Side:なのは


休日当日……ネロと一緒にお出掛けって言うのは、随分と久しぶりな気がするよ。――そのせいか、服装も大分気合が入ってるのは、自分でも自覚してるかな。
薄い桜色のシャツに、若葉色の和風テイストの上着を羽織って、ダークブラウンのレディースジーンズに、パールホワイトのバンプス……そして、ネロから貰った指輪を装
飾にしたネックレスと、この間のオークションでネロが競り落とした『聖王の髪飾り』のコーディネートなんだけど、おかしくないかなくーちゃん?


「全然おかしくないどころか、凄く綺麗だよなのは?
 何て言うか、女神様って言っても過言じゃない位に輝いてる――ネロだって、此れならきっと満足してくれると思う。」


そう?其れなら良いんだけど、やっぱり好きな人と一緒に出掛ける時の服装って言うのは、何とも気になっちゃうよ――まぁ、其れもまた楽しくも有るんだけどね。



それにしても、何だってネロは宿舎正面玄関前での待ち合わせなんて事言ったんだろう?
確かに待ち合わせをするって言うのは、悪い事じゃないけど、一緒の部屋なんだから着替えたら一緒に出掛ければいいと思うんだけど……何かサプライズが有るの?


――ブオォォォォォォォン!!


なんて事を考えてたら、突然のエンジン音?しかも、其れはドンドン近付いて来てる――此れは、間違いなくハーレークラスのエンジン音だよ!!!


――キキィ!!……ドルゥン……


「悪い、待たせたななのは、久遠。」

「ネロ!?」

でもって、停止したバイクから降りて来たのはネロ。此れは、流石に全く予想してなかったから、心の底から驚かされたよネロ!
って言うか、何時の間にバイクの免許なんて取ってたの!?


「休暇や非番を利用してちょくちょくとな。
 やっぱ、なのはとツーリングをしたいと思ってたから、免許は取っといた方が良いと思ってよ?……ま、免許の取得は、雑魚悪魔をぶっ殺すよりも、全然楽だったけど。」

「ちょくちょくって……其れで、通るネロが凄すぎだよ。」

でも、其れなら今日は、ネロのバイクでの移動が基本になって、私はタンデムって事だね?――其れは其れで、私の夢もまた叶うから問題ないの。
何時か恋人が出来たら、其の人が運転するバイクにタンデム搭乗したいって言うのは、ずっと思ってた事なんだよ――ネロのお蔭で、私の夢は叶えられるみたいなの♪


「そいつは僥倖だぜ。
 それと、今日のファッションも良く似合ってるぜなのは?全体のコーディネートも抜群だが、俺の指輪のネックレスと、オリヴィエの髪飾りが良く生きてる感じだからな。」


そう言って貰えると嬉しいけど、ネロもカッコイイよ?
グレーのジーンズに、ダークブルーのライダージャンパーの組み合わせは、何時もとは違う魅力を感じるからね?――此れは、お互いに気合を入れまくった感じだね♪

ともあれ、折角の休日なんだから楽しまないと罰が当たるよ!

狂は思いっきり楽しもうね、ネロ、くーちゃん!


「言われるまでもねぇよ。」

「勿論その心算♪」


だよね♪
さぁ、楽しい休日の幕開けだよ♪














リリカルなのは×Devil May Cry  黒き騎士と白き魔導師 Mission68
『休日を楽しめ〜Enjoy Holiday〜』











Side:シグナム


「成程、貴様が純然たる人間ではない事は予想していたが、そう言う事だったか――よもや、プログラム生命体等と言う、不可思議な存在であったとはな。」

「まぁ、人とは構成素体が異なるだけで、我等も基本は人間と変わらぬけれどな。」

「だろうな。」


偶の休日と言う事で、バージルを誘って外出した訳だが、よもや私の――否、我等ヴォルケンリッターの正体について、予測をしていたとは驚きの事だったな。
如何に優れた魔導師であっても、我等が純然たる人間ではなく、夜天の魔導書のプログラムの一部である『プログラム生命体』である事を見破る事は、略不可能である
と言うのに、答えを言い当てた訳ではないとは言え、私が純然たる人間でない事を感じ取るとは……バージルの観察眼と第六感は極めて鋭いのだろうな。


「だがまぁ、俺にとっては貴様が人間だろうと、プログラム生命体だろうと、そんな事は些細な問題に過ぎん――寧ろ、問題にすらならん。
 そもそも、貴様とて己を只の『プログラム生命体』とは思って居ないのだろう?――騎士として、六課司令の八神はやてに忠誠を誓っている、そうだろうシグナムよ?」

「否定はせん、我が刃は、何時如何なる時でも主と共に在るからな。」

「ならば、其れを貫き通せ。
 一つの思いを貫き通す鋼の意思は、時として思わぬ力を呼び起こす事があるからな。」


其れも理解して居るさ。
だが、今は警戒を怠らないようにしながらも、休日を楽しむのが正しい――そんな訳で、適当に街をぶらつくとしようかバージルよ?


「其れ以前に、それ以外の選択肢はないのだう?
 適当にぶらつくと言うのは、批判も受けるが、八神はやての意思を世界にばら撒く良い機会であるとも取れるからな……なれば、適当に楽しませて貰うとするが吉だ。」


確かに其の通りだな。
元より、私もその心算だったのだが、こうしてミッドの街を適当にぶらついて、何か琴線に触れるモノは有ったかバージル?街としては、充実してると思うのだが……


「そう問われると、今の所目ぼしい物は特にと言った所だな。
 此方の世界に来た時には、技術力の高さに驚かされたが、街並み等は俺が生きていた時代のアメリカのニューヨークを多少発展させたような感じであるし、魔法技術を
 使った車が、空を飛んだりして居る訳でもない――まぁ、琴線に触れるモノが無くとも、偶にはこうして心穏やかに過ごすと言うのも良かろう。
 まして、貴様の様な武人然とした美女と共にと言うのも、悪い気分ではない。……テメンニグルを起動した時の俺では、到底考えもしない事だったのだろうがな。」

「……ネロが高町と話しているのを聞いた時も思ったが、良くもまぁそう言うセリフが自然と出て来るモノだな?
 普通ならば、歯の浮くようなセリフではあるが、お前やネロが言うとマッタク嫌味が無く、自然に聞こえるのも不思議だ。――ある意味で、此れもスパーダの血か?」

「かも知れんぞ?
 言われてみると、うろ覚えではあるがスパーダも、割と日常的にエヴァ――母に対し、気障なセリフを吐いて居た気がする。まぁ、母も満更では無かったようだがな。」


そうだったのか?……伝説の魔剣士と謳われるほどの人物であっても、普段は普通の夫であり父であったという事なのだろうな。
ある意味で貴重な話を聞かせて貰ったが………しかし、面と向かって『美女』等と言われると、普段言われ慣れていないだけに、妙にこそばゆい感じがしてしまうモノだ。

そう言えば、こうして異性と2人きりで出掛ける等、初めてかも知れんな?

「ん?如何したバージル、何かあったか?」

「あそこ……何か人だかりが出来ているようだが、大道芸でも披露している奴がいるのか?……その割には、妙に喧騒が激しい感じがするが。」


アレは……恐らくは、ストリートファイトだろうな。勿論見世物だが。
一応ミッドでは、管理局に許可申請をして、申請が通れば路上パフォーマンスも合法なのだ。恐らくは、その類なのではないか?

まぁ、実際のパフォーマンスがあまりにも過激な場合は申請許可を取り消して、取り締る場合もあるが、アレは其れほどではないだろう――暇潰しに見て見るか?
幾ら路上パフォーマンスのストリートファイトと言えど、ファイターは素人ではないし、場合によっては格闘大会の出場者が資金稼ぎの為にやって居る場合もあるからな。


「ふむ……其れを覗くもまた一興だな。」

「ならば行くか。」

で、人込みをかき分けて最前列に来たのだが……ほう、此れは中々だな?
ザンバラ髪の空手胴着の男と、弁髪頭の中国拳法のズボンを穿いた男の闘いか……ショー的要素も取り入れているのだろうが、割かし真面な攻防だし動きも悪くない。
競技選手としては、其れなりのレベルであるのかも知れないな。


「ふむ、悪くない動きだ。尤も、あくまでも競技選手レベルではあるがな。
 其れなりに腕は立つだろうが、あのレベルであるならばスバルやノーヴェならば、楽に勝てる。――本当の闘争の場に於いては、あれでは温すぎる。」

「まぁ、其処は立場の違いだろう。競技と実戦では大きな差があるからな。
 だが、こう言う場では余りそう言う事は言わない方が良いぞバージル?こう言う事をやってる連中と言うのは、地獄耳な場合が多くてな……下手な事を言うと――



「おう兄ちゃん、試合にケチつけるたぁいい度胸してんじゃねぇか?」

「ごちゃごちゃ言うなら、ちと戦って貰おうじゃねぇの?文句言うなら強いんだろ?」



……こうなってしまう訳だ。マッタク、此の喧騒の中で、良くバージルの酷評を聞き分けた物だと、本気で感心するな。
だが、こうなった以上は逃げる事は出来んだろう――如何する心算だ、バージル?言っておくが、ギャラリー共々蹴散らしてと言うのは、流石に了承せんからな。


「分かっている……ならば、コイツ等に付き合ってやるのが上策だろう。
 だが、格闘技をやるのならばこのコートは動きの妨げになるのでな、暫し預かっていてくれシグナムよ。コートが目晦ましになった等と言われては堪らんからな。」


了解だ、預かっておこう。
……コートを脱ぐと、割といい体格をしているんだなバージルは。――まぁ、負ける事だけは無いだろうが、巧く手加減をしてくれよ?




「ガキが………おら如何した、来いよオラ。ビビってんのかおい!」

「……雑魚が……フン!!」


――ゴスゥ!!!!


「っべら!?」


此れはまた……胸倉を掴んで、威嚇してきた相手を頭突き一発でKOとはな――まぁ、手加減はしたのだろうな?本気でブチかまして居たら、頭蓋骨が砕けていた筈だ。
尤も、其れでも鼻血噴出の気絶なのだから、バージルの強さはギャラリーに知れ渡ってしまったろうがな。



「ふん、魅せてくれるじゃねぇか若いの?……今度は、俺と戦って貰うぜ?」

「……良かろう、今のコイツでは物足りなかったのでな――少しばかり遊んでやろう。」



その結果として、腕に覚えのあるニューチャレンジャーの登場か……中々いい体格をしているし、一流クラスの相手かも知れんがバージルの相手ではないだろう。
競技選手とバージルとでは、地力にそもそも差が有り過ぎる――純然たる人間と、伝説の魔剣士と呼ばれた悪魔の血を引いている者では、そもそも比べ物にならん。


「おねーちゃんは、どっちに賭ける。」

「……賭けまでしてたのか此れは……まぁ偶にはいいか。バージルに手持ち金全額の5万を賭けよう。」

「毎度あり〜〜〜♪」


此れは、臨時収入が有りそうだな。


「アチョー!チョアー!アヨォォォォォォォォォォォォォォォ!!!」

「遅い。競技格闘者レベルならば、最高評価をくれてやれるが、死合いの場に於いてはこの程度の拳打と蹴撃はマッタク持って通用せんと知れ。」


現実に、戦いが始まった開始位置から一歩も動かずに、必要最小限の動きで相手の攻撃を躱しているのだからな……まぁ、余り虐めずに終わりにしてやれよ?
分かってるとは思うが、大怪我だけはさせないようにな。


「……そろそろ、遊びは終わりだ。泣け!叫べ!!そして……死ね!!!!


――バガァァァァァァァァン!!!


「イッテレボアァ!!!!」


で、終わってみればバージルの圧勝か。分かっていた事だがな。
しかし、一体何時の間にどこぞの格闘ゲームの超必殺技を覚えたのやら………まさか、現実で『禁千弐百壱拾壱式・八稚女』を拝む日が来るとは思って居なかったぞ?


まぁ、バージルは無手の格闘でも強いというのが分かったのは貴重な事であったし、臨時収入は家計の助けになるだろうから、其れは其れで悪い事ではないけどな。



「此れが俺と貴様の差だ……精々鍛錬を積んで、再び挑んでくるが良い――俺は何時でも挑戦を受けてやる。」


更には、相手への叱咤激励も忘れずか。
己を目標とさせるとは、中々出来る事ではないが、バージルほどの力を持つ者ならば、其れも簡単に出来るのだろうな――益々、お前の事を知りたくなったよバージル。


好きな物は何なのか、嫌いな物は何か……其れを、知る事が出来たら僥倖なのだろうな。








――――――








Side:ダンテ


ふ〜〜〜〜……午前中は、文字通り思いっきり遊びまくったな?
ボーリングにビリヤードにゲームセンターの梯子だったからな……ま、俺も思いっきり楽しませては貰ったけどよ。ボーリングのパーフェクト達成は、ある意味で偉業だし。

ま、楽しんだ後は午後に備えて腹ごなしって事で、市街のレストランに来てる訳だ。



「じゃあアタシは、日替わりパスタセットのパスタ特盛で。」

「僕は特製カレーセットのカレーメガ盛りで!!!」


ったく、ノーヴェ嬢ちゃんもレヴィ嬢ちゃんも随分と食うな?……まぁ、日替わりパスタセットをメガ盛りで頼んで、更に単品でパスタ10種注文したウェンディ嬢ちゃんと比べ
たら、相当に大人しい感じだけどよ。

あ、俺は『特製ミートソースパスタランチ』をパスタメガ盛りで。
そんで、単品で『特製マルゲリータピザ』と『アンチョビとガーリックとパルミジャーノのピザ』と『トマトとバジルとエビのピザ』のLサイズを頼むわ。あとLLサイズのストサン。
飲み物は、辛口のジンジャー・エールで宜しく。



「そんなに食べて大丈夫スカ?ってか、本気でピザ大好きっすねえおっちゃんは?なんで、そんなにピザが好き何スカ?」

「何でって……母さんの得意料理だったんだよピザは。まぁ、母さんのは『ピザ風トースト』だったんだけどな。」

でも、俺もバージルも母さんのピザトーストは大好きで、余りが一個出たりすると、どっちが其れをゲットするかで、下らねぇ兄弟喧嘩をした記憶があるぜ?
まぁ、大概の場合は親父が、1つ残ったピザトーストを見事なまでに完全に半分にして、事を収めてたんだけどな――今思うと、伝説の魔剣士のスキルの無駄遣いだぜ。


「言われてみれば確かに、その可能性が否めませんね。」

「だが、そのおかげで下らん兄弟喧嘩はヒートアップせずに済んだのだろう?……貴様等の父は、良く状況を見ていたという事なのだろうな?」


かもな王様。
まぁ、ちと横道にそれちまったが、そんな訳で、俺にとってはピザは『おふくろの味』って訳よ?特に今頼んだ3種はな。


「おふくろの味……其れは分かる気がする。お母さんの作るコロッケは凄く美味しいから。」

「アタシは、ハンバーグを推すッス!!」

「ディー姉も、ウェンディも分かってねぇなぁ?母さんの料理で鉄板なのは、皆大好きのカレーライスだろうが!!」

「む、カレーと聞いたら僕が黙って居ない!
 どんなカレーであっても、王様のカレーに敵うカレーは無い!王様のカレーは、正に無敵にして最強!強靭!無敵!!最強!!な、超極美味カレーなんだからな〜!」


んで、何でかおふくろの味自慢に成っちまったか……てか、王様のライスカレーってのはそんなに美味いのかい?機会が有れば、是非とも食ってみたいもんだぜ。


「折を見て、局の調理場を借りて作ってやろう――だが、あまりの美味さに驚いて腰を抜かすなよ?」

「そいつは大丈夫だ。
 俺は腰を抜かすよりも、腰を抜かせて腰を立たなくする方が得意なんでね。」


「こ、腰を立たなくするって、若しかして女性との?………少し自重してくださいダンテさん!!」


……コイツは失敬。少しばかり、下品過ぎたぜ。それ以前に、嬢ちゃん達の前で言う事じゃなかったな。
けどまぁ、其れはジョークとして、レヴィが絶賛するライスカレーってのはマジで一度食ってみたいもんだぜ――ピザと並んで、カレーは俺の好物だからな。



あ、其れと追加オーダーだ。今の3枚に加えて、この『ウルトラデラックス生ハムたっぷりミートソースピザ』も頼むわ。


「畏まりました。」



「メガ盛りパスタセットに、ピザ4枚とは、相当ですねダンテさん?」

「此れ位は普通に喰えるからな?――如何にも、俺はトコトン燃費の悪い身体をしてるみたいだぜ。」

バージルはそんな事もないんだが、俺は昔から大食いだったから、ソイツが影響してるんだろうぜ――ま、飯が美味く食えてるうちは、何が有っても大丈夫だろうけどな。


そう言えば、俺の方はこうして楽しませて貰ってるが、坊主は何してんだろうね?
まぁ、なのは嬢ちゃんとのデートって事だが、精々頑張って楽しみな坊主――お前さんとなのは嬢ちゃんは、お似合いだぜ?『叔父さん』の俺から見てもな。

取り敢えず、貴重な休日を謳歌するこったな。








――――――








Side:ネロ


「「御馳走様でした。」」

「はい、お粗末様でした♪」


午前中は、ツーリングを楽しんだ後、適当にウィンドショッピングをして、ちょいと露天商を冷やかしつつ、其処で売られてるモンを物色して……何て言うか、そんな過ごし方
も、悪くねぇって感じだったな。

ある露天商では、揃いのドッグタグを買って、夫々名前を入れて貰えたからな。……何よりも、なのはが喜んでくれて良かったぜ。


んで、そんな感じで午前中を過ごし、良い時間なんで『ミッドチルダ海浜公園』で、昼飯にしたわけだが、マッタク持ってなのはの家事スキルには脱帽するしかねぇよ。
久遠用の稲荷寿司だけでも、油揚げの煮方を『関東風』『京風』『沖縄風』に分けてるってのに、ランチボックスのメインディッシュの唐揚げは、柚子胡椒ベースの塩味に、
豆板醤とオイスターソースを利かせた中華風、更には醤油とネギと生姜をベースにした純和風と来たからな……心の底から美味しく頂かせて貰いました!

それと、この出汁巻き卵も美味かったぜ?甘味にはちみつを使った事で、綺麗な黄色が出来てたのも食欲をそそったからな。


「なら、頑張った甲斐が有ったの♪
 くーちゃんは稲荷寿司だけど、私達はおにぎりだからその辺も気を使ったんだけど気付いたかな?」

「気付くに決まってんだろ――何ともなのはの気遣いを感じたよ。
 でもまぁ、少し喰いすぎたかな?……なんだか眠たくなって来たぜ……少しばかり、食休みに寝ちまってもいいのかも知れないが……」

流石に芝生の上にってのは気が引けるぜ……さて、如何したモンか……



「えと、其れじゃあ此処は如何かな?///

「此処って?」

「わ、私の膝の上!!」


………マジかオイ!!いや、嫌じゃねぇけど……リアル膝枕なんて、本当に良いのかよなのは!!!


「ネロ限定で全然OKなの!!
 って言うか、ネロ以外の男性にこんな事をする気はないよ……ネロだから、したいの――ある意味で、私の我儘だけど……ダメ?」


ダメな訳ねぇだろ?……俺にとっても役得だし、OKだよなのは。


ったく、なのはに膝枕して貰えるとか、なのはファンの野郎どもが知ったら、血涙流してこの場に現れかねねぇな――まぁ、出てきたら出て来たで、速攻滅殺確定だけど。



「えと……如何かな?堅くない?頭痛くならない?」

「全く問題ねぇよなのは。寧ろ凄く心地いいぜ?……誇張抜きで、なのはの膝枕は最高の枕かも知れないな。」

「〜〜〜///!!……本当に、ネロってばそう言う事をすらっと言うんだから〜〜〜!!!」


ハハ、ある意味でコイツも血だからしょうがねぇさ。其れに、冗談じゃないからな。
取り敢えず、暫しはなのはの膝枕を堪能させて貰うさ。此ればっかりは、恋人の特権だから、堪能しなかったら罰が当たるかもだから――何か起こるまでは堪能するさ。



そう、間違いなく何かは起こるだろうからな――俺の中の悪魔の血が、ソイツを教えてくれてるぜ。


だがまぁ、来るなら来やがれ……どんな悪魔がドレだけ来ても、俺達機動六課が、其れを粉砕してやるからよ!!


序に、マジで今日仕掛けて来るなら覚悟を決めとけよ?――テメェ等のせいで休日を潰されたとなったら、俺を含めて六課の面々は絶対に、テメェ等を許さねぇからな!
ま、何か起きたその時は、思い切りやろうぜなのは?


「うん、そうだね♪」

「私も頑張るよ。」


俺達に隙はねぇ――来るなら来やがれクソッたれが……休暇返上で叩きのめしてやるからよ!!








――――――








Side:???


――キュゥゥゥゥゥゥゥ



ぐぬ……此処は一体何処だ?
いや、それ以前に、私は教皇の一撃で致命傷を負い、ダンテに全てを託して消滅した筈だが――帰天した事で、身体が変異し、肉体は滅んでもコアが残ったという事か?

だが其れならば、今此処に私が存在しているのも納得できるな……コアが活性化すれば、肉体は復活するのだから。


とは言え、コアの状態の時の朧げな記憶を考えると、私は逃げだした訳か――狂った科学者の手駒となる事を嫌ってな。



何れにしても、先ずは此処が何処であるのかを知らねばなるまい……取り敢えず外に―――



――ズ、ズズ……




「あ……あう………」


出た方が良いだろうな矢張り。
復活した直後に目にした、この少女は明らかに異常だ――此の少女と鎖でつながれた鉄の箱の中には、果たして何が収納されているのか……何れにしても、此の少女
が、保護すべき者であるのは間違いなかろう。

復活したばかりで、パワーが完全ではないが、幼子一人とこの箱を持って地上を目指すくらいは訳ない事だろう。



しかし、此の少女と言い、狂科学者の魔の手を逃れた末に復活した私と言い、分からない事だらけだ――此の少女の保護の末に、何か分かればいいのだがな…………














 To Be Continued… 





ネロたちは休日を楽しんでいるようで何よりだな。
美姫 「本当にね。悪魔襲撃で忙しかったしね」
だな。まあ、そんなのんびりした休日も最後までとはいかないようだが。
美姫 「何かが起こりそうよね」
一体、何が起こるのか。
美姫 「次回も楽しみにしてますね」
待っています。



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