Side:ドゥーエ
市街地では、弩派手なドンパチが展開されてるんだろうけど、其れに参加できないって言うのは少し…否、大いに不満と言うか、不完全燃焼感が有るのは否めないわ。
確かに、トリスマギアとの戦いで、片腕が吹っ飛んで、修理の真最中だった私は戦力としては、不安が有るのかもしれないけどさ。
って言うか、やっとこ修理が終わった所だし。
『うぉーい、聞こえとるかドゥーエちゃーん!!!』
「!?」
なんて、ちょっとしたネガティブ思考に陥ってた所で聞こえて来たのは、はやての声!?――何がどうなってるのかは分からないけど、大声出し過ぎよ貴女!鼓膜破る
心算なの!?
幾ら戦闘機人とは言っても、直せる範囲には限度があるんだからね!!
『あ〜〜〜……そら悪かったわ、堪忍して。
せやけど、緊急にドゥーエちゃんに頼みたい事が出来てもうたんや……それも、この戦いの結果を左右するかも知れん重要なモンや。』
「そんな大事なモノを、修理完了直後の戦闘機人に頼む?一応右腕はくっついたけど、未だ試運転もしてないのよ?」
『普通やったら頼まないで?……せやけど、暗殺のエキスパートであるドゥーエちゃんなら、何とかできると思ったんや……私の目が節穴でなければな。』
マッタク……相変わらず貴女はズルいわねはやて?そんな言い方をされたら、断る事なんて出来ないじゃない。――でも良いわ、その依頼は受けるに値すると思うし。
で、具体的に私は何をすればいいのかしら?
『レイジングハートと閻魔刀の所在を知られないように、誰かがジャミングをしてるみたいなんや。フレキとゲリの探索に引っ掛からん事を考えるとな。
けど、其れだけのジャミングをするには管理局のホストコンピューターを使わんと無理やろ?
とすると、スカリエッティ一味の誰かが、局員に成りすまして、局のホストコンピューターにアクセスしてる可能性は低くないと思うんや。
せやから、ドゥーエちゃんには其れを見つけ出して処理して欲しいんやけど……頼めるかなぁ?』
つまりは、局内に入り込んだネズミを暗殺しろと言う事ね?――OK、その任は受けるわはやて。
元より、私の様な暗殺者は、寧ろこっちの方が本分だからね。
時にはやて、見つけ出して処理しろとの事だったけど、別に倒してしまっても構わないんでしょう?
『ここで、アーチャーキター!!……やなくて、倒してしまっても全然OKや!』
なら迷う事は何もないわね……右腕の試運転にもなるし、ジャミングなんて事をしてくれてる猪口才なネズミを、ピアッシングネイルの錆にしてあげるとしましょうか。
リリカルなのは×Devil May Cry 黒き騎士と白き魔導師 Mission103
『ジャミングを解け〜Magic Jammer〜』
No Side
「よし……此れで良い。
この状態を、神が最大の力を発揮するその時まで維持できれば、其れで私達の勝ちだ――神の力が、最大で発揮されたら、世界は沈みゆくのですからね。」
管理局のホストコンピューターが集まる一室に、其れは居た。
紫色の長髪に、金の双眸――髪の長さと性別の違いは有れど、ジェイル・スカリエッティに、いっそ恐ろしいまでに酷似した女性は、手元のコンソールを操作しながらも、
同時に、勝利を確信した、歪んだ笑みを受けべていた。
このまま行けば、絶対に勝つ事が出来る!スカリエッティの野望を叶え、六課を――引いては時空管理局その物を叩きのめす心算で居た。
借りに此処で勝てずとも、大打撃を与えておけば、次の襲撃時には自分達の方が有利になる――その考えから、その女性『ウーノ』はジャミングを続けていたのだが…
「残念だけど、貴女は此処でゲームオーバーよ。」
「え?」
突如聞こえて来た、自分のモノではない声を聞いて視線を落とすと――なんと、自分の腹から、3本の爪が顔を出していた。
其れは、言うまでもなく、ドゥーエのデバイスであるピアッシングネイル。
ウーノがジャミングに集中していた事を除いても、一切の気配を感じ取られる事なく、ドゥーエはウーノの背後に迫り、その身体を3本の鉄爪で刺し貫いたのだ。殺気すら
も完全に消して。
「お前は……な、何故此処に……いえ、其れ以前にどうやって此処まで来れたと言うのです?
室内の監視カメラには、あらかじめハッキングして嘘の映像を流すようにしておいたし……誰かが近づいて来たら分かるように、感知センサーまで飛ばしていたと言う
のに……何故……」
反対に刺し貫かれたウーノの側からすれば、こんな事は起こる筈のない事だった。あらゆる事態を想定して、策を張り巡らせた上でジャミングをしていたのだから。
特に、感知センサーの感度は、局内で1匹の蟻が動いた事を感知出来る位に鋭いモノだ。――で、あるにも拘らず、自分を刺し貫いた女は、其れを超えて来たのだ。
「あぁ、其の事?
そんなのは実に簡単な事よ?感知センサーと言えど万能じゃないから、どこかに必ずセンサーで感知できない死角が存在するでしょ?
私は、その死角のみを通って来たのよ。理解できた?」
「馬鹿な……そんな事が……」
「出来る筈がないって?……まぁ、普通なら無理でしょうね。其れこそ、こんな事はなのはやネロだって無理だと思うわ。
だけど、暗殺術を極めた私にとっては、何かの死角に入るなんて言うのは児戯に等しい事よ?自慢じゃないけど、白昼堂々、誰にも姿を見られずにターゲットを葬った
事だってあるしね。」
しかしそれも、暗殺術を極めたドゥーエからしたら簡単な事だったようだ。
其れこそ、此れまでにレティの政敵で法で裁く事の出来ない外道を何人も暗殺して来たドゥーエにとって、センサーの死角に入る等と言う事は、厳重なセキュリティの施
された豪邸に忍び込む事と比べれば、大した事ではなかったのである。
「でもまぁ、ジャミングって言う手段そのものは悪くなかったと思うわ――でも、やり過ぎたわねアンタ。
はやての使い魔である、フレキとゲリでも感知できなくなるほどのジャミングって言うのが、逆にはやてに『管理局のホストコンピュータからジャミングされてる』って言う
導き出させたのよ。
そして、其れは大正解。こんなネズミが紛れ込んで居た訳だからね。」
ウーノからピアッシングネイルを引き抜き、其れに付着した血を舐めとるドゥーエの『危険な美しさ』は、何ともアレなモノだが、兎に角これでジャミングは停止出来た。
尤も、だからと言って、事が済んだ訳ではないが。
「普通なら致命傷だけど、戦闘機人の貴女だったらそうじゃないわよね?……加えて、貴女も帰天してるんでしょ?なら、帰天の力を使ってかかってきなさいよ。」
「其処まで……ならば、望み通りに帰天するとしましょう。
ですが、後悔する事になりますよ……帰天する前に倒してしまえばよかったと。」
そう、ウーノは戦闘機人であり、同時に帰天の力も得ているので、腹を貫かれた位では致命傷にはなり得ないのだ。
そして、ドゥーエの挑発に乗る形でウーノは帰天して悪魔の力をその身に宿す――つまり、此処からが本番であるのだろう。少なくとも、ウーノにとってはだが……
――――――
Side:ドゥーエ
室内の景色が変わった?そっか、トリスマギアの時と同じく、別の空間に転移したって事ね。
しかしまぁ、思った通り帰天の力を宿してたわね?……何て言うか、見てくれが明らかに人外になってるのはアレだけど。
上半身は、肌の色が変わって、両腕に一体型のブレードが装備された事を除けば原型が可也残ってるけど、下半身は、腰から下が蜘蛛の身体になって、加えて蜘蛛
の足全てが8体の蛇で構成されてるって幾ら何でもグロテスク過ぎるでしょうに。
でもまぁ、帰天して此れなら、負ける事は無いわね。
「なに?本気でそう思っているのですか?」
「えぇ、思っているわ。――って言うか、貴女は本来、情報処理専門の裏方な非戦闘員でしょ?
だから、データで知り得た事が有るにせよ、実戦でのデータは無いに等しいでしょうからね……其れを考えれば、おのずと答えは出るんじゃないかしらね?」
常に現場で戦ってきた私と、実際に戦った経験のない貴女じゃ、そもそも比較するにも値しないと思うわ。其れに、既に貴女は詰んでるのよ――周りを見て見なさい。
「なに?……な、此れは!?」
「迂闊だったわね?
貴女が帰天し、空間が書き換えられたのと同時に、この空間に無数のスロウダガーを配置しておいたのよ、光学迷彩を纏わせた状態でね。」
そして今、その光学迷彩を解除した……『見えている事が、逆に恐怖だろう?』ってね。
さぁ如何する?帰天した力を使って全方位に攻撃したとしても、全てのダガーを撃ち落とすなんて不可能よ?其れこそ、なのはと同等以上の射撃が出来ない限りは。
序に言っておくと、全てのダガーの刃にはホーリーウォーターが塗ってあるから、帰天した貴女には、1本刺さっただけでも致命傷になりかねないからその心算で♪
「行くわよ?一斉発射!!」
「く……私の力を甘く見ない方が良いですよ!」
――バシュゥゥゥゥゥゥゥ!!
ふぅん?両手から蜘蛛の糸で作ったネットを放出して、それでダガーを絡め取ると来たか……でも、其れじゃあ全てのダガーを捉える事は出来ないし、ダガーとは違う
攻撃に対処する事だって出来ないでしょ?
「ダガーだけじゃなくて、此れも喰らいなさい!!特製のイヤリング爆弾をね!」
「爆弾?……残念ですが、今更爆発物如きで、この身体にダメージを与える事など出来ませんよ?」
でしょうね。――でも、其れは只の爆弾じゃない。管理局の技術部が、対悪魔用の兵器として開発していた物の試作品なのよ!
――パリィィィン!
――ジュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!こ、此れは、ホーリーウォーター!?」
「正解。このイヤリング型爆弾、不思議な――瓢箪みたいな形をしているでしょ?此れが胆なのよ。
イヤリング型爆弾は、手榴弾の変形みたいな物で、耳のリング部分が所謂信管で、飾りが爆弾部分なの。
で、この瓢箪型爆弾は、信管に繋がってる球部分に火薬が、その下の球部分にホーリーウォーターが仕込まれていて、火薬が爆発すると同時にホーリーウォーターが
飛び散る仕組みになっていると言う訳。理解できた?」
序に言うと、仕込める量が極僅かだから、通常の10倍の濃度に凝縮したホーリーウォーターが仕込まれてるらしいわ。…其れの開発の方が大変だったみたいだけど。
兎に角これで、少なくとも貴女は全力で戦う事なんかできないわよ?即死でなかったとは言え、人間なら皮膚移植が必要なくらいの大火傷を身体の広範囲に負ったの
と同じなんだから。
其れに、此れはクレドから聞いた事だけど、帰天はデビルトリガーと違って、受けた傷が即時治癒を始める効果は無いのよね?
だから、大人しく投降するのを薦めるわ。イヤリング爆弾喰らったのと同時に、結構な量のダガーも身体に刺さったみたいだしね。
直ぐに治療すれば、まだ助かるかも知れないし、この辺で終わりにしない?
「えぇ、終わりにしましょう……ですが、私の降参ではなく、貴女の死によってです!!」
「……そう、なら仕方ないわ。」
――ドォォォォォォォォォォォォォォォン!!!
「え?……そんな、その腕は……何故、腕がグレネードランチャーに……」
「トリスマギアとの戦闘時に、私は右腕を失った。でも、私は戦闘機人だから、失った腕は新しく作る事で再生する事が容易だったわ。
だからその時に、右腕その物をデバイスに改造して貰ったのよ――ブレード、マシンガン、グレネードランチャーにニードルガンと、色んな武器に変形できるやつにね。
今回は、最も破壊力のあるグレネードで、貴女の心臓をぶち抜かせて貰ったわ。」
純粋に悪魔の血を引いてるネロやバージル、ダンテだったら心臓を貫かれても平然と生きてるだろうけど、帰天は悪魔の力をその身に宿すだけで、見た目が悪魔にな
った所で、身体も悪魔の其れになる訳じゃない。
だから、人間にとっての致命傷は普通に致命傷になる……そうよね?
「そんな……こんな所で……もう少しで、ドクターの理想が現実になると言うのに……私は――」
――シュゥゥゥゥゥゥゥン……ドサリ
……死んだら姿が元に戻ったか。ま、あんな姿のまま死ぬってのは、幾らなんでもアレだからね。――同時に、空間元のホストコンピュータールームに戻って来たわ。
まぁ、其れは良いんだけど、どうやってジャミング解除したモンか?
コイツが大人しく投降してくれれば、コイツに解除させたんだけど、投降する気ナッシングだったから殺しちゃったし……うん、此処はシンプルに行こう。始末書覚悟で。
「てやぁ!!!」
――バゴン!!
――……バガァァァアァァァァァァアッァアァァァァン!!!!
解除の仕方が分からないなら、ホストコンピューターそのものを壊しちゃえば、否が応でもジャミングは止まるわ。って言うか、止まらなかった幾ら何でもオカシイし。
兎に角、これでジャミングはシャットアウトしたから、後は何が何でも閻魔刀とレイジングハートを見つけなさいよはやて?
神に捕らわれたネロとなのはを助ける為には、其の2つが絶対に必要になる筈だからね。
――――――
Side:ダンテ
Hoo〜〜!Ha-ha!!良いねぇ、最高だぜ!
クソッタレな悪魔共が、倒せど倒せど湧いて来る――クレイジーでハッピーな悪魔のパーティってのは、此れ位じゃないと面白くないし、刺激が足りなくて退屈だからな。
ほらほら来いよ?もっと遊ぼうぜ?
「Die!(死ね!)」
――ズバァァァァァァァァァァアァァァァァアァァァァァ!!
って!オイ、バージル、獲物の横取りはズルいだろ?そいつ等は、今から俺がスタイリッシュに倒してやる心算だったんだぜ!?
「そうだったのか?何時までも攻撃しないから、遊び相手ではないのかと思ってしまったぞ。」
「俺は悪魔をぶっ殺す時でも、出来るだけスタイリッシュにカッコ良く決めてぇんだよ!つーか、ギルバとしてトニーと仕事を共にしてたんだから、其の位は分かるだろ!」
「スマンな、最近歳のせいか物忘れが酷くてな……そんな過去の事など覚えておれん。」
言う程年寄りじゃねぇだろバージルゥゥゥゥ!!アンタ普通に二十歳前後で通じる外見だろうが!!ヴィヴィオ嬢ちゃんて言う孫が居るにしてもだ!!
そんな奴が、ジジイみたいな事言ってんじゃねぇよ!割とマジで!!
「ふむ……一理あるな。
ならば、ギルバがトニーと組んで居た時の様に、俺が適当に斬り捨て、お前がトドメを刺すと言う形で行ってみるか?」
「おぉっと、ソイツは良いねぇ?燃えて来るぜ!!」
実際あれは効率面では最高だったからな。
死なない程度の一撃をギルバが敵集団にブチかまして、トニーがトドメを刺すってのは、最強のコンビネーションだったから、今度は俺とバージルで其れを―――
『あ〜〜〜〜テステステス!全軍へ連絡、聞こえとるかぁ!!』
やろうとしたところで、はやて嬢ちゃんからの通信だって?――ノリを止められる形になったが、はやて嬢ちゃんが通信が来るって事は、其れだけの事が有ったって事
だからな?……一体何があったんだ?
『ドゥーエちゃんが管理局に入り込んだネズミを駆除してくれたおかげで、ジャミングが解除されて、でもって、漸く閻魔刀とレイジングハートの在処を突き止められた!
閻魔刀とレイジングハートが有るのは、ミッド市街中心部有る劇場の地下や!地図座標を送るな!
やから、其処に最も近い所に人は、即時閻魔刀とレイジングハートの奪還に向かってや!!』
Hoo!!ソイツは何ともグレートだな、はやて嬢ちゃん!
嬢ちゃんから送られた座標データを見ると、現場に最も近いのは俺とバージルか……
「貴様は行けダンテ。行って閻魔刀とレイジングハートを奪還してこい。」
「はぁ!?何言ってんだアンタ?
今は坊主のモノかも知れないが、閻魔刀は元々アンタのだろ?アンタが直々に取り戻さなくて良いのかよ!?」
「……正直な事を言うなら、俺の手で奪還したいが、しかし己の我を貫いて良い所でもない。
何よりも、効率面を考えるならば、俺が市街地の悪魔の相手の相手をした方が遥かに効率的なのだ……俺の方が、お前よりも纏めて倒すのが得意なのだからな。」
成程……言われてみりゃ、確かにそうだ。
なら此処は任せるぜバージル?――アンタがコイツ等にやられるとは思えないし、月並みなセリフだが……死ぬなよ兄貴?
「誰に物を言っている?寧ろそれは俺のセリフだ愚弟が。
……貴様こそ死ぬなよダンテ――万に一つもないだろうが、貴様が死んだら、お前が居た世界の未来は破綻してしまうのだからな。」
「OK、分かってるぜバージル……んじゃあまた後でな?」
「あぁ、後で――必ずな。」
ったく、最高にカッコイイ役を攫ってくとか、本気でアンタはズルいなバージル。だが、主役を譲って貰った以上は、其れに応えないのは嘘だから、何が何でも閻魔刀とレ
イジングハートを奪還してやろうじゃねぇか!!
――ザシュザシュザシュ!!ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!!
オラァ、道を開けろ雑魚共!!天下無敵のスバーダの息子のお通りだぜ!!
テメェ等雑魚が何匹集まろうと、俺の敵じゃねぇんだよ!!死にたくなかったら、汚いケツ見せて、大人しく帰んな!――俺は、容赦出来るほど優しくないんでね!!
「如何やらその様だ……故に、此処で倒さねばなるまい。」
「…………」
で、市街地を突き進んでいった訳だが、ゴール直前で、新たな敵が現れやがったな?
如何見ても男にしか見えないが、胸の膨らみが女である事を主張してる青髪のショートヘアと、何を考えてるか分からねぇピンク色のロングヘアーの嬢ちゃんがよ!!
まぁ、俺の前に立ち塞がるってんなら、払うだけだけど――そうは行かねぇんだろ、フェイト嬢ちゃんよ?
「そうは行きませんよダンテさん。……この2人に関しては特にね。
なので、この2人の相手は私がしますので、ダンテさんはレイジングハートと閻魔刀のある場所に直行してください――えと、ライトニング分隊隊長としての命令です。」
命令か〜〜〜……なら従うしかねぇよな。
OK、そいつ等はアンタに任せるぜフェイト嬢ちゃん!――だが、命令した以上は、カッコ良く決めてくれよ?約束だぜ?
「言われなくてもその心算です……私は、勝つ気で此処に居るんですから!」
Ha-ha!ソイツは最高だぜ!!
なら、フェイト嬢ちゃんが負けちまう事は、兆に一つもありゃしねぇな――コイツは、フェイト嬢ちゃんと戦う相手に同情しちまっても、多分罰は当たらねぇだろうな。
ま、頑張んなフェイト嬢ちゃんよ!!最高の結果になるのは、確定してるだろうけどな!!
――――――
Side:フェイト
さてと…ダンテさんを先に進ませるために、2人の戦闘機人の相手を買って出た訳だけど、相手が帰天の力を得ている事を考えると、少しだけきついかも知れないね。
だけど、負ける気は毛頭ない――なのはとネロだって、神の中で足掻いてる筈だから、此処で私がこの2人に屈する事だけは、絶対に有り得ない事だよ!!
「Fの遺産……貴女はこちら側に居るべき存在だ!我々と共に来い!ドクターの理想を、現実にしようじゃないか!」
「………」
悪いけど、其れはお断りかな?
スカリエッティの理想とする世界がどんな物かは知らないけど、私は、今のこの世界が好きなんだ……なのは達と取り留めのない会話をして、適当に冗談を言い合って
訓練で汗を流すって言う事が出来る、この世界が!!
そんな世界を否定して、スカリエッティの理想を実現するって言うなら――良いよ、相手になってあげる。
――チャキ……!
――バチィ!!
バルディッシュとアラストル……2つの雷光の餌食になりたいのなら、遠慮しないで掛かって来なさい?雷神が、其れを完膚なきまで、完全に叩きのめしてあげるから!
――さぁ、始めようか?フィナーレに至るまでの、激烈な一幕をね。
To Be Continued…
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