Side:なのは
ん…うぅん……アレ、もう朝?
って言うか、何時の間に帰って来たんだろう?確か昨日は六課の親睦会に参加して、思いっきり楽しんでた筈なんだけど、オレンジジュースを飲みほした辺りから記
憶が曖昧で……私如何しちゃったんだろうね……ダメだ、思い出せないや。
時に、其れは其れとして、何だろう、此の食欲をそそる良い匂いは?
香ばしいトーストの香りに、フライパンで焦げるバターの香り。――少しスパイシーな香りは、胡椒を効かせたベーコンのソテーかな?実に食欲をそそられるの♪
――ん?だけど、この匂いの発生源は一体誰が作ってるの?
私は目を覚ましたばかりだし、くーちゃんだって寝たままなのに……
「Good morning Nanoha(起きたかなのは)、気分は如何だ?」
「ネロ!?――あ〜〜〜うん、気分は悪くないけど、若しかして、ネロが料理してたの?」
「まぁ、偶には食堂じゃなくてってのも良いだろ?お節介かとも思ったが、ブレックファーストを用意させて貰ったよ――口に合うかは分からねぇけどな。」
ううん、態々用意して貰ったんだからありがとうだよ。――って、そうじゃな〜〜〜い!!
如何してネロが私の部屋にいるの!?しかも、なんで朝ごはんの用意までしてるの!?
「やっぱ覚えてねぇか……お前、酔いつぶれたんだよ昨日。
まぁ、俺のミスとも言えるが、お前が最後に飲んだオレンジジュースは、誰かが頼んだ『スクリュードライバー』ってカクテルだったみたいで、ソイツを一気に飲み干し
たせいで、速攻で潰れちまったんだよお前は。
で、久遠と一緒に俺が此処まで運んだって訳だが……其処からが予想外でな……」
「若しかして、私何かしちゃった?」
「ベッドに置いたら、其のまま退散する心算だったんだが……その、思いきり抱きしめられて抱き枕にされちまってさ……。
いや、ダンテが酔いつぶれて絡んで来たってんならデビルトリガーでブッ飛ばしても良いんだけど、流石になのはにそんな事は出来ねぇし、力尽くで引き剥がす事も
出来なかったら、其のままで居ただけで、やましい事は何もしてねぇからな!?」
何してるの私ーーーー!?
だだだ、抱き枕にしたって……今更かもしれないけど、其れでも恥ずかしいよぉ………えっと、ゴメンねネロ?
「あ〜〜〜〜……まぁ、俺も嫌じゃなかったから、この件に関しては分けって事にしとこうぜ?
そ、其れよりも朝飯にしようぜ?折角作ったのに、冷めちまったらアレだからな?」
「そ、其れもそうだね。」
ま、まさかカクテル一杯で酔いつぶれるとは、思った以上に私はお酒に弱いみたいだね……今度からは気を付けないとだよ。
だけど、そのおかげでネロのお手製の朝ごはんを食べられる訳だから、此れは此れで結果オーライかな?――少なくとも、マイナスでない事だけは確かだね♪
リリカルなのは×Devil May Cry 黒き騎士と白き魔導師 Mission59
『日常と厄介事〜Trouble fact〜』
Side:ネロ
そんなこんなで、なのはと久遠と朝飯を済ませて出勤して訳だが、如何やら六課メンバーは丁度朝飯の真っ最中だったみたいだな?
昨日はアレからどうなったかは分からないが、少なくともフォワード陣には疲労も何も見えねぇから、適当に騒いでテンションをぶち上げたって所だろうけど――――
「相変わらず、胸焼けしそうな量だなありゃ。」
「だよねぇ……なんなの、あのフレンチトーストの山は……」
今日も今日とてスゲェなスバルとウェンディとエリオは!?
フレンチトーストってのは、確かにブレックファーストの定番メニューだろうが、其れは明らかに適量を突破してるだろ!?なんだよ、大皿に山盛りになってるって!!
如何考えたってその量は、1人3斤はあるだろ!!普通に考えて、朝飯の量じゃねぇぞ此れ!!!
「え〜〜?此れでも、昨日の親睦会で食べ過ぎたからセーブしてるんですよネロさん?」
「その気になれば、この3倍量は余裕っす!!」
「スイマセン、何とも燃費の悪い身体で……」
いや、良いけどよぉ……喰いすぎて身体壊すなよ?お前等は、大事な六課の戦力なんだからよ。
時に、ダンテは如何した?姿が見えねぇんだが?
「ダンテさんやったら、自室で熟睡中や。
起こそうとしたんやけど、ザフィーラが打ん殴っても起きる気配ゼロやから、自然に目を覚ますまで放置の方向でな……バージルさんに頼んだら血が降るやろし。」
つまりは寝坊かよ?
ったく、しょうがねぇオッサンだな――俺が起こしてくるよ。
アイツの寝起きの悪さは良く分かってるし、多少手荒くやってもダンテなら大丈夫だろうからな?……別に良いだろう、部隊長様よ?
「かめへんけど、大丈夫なん?
正直ってダンテさんの寝起きの悪さは最悪レベルやで?……其れこそ、ショットガンでベッド吹き飛ばしても平気で寝とると思うで?」
「あ、其れ位なら普通に寝てるわねアイツ。……本気で精神を疑ったわ。」
つまり、ショットガンで吹き飛ばしたんだなレディ……だが、俺なら何とかできるさ。
幾らダンテの寝起きが悪かろうと、デビルトリガー発動してのバスターをブチかませば間違いなく目を覚ますだろう――ってか、其れで目覚めなかったら異常すぎる。
「あ、マスターキーは?」
「要らねぇよ、アイツが自室に鍵かけるなんて事は絶対にねぇ。
つーか、テメェの事務所にだって鍵かけない『空き巣上等』な状態だったんだぜ?ま、あのオッサンの事務所に盗みに入る奴なんざ居ねぇだろうけどな。」
そもそも金銭の類は期待できねぇし、オッサンの拳銃は一般人には扱えない上に、魔具に手を出したら魂を焼かれてあの世に一直線だぜ?
幾らスラム街にある店だって言っても、こんなヤバい奴に態々喧嘩を吹っかける奴なんざ居ねぇさ。もし居るとしたら、ソイツは重度の自殺願望者としか思えねぇよ。
そんな訳だから、マスターキーは要らねぇ。速攻で、オッサンを叩き起こしてくるぜ。
「あ、私も一緒に行っていいですか?」
「キャロ?……別に構わないが、如何した?」
「フリードが、ネロさんと一緒に居たいみたいで………その、ダメですか?」
フリードって、その白竜に気に入られたって事か俺は?
だとしたら、光栄だぜ?――まさか、ドラゴンに気に入られるとは思わなかったし、俺もソイツの事は結構気になってたからな?――OK、一緒に行こうかキャロ?
もし俺の一撃で起きなかったらその時は、お前の炎でもかまして、ホットな目覚めをくれてやってくれよフリード?
『ギャウ。』(コクリ)
「だ、ダメだよフリード!?ブレス攻撃なんてしたらダメだよ!?」
「大丈夫だってキャロ、あのオッサンは頭撃ち抜かれても心臓刺し貫かれても死なねぇんだ、燃やされた位じゃ如何って事ねぇよ。
寧ろ、豪快に笑いながら『Ha-ha!コイツは刺激的な目覚ましだな、お嬢ちゃんよ?』とか言いかねねぇぞマジで。」
「ダンテさんて何者なんですか!?」
「英雄と謳われた正義の悪魔の息子で、実力は凄いが金銭管理その他の能力がどん底で、ギャンブル運と女運に恵まれない、未来では借金塗れの生活を余儀なく
されてる、世界で最も残念な最強のイケメン。序にピザとストサン中毒な。」
うん、我ながらダンテを簡潔に言い表わした説明だなコイツは。
さてと、そんな事を話してたらダンテの部屋の前に着いた訳だが……
「おいダンテ、いい加減起きろよ?もう、朝飯の時間だぜ?」
――ドンドンドン!!!
ったく、こんだけ扉叩いても返事が返ってこねぇってドンだけ熟睡してやがんだ、あのオッサン?
まぁ、こうしてても埒が明かねぇから、入るぜダンテ。
――プシュ……ウィーーーン………
「うふふふふふふふふふ……♪」
「「……………」」
『ンギャ?』
――ウィーーーーーン……プシュゥ……
うん、部屋の中の光景を見て、速攻で扉を閉めた俺は絶対に悪くねぇ。
ダンテの事だから、上半身マッパ位は予想してたが、現実はそれ以上だったぜ!!何だって、魔具状態から実体化してんだよネヴァンよぉ!!
「あの、ネロさん……何か部屋の中に、髪の毛赤くて灰色の肌の、上半身裸の女の人が居たような……」
「見間違いじゃねぇよ……アイツはネヴァン、ダンテが使う魔具の一つなんだが、何だって実体化してんだよアイツ……」
「ダンテさんの…?」
詳しい事は知らねぇが、アイツをぶっ倒して力を借りれる事になったんだって事を言ってたが、其れでも自分が力を認めさせた悪魔が、魔具の形態を解除するなんて
事は、俺の知る限りじゃ無い事なんだが、ネヴァンはその限りじゃ無いとでも言うのかよ?
取り敢えず、もう一度扉開けるぜキャロ?
「は、はい!」
――プシュ……ウィ〜〜〜〜ン
「あらあら、連れない坊やねぇ……美人の彼女が居るのは知ってるから誘惑する気はないけど、行き成り扉を閉められると、流石にショックよ?」
「……フリード、取り敢えずやっちまえ。主に、お前のご主人様の為にもな。」
『アンギャ〜〜〜〜〜』
――ゴォォォォォォォォォォォォォォォォオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!
――上手に焼けました〜〜〜〜〜〜♪
なんか聞こえたが、良い感じのミディアムレアに焼き上がったな?
炎の出力調整は結構出来てるみたいだし、将来は『ドラゴンが焼く肉』ってのを売り物にして、ステーキハウスでもやったら繁盛するかも知れないぜキャロ?
「アハハ……管理局を退職した後の選択肢として考えときます。」
「ちょっとーーー!行き成り何するのよ坊や!!出会い頭に、ドラゴンの炎を喰らわせるなんてあんまりじゃないの?
私が悪魔だから大丈夫だったモノの、人間が相手だったら間違いなく全身丸焦げの超ウェルダンになって地獄送りよ!?」
知るかボケ!
つーか、こっちには子供も居るんだから、少しは考えろクソババァ!キャロが精神的な傷を負ったら如何する心算だテメェ?
マダマダ子供だが、コイツは竜を使役する六課屈指の魔導師なんだぜ?
そいつがお前のせいでPTSDを発症して使い物にならなくなったら、テメェは責任が取れんのか?取れるとして如何するんだ?オラ、言ってみろ淫乱ババァ!!!!
「そう言われると反論が出来ないんだけど、女性に対しては口の利き方を考えた方が良いわよ坊や?
そんなに口が悪いと、愛しの彼女からも嫌われちゃうわよ〜〜?」
「生憎、口が悪いのは遺伝でね……だが、毒舌吐くのはテメェ等か、明確に敵対する奴等だけだから問題もねぇさ。
――ところでネヴァン、実体化してるみたいだがダンテとは『何もしてない』よな?」
「してないわよ……ただ、坊やの寝顔があまりにも可愛かったから眺めていただけよ。」
なら良いが、いい加減オッサンを起こさなきゃならないんでね、アンタは魔具に戻っておけよ?ダンテが目覚めた時に実体化してたら、面倒な事になりそうだしな。
「あら、其れも面白そうね?」
……I strike it and kill you!(ぶっ殺すぞテメェ!)
「ゴメンナサイ、冗談よ。
まぁ、此の坊やも昨日少しばかり深酒しただけだから、少し派手に起こしてあげれば問題なしよ。」
ったく、はじめっから悪ふざけは無しの方向で頼むぜオイ?……ぶっちゃけ、このオッサンを相手にするってだけで結構骨が折れるんだからさ。
オラ、起きろオッサン!!そろそろ起きる時間だぜ?
「ん〜〜〜……後5時間……」
ふざけんなこら!!幾ら何でも寝過ぎだろ!!
起きろ、今直ぐ起きろ!!!起きねぇとなぁ………はやてに頼んで食堂のメニューからピザとストサン抹消するぞこの野郎!!!
「おぉっと、唐突に目が覚めたぜ!!」
………頼むから、こんな安い脅しに反応しないでくれよ……少しばかり悲しくなって来たぜ……
――――――
Side:なのは
ネロがダンテさんを起こして来て、此れで今日の予定が消化できるね。
昨日の出撃はアレだけど、今日も今日とて新人の皆は教導を受けて貰う予定。で、午後は何もなければフィジカルトレーニングの方向って言うのが今日の予定かな。
まぁ、今日の教導はヴィータちゃんとザフィーラが担当だから、私がする事は特にないって思ってたんだけど……
「空を飛ぶ方法を教えてはくれまいか?」
「空を飛ぶ方法ですか…………」
まさか、バージルさんから空を飛ぶ方法を教えてくれって言われるとは思わなかったの。
確かに空を事由に飛ぶ事が出来れば、移動範囲は大きく拡大するかも知れませんけど、バージルさんは相手との距離を一瞬で詰める事が出来る『瞬間移動』が使え
るんですよね?其れを駆使すれば、結構長い時間空中に居る事は可能だと思うんですけど……
「其れはそうだが、其れでも空を自由に舞う便利さと比べたら雲泥の差があるのは火を見るよりも明らかだ。
加えて俺は、ダンテと違ってエアハイクが使えんのでな――此れからの戦いの事も考えると、空を自由に飛ぶ術は身に付けておいた方が良いと思ってな……」
「まぁ、確かに疑似的なモンと、本当の飛行術は比べるまでもねぇからな……だけどなバージル、こう言っちゃなんだがコイツは教えるもんじゃないんだぜ?
俺もなのはから、空を飛ぶイメージが大事だって事を教わっただけで、それ以外は教わってねぇ。――つーか、教えようがねぇだろ?自分のイメージなんだから。」
「イメージか……」
えっと……空に浮かぶイメージって言うか、そう言うのが出来ると簡単なんですけど……流石に、行き成りは難しいですよねバージルさん?
「いや……空に浮かぶイメージか……成程、其れはつまりこう言う事か。」
――フワリ……
「「!!!!」」
嘘、コツを聞いただけで浮き上がって見せるなんて、流石に凄すぎるよバージルさん!!
私はレイジングハートのサポートがあるからアレだとして、ネロだって浮き上がるだけでも1週間は掛かったって言うのに……此れは相当な事ですよバージルさん!
「ふむ……此れが浮くイメージか。
ならば、此処から動くイメージを巧く使えば、飛翔しながらの戦闘も可能になると言う訳だ。」
「そう言う事だが、コツを聞いただけで其れを再現したアンタに脱帽だぜバージル。
だけどな、直立不動で右手に村正を握った状態で腕を組み、無表情で浮かび上がらないでくれよ!こう言っちゃなんだが、幾らなんでも本気で怖すぎるぜ!!!」
た、確かに怖いかもしれないね?
だけど、此れが空を飛ぶイメージだよバージルさん。一度成功すれば、後は自由に使う事が出来ると思うから、空を舞う魔法を大事にしてね?
「無論だ……だが此れは存外面白いな? 空を自由に舞うのが、これ程までに面白い事だとは思っても居なかったぞ。
ネロ・アンジェロとして生きて居た時には空を舞う事も出来た様だが、あの時は、俺の自我などは有ってないような物だったからな…此れが真に空を飛ぶ感覚か。」
如何やらバージルさんも、空と飛ぶ術を身に付けたみたいだね?
こんな簡単なアドバイスだけで、会得するとは思わなかったけど、取り敢えず目的が達成できたなら良かったよ。
それで、私達に教えたい事が有るって言う事だったんですけど、一体何を教えてくれるんですかバージルさん?
「其れは俺も気になってた。己惚れる訳じゃねぇが、俺もなのはも管理局最強レベルなのは、自他共に認めるところなんだぜ?
こう言っちゃなんだが、クロスレンジで俺に、ミドル〜アウトレンジでの戦闘でなのはに敵う奴なんかが居るとは思えねぇ…そうであっても、教える事が有るのか?
まぁ、其れなら其れで楽しみだけど、一体何を教えてくれるんだバージル?」
「高町なのはにはデビルトリガーバーストを、そしてネロ、貴様には居合の真髄と幻影剣――貴様の場合は幻影刀だが、其れのより効果的な使い方を教えてやる。
まぁ、貴様等は言うなれば天才タイプゆえ、コツさえ掴めばすぐに出来てしまうだろうが、戦闘に於いては覚えておいても損は無いのでな……」
確かに、覚えていて無駄になる事なんて何もないですからね。――それじゃあ、教導の程宜しくお願いしますバージルさん!!
「宜しく頼むぜバージル!……って、なんだアイツ等?」
「む……無粋な乱入者が現れたか……気に入らんな……」
さて訓練!って所で現れたアレは……レジアス・ゲイズ中将と、オーリス・ゲイズ補佐官?
監査は、まだ先だと思うから、六課の現状を視察しに来たのかな?――まぁ、此れだけの戦力の集う部隊だから、形だけでも監査をしとかないと大問題だからね。
「ふむ……こうして訓練をして部隊の力を高めるか……悪くない。
だが、だからこそ確信できる、機動六課は、管理局のルールを無視した違法部隊であると言う事がな!!この過剰戦力は、到底見過ごせるものではない!!
ともすれば、この部隊だけで次元世界を制圧できるだけの力を野放しには出来ん!!機動六課は、今直ぐ解体すべきだ!!!」
!!?ちょ、行き成り現れて、如何言う事ですかレジアス中将!!
六課の設立には、中将も賛成してくださいましたよね?それなのに、如何して今更手を返したような事を言うんですか!!!
「気が変わって悪いと言う法律は無いからな?
あの時は異を唱えなかったが、貴様等のような小娘に好き勝手されると言うのは、流石に我慢がならんのでな……機動六課は潰させて貰うぞ、小娘どもが!!」
そんな……そんなのって流石に無いよ!!
漸く設立出来た、はやてちゃんの夢の部隊なのに、其れをそんな理由だけで潰そうだなんて、そんなの絶対に認める事なんて出来ません!!
「其れに、機動六課の真の目的は知ってるでしょう、レジアス中将!
其れを知ってるからこそ貴方は六課の設立を黙認した!――其れなのに、まるで騙す様にこんな事を言うなんて……そんなの絶対に認められないの!!!」
「だとしても如何する?
最高司令が佐官とは言え、地位ではワシの方が上故に、何方の意見が採用されるかなどは明白だろう?」
!!……この!!!
「オイ、言いたい事は其れだけかジジイ?」
「愚物の戯言は聞くに堪えん……その口永劫に閉じて居ろ。」
「権力ってやつかい?使えるモンは使えと言うが、流石に気に入らねぇぜ、爺さんよ?」
「いっそ、その腐れた脳天をぶち抜いてあげましょうか?そうすれば、正気を取り戻すかもしれないしね?」
って、何時の間にか、ネロが閻魔刀を、バージルさんが村正を、ダンテさんがリベリオンを、ドゥーエちゃんがピアッシングネイルをレジアスさんに突きつけてる〜!?
何て言う早業……しかも、ネロ君をはじめ、皆目がマジすぎるよ……
「「「「さて如何するジジイ!」老いぼれ。」爺さん。」中将様?」
「く……仕方あるまい、この場は退いてやろう。
だが、貴様等は必ず管理局から排除してくれる……貴様等は、管理局に居てはいけないのだ――貴様等の様な異常な強さを持った者は管理局に――」
――バキィィィィィィィィィィ!!
「「「「「へ?」」」」」
更に演説を続けようとしたレジアス中将が、自分で自分の顔面を殴った!?
えっと、大丈夫ですか中将!!
「ぐ……大丈夫だ……如何やら、要らん迷惑をかけたようだな……
今までのワシの言った事は聞き流してくれて構わん……アレはワシの本心ではないが、アレがお前達を排除しようとしているのは明白だ……
ワシも出来る限りは抗ってみるが、此れを御しきる事は出来んだろう……だから、頼んだぞ機動六課……ワシは、お前達の力を信じて居る……きっと改革をな…」
え?レジアスさん!!ちょっと待ってください!レジアス・ゲイズ中将ーーーー!!!
「おい、待ちやがれジジイ!!」
――フォン!
ネロが触れるよりも早く消えた!?
確かレジアスさんは、魔法を使う事は出来なかった筈だから、今のは多分外部からの何か………本当に如何しちゃったのレジアスさん?
「分からねぇが……如何やら、アイツが此処に来たのを認識してるのは俺達だけみたいだぜ、なのは?
スバル達はマッタク持って気が付いてねぇ……如何やら、強烈な認識阻害の魔法でも展開してたのかもしれねぇな……だとすると、如何するなのは?」
「如何するって……如何しようもないよ。
知ってるのが私達だけじゃ、信憑性に欠けるし、魔法の使えないレジアス中将が転移魔法的なモノを使った事の証明が出来ないから、此処は見逃すのが上策。」
或は、其れを見越して認識阻害魔法を使って来たのかもしれないけど、此れだけの事ではやてちゃんの手を煩わせたくないからね。
其れに、仮にレジアス中将が本気で攻めて来ても六課の戦力なら対処できるし、政治的な駆け引きならはやてちゃんだって引けを取らないからね。
そう言う訳だから、取り敢えず訓練を続けようか?もしも何かあったらその時は、私とくーちゃんからはやてちゃんに報告しておくからね。
「了解だなのは。」
「良かろう……今はあの愚物を泳がせるも一興だ……」
にゃはは……私の独断だけどね。
だけど、あのレジアス中将の豹変ぶりは、確かに気にはなるよ……………一体、何が起きてしまったんだろう?――面倒事が起きないと良いんだけど………ね。
To Be Continued…
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