Side:なのは


――ぷにぷに


んん……何か頬っぺたを突っつかれる感じが……もう少し、あと5分だけ寝させてよ?……昨日は色々あって、流石の私も可成り疲れちゃったから……


――ゆさゆさ


だからもう少しだけ……大丈夫だよ、時間には起きるから。


「………起きろよなのは、朝だぜ?」

「わひゃぁ!?」

ネネネ、ネロ!?如何して此処に!?って言うかどうやって入って来たの!?って言うか、若しかして私物凄く寝坊してた!?序に耳元囁きは破壊力抜群なの!


「如何して此処にって……何時もならとっくに起きてる時間なのに起きてこないから気になってな。
 どうやって入ったかは、はやての奴が所謂『マスターキー』を貸してくれたからだな……ノリノリで、俺にお前の事を起こして来いって『命令』してくれたからな。」

「はやてちゃんは何を考えてるの!?」

まぁ、ネロに起こして貰うのは新鮮だったけどね。
ん〜〜〜〜……でもネロ、折角起こしに来てくれたんだから、ちゃんと目を覚ましてほしいと思うんだよねぇ?――高町なのはは『おはようのキス』を所望します♪


「そう来たか……ま、お姫様を眠りから覚ましてやるのもナイトの役目か……」

「……ん………」

「………どうだ?目は覚めたか?」


バッチリ覚めました♪直ぐに着替えて行くから、ネロは先に行ってて良いよ。


「出来るだけ急いでくれよ?スバルとウェンディ、其れにダンテは朝飯が待ちきれないみたいだからな?」


了解です♪

そう言えば、今日はバージルさんとダンテさんとレディさんの模擬戦を行うんだっけ?……私は戦わないけど、どんな結果になるか楽しみなのは否めないね♪













リリカルなのは×Devil May Cry  黒き騎士と白き魔導師 Mission51
『模擬戦と…〜Practice and…〜』











食堂で朝食を済ませた私達は、演習場に出向いている――此れから此処で模擬戦が行われる事になってるからね。
因みに、今日の朝食は私もネロも、そして何故かバージルさんまでもが『ご飯、味噌汁、塩鮭、納豆』の純和食な朝ごはんだった……もちろん美味しく頂いたの。

で、他の皆は洋食のメニューだったけど、朝からピザは無いと思うよダンテさん……思い出すだけで胸焼けがして来た気がするのは、気のせいじゃないないよね。
ネロも『朝からピザとストサンかよオッサン』って、若干引いてたし……若しかしたら、ダンテさんの趣向レベルはリンディさんと同レベルかも知れないの。

まぁ、其れは其れとして、今は模擬戦に集中だね。


模擬戦の順番は


・第一試合:ヴィータちゃんvsレディさん
・第二試合:シグナムさんvsバージルさん
・第三試合:ネロvsダンテさん


と、こんな感じだね?………此れは六課メンバーの1勝2分けか2勝1分けって所だろうね多分――はやてちゃんも其れを見越してマッチングしたんだろうけど。

けどこれはあくまでも『予想』に過ぎないから、本番の模擬戦で何が起こるかは全く見当もつかないって言うのが本音だね。


「ところでよぉ、模擬戦は一体何処でやるんだ?正直、この面子じゃあ『禁じ手』を設定しても、管理局の訓練施設が吹っ飛ぶのは間違いないぜ?
 特に、レディの銃火器は破壊力高めた違法魔改造品だし、そもそもダンテは戦いとなったら周囲にあるモノなんかは気にしねぇ……拙いんじゃないのか?」

「ちょっと待て坊主、人の事を『歩く大量破壊兵器』みたいな言い方するなよ!
 てかお前、俺の戦うところなんざ見た事ねぇだろ!!バージルの息子だか何だか知らんけど、憶測でモノ言うなよな!?」

「……いや、15年くらい先の未来でアンタの戦い方見てるからな俺は?
 もう道端に放置してあるバイクやら、路駐の車やら、公共のダストボックスからテレフォンボックス、アンタが悪魔退治の際にぶっ壊した物は数知れねぇから。
 しかも、自分のホームグラウンドだけでやるなら兎も角、遠く離れた場所に『出張』した時にもそれやるから大問題なんだろうが!だから借金減らねぇんだよ!」


うわ〜〜〜……流石に器物損壊は拙いよダンテさん。
私も訓練施設を吹っ飛ばしちゃった事はあるけど、任務の時に不必要な破壊はした事は流石にないよ……うん、本気で模擬戦は何処でやるのはやてちゃん?


「その辺は心配ないで?ちゃーんと考えとるよ。
 丁度ミッドの郊外に、倒産した企業が持ってたデッカイ土地が、生産工場とかの建物残したまま放置されとるから、其処を使えば問題なしや。
 建物の解体も、手間と金ばかり掛かって身にならん言うて、名乗りを上げる業者もおらへんから、模擬戦の余波で吹っ飛んでも無問題って訳やな〜〜♪」


そんな場所が有ったんだ?何とも誂えたような感じだけど、確かにそう言う場所ならネロ達が模擬戦やっても大丈夫そうだね。
本気で危なさそうな時は、シャマル先生に結界張って貰えば良い訳だし♪


「車で大体20分くらいの場所やから、九時には出発するからその心算でおってね。
 それから、新人の皆も一緒に来て貰うからな?――一流の使い手同士の戦いを、生で見るのも良い経験になるやろうからね。」

「「「「「「「ハイッ!!!」」」」」」」


で、スバル達もか……確かに一流の戦いを生で見るって言うのはあんまり機会がある事じゃないから、良い経験になるかも知れないね。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・



で、やってきましたミッドの郊外にある廃墟……うん、此処なら確かに派手にやっても全く問題なさそうだね。
寧ろ、模擬戦の余波で、建物やら何やらが吹っ飛んだ方が、綺麗サッパリして良いかもしれないって感じすらするの――一体何年間放置されてたのやら……

けどまぁ、変に加減する必要はないみたいだから、バージルさん、ダンテさん、レディさんの実力は確り見れるかも知れないね。

廃墟が立ち並ぶ敷地内では、既に1戦目を行うヴィータちゃんとレディさんが準備万端。

普通に考えればヴィータちゃんが勝つと思うんだけど、レディさんは魔力こそないけど、ネロが『レディも半端じゃない』って言うから、どうなるかは分からないね。


「では、準備良いですかお二人とも?」

「おうよ!アタシは準備万端だぜ、ツヴァイ!!」

「私もOKよ……お手柔らかに頼むわね?」

「そいつは約束しかねるぜ!」

「では……模擬戦開始なのです!!」


始まった!……さて、どうなるかなぁ?








――――――








Side:レディ


さてと、実力検定的な模擬戦な訳だけど、適当に済ますって気は更々ないわ。手を抜いたせいで、舐められたら元も子もないもの。
私の相手のお嬢ちゃんも、こんな見た目乍ら部隊長さんの『守護騎士』って事だから、きっと物凄い力を持ってるのは容易に想像できるしね……まぁ、頑張るか。


「行くぜオラァ!!ぶっ潰れろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」


――ドガァァァァァァァァァァァァァァン!!!


おっと……カリーナ=アンのワイヤー使って離脱してなかったらヤバかったわね……うわ、殴った場所にクレーターが出来てるじゃない!
ちょっとちょっと、そんなの喰らったら六課に協力するどころか、全身複雑骨折で、下手すりゃお陀仏、良くて全治1年よ!?


「ん?あぁ、心配すんな。アタシの攻撃は全部『非殺傷設定』になってるから、攻撃喰らって衝撃は感じても、死傷する事はねぇから大丈夫だぜ?」

「其れはまた、何とも便利な機能だけど、やっぱりあれだけの一発を喰らいたいって人はいないわよね?
 強烈な挨拶をどうも、守護騎士さん!此れが私からの返答よ!Can this be endured?(此れに堪えられる?)


――ドドドドドドドドドドドド!!!


「うお!!…んの……舐めんなぁ!!」


!!嘘でしょ!?超速の『ハニカムファイア』の銃弾を、鉄槌の一振りで弾き飛ばすなんて!!――流石は守護騎士様、見た目とは裏腹に凄い力だわ。
でも、私も簡単に負ける事は出来ないのよね……って言うか、今の攻防で完全に火が点いたわよ守護騎士様?……思い切り楽しみましょう!


「おうよ!うおりゃぁぁぁぁあっぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

『Schwalbefliegen Claymore.』


鉄球攻撃……回避は不可能ね?
なら相殺するまで!経費がかさむから使いたくなかったんだけど!!


――ドガァァァァァァン!!


「の野郎……ハンドグレネードか!!!」

「6個の手榴弾で漸く相殺って、トンでもない威力ねあの鉄球は……だけど、まだまだよ!Get ready Hysteric!(覚悟しなさい、ヒステリック!)

「のわ!今度は誘導ミサイルだとぉぉぉぉ!?」


――ドガバァァァァァァァァァァァァァァァァァッァァン!!


直撃……決まったかしら?


「……ってぇ……流石に今のは効いたぜこの野郎!!」

「と思ったら、殆ど無傷!?……呆れた頑丈さだわ本気で……なら、トコトンやりましょうか?」

「言われなくともその心算だぜ!!!」


其れを皮切りに、一切合切手加減不要のバトルとなった訳だけど、此れはもう本気で泥仕合の削り合いと言うのがピッタリの戦いね。
互いに得意な間合いを確保する事が出来ず、結局は超近距離で、私のカリーナ=アンと、守護騎士様の鉄槌での殴り合いになった訳だから。


だけど、こんなにも戦う事が『楽しい』って思ったのは初めてかも知れないわ――此れまでは悪魔への憎悪と『仕事』としてしか戦うことはしてこなかったからね。
純粋に『強者との戦い』を楽しむなんて言うのは、人生初めてかも知れない。


「ハァ……ハァ……魔力もないくせにやるじゃねぇか……正直驚いたぜ?」

「其れは光栄ね……貴女こそ、見た目とは裏腹のそのパワーには、正直に敬意を表するわ……」


で、戦いを続けた私と守護騎士様――ヴィータは互いにボロボロ。
非殺傷とは言え、発生した衝撃波で私の服は破損するし、ヴィータの方も私の銃撃でゴスロリの衣装がボロボロ……互いに体力も限界だし、次が最後ね。


「「…………」」


さぁて……行くわよ!!

「イィヤァァァァアァァ!!」

「どぉりゃぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」



私のカリーナ=アンと、貴女の鉄槌のどちらが強いか此れで―――



「其処までです!!タイムオーバーですぅ!!!」


決める前に、タイムオーバーか……ちょっと残念だけど、私の実力は分かってくれたかしらヴィータ?


「魔力無しで此処まで出来りゃ大したもんだぜ。
 戦い方も見事だし、オメェなら六課の協力者として申し分はねぇ……これから、宜しくなレディ!」


如何やらお眼鏡にかなったみたいね?………なら、その期待には応えて見せるわ。
それと、改めまして宜しくねヴィータ?元の世界に帰るまでの間だけど、お世話になるわね?――まぁ、この機動六課も退屈だけはしなくて済みそうだけどね。

にしってもしんどい……AAA+の相手をするのは、流石にちょっと無理があったかもしれないわ……力を出しきる事は出来たけれどね……

残る模擬戦は2試合……持つんでしょうね此処は……








――――――








Side:バージル


「模擬戦とはいえ手加減は不要だ……貴様の力を見せてみろシグナム。」

「言われなくとも、無論その心算だ!!」


模擬戦第2戦は、俺とシグナムの対決か……以前の俺ならば、問答無用で斬り殺してただろうが、今はそんな気は起きん――純粋に楽しむとしようか。
行くぞシグナム!!!


――ガキィィィィィン!!!


「ぐ……予備動作すら感知させずに斬り込んで来るか……普通の相手では対処できんだろうが……私を舐めるなよ?レヴァンティン!!」

『Jawohl.』

紫電一閃!!!


――ガキィィィン!!


ほう?貴様も居合を得意とするかシグナム――悪くない腕だ、称賛に値する一撃だったぞ今のは?


「其れを鞘打ちで止めてしまうお前も大概だがな……だが嬉しいぞバージル………よもや、お前ほどの剣士と出会う事が出来るとはな!
 戦乱期のベルカにも強者は居たが、何れも私に匹敵する者は居なかったせいで、意外と力を持て余していたのだが――お前相手ならば思い切り出来そうだ。」

「俺とて驚いている……人間の、それも女だてらに此処まで見事な剣を振るう者が居た事にな……此れは神に感謝せねばなるまい。」

神など信じてはいないが、これ程までの強者と巡り合えたと言う事は何と言う幸運か……一度散った命には過ぎたモノかも知れんが……俺は此処に居る!!
そして、今この時は貴様との戦いを堪能しなくてはな……シグナムよ!!


「無論だ……思い切りやり合おうじゃないかバージル!!」

「You don't have to say……See the power of SUPADA!(言われるまでも無い……スパーダの力を見るが良い!)」

貴様の持てる力の全てを俺の前に曝け出せ誇り高き剣士よ!……俺は其れを超えて、更なる高みに上る……スパーダを超えて見せる!!

「Shall we Dance Signum?(一曲踊らないか、シグナム?)」

「Es ist guter Vorschlag……Dann wollen wir es entsprechen!(悪くない提案だな……ならば応えるまでだ!)」


――ガキィィィィン!!


もっともっと、堪能させて貰うぞシグナム!!――類稀な力を持った烈火の将よ!!!








――――――








Side:ネロ


終わってみれば、模擬戦2戦目はバージルがギリギリの判定勝利って所だな……バージルがギリギリの判定勝ちとは、シグナムはやっぱり侮れねぇよ……


んでもって、模擬戦3戦目は俺とオッサン……正直言って気が乗らねぇ……模擬戦辞退しちゃダメか?


ダメに決まっとるやろ!!

「だよなヤッパリ……ならとことん楽しむ事を考えるとするかね。」


とは言え、不安要素が無い訳じゃない……相手はダンテだからな――幾ら若いって言っても、多分その力は絶大だろうしな…まぁ、取り敢えずやってみるか!!

行くぜダンテ……Be gone!!(失せろ!!!)


「良い攻撃だな坊主?……俺を楽しませてくれよ!!」

「言われるまでも無く楽しませてやるぜオッサン!!」

其れを皮切りに、俺とダンテの剣戟が開始!!――俺もダンテも退く気は一切ない……どっちかが力尽きるまで戦うだけだ――ぶっ飛びやがれダンテ!!!


「のわぁ!?……随分やるじゃないか坊主――ハートが震えたぜ……此処からのライブはR指定と行こうじゃないか!!」

「Ha!元気だなオッサン……こうなりゃトコトンやってやる!!Are you ready My uncle!!(覚悟は良いか、オッサン!!)」

「OK、Great!(勿論だ!)そう来なくっちゃな!!]



――カンカンカンカンカンカン!!!



ふぅ……やっぱりコイツはダンテなんだな……攻撃の太刀筋がほとんど同じだ……武器の差異は有るけどな。
確かにコイツは既に一流のデビルハンターである事は否めないが、それでも俺が会った無敵にして最強のダンテと比べれば月と鼈だぜ!!


――ガシィ!!!!


「な!?」

「弱い……いや、強いんだけど弱い………まぁ、あのオッサンを比較対象にするのが間違いか……取り敢えず此れで沈んどけ!!Go down!(落ちろ!)


――ドゴォォォォォン!!


渾身の力を込めたバスターは流石に効いただろ?……今回は俺の勝ちだなオッサン?


「ダウンした相手に、無数の幻影刀を展開して言うセリフかそりゃ?
 まぁ、流石の俺もコイツを目一杯喰らったら無事じゃ済まねぇから、今回は此処で手打にしといてやる……バージルのガキだけあって見事だったぜ坊主。」

「アンタに言われても説得力はないがな……未来のアンタにゃ一度も勝てなかっただけにな…

けどまぁ、最強の戦力が六課に追加されたって事は間違いないからな……此れから起こるであろうイカレタパーティを、精々楽しもうぜダンテ?
俺達は、そっちの方が性に合ってるだろ?


「言うじゃないか?……だが、そう言うノリは嫌いじゃないぜ?――楽しくて狂っちまいそうだからな!!……宜しく頼むぜ坊主?」

「こっちこそ頼りにしてるぜオッサン?」

チートバグの化身たるオッサンと比べりゃアレだが、其れでもアンタは既に一流の力を持ってるから助っ人としては申し分ないからな……歓迎するぜ。

加えてバージルとレディまで居るからな……マジで最強部隊だろ此れ?――そう思うだろなのは?


「うん!このメンバーなら誰が相手でも絶対に負けないの!」

「だろ?……コイツは楽しくなって来たぜ!!」








――――――








Side:なのは


模擬戦は無事に終わって、結果としては六課の1勝1敗1分け……レディさんが思った以上に踏ん張ったね。
ネロと若かりし頃のダンテさんは、地力は略互角だったけど、腕力と悪魔の右腕が勝敗を分けた感じだった――実に見事な戦いぶりだったけどね。


で、本局に戻って来たんだけど――


「高町一等空尉、お客様がお待ちです。」


まさかの来客とはね……完全に予想外だったよ。
しかも私を指名って事は、私を知ってる人だろうけど、一体誰が……取り敢えず、エントランス横のカフェに居るって事だから、先ずは会ってみないとだよね?







で、カフェに来たけど……ん?


「………………漸く来ましたか……待ちくたびれましたよ?」


この独特な喋り方と、私にそっくりで、でもショートヘアーが特徴的なこの子は――

「!!……若しかしてシュテル!?」

「はい、お久しぶりです。」


まさか、私の来客がシュテルだったなんて、完全に予想外だったの――!!














 To Be Continued… 




ダンテたちの模擬戦も終わり。
美姫 「実力を把握した事で協力者としても問題なしね」
何より、模擬戦を行った場所が無事で良かった。
美姫 「そうね。てっきり、更地になるかもとか思ったものね」
なのはの元には来客が。
美姫 「しかも、その相手はシュテルと」
だとすれば、要件はダンテたちの事か。
美姫 「どうなるのかしらね」
次回も楽しみにしてます。
美姫 「待っていますね〜」



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