Side:ネロ


――ペチぺチ。


An?……誰だ人の顔を叩くのは?
今は旅行中なんだから、いつもと違って起床時間ギリギリまで寝てても問題ないだろ?

第一、昨日の夜の一件で精神的に疲れてるんだ……頼むから起床時間まで寝かせてくれ――って、おい一体誰が俺の顔を叩いてるんだ?
叩かれた感触からして、恐らくは子供の手――しかも可成り小さい子(推定5歳くらいか?)って言うのは間違いないよな?……何時入って来たんだ?


「起きておにーちゃん……朝だよ?」

「……OK、折角可憐なプリンセスに起こして貰ったんだ、此処で二度寝するって言うのは気が引けるな。」

予想通り、俺の顔を引っ叩いてたのは黒髪ボブカットの5歳くらいの女の子――中々ベターな起こし方だったが、もっと刺激的でも構わなかったぜ?
其れで君は誰だ?此処の宿の従業員の娘さんかい?


「さぁね?……またあとでねお兄ちゃん。」


……行っちまった……またって事は、帰るまでにもう1度くらいは会う機会があるって事――だよな?詳しい事はその時に聞けばいいか。

「あふ……とは言え、マジに二度寝するって気分でも時間でもないな?
 どうせコイツ等は、今起こしたところで絶対に起きる事はないだろうし、下手に起こそうとすると反射的に攻撃してきかねないからなぁ……」

放置が上策だな……ふぅ、顔を洗ってくるか。
旅行の2日目、今日は自由行動って事だがどうやって過ごすか?……まぁ、取り敢えず全力で楽しまないと損だって事は間違いないだろうな。
確か此処は観光地としても有名って事だから、街中に繰り出すのも良いかもしれないな――OK…This may be fun.(ふ…楽しめそうだぜ。)



其れは兎も角、如何にも昨日のなのはの姿が頭に焼き付いちまってるな……もう2〜3発ブルーローズで頭撃ち抜いとくか……











リリカルなのは×Devil May Cry  黒き騎士と白き魔導師 Mission11
『妖少女〜Mysterious Girl〜』











で、顔を洗いに行く途中の渡り廊下――此処は庭を見る事が出来るつくりになってるらしい――から見た景色に………何か居た。

「……何やってんだお前等は?……若しかして一晩中そうしてたのか?」

「お前にブッ飛ばされた後、運悪くなのはさんに見つかって、正座で1時間以上の説教を喰らった上に…」

「其れを聞いてた他の訓練生が何時の間にか集まってきて、抵抗する間もなく圧倒的な物量で簀巻きにされて…」

「一際大きなこの大木に括られちまったと……敢えて言うが如何考えても『自業自得』ってやつだろ……寧ろその程度で済んで幸運だと思えよな?」

なのはが本気でブチ切れたらそれどころじゃ済まなかったとおもうぜ?
最悪の場合1時間の説教じゃ済まずに、バインドで拘束されてディバインバスターで夜空のお星さまにされててもおかしくないだろ、割と本気で。


そうなったらお前等は跡形もなく吹き飛んで人生にピリオド打つ覚悟をしておいた方が良いかもしれない状態だったからなぁ?
まぁ、俺にブッ飛ばされた挙げ句に、追加攻撃が『良い笑顔のなのは』からの説教コースともなれば精神的ダメージだってレッドゾーンだろ。
取り敢えず頑張れ、俺は顔洗ってくるからな。


「ってこの流れでスルーするなって!!此処は、呆れながらも助けてくれる場面じゃねぇの!?」

「もうしないから!!絶対に!!だから助けてプリーズ!!」

「せっかくの旅行が此れなんて、自業自得でも酷すぎるだろ!?」


What’s you say?(何言ってんだお前?)悪いが俺は『悪魔』だから一般人の感覚は分からなくてね、他の誰かが助けてくれるのを待つと良いぜ。
其れに、一晩中『ソレ』だったって事はなのはのお許しが出てないって事だろ?教官殿のお許しがないのに勝手にってのも如何かと思うしなぁ?


「「「んな殺生な!?」」」

「まぁ、冗談だけどな?」

「「「冗談かよ!?」」」

「嘘だ。」

「「「どっち!?」」」


さてな?けど、こんなのを吊るしたままにしといたら宿の方にも迷惑が掛かるだろうから助けてやる――ただし今回だけだぜ?
もし、次に同じような下らない事したらその時は………『握り潰す』からな?其れだけは忘れるなよ?


「「「(コクコクコク)」」」(瀑布汗)

「OK……見た感じそのロープを切れば脱出は出来るみたいだし、布団がクッションになるから大丈夫だろ?幻影刀…Slash out!(斬り裂け!)


――スパァ!!ズゥゥゥン!!!


日々の訓練も有ってか、前よりも格段に操作性能が上がってるし切れ味も鋭くなってるな。
だが、なのはの誘導弾と比べればマダマダ誘導性能に難ありか……その辺は要修業って所か。


「朝っぱらから何やら面白い事になってるねネロさん?」

「その人達は確か昨日なのはさんにお説教されて――若しかして一晩中あのままだったんですか?」


どうもそうらしいぜ?
このまま吊るしといても良かったんだが、其れじゃあ宿の方に迷惑が掛かるし何よりもあんまり見てくれも良くないだろ?
だから、ブッダの心でもって助けてやったって訳だ……まぁ、こんだけの『お仕置き』をされたんだから二度と馬鹿な事はしないと思うがな。

「尤も今度昨日みたいな真似をしたら物理的に『握りつぶして』男としての選手生命を完全に絶ってやる心算だぜ?」

「「「二度としないので其れだけはマジで勘弁してください!!」」」(土下座)

「……何と言うか、明確な力関係が出来上がったみたいですねぇ……」

「なのはさんとネロさんに悪戯仕掛けるのがそもそもの間違いだと思うけどね。」


そう言う事だな……ま、今回は旅行でテンション上がってたって事で勘弁してやるさ。
其れよりもギンガ、ヴィッツ、2人とも女の子を見なかったか?こう、黒髪を肩の辺りで切り揃えた5〜7歳くらいの子なんだけど……


「私は見てないよ?ギンガは?」

「私も見てませんねぇ……その子が如何かしたんですか?」

「いや、さっき俺の顔を叩いて起こしに来てさ……『また後で』って言ってどこかに行っちまったんだよ?…少しばかり気になってな。」

ま、別に見てないなら良いさ。『また後で』って事は近い内に会うだろうし。
取り敢えず飯まではまだ時間があるし――軽くトレーニングでもしとくか、フロストハートの力も本格的に使いこなせるようにならないとだからな。








――――――








Side:なのは


旅行2日目の朝――今日は自由行動だから皆思い思いに過ごすんだろうね……一応節度ある行動をとるように注意はしなくちゃだけど。

まぁ先ずは朝ごはん。
昨日の夜と同じ大広間で揃って朝ごはんなんだけど……

「えっと…おはようネロ君///

「あ、あぁ…おはようなのは///


案の定と言うか何と言うかネロ君の顔をまともに見れません……其れはネロ君も同じみたいだけどね…。
あうぅぅ……子供の頃にも不可抗力とは言えユーノ君に見られてるけど、あの時はお互いに子供だから羞恥心も今程じゃなかったけど、今は流石に…


「き、昨日は悪かったな?///

「え?あ……昨日のは不可抗力だから気にしないで?///

お、落ち着け私……大丈夫…大丈夫だから何時も通りに……よしOK。
んん、ところでネロ君は今日の予定はどうなってるの?今日1日は自由行動だから、宿でのんびりするも良し、街に繰り出すも良しだよ?


「ん?あぁ、此処は観光地としても有名って事だからその辺を適当に散策してみる心算でいる。
 ギンガとヴィッツも誘ったんだが、アイツ等は今日は『温泉巡り』をするんだそうだ――ま、気楽にその辺をぶらつくさ。」


なら私と基本的な予定は一緒だね♪
私はくーちゃんと一緒に観光する予定なんだけど、良ければネロ君も一緒にどうかなぁ?


「良いのか?
 確かに俺としても、此処は初めての場所だから誰か案内してくれる奴が居るのは助かるんだが……久遠と水入らずの邪魔にならないか?」

「大丈夫だよ?……寧ろネロも一緒の方が良い。」

「と、この様にくーちゃんは全然大丈夫だから気にしないで?くーちゃんはネロ君の事も好きだから♪」

「まぁ、良いなら良いけどな……なら、観光ガイドを頼むぜなのは?」


任されました♪
あ、ところでネロ君、おかっぱ頭――肩の辺りで髪の毛を切り揃えた小さな女の子を見なかった?起きたらくーちゃんと遊んでたんだけど…


「What’s?(何だって?)なのはの所にも来たのかよあの女の子は?……俺の所にも来たぞ?」

「ネロ君の所にも?なんか『また後でね』って言って居なくなっちゃったんだけど……」

「俺の方もそうだな……何なんだ一体?宿の従業員の子供とも思ったが――多分違うよな?」


多分ね……だけどくーちゃんが一緒になって遊んでた事を考えると『邪悪な存在』じゃないのは間違いないと思うの。
もしそうだったら、くーちゃんが警戒しまくるし、私だって気付くからね。

だけど其れはなかったから、邪な存在でない事だけは確かだと思うよ?……『またあとで』って言ってたから、もう1度会う事は出来るんじゃないかな?


「やっぱりそうだよな……だが、何でこんなに気になるんだろうな?」

「う〜〜〜ん………何でだろうねぇ?」

考えても分からないかな?

まぁ、先ずは朝ごはんを済ませちゃおうか?あんまりのんびりしてたら、折角の自由時間もなくなっちゃうからね。
それではいただきま〜す♪


「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「いただきま〜〜〜す!!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」



うん、昨日の夜も思ったけどこの宿のごはんは凄く美味しいね♪
これは、この世界に局員旅行とかで訪れる時の宿はこの宿一択にした方が良いって事を、帰ったらレティさんに報告しておかないとだね♪








――――――








Side:ネロ


「で、この街はそもそもが火山帯に近い場所に有って、そのお蔭で豊富な温泉資源に恵まれてるらしいの。
 しかも、源泉が沢山あって、其れによって硫黄泉や炭酸泉、含鉄泉に酸性泉など合計10種類もの温泉が湧きだしてる珍しい場所なんだよ。」

「そいつは凄いな……確かジャパンでも一つの地域に複数の種類の温泉が密集してるのは珍しいんだったよな?」

飯を食い終わって一休みした後で、今はなのはと久遠と一緒にこの『オンセンガイ』ってのを散策中。
観光の名所って事も有って、確かに景色は綺麗だったな。

で、散策中にナノハがこの世界の事をいろいろ教えてくれてるんだが……意外と博識と言うか、科学的な事にも明るいんだななのはは?
普通、どの温泉にどんな成分が含まれてるかまで把握しないだろ?それ以前に、温泉成分の名前を覚えてる事に驚きだぜ。


「なはは……子供の頃から文系はからっきしだけど、理数系は物凄く得意だったからね?」

「得意とかそう言うレベルかこれ?」

「なのはある意味オール・オア・ナッシング……得意な事はとことん得意で苦手な事はどうやっても苦手〜〜〜。」

「そう言われると何とも否定できないね――確かに短所を補うくらいなら長所を伸ばせって言うのが私の考え方だからね。」


其れで良いんじゃないのか?
オール80点よりも、特定の能力が300点の特化型の方が意外と強いって事はあるからな……オッサンみたいにオール500点てのも稀にいるが…


「……ネロ君の話しによく出て来るダンテさんて一体何者なの?」

「借金塗れのくせに週休6日を公言して、食事の9割がピザとストロベリーサンデーで時折俺にたかりに来るダメな大人の見本みたいな奴だな。
 …だが、一度バトルとなったらマジで強い……多分俺となのはが組んで挑んでも勝つ事は難しいだろうな……。
 普段の生活はいい加減なオッサンだけど、ダンテよりも強い奴を俺は知らない……ダンテは間違いなく最強のデビルハンターだぜ。」

もっと言うならダンテとは2回戦ったけど、1回目は遊ばれて、2回目は俺はデビルトリガー発動してたのに軽くあしらわれちまったからな。
加えてダンテの相棒はブロンド美女の悪魔で、仕事仲間はバカデカいバズーカ装備した黒髪オッドアイの美女…どいつもこいつも普通じゃねぇ。


「な、何て言うか凄い人なんだね?」

「まぁ、ダンテはスパーダの息子らしいからな?……ったく『悪魔も泣き出す男』とは良く言ったもんだぜ。」

取り敢えずあのオッサンは常識が通用しない規格外ってとこだな――そう思わないとこっちがやってらんねぇし。
ま、こっちにダンテが来る事は先ず無いと思うけどな……時に次は何処に行くんだ?


「あ、うん…次はね…」



「また会ったね、おにーちゃん、おねーちゃん♪」

「「!?」」

「あ、さっきの……」


君は旅館で会った……まさかこんなに早く会う事が出来るとは予想外だったぜ?
と言うか、此れは確定だな……旅館では分からなかったが、今はこの子に対して右腕が僅かに反応してる……人じゃない存在だ。

だが、なのはも言ってたように邪悪な存在じゃないな?どちらかと言うと久遠に近い感じがするが……


「君は……私達に何か用なのかな?」

「うん……私に付いて来て?……きっと、彼方達で間違いないと思うから……」


間違いない?……一体何の事だ?
付いて来いって事だが、如何するなのは?多分この子自体に危険はないと思うんだが……


「行こうか?折角私達を誘ってくれたんだから応えないのは良くないし、もし何かあった時は力尽くで脱出すれば良いだけだからね。」


確かに言えてるな……さて、何処に連れて行く心算なのやら……



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で、案内されて歩く事30分。辿り着いた此処は……遺跡って程の規模でもないが、随分と古めかしい感じのする場所だ。
山林の中にある朽ちた建物……だが、此処には凄まじいまでの力が集結してるな?……それも邪念のない純粋な魔力に満ちてる…何だ此処?


「その前に自己紹介をしとくね?…私はマーチ……此処に人が住み着く前からこの地で暮らしてる妖の一種だよ。」

「アヤカシ……やっぱり久遠と同系統の奴だったか…」

「妖怪って事だよね?……貴女から悪意は感じないけど、私とネロ君に一体何の用が有るのかな?」

「其れを説明する前に、ちょっと待ってね?え〜と確かあの人はこの辺に埋めてったはずだけど……え〜と…あ、有った有った!!」


なんだその古びた箱は?鎖でグルグル巻きとはずいぶん厳重に封がされてるみたいだな?


「仕方ないよ……此れは簡単に持ち出せるものじゃないからね。」

「其れは一体何なのかな?」

「其れを説明するには、少し話をしないといけないかな?
 今からおよそ700年前、この世界は『邪悪の賢者』と呼ばれていた極悪領主が収めていて、人々は明日への希望を持つ事が出来ないで暮らしてた。
 だけど、ある日この地に突如圧倒的な力を有した魔剣士と魔導師が下りたち、邪悪な賢者と呼ばれた領主を一撃のもとに倒し街に平穏を齎した。
 その後魔剣士は魔導師と別れて此処に住み約150年もの間この世界を統治し、そして発展させて行った……この辺は私も一緒に手伝ったけど♪
 まぁ、其れは其れとして、魔剣士も長い期間を此処で過ごす事は考えては居なかったんじゃないかと思う……彼自身此処を離れるのを嫌がってた。
 それで、彼が去る時に私に渡したのがこの箱――自分と、友である魔導師に匹敵する者が現れた時に此れを渡してくれって。」


其れが俺となのはって事か?
序に確認しとくが、その魔剣士の名前は……若しかして『スパーダ』じゃないのか?
スパーダ程の力を持った伝説の大悪魔なら、次元間の移動位は軽くやってのけそうだからな……この世界に足跡を残していても不思議じゃない。


「!!大正解!その魔剣士の名は『スパーダ』だよ。魔導師の方は名前が伝えらえれていないんだけどね。
 だけど良く分かったねおにーちゃん、魔剣士がスパーダだって…」

「ま、俺はそのスパーダの孫らしいからな?」

「孫!!……なら尚の事、此れはおにーちゃんが持つべき物だと思う……もちろんおねーちゃんもね。」

「私も…だけど何で?」

「おねーちゃんの魔力パターンが、スパーダと一緒に戦った魔導師の魔力パターンとよく似てるし、お姉ちゃん可成り強いでしょ?
 だったら、やっぱりあの宿に居る人の中ではおにーちゃんとおねーちゃん以外に此れを手にする資格のある人は居ないよ。」


成程ね……OK、くれるってんなら有り難く貰っとくよ。
それにスパーダが残した遺産てのにも興味があるし、なのはが一体どんな力を手にするのかも少し楽しみだからな。

「開けても良いか?」

「良いよ。」


なら遠慮なく………此れは『儀式用の短剣』と『儀式用の錫杖』だよな?……此れは一体何なんだ?
其れとこれはスパーダの手記か?


『此れを読んでいると言う事は、私の残した遺産が正しき者の手に渡ったと言う事だろう……其れだけでも此れを書き記した甲斐があった。
 私はこの地を離れるに当たって、この場に2つの魔具を封印したのだが、其れを使えるのは私の血を引くものと、彼女と同レベルの魔導師のみだ。
 強い力は悪用されれば只の兵器に過ぎないからね……まぁ、そんな事はきっと分かりきっているだろう。
 あまり長い文章が得意ではない故に、簡単に説明するが、短剣も錫杖も簡単に言えば魔力体で、適合者が触れれば同化するようになっている。
 其れだけならば何の力も持たぬが、日々の鍛錬を怠らない事で爆発的な力を君達に与えてくれるはずだ。
 一度は封じはしたが、何時かまたきっと魔界は目を覚ますだろう……もしそうなった時、この2つの力が人々の希望になる事を私は望む…』



「スパーダ……アンタ間違いなく騎士だよ…」

「この力、迷わず使わせていただきます!……レイジングハート。」

『All right.(了解。)錫杖の方を内部に取り込みますね。』


錫杖の方はレイジングハートの中に?……なら短剣は俺の右腕にインストールだな。
……成程、此れは確かに凄い力を秘めているな……使いこなすのは難しいだろうけど、だからこそ飼いならし甲斐も有るって事か。

スパーダの遺産、確かに受け取ったぜ?……此処まで連れて来てくれてありがとうな。


「ううん……昨日からおにーちゃんとおねーちゃんの事は知ってたし、その力も感じてたから。渡せてよかった♪」


こっちも貰ってよかっただ。
恐らくは此れから先、ミッドチルダにも悪魔が発生する可能性はゼロじゃないからな……このプレゼントにはマジで感激だ。


「ありがとうマーチちゃん、この力は大切に使わせてもらうね?」

「うん♪」

「旅行先で思わぬモンを手に入れちまったが、遅かれ早かれこの力の片方は何時か俺が回収してたかもしれないからな。」

結果オーライってやつだぜ。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・



そんで、其の後は何もなく、2日目は無事に終了。
3日目は殆ど何もなく、朝飯を喰ったらそのまま次元航行シャトルでミッドチルダに帰るだけだ……まぁ時間かかるからな。


そしてそろそろ出発の時間だ……ま、楽しい旅行だったな――ハプニングはあったけど。……ん?

「マーチ…!!」

「マーチちゃん……!!」


「おにーちゃん、おねーちゃん……また来てね?」


「……All right.(了解した。)何時になるかは分からないが、何時かまたここに来る事にするさ――その時は君が街を案内してくれよ?」

「良いね其れ♪」


「うん…頑張るね♪」



じゃあ、一時お別れだ……何れまたな!



「バイバイ♪」



Hoo……ま、取り敢えず旅行中に悪魔が出て来なかったのは幸運だな。
さてと、ミッドチルダに戻ったらまたいつも通りの日常だが、ある意味でそっちの方が落ち着く感じがする――此れが慣れって奴なのかもな。


あふ……さてと、ミッドチルダまでは時間もかかるし、帰りは大人しく寝てるとするか……















 To Be Continued… 




二日目は特に問題もなく普通に楽しめたようだな。
美姫 「みたいね。まあ、少し予定とは違った事はあったけれどね」
でも、悪い事じゃなかったしな。
美姫 「パワーアップだものね」
でも、日々の鍛練はやっぱり必要みたいだがな。
美姫 「それに関しては二人とも大丈夫でしょうね」
だな。とは言え、手紙には結構不吉っぽい事も書いてあったが。
美姫 「魔界が目覚めるとかね」
それが今回のネロの世界移動や悪魔の騒動と関係があるのかないのか。
美姫 「どちらにせよ、まだ分からないわね」
ああ。この先も楽しみにしてます。
美姫 「次回も待ってますね〜」
ではでは。



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