拾付かないぐらい、なのはちゃんと速人さんの溝は深いみたいだけど……………」

「あぁぁーー〜〜〜。やっぱりすずかちゃんもそう見えるんかぁ〜。う〜ん、どうやったら二人仲良くなるんやろーね〜〜」

  車の天井を見ながらはやては独り言の様に呟いた。

  そこにアリサが笑いながら話しかけてきた。

「あ〜〜、あの二人の相性はもう最悪だから諦めた方がいいわよ。

  初対面が普通でもどうせ直ぐに今の様に溝が出来上がるわよ。だって速人は優先する奴をほぼ確実に救ったら後はそれ以外がどうなろうが関知しないタイプで、なのはは逆に能力限界を超えてでも知ってる全てを救おうとするタイプ。

  はっきり言ってどっちかの人格を改造しない限り溝は消えないわね」

「あ、それは私も同感。なのはちゃんと速人さんの考え方って、水と油って言うより空気と鉄って程別物だから、私達のフォローでどうにかなるって思えないな」

「うっ。やっぱり二人もそう思うんや………………。たしかに速人はんとなのはちゃんの考え方って正反対っていうより方向性がまるで別やもんな〜。フォローしても根本的解決にはならんし、根本的解決するにはアリサちゃんの言う通りどっちかの人格改造せなならんやろうしな〜。……………結局今まで通り喧嘩にならんようにフォローするぐらいしかないんやろな〜。

  ………………そやけどアリサちゃんて速人はんみたいに他人の思考とか分析できるんやね…………ちょ〜吃驚した」

「なのはとは付き合い長いから解るし、速人の基本思考なんて初日で十分解るわよ。あれだけ言ってる事と本当の事にズレが無い奴なんて他に居ないんじゃない?」

  アリサの言葉にはやても聞いていたすずかも納得した。

「でしょ?速人の価値観は解んないけど人格なら十分解るわよ。速人は優先外の事は優先事項の為なら如何なっても構わないでしょ?」

  話を振られた速人は即座に答えた。

「その通りだ」

「くぅ〜、はやてが羨ましいわ〜。速人ははやてと無関係な奴10億人の命を天秤に掛けられたら、迷わずはやて選ぶでしょ?」

「その通りだ」

「あ〜〜、本当にはやては大切に想われてるわね〜。なんか妬けそうな程」

  アリサははやてを見ながら冗談半分でそう言った。

  そしたら意外とはやてからは否定の言葉が返ってきた。

「う〜ん、この場合あたしの事が大切というよりも、速人はん知らん人がどれだけどうなろうと関係無いって言う人やから、多分あたしの代わりにアリサちゃんでも同じ事言うと思うで?」

「え?速人、本当?」

  少し驚いた顔をしながらアリサが速人を見ながら尋ねる。

「家族に悪影響が出ない、若しくは悪影響が出ても総意としてそれでも構わないとなればはやての言う通り実行に移す」

「うーん、嬉しいっていえば嬉しいけどそれって別に他の人………なのはでもそうするでしょ?」

「たしかに実行するだろうが、自発的に行動するのは家族以外ではアリサだけだろう。

  友人と言えるかは不明だがアリサの優先順位は現在家族の次になっている以上、有象無象がどれ程数を束ねようが前途の項目にさえ抵触しない限りアリサを優先するつもりだ」

  恥ずかしがる事無くあっさりとアリサの現在の優先順位を話す速人。

「ちゅうか速人はん、そこまでアリサちゃん優先するのに友人と思っとらんの?」

「友人というモノを持ったことが一度も無い以上、知識と照合し認証するには時間が掛かる。

  役に立つ友情と言う程双方間に役立つ関係とは思えず、目的志向の友情と言う程双方間に明確な目的が有るわけでも無く、友情の定義は曖昧すぎて照合が難しい。…………一番可能性があるのは、最初に友人関係を構築しようと決めた惰性的な関係で、友情の類は一切無いというのが俺の認識だ」

  相変わらず直ぐ傍にその本人が居るというのに全く気にせず隠す事無く喋る速人。

  毎度の事とはいえ速人の発言に頬を引き攣らせるはやてとすずかだが、アリサは相当前向きに捉えたらしく不適に笑いながら速人に話しかけた。

「それって照合しきれていない純粋な友情って可能性も有るんでしょ?」

「否定する要素は無い」

「そのうち肯定する様になるから覚悟するといいわ」

  自信満々にそう言い放つアリサ。

「此方もそうなるように家族への尽力の残り分を尽力しよう」

「う〜〜ん、本当に清々しいまでに家族第一主義者ね。

  大人になってそれ言うと、速人とはやては絶対子持ちの夫婦にしか思われないわね」

  その言葉にすずかが乗ってきた。

「あ、それ私も前から思ってたよ。なんだか速人さんてお姫様を護る騎士みたいにはやてちゃんを護ってるから、大人になったら妻帯者としか思えないなーって」

「すずかもそう思うでしょ?

  あ〜今からでも眼に浮かぶわね〜、湯上りに動かない脚を気遣ってマッサージしながらそのまま徐々に胸とかお尻とかもマッサージする速人、そして悶えるはやての姿が………」

  すずかがアリサにセクハラと注意しようとした直前、驚いたはやての声がそれを遮った。

「ふえっっっっ!!な!なんでそれ知っとるんや!!アリサちゃん!!!???」

  車内に僅かに聞こえるエンジン音以外暫く誰も喋らない痛い静寂が降りる。

  はやては墓穴を掘ったと直ぐに気付いたが、口から出した言葉は引っ込める事も出来ず、自分の迂闊さを激しく呪った。

  そして囃し立てると思われたアリサは狼狽し、狼狽すると思われたすずかは囃し立ててきた。

「は〜やてちゃ〜ん。もしかしてはやてちゃんと速人さんって、大人の関係ですか?」

  興味津々の感じで聞いてくるすずかに、はやては慌てふためきながらも気付かずに墓穴を掘りまくる言葉を紡いでいた。

「ち、違うんよ!?あたしはいつも途中でぐでんぐでんに成るからそんな事しとらんて!!」

  その言葉を聞きますます狼狽するアリサと笑みを強めるすずか。尤もすずかの笑みは邪笑という感だが………。

「ぐでんぐでんって…………………はやてちゃんて見かけによらずススんでるんだね…………。

  速人さんはお金稼いでいるから、はやてちゃんが16歳に成ったら結婚式だね。結婚式には絶対呼んでね。それとヴーケは私の方に投げてくれたら嬉しいな」

  すずかの言葉を聞き真っ赤に紅潮するはやて。

  何時か本人も言っていたが、弄るのは好きでも弄られるのは苦手らしく、更に墓穴を掘る発言を繰り返す。

「だから違うんやて!きちんと速人はんは服着とるし、あたしも揉まれる所以外はきちんと服着とるからすずかちゃんの言う様な事は無いって!」

「はやてちゃんは恥ずかしがり屋さんなんですか?」

「日本の女の子は慎み深く恥らい持つのが普通やろ!?

  速人はんは気遣って優しくしてくれるんやけど、痛いし恥ずかしいし気持ち良いしでもう顔も隠したいくらいなんよ〜!!」

  墓穴をあまりに深く掘りすぎたはやて。そして地上付近の土砂がはやて目掛けて崩落するかの如き発言をすずかが見舞った。

「え〜と、つまり速人さんは服着ててはやてちゃんは揉まれる所以外は服着てて、痛くて恥ずかしくて気持ちよくてぐでんぐでんに成る程の事をされてると?」

「その通りなんよ!だからすずかちゃんが言う……よ…………う………………な…………………………」

  ゆっくりと今まで自分が何を口走っていたかを理解するはやて。

  そして理解に至った瞬間、普通どう解釈しようと大人の関係以外に解釈できないと気付いたが時既に遅く、すずかの中ではすでに大人の関係と認識されてしまっていた。アリサは未だ顔を真っ赤に染めて呆然としていた。

  はやてと同じ渦中の人物たる速人は気にせず普段通りノートパソコンに何かを打ち込んでいた。

「は、速人はん!さっきうちが言った事は違うって言って否定してや!」

「先のはやての発言は、はやての心境は兎も角それ以外は全て事実だ。はやての心境ははやてにしか解らないので俺が否定することでは無いと思うが?」

  嘘を言わない速人の発言でますますはやての言葉の信憑性が増し、すずかは幸せそうにはやてを見ていた。アリサは先程から真っ赤になったまま呆然としたままだった。

 

 

 

  慌てふためくはやて、友人の幸福と狼狽振りに微笑むすずか、未だ顔を真っ赤にさせたまま呆然とするアリサ、そして我関せずの速人を乗せたまま車は駅前のショッピングモールに向かっていた。

  運転手のノエルは気を利かせて遠回りしながらゆっくりと目的地に向かったので何とか車内ではやては誤解を解く事が出来た。

  着く前から若干疲弊したはやてだったが楽しくアリサ達とウィンドウショッピングと幾つかの買い物を楽しんだ。

  そして帰り際に明日か明後日に新しい友達を紹介するといってその日の外出は終わった。

  紹介される者の名前はフェイト・テスタロッサだった。

 

 

 

 

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  第十話:侵食され始める平穏――――了

 

 


【後書】

 

  ようやくなのはが登場したにも拘らず現在治療中の為退場中で、前回は碌に発言が無かったにも拘らず、今回は完全に出番が無い始末。

  さらに出番が無いばかりかなのは暗殺計画の内容になってしまいました。なのは好きの方申し訳ありません。

 

  速人がアリサと友人関係構築に励みだしたといっても家族と天秤に載せることすらなく、なのは暗殺計画の最中にアリサへの配慮がゼロという無常さが炸裂しています。

  一応友人関係構築中といっても、家族と同じ天秤に載せる事は現在の速人は無いみたいです。

  次回はアリサを大活躍させたいです。

 

  次回はフェイト登場予定ですが、速人はある程度相手が自分を嫌う様に仕向け、そして相手の思考を把握及び操作し易い状態にするという厄介な考えの持ち主なので多分好かれません。

 

  毎回この駄文をお読み下さり、嬉しい感想と共に掲載して下さる管理人様に感謝を申し上げます。

  そしてこのSSを御読み下さっている方、このような未熟で不出来な文を御読み下さり感謝します。




なのはは原作通りにリンカーコアを抜かれたみたいだな。
美姫 「で、次はフェイトとの出会いが」
うーん、どんな対面になるのか楽しみだな。
美姫 「次回が待ち遠しいわね」
うんうん。次回も待っています。
美姫 「待ってますね〜」



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