Side:ネロ
まぁ、こんな展開を予想してなかった訳じゃないが、ガチでこんな事になるとは思ってなかったぜ――なのはの親父である士郎と戦う事になるなんて事はな。
結婚そのものは了承して貰ったが、なのはの伴侶となる俺の力がドレだけの物かを見たいってのは、まぁ、分からないじゃないぜ?俺だって、将来的にヴィヴィオと
結婚したいなんて奴が現れたら、ソイツがドンだけのモンかを知りたいと思うだろうからな。
つ〜訳で道場にやって来た訳なんだが、ルールは如何すんだ士郎?流石に何でもアリって訳じゃないだろ?
「禁止行為は、金的と目潰し。それ以外は何でもアリだよネロ君。
木刀を使っての模擬戦だが、剣術のみならず体術だってありだから、禁止行為以外なら何をしてもOKって言うルールだ。そう言う方が、君もやり易いだろう?」
「そりゃ、まぁそうだけどな。」
フォウトゥナに居た頃から、クソッ垂れの悪魔共とルール無しの戦いを、生きるか死ぬか、Dead or Aliveのイカレタ世界を生きて来た訳だから、そっちのがやり易い。
だけど良いのか士郎?そのルールだったら、俺の方が絶対有利だぜ?
「君が修羅場をくぐって来たのは、見れば分かるけれど、僕も引退した身とは言え、嘗てはボディーガードして要人警護をしていたから修羅場は経験しているんだ。
其れに、なのはの父親として、簡単に負けてあげる心算は無いからね。」
「上等だぜ……!!」
パワーなら絶対に俺の方が上だが、技に関しては多分士郎の方が上だな。
士郎からは、バージルと同じ位の『達人剣士』のオーラを感じるし、何よりも『なのはの父親』としての思いが溢れ出してるからな……コイツは予想以上の強敵だぜ。
だけど俺は負けないぜ?
俺はなのはを愛してるし、なのはだってこんな俺の事を愛してくれるんだ……だから絶対に負けねぇ!!
この勝負に勝って、俺の力をアンタに示してやるぜ士郎!!
リリカルなのは×Devil May Cry 黒き騎士と白き魔導師 Mission115
『究極対決〜Nero vs Shiro〜』
Side:なのは
と言う訳で始まった、ネロとお父さんの直接対決!
結婚を認めてくれたんなら、其のままストレートに通してくれればいいと思うんだけど、認めつつネロの力を知りたいって思うのは、お父さんの譲れない所なのかな。
其れは其れで、私の事を大切に思ってくれてるって事だから、悪い気はしないけどね。
だけど、この戦いに関してはネロに勝ってほしいの!!
ネロが勝ては、誰も何も言わないだろうし、お父さんだって自分に勝った相手だったら、安心して私を任せる事が出来ると思うからね。
「オォォラァァァァァアァァァァァァァァァァ!!!!!」
「む………!!」
――バキィィィィィィィィィィィィィィ!!!
「「アレ?」」
って、模擬戦が始まった直後に木刀が砕け散った!?
ネロの渾身の一撃を、お父さんが二刀小太刀を模した木刀で防いだんだろうけど、攻撃した側の木刀と、防御側の木刀の両方が砕け散るって一体どれだけなの?
加えて言うなら、ウチで使ってる木刀って特別注文で作ったオーダーメイドだから、市販の木刀とは比べ物にならない強度がある筈なのに、其れが砕けるって言う
のは、常識では考えられない力が加わってる事の証なの。
「可成り頑丈に作って貰ったんだが、一合打ち合っただけで此れとはね…此れは、武器を変えなければならないみたいだ。」
「だな、こんな武器じゃ勝負続行は不可能だからな。
柄の部分だけ残して、刀身部分が粉々になっちまったぜ……何つーか、此れはアレだな、カツオブシみたいだな。」
「言い得て妙だねネロ君。流石に此れから出汁は取れないけれど。
しかし、この木刀は実戦にも使えるように、オーダーメイドで作った特注品なんだが、其れがこうも簡単に砕けてしまうとは、君の腕力は凄まじいモノがあるね?」
「自慢じゃねぇが、パワーだけなら管理局でも最強って自負してるからな。」
……まぁ、ネロの馬鹿力は『常識で考えられる範疇』を軽く超えているから、こうなっちゃうのはある意味で当然だったね。
幾ら頑丈に作ってあっても、トン単位の体重がありそうな大悪魔を持ち上げて投げ飛ばしたり、普通に殴ってブッ飛ばす腕力の持ち主に使われたら、其れは流石に
砕けちゃうのも仕方ないの。
若しかしなくても、ネロのレッドクイーンが異常に重いのって、ネロ用に機能を調節しただけじゃなくて、ネロが使っても壊れないように作った結果だったのかもね。
「その可能性は十二分にあるだろうが……俺としては、木刀が砕けた事で威力が分散したとは言え、ネロの一撃を防いでも微動だにしなかった士郎に驚いたぞ?
ネロの攻撃を真正面から受けるのは、俺やダンテでも可也きついモノがある故に、逸らすなりなんなりして受ける力を逃がさねば此方が押し負けてしまうと言うの
に、士郎はそう言った事をしていなかったのでな。」
「ほえ?お父さんはちゃんとネロの力を受け流していましたよ、バージルさん。」
「なに?如何言う事だ?」
一見すると微動だにしていないように見えたかもしれませんけど、お父さんはネロの攻撃を受ける瞬間に、少し木刀の角度を変えて、更に肘と膝を僅かに動かして
攻撃の威力を外に逃がしていたんです。
普通なら、其れこそバージルさんクラスの達人でも気が付かないと思いますよ?
単純に私が分かったのは、小さい時からお父さんやお兄ちゃんとお姉ちゃんの剣の稽古を見ていた事と、フェイトちゃんの本気のスピードを見切る事の出来る、ある
意味で異常としか言いようのない動体視力のお蔭ですから♪
「……セラフィムとしての力も其処に加わった結果だろうが、成程そう言う事か。
だがそうなると、この勝負はネロの旗色が悪いな?真正面から打ち合えば、その圧倒的なパワーでネロが士郎をゴリ押しして勝つだろうが、士郎はネロの力を受
け流す術を身につけている。
そうなると、ネロの攻撃は決定打にならずに、逆に大技の隙にカウンターを叩き込まれる可能性がある。
無論、ネロならばカウンターを喰らった所で一撃でやられはしないだろうが、蓄積ダメージが大きくなれば如何にネロが頑丈でも崩されるのは必然だからな?
右腕や、デビルトリガーを使えばネロの絶対勝利だが、そうでないのならば士郎の方に分があるのは否めん。」
「確かに、お父さんはネロにとってはやり辛いタイプでしょうからね。」
でも、ネロはきっと――ううん、絶対に勝ちますよ?
こんな事を言ったら、お父さんは泣いちゃうかもしれないけど、私はネロに勝ってほしいって思ってるし、此れまでもネロはドレだけ強い相手であっても最終的には
勝利して来た訳だから、ある意味で人間辞めてるお父さんにだって勝てる筈ですから。
「己の父親を人外扱いか?」
「だってお父さんて、私が子供の頃に、普通の人だったら死んでるレベルの重傷を負った状態から見事に復活しましたからね?
其れにバージルさん、自分で言うのもなんですけど、セラフィムとして覚醒して人間辞めてる私のお父さんが、普通の人の筈がないでしょう?」
「……そう言われると、妙に納得してしまうな。っと、如何やら続きが始まるようだな?
今度は木刀ではなく、刃が付いていない以外は本物の刀と同じ造りの模造刀か……まぁ、日本刀の強度ならばネロの馬鹿力にも耐える事は出来るだろう。
本番は、此処からだな。」
「そうですね。本番は此処からです!」
頑張ってねネロ!心の底から応援してるから。
「何だか分からねぇが、物凄く漲って来た。」
「うん、確かにネロ君の闘気が倍増したね?」
って、なんか伝わってた!?
普通なら有り得ないって言う所だけど、セラフィムの私と、スパーダの孫のネロだから、思いが何らかのエネルギーになって伝達する事が有るのかも知れないね。
兎に角、本番は此処からだね!!
――――――
No Side
さて、得物を木刀から模造刀に換えての仕切り直しとなった、ネロと士郎の一騎打ちだが、木刀から模造刀に換えた仕切り直しでは、ネロの雰囲気が一変した。
木刀の時は、レッドクイーンを使う時のように思い切り攻撃して来たのだが、模造刀に変えてからは、刀を鞘に納めた状態で右手に持った『無形の位』状態で士郎
と対峙しているのだ。
「ほう?」
此れには士郎も――否、達人である士郎だからこそ、ネロのその姿に目を細めた。
ネロのこの姿は、バージルから閻魔刀の手解きを受けるようになってから自然と身に付いたものだが、実は此れこそが刀を操る際に最も重要な物だったのである。
両肩の力を抜き、スタンスを軽く開いた自然体で相手と対峙するこの姿勢は、先の先で攻める場合にも、後の先でカウンターを狙う場合も、その何方にでも対応出
来る万能の姿勢であり、刀を扱う際の基本なのだ。
だからこそ士郎は、己の中でネロの評価を改めた――力任せの荒い剣技しか出来ない蛮剣士ではなく、確りと刀の使い方を心得ている一流の剣士であると。
決して己の腕力にだけ頼って戦う者ではないのだと。
「ネロ君、其れは誰かに習ったモノなのかい?」
「いや、バージルから閻魔刀――あぁ、俺が使う刀の名前だけど、ソイツの使い方を教わってる間に自然と身に付いたんだ。
其れまでは、俺が良く使うレッドクイーンて言う超重量級の剣をぶん回す時と同じように、結構力任せに振り回してたんだが、バージルに『刀とは力で振る物では
ない』って教わってな。
んで、バージルの戦い方とか見てたら、力は確かに必要ねぇって事が分かって、そしたら自然と刀を扱う時にはこう言う感じになったって訳さ。」
「と言う事は、見様見真似と独学と言う事か……其れで、其処まで堂に入った無形の位が出来るとは、大したモノだ。
だからこそ僕も一切の手加減をしないで行かせて貰う――小太刀二刀御神流:高町士郎、参る!」
「生憎と、独学だから名乗るような流派は無いんだが、言うなれば機動六課のネロって所か?行くぜ!!」
そして始まった第二ラウンド。
今度も先に仕掛けたのは矢張りネロだった。
右手に持った模造刀を鞘の儘叩き付ける『鞘打ち』を仕掛け、其れに対して士郎も左手の小太刀で其れを受け流してから右の小太刀で反撃を試みる。
が、その反撃よりも速く、振り抜いた右腕を返して、ネロの『鞘当て』が放たれ、士郎は反撃を中断して、右の小太刀で其れを受け流す事になってしまった。
更に、ネロは其処から抜刀一文字切り→逆手逆袈裟斬り→逆手居合連斬の連続技に繋いて士郎を攻めたてる。
ネロの此の連続技は、其れこそ上級の悪魔ですら回避や防御が難しい位の高速攻撃なのだが、驚く事に士郎は二刀小太刀で其れを見事に捌いて、受け流して直
撃を防いでいる。
と言う事はつまり、士郎の強さは上級悪魔以上であると言う事なのだ。
「マジかよ……此れを見切れんのは、バージルかオッサン、それ以外だとシグナム位だと思ってたんだが、アンタにも見切られるとは驚いたぜ士郎?
いや、なのはの親父さんだって事を考えれば、此れもまた有りなのかもしれねぇけどな。」
「こう見えても、嘗ては御神流の次代を担う者と言われていたんだよ?尤も、僕はその道を選ばずに桃子さんと一緒になった訳だけれどね。」
「実力は筋金入りって所か。
上等だぜ!なのはの事は勿論だが、其れを抜きにしてもアンタとはトコトンやってみたくなった!!」
「奇遇だねネロ君?実を言うと僕もだよ!!」
其処からは、正に『剣戟の嵐』とも言うべき凄まじいクロスレンジの攻防が幕を開けた。
ネロも士郎も、お互いに得物を超高速で振り回しながら攻防一体の剣術を繰り出している事で、ガンガン打ち合っているにもかかわらず、クリーンヒットが一つもな
い上に、打ち合う度に攻撃の速度が増しているのだから凄まじい。
更にネロは、士郎の二刀流に対抗する為に、鞘をも使っての攻撃をしているのだ。
鞘を使っての疑似二刀流を使った事が無いネロだが、バージルやシグナムの其れを見て、何となく体に染みついていたようである。
とは言え、此のまま逝けば泥仕合のドローなのだが……
「行くぞネロ君!」
「!?」
――バシュン!!
此処で士郎が仕掛けて来た。
突如士郎の姿がネロの視界から消え――
――バキィ!!
「がは!う、後ろからだと!?」
「マダマダ行くよ!」
ネロの背後から強烈な一撃が炸裂!
ネロは、何が起きたのか全く分かっていないようだが……
「神速……本気だねお父さん。」
なのはは士郎が何をしたのか分かっていた。
士郎が使ったのは、御神流の奥義とされる『神速』。己の集中力を極限まで高めて、意識を光速の世界に飛ばす事で人知を超えたスピードでの移動を可能にする
一種のブースト技だ。
勿論、身体にかかる負担は大きい故に乱用は出来ず、実際に士郎も引退後は使う事が無かったのだが、ネロの力を見る為にその切り札を切る判断をしたらしい。
だが、切り札を切った士郎にも一つだけ誤算が有った。
「超光速移動かよ……だけど、舐めんじゃねぇ!!」
――グン……バシュン!!
「なに!?」
「オラァァァァァァ!!!」
――バキィィィィィ!!
其れは、ネロにも超高速回避術である『テーブルホッパー』と短距離瞬間移動術の『エアトリック』が有ると言う事だ。
さっきのお返しとばかりに、士郎の神速カウンターに対してテーブルホッパーを発動し、更にエアトリックで背後を取って強烈無比の飛び蹴りで士郎を吹き飛ばす!
とどのつまりが互角。
だが、士郎は神速を解除せずに、二刀小太刀を逆手に持つと、両腕を大きく広げて姿勢を低く屈める。
そして、其処から一足飛びでネロに近付き、二刀小太刀を突き立てる形でネロを攻撃!!如何に刃を潰した模造刀とは言え、切っ先は鋭いままなので、一歩間違
えば突き刺さるのだが、ネロは冷静に其れを模造刀と鞘で防ぐ。
しかしそれは士郎にとっては予想の範疇である。
すぐさま突き立てた二刀小太刀の力を込めて、其れを反動にして跳躍すると、今度は上空からネロを強襲!!
「ちぃ!!」
余りにも見事なその攻撃に、ネロも防御が追いつかず、咄嗟に右腕を翳して小太刀の攻撃を受ける。
如何に模造刀とは言え、刃が潰されていること以外は本物の日本刀と同じように作られている故、其れで殴られると言うのは極太の鉄棒に殴られるのと同じ訳で、
普通ならば其れを受けた腕は骨折して然りだろう。
もっと言うならば、士郎の攻撃には闘気が籠っているせいで、その威力も高まっているのだ。
しかしネロの右腕は普通ではない
「舐めんじゃねぇ!!」
「むわ!?」
攻撃して来た士郎の事を掴むと、其のまま力任せにぶん投げる!!
尤も、投げられた士郎も空中で受け身を取って無事なのだが――士郎の一撃を受け止めたネロの右腕は、肘までを隠していたグローブが消し飛んで、悪魔の右腕
が顕わになっていた。
「ネロ君、その腕は……」
「言う心算ではいたが、こんな形で明らかになっちまうとはな。
だがバレちまった以上は仕方ねぇ!あぁ、そうさ、俺は人間じゃねぇ。1/4だが悪魔の血を受け継いだデビルクォーターだ!
本当は使わずに終わらせる心算だったんだが、こうなっちまったらもう隠す必要はねぇ、此の右腕も遠慮なく使わせて貰うぜ?Catch this!(取った!)」
だが、ネロにとっては此れはある意味で好機だった。
右腕の事は明かす心算で居たが、こうして半ば強制的に、しかも戦いの中で暴かれたと言うのならば、これ以上隠す必要はないし、右腕での攻撃も解禁されたと
言う事になるのだから。
「むお!?」
「Go down!!(落ちろ!!)」
其れを証明するかの如く、ネロはスナッチで士郎を引き寄せると、そのまま強烈なバスターで士郎を床に叩き付ける。
一般人なら此れで戦闘不能だろうが、其処は高町家の大黒柱である士郎。バスターを喰らいながらもネロの右腕を絡め取り、関節技に持ち込もうとするが……
「普通の人間相手だったら有効なんだろうが、生憎と俺は悪魔だぜ?そんなモンは効かねぇんだよ!!」
腕を極めに来た士郎をそのまま持ち上げ、己の膝に背中から叩き付ける!
更に其処から体を入れ替えてからの、ジャーマンスープレックス×2に繋いで……
「ファイナルアトミックバスター!!」
スクリューパイルドライバー一閃!!
大型の悪魔ですら一撃で戦闘不能に持ち込む攻撃を、如何に頑丈であるとは言え、人間である士郎が喰らったら堪ったモノではないだろう。と言うか、一般人が相
手だったら、最後のスクリューパイルドライバーで首を骨折している所なのだ。
「お見事……僕の負けだネロ君。」
「ったく、右腕を使うどころか、ファイナルアトミックバスターまで使う事になるとはな…本気で強かったぜ士郎。其れこそ、アンタならダンテとだってタメ張れるぜ。」
そうならなかった辺り、士郎の頑丈さが凄いモノが有るのだが、しかし此れだけの攻撃を喰らった士郎は流石に戦闘不能に陥ってしまった。
つまりこの勝負はネロの勝ちなのだが、負けた士郎の顔には、清々しいモノが有った。――負けはしたが、だからこそネロになのはの事を任せられると思ったのか
も知れない……否、きっとそうなのだろう。
「なのはの事を、宜しく頼むよネロ君?」
「言われるまでもねぇよ、そんな事はな。」
時間にしたら15分にも満たない攻防だったが、ネロと士郎は『戦う者』として、確りとその魂を拘留させる事が出来た様だ。
倒れた士郎に手を差し出すネロの姿は、まるで己の父を超えた息子の様であった。(なのは談)
――――――
Side:なのは
勝った……ネロが勝ったーーーー!!!
お父さんはある意味で人間辞めてる超剣士だから、ネロでもきついかも知れないって思ってたんだけど、蓋を開けてみれば終始攻めたててのネロの完全勝利!!
まぁ、その過程で右腕が曝されちゃったけど、何れは言わないといけない事だから、此処で明らかになったのは良かったかもね。
「時にネロ君、その右腕は……」
「やっぱ気になるよな此れは……OK、ちゃんと説明するからリビングに人を集めといてくれ。
コイツの事を話すには、俺自身がどんな存在なのか、更にはバージルがどんな存在なのかって言う事も明らかにしなきゃならねぇからな…良いよなバージル?」
「構わん。俺達の事は、何時までも隠し通せる事ではないのでな。」
「ふむ……なら聞かせて貰おうかな、ネロ君が何者なのかという事を。」
だけど、当然ネロが何者なのかは気になるよね?ネロのお父さんであるバージルさんの事も同様にね。
まぁ、隠す事もない事だから全部明かす心算だろうけど、だけど其れなら私の事もちゃんと言わないといけないよね?……だって、私だってもう人間じゃないから。
私が太古の交わった悪魔と天使の子である『セラフィム』の末裔であるって言う事を知ったら、お父さんとお母さんはどんな顔をするかな?
其れでも私の事を娘として見てくれるのは間違いないだろうけど、驚愕の事実に驚くのは間違いなさそう――加えて、そのセラフィムの末裔が、悪魔と結婚したいっ
て言うんだから、驚くどころじゃないかも。
だけどきっと大丈夫。
ネロは力を示したし、お父さんとお母さんは可成り柔軟な思考を持ってるから、驚いても受け入れてくれる筈だよ。だから、ね?
「OK、桃子と士郎がどんな判断を下すかだな。」
「バッドエンドだけは、絶対に予測できんがな……」
「にゃはは……まぁ、私のお父さんとお母さんですから。」
「「其れを言われると妙に納得だ。」」
そうですか?
兎に角、次はお父さんとお母さんに説明すると言う名の戦いだね!――まぁ、お母さんとお父さんなら、ネロが何者でも、私が人で無くなっても受け入れてくれるだ
ろうけどね!!
いざ、Extra Battle開始って言う所だね!!
To Be Continued…
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