Side:ネロ
オォォォラァァァァァァァァァァァァ!!!道を開けろ雑魚共!!テメェ等に構ってる暇なんざねぇんだ!!死にたくなかったら、大人しく道を開けやがれ、クソッ垂れ共がぁ!!
ハッキリ言って、テメェ等如き雑魚が何匹来ようが相手じゃねぇんだが、生憎とこっちは急いでるんでな……一々相手をしてられねぇんだ!!
「Eat this Dimension Slash!!(喰らいやがれ、次元斬!!)」
邪魔だてするなら、問答無用でぶった切るぜオイ?
『中々に威勢がいいな小僧?……此れは嬲り甲斐がありそうだ。』
「!!!」
この声は……サキュバス!!俺にぶっ殺されたって事だったが、性懲りもなく蘇りやがったのか、此のエロババァ!
てか、今更生き返って何の用だ?悪いが、テメェの相手をしてる暇はねぇ……遊ぶのは次の機会にして貰うぜ。
『そうは行かんなぁ?
あれほどの屈辱を受けて負けたのだ、せめてその屈辱を晴らさねば、生き返った意味もない……其れに、この空間は悪魔の結界に覆われ、私を倒さねば先には進めん。
さて、如何する?』
「……どうやら、余程俺にぶっ殺されたいらしいなテメェは?
良いぜ、そう言う事なら相手になってやる。こうなりゃトコトンやってやるよ……そんで、二度と復活出来ない様にぶっ殺してやるだけだぜ!!」
悪いが、今の俺は相当に気が立ってるんでな……フルボッコにされても文句言うんじゃねぇぞ、クソッ垂れが!!――テメェ如きは、瞬殺してやるぜ!醜悪エロババァが!!
リリカルなのは×Devil May Cry 黒き騎士と白き魔導師 Mission88
『終幕の鎮魂歌〜End Requiem〜』
Side:ザフィーラ
ぐぬ……これは、悪くない一撃だな。
襲撃者のリーダー格と思われる相手の攻撃は、私の防御を貫通する事は無いが、それでも凄まじい破壊力がある事は間違いないようだ……侮れん実力だ。
因みに共に現れた悪魔は『鋼の軛』で纏めて撃滅してやったのだが、悪魔で無い連中は其れを躱して、今こうして戦闘に臨んでいると言う訳だ。
とは言え、此れ位ならば如何にか出来るレベルだが……如何にも此れだけで終わるとは思えん。――それこそ、まだ隠し玉を持って居るような気がしてならないからな……
加えて、他のメンバーが結界を破る事に専念して、私に攻撃してこないと言うのも解せぬ。
確かにシャマルの結界は強力だが、其れを破るよりも、複数で私に攻撃して落とした後で、シャマルを狙う方が効率的だと思うのだが…一体、何を考えているのだろうか?
まぁ良い……我等に仇なす敵ならば、欠片も残さずに粉砕するのみ!!
お前も、パワーは見事だったが……その程度では我等の敵にはなり得ん!!!大人しく、消えるが良い!!
――バキィ!!!
「そしてお前達もだ!!
これ以上の狼藉は、ヴォルケンリッターの守護獣・ザフィーラが許さん!!縛れ、鋼の軛!!」
――ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!
如何に頑丈であるとは言え、地中から不意打ちされた魔力の杭をよける術など皆無に等しい。
そして、私の『鋼の軛』を喰らった者は、動く事が許されん……しばし、其処で大人しくしているんだな。
「ところがギッチョン、そうも行かねーんだよねアタシに限ってはさ。」
「む!?」
――ガキィィィィン!!!
貴様、どうやって鋼の軛の拘束から抜け出したのだ?
アレは我が最強の陣……其れこそ、闇の書の闇ですら簡単に破る事は出来なかったと言うのに……一体、どんな手品を使ったのか。
「悪いね?アタシってば、コンクリートの中を自在に移動できる訳よ?
そんな訳で、あの魔力杭で動きを制限された程度じゃ、取り立てて問題にならないんだよね〜〜〜?だって、腕や足を縛られてる訳じゃないから、地面に入り込めば魔力
杭の拘束からは逃れられる訳だしさ。」
「成程、特異な技能を持って居たと言う訳か。
――だが、得意満面に、其れを語ったのは間違いだな。戦場に於いて、安易に己の能力を語るのは死に直結すると知れ。」
「は?」
――ギュルリ
「って、なんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁ!?」
「少し大人しくしててね?」
シャマルのバインドから逃れる事は出来んぞ?
ヴォルケンリッターの中では、最も戦闘能力の低いシャマルだが、彼女には其れを補って有り余る治癒と補助の力が有り、当然戦場に於けるバックスとしても極めて優秀だ。
特に、結界や拘束に関しては、今の局内で右に出る者はいないだろう。
そして、その拘束に捕らわれたお前は逃げる事は出来ない。
流石に四肢を物理的に拘束され、更に壁や地面に触れられない様に少しばかり中空に持ち上げられては床や壁に入り込む事も出来まい?……覚悟を決めるが良い!!!
「ちょ、ちょっと待って!!」
「敵の戯言など、聞く耳持たぬ!
我が守護の力は絶対!!ましてや、友に任された戦場故に絶対に負けぬ!……滅せよ、ぬおぉぉぉ…デェリャァァァァァァアァァァ!!!」
――ドゴガァァァァァァァァァァァァァン!!
「ごべぁぁ!?」
「はい、回収♪」
護る為の此の拳だが、裏を返せば守護対象に仇なす敵を粉砕する為の拳とも言えるのだ……其れを真面に喰らったら、如何に戦闘機人と言えども無事では済まぬだろう。
加えて、シャマルがバインドでグルグル巻きにしている辺り、奴は拘束完了と見て間違いないな。
残るは4人だが……
「調子に乗るな、犬風情が。」
「大人しく、此処で散れ。」
「むぅ?」
鋼の軛に捕らわれていた残り4人の内、2人が強襲して来たか。……一体如何やって、鋼の軛から逃れて来たのだ?
見た目に大きな変化はないが……
「貴様を殺す……絶対に殺してやる。」
「抹殺対象の1体……殺さねば、成らない。其れが私の為すべき事だ。」
――ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
此れは、この威圧感は、ネロがデビルトリガーを発動した時の物に匹敵するが、マッタクの別物だ。
デビルトリガーよりも、寧ろクレドが変身した時の感覚に近い………まさか、貴様等は『帰天』していると言うのか!!己を悪魔に作り替えると言う事を受け入れたのか!!
歪んでいるどころではないな。完全に狂っている……よもや此処までとは。
最早、戻る事は不可能か……ならばせめて、徹底的破壊してやる事が攻めてもの慈悲か……精々苦しまぬように終わりにしてやろうではないか。
「帰天した私とセッテに勝つ心算で居るのか……目出度い奴だ。
だが、其れも直ぐに絶望に変わる――圧倒的な実力の差に打ちひしがれるが良い。」
「やってみるがいい、出来る物ならば。」
この場の死守は絶対の事だ――貴様等の好きにはさせんぞ、絶対にな!!
――――――
Side:クレド
ネロから引き継いだ戦場ではあるのだが、アグナスは一体何を考えているのだ?此方に攻撃をする訳ではないようだが、だからとって逃げる訳でもなく、私とアインスの攻撃
をギリギリで躱している様に見える。
実力では、私とアインスの方が上だろうが、搦め手となるとアグナスの方が万倍巧いからな……だが、其れにもそろそろ飽きた。幕を下ろそうとしようか、アグナスよ!!
「「そうだな、終わりにするとしよう……我々の勝利で!!」」
「「勝利だと?お前が、私と彼女にか?」」
「随分と安く見られたモノだな。
だが、どうやって私達に勝つ心算だ?既に私達とお前の実力差は明確な上に、此方は2人でお前は1人。向こうの炎獄の王も、赤と青の剣士2人を相手に圧されていて、
お前に手を貸す事など出来ない状況だ――其れだと言うのに、随分と大きく出てくれたな。」
「「大きくも出たくなると言う物だ……何故ならば、『天使』が味方となってくれるのだからな。」」
天使、だと?――!!
「「アグナス、貴様まさか!!」」
「「その、まさかだーーーーー!!」」
――ヴィン!ヴィ!ヴォン!ヴァン!ヴィヴィヴィヴィヴィヴィヴィヴィヴィヴィヴィヴィヴィヴィヴィヴィヴィヴィヴィヴィヴィヴィヴィヴィヴィヴィン!!
「な、何だコイツ等は?」
槍を持ったのが『ビアンコ・アンジェロ』、剣を持ったのがビアンコ・アンジェロを統率する『アルト・アンジェロ』。どちらもアグナスが作り出した、人工の悪魔だ。
空の鎧に、大量の悪魔の魂を詰め込んで動かしているのだが、詰め込まれた悪魔の魂は融合してしまい個々の自我など残ってはいない……つまり、アレで一個体の悪魔と
言える存在だ。
そしてその強さは、その辺の下級悪魔など話にならん。ビアンコ・アンジェロでも中級悪魔と互角、アルト・アンジェロともなれば中級悪魔を一撃で倒してしまう程の力が有る。
「其れだけの相手が、此れだけの数集まると……流石に少しばかり厄介か?
だが、如何に強力な人造悪魔の大軍とは言え、其れだけで私達を倒せるとは思わないな?――まだ、何かを隠していると見えるぞ。」
「「御明察!さぁ、見るがいい、此れが私の生み出した魔獣の数々だ!!」」
――ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ………
『『『『『『『『『『キシャァァァァァァァァ!!!!』』』』』』』』』』
『『『『『『『『『『キィィィィィィィィィ!!!』』』』』』』』』』
『『『『『『『『『『ワオォォォォォォォォォン!!』』』』』』』』』』
加えて、今度はカットラスと、グラディウスと、バジリスクまでもか!
個々の能力は決して高くないが、夫々が魔力を秘めた武器と融合している悪魔故に、文字通り身体其の物が凶器と化してる……其れが此れだけとは、先のアンジェロと併せ
ると凄まじい物量だ……此れは、流石に捌き切るのは骨が折れそうだ。
「「其れでは、私は此れでお暇しよう。私からのスペシャルディナータイムを、心行くまで楽しんでくれたまえ。」」
「「逃げるか、アグナス!!」」
「「焦るなクレド、私の目的はお前を倒す事ではない。真なる目的は、機動六課が保護している少女だ。
彼女を手に入れれば、我々の念願は叶う。お前達は、私の生み出した天使や魔獣と戯れているが良い。サラバだ!!」」
六課が保護している少女……ヴィヴィオの事か!
く……ネロが六課本部に向かってはいるが、恐らくは本部の中にも悪魔は現われているだろうし、悪魔以外の敵の軍勢が来ているかもしれん……ありったけの戦力で攻めら
れたら、幾ら何でも持ち堪えられんぞ…!!
「……だが、此の物量を一撃で始末するのは難しいだろう?
私が万全の状態だったならば、空間魔法で一網打尽なのだが、生憎とネロ・アンジェロの支配から解放されたばかりで、魔力が万全ではない故に其れは無理だからな。
今は、本部に向かったあの青年を信じよう。そして、一秒でも早く、コイツ等を片付けて彼の後を追う事に集中した方が良い。」
アレで万全ではなかったと言うのか!?驚きだな。
だが、確かに貴女の言う通りだ………先ずはコイツ等を全て倒さねば、本部に向かう事すら出来んからな。
元魔剣教団の騎士長の名に懸けて……否、違うな――最早何でもない、只の『クレド』として、私の誇りに懸け貴様等を撃ち滅ぼす!!消えろ、悪魔!!
――――――
Side:バージル
ふむ……何やら取るに足らん雑魚が、大挙を成して現れたようだなダンテよ?
「マッタク持って、困ったもんだよなぁ?
この燃え盛る爺さん相手のダンスは些か退屈だったんだが、行き成りこんなに現れてくれても、全員とワルツをキッチリ踊ってやるってのはち〜〜っと、ばかし難しいぜ?」
「ならば、此処はジャズのリズムで夫々好き勝手に踊って貰うとするか?」
「其れも悪くないが……こんだけやる気満々の参加者なんだ、此処はビンビン痺れるハードなロックでガンガン行くのが一番だろ?
取り立てて好きな音楽じゃないかも知れないが、だからと言ってアンタもロックは嫌いな訳じゃないだろバージル?」
ふむ、聞くのであればジャズか日本の雅楽が好みだが、戦いの場であるのならば、寧ろロックミュージックは大好きな部類だ。
とは言え、俺はロックミュージックには疎いのでな……選曲は貴様に任せるぞ、ダンテ。精々、この場に合った最高のBGMを選択してくれることを願う。
「Hoo〜〜!良いノリだねぇアニキ?だが、そのノリは嫌いじゃないぜ!!
だったらガンガン行くぜ?このビートに乗り遅れるなよ?Let's music!!Ready go『Sadistic Eyes』!!(ミュージックスタート!行くぜ『Sadistic Eyes』!!)」
Sadistic Eyes――加虐的な目か……即興とは言え、そのセンスには感服するぞダンテよ。
確かに、この様な愚物が相手ならば、慈悲を掛けてやる必要は何処にもないからな?望み通り、サディスティックに、加虐的に、其れで居てスタイリッシュに決めてやろう。
『アグナスめ、漸くか……だが、此れで良い。
戦局は我等に流れが向き始めた!!このまま一気に塵殺してくれようぞ!!』
「……負け犬が吼えるな、耳障りなだけだ。」
「ったく、俺とバージルにアンだけやられたってのに、元気だねアンタ?
良いぜ、タフガイは嫌いじゃないからな、新たに現れた天使様と悪魔共々相手になってやる。っつーか、此れ位じゃなきゃ、俺もバージルも退屈しちまうんでね……来な!」
「ふん、もう少しだけ遊んでやろう。」
本部に向かったネロの事が気がかりだが、アイツならば仕損じる事はあるまい。
故に、不安要素は何処にもない。貴様等も纏めて、地獄に送り返してやろう――俺とダンテ、神を超えた神の子の力、思い知るが良い!骨の髄までな。
――――――
Side:ヴィヴィオ
「ぬぅぅおあぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁあ!!」
「大した力だな?帰天した私達と互角に渡り合うとは……称賛に値するぞ!」
「でも、其れでも私達には勝てない。」
「……確かに、お前達は強い、其れは認めよう。
だが、その拳には重さがない、信念がない!そんな拳では、我が守りを崩す事は……出来ん!!」
襲ってきた怖い人達は、ザフィーラが頑張って対処してくれてる。
こう言ったらなんだけど、襲ってきた人達の雰囲気が変わってからは、ザフィーラよりも強く感じたのに、其れでもザフィーラは全然負けてない!凄いディフェンステクニックで
相手の攻撃を捌き、圧倒的な防御力で受けてる。
でも、これじゃあ長時間は持たないよ……避けるなら兎も角、幾ら耐えられるって言っても受けたらダメージは蓄積するんだから。……だから、これ以上は戦闘を長引かせる
事は出来ないけど、でも私には何も出来ない……只護られてるだけで何も出来ないなんて……
「!!」
違う、何も出来ないなんて言う事は無い!!
パパと、オジサンと、お爺ちゃんから貰ったホーリーウォーターが有る!!……此れを使ったら――えーい!!!
――パリィィィィィィィィィン!!
「うわぁぁっぁあぁぁぁあ!!」
「ホ、ホーリーウォーターだと!?」
うん、パパの言ったとおりに効果抜群だ!!今だよザフィーラ!!
「悪魔化した事でホリーウォーターが効いてしまうとは皮肉だな……だが、此れで此方も攻勢に移る事が出来る!!終わりだ、ドエェリャァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
――バッキィィィィィィィィィ!!!
うわ……青髪のお姉さんに剛腕ウェスタンラリアットを喰らわせた上で、その勢いのままにピンクの髪のお姉さんに問答無用のシャイニング・ウィザード……此れは効いたね。
此れで帰天した2人は戦闘不能で、残る3人のうち1人は捕まって、2人は鋼の軛に捕らわれてる……決まったかな?
「って、ザフィーラ危ない!!」
「む?ぐあぁぁぁぁあぁぁっぁあぁぁぁぁぁあぁぁぁあぁぁ!!!!」
――ドス!ドス!!
そう思ってた矢先に、何処からともなく現れた天使みたいなの2体に、ザフィーラが刺されてその槍で壁に縫い付けられて……其れだけじゃなく、剣みたいな悪魔が空を舞っ
てる……ふ、普通じゃないよ!!
其れよりも、大丈夫ザフィーラ!!
「幸いにして急所は外れている故問題なしだ……だが、此れだけの数を今から相手にするのは、少しばかりキツイ物が有るが……」
「だったら、もう一個のホーリーウォーターを!!」
――バシュゥゥゥゥ!!
更にもう一個!!!此れでラスト!!……此れで、如何にか――
「「なると思ったか、お嬢さん?」」
「え?」
え?えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?
だ、誰この人?って言うか蟲?蠅?分かり焼く言うなら蟲人間!?い、何時の間に!!
「「なに、隙を付けば此れ位は雑作もない事だ。
帰天したナンバーズが退けられるとは思わなかったが、君がホーリーウォーターを持って居たと言うのなら納得だ、アレは悪魔にとっての劇薬だからな。
だが、其れももうない……着て貰おうか!!」」
「させん!!」
「そうは、させないわ!!」
ザフィーラ、シャマル先生!!
「「くくく……手負いの狼と、戦闘要員でない癒し手など相手ではない……やれグラディウスよ!!奴等を突き殺せ!!!」」
『『『『『『『『『『キシャァァァァァァァァアァァァッァァァ!!!』』』』』』』』』』』
――グン!!ドスドスドスゥゥゥゥゥゥゥ!!!!
「ぐおわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
そんな……ザフィーラ、シャマル先生!!
2人にはグラディスって言う悪魔が変形した剣が刺さってる……胸とお腹に………そんな、嫌だよ、死んじゃいやだよ!!いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっぁぁ!!
「「良いぞ、その絶望の感情こそが美しい。君の心が闇に傾くほど、私達の目的が達成される確率は高くなるのだ……もっと、もっと絶望してくれたまえ!
それと、如何やら守護の札を持って居た様だが、私に対しては無力だ……この護符は私が作った物ゆえに、私ならば無力化する事も出来るからな。」」
――シュゥゥゥン……
嫌だ、嫌だぁ!!助けて、ママ!!パパァーーーーーーーーーーーーーーーー!!
――――――
Side:ネロ
『こここ、此れは予想以上だなぁ?眠りたいけど痺れるとは、此れはキツイわぁ!!』
「アホだなお前。」
此のエロババァの毒霧攻撃を防ぐ意味で、噴射直前に顔面パンチかましてやったら、その反動で口に含んでた毒を飲み込んで、絶賛そのダメージ受けてやがる……アホか。
てか、相手に喰らわせるはずの毒を、自分で喰らってダメージ受けてるんじゃ世話ねぇだろマジで?
けどまぁ、此処は俺の勝ちだな。
本来ならトドメを刺した方が良いんだろうが、生憎とテメェみたいなエロババアにトドメ刺す時間も惜しいんでね、行かせて貰うぜ?精々テメェの毒に苦しんでろよ。
後で喚いてる煩い声は無視して、六課本部到着!!って、何だよ此れ!!!
グラディウスに突きさされたザフィーラとシャマル、バインドでグルグル巻きにされた敵と思しきガキ、そして……
「ヴィヴィオ!!」
アグナスの野郎が小脇に抱えたヴィヴィオ!!
テメェ、その薄汚い手をヴィヴィオから放しやがれ!!――ソイツは、テメェみたいな奴が触れて良い奴じゃねぇ!!
「「そう思うのならば、力尽くで取り返して見せろ。」」
「上等だ、言われるまでもねぇ!!」
帰して貰うぜヴィヴィオを!!
『『『『『『『『『コォォォォォォォォォォォォォォ!!!』』』』』』』』』』
って、此処でアンジェロか!!相変わらず、ムカつくほどに能力が高いぜ!!
だが、コイツ等を一々相手にしてる暇はねぇ!!!だから、退きやがれ!!!邪魔だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
――バゴォォォォォォォォォォォォォォォン!!!
一撃でアンジェロをブッ飛ばしてやった、後はヴィヴィオを取り戻せば!!
「パパーーー!!!」
「ヴィヴィオーーーーーーーー!!」
ジャンプからのエアハイク、もう少しだ、もう少しで届く!!どこでも良い、ヴィヴィオの事を掴む事が出来れば、此方に引き寄せる事が出来る!!だから―――!!
「「感動的な場面だが、残念ながらタイムアップだ。」」
「!?」
――シュン!!
だけど、俺の手が届く直前で、ヴィヴィオとアグナスの姿が消えた……転移魔法か!!逃げられたって言うのかよ!!
「そんな……嘘だろオイ……ヴィヴィオ……!!」
俺は……俺は、また護れなかったのかよ!!キリエに続いて、今度はヴィヴィオを!!
絶対に護るって言ったのに、ヴィヴィオに大見得切って、なのはにも約束したのに、俺は……護れなかったって言うのかよーーーー!!
あ……あ………うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!
――――――
No Side
時を同じくして、六課本部の外での戦いも、そろそろ終わりが近づいていた。
ベリアルと、無数のアンジェロと魔獣の相手は楽ではなかったが、バージル、ダンテ、アインス、クレドの4人が夫々全力で当たれば、其れほど苦戦する相手ではなかった。
――此のままであったのならば。
『やるな人間ども!……だが、其れも此処までだ。
我が炎獄の真髄、その身をもって知るが良い!!……燃え尽きろぉぉぉぉォォォォォォォ!!!』
「此れは……」
「デビルトリガーって、マジかおい!!」
戦況を見たベリアルが、如何言うカラクリか、デビルトリガーを発動して、燃え盛る爆炎で、文字通りの『無差別全方位攻撃』を敢行し、一瞬にして辺りは火の海と化した。
そして其れのみならず、燃え盛る炎を爆発させるおまけまで付けた上で、ベリアルは其処から去った。
だが、この炎獄の爆炎を喰らった六課本部は、完膚なきまでに壊されてしまっていた。
尤も、此の爆炎でバージル達が致命的なダメージ受けたとは思えないが……それでも、炎が立ち込める六課本部は、惨状でしかなかった。
その惨状の現場に、なのはとシュテルが到着したのは、全てが終わってから5分後の事だった。
To Be Continued…
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