No Side


其処は開けた空間だった――そう、最も大きな地獄門の地下に存在しているこの空間は。
ドレだけの広さがあるのかは分からないが、多くの人はこの場を見たら異様な雰囲気を感じ取り、こう思うであろう――『何かの儀式を執り行う場所である』と。

そしてそんな場所に、人影が一つ……閻魔刀とレイジングハートを手にしたアグナスだ。
ネロとなのはが神に取り込まれた直後、スカリエッティより閻魔刀とレイジングハートを受け取ってこの場に来ていたのだ……他でもない、地獄門の鍵を開け、起動する為
にである。


「世界が地獄であればこそ、神はその存在を一際際立たせる。
 故に、破滅を思わせる現象は必要不可欠……神の存在を確立する為に、今再び起動せよ、魔の境界『地獄門』よ!!」


そして『鍵穴』に、待機状態のレイジングハートを纏わせた閻魔刀を差し込む。
その瞬間に、空間には不気味な赤い光が満ち、其れをもって地獄門が起動した事をアグナスに伝えていた。――まるで、血を思わせる真っ赤な光を持ってして。



同時に、地獄門が起動したその瞬間に、門からは『漆黒の滝』とでも称するかのように、大量の下級悪魔が溢れ出し、殺戮本能の赴くままにミッドチルダの市街に向かい、
目に付いた市民を襲い始めた。

中には魔法で応戦する者も居たが、局員でもない市民の魔法では下級悪魔にすら効果は無く、寧ろ悪魔の好戦的な性格を刺激するだけの結果となってしまった。

このままでは、ミッドチルダは悪魔に蹂躙されてしまうだろう――が、その時。


――ザクゥ!!


天使の軍勢が降り立ち、悪魔達を駆逐し始めたのである――尤も其れは言わずもがな、アルト・アンジェロとビアンコ・アンジェロと言う、人造悪魔であるのだが。
しかし、市民にとって、窮地を救ってくれた天使様は正に救いの使者だろう。最大級にイカレタ出来ゲームであると言う事を知らなければ、そうとしか思えないのだから。

加えて、其処に神が降り立ち、下級悪魔を額からの光線で一撃撃滅!!
直後に神の頭上に現れたスカリエッティが、お得意の芝居めいた動作で、演説をぶっぱなし『市民の平穏はこの神が護る』と嘯いてくれたのだから笑えないモノだろう。



――パチ、パチ、パチ



「マッタク、大した演技力だぜ、ドクターさんよ。」


少し離れたビルの屋上から、其れを見ていたダンテは、適当に拍手をしながら、皮肉とも称賛とも取れないセリフを残して、その場から去ったのだった。














リリカルなのは×Devil May Cry  黒き騎士と白き魔導師 Mission96
『新たなる始まり〜The Bigining〜』












Side:はやて


あんのマッドサイエンティスト、自分で悪魔を呼び出しておいて、其れをぶち殺しといて市民に『安全を護る』と嘯くとか、ドンだけの自作自演の出来レースやっちゅーの!
こっちも状況が状況やから、即出動できなかったとは言え、完全に出遅れたんは否めないな。

まぁ、遅れた分は後から取り戻せば良いだけなんやけど……ネロ君となのはちゃんが、あの神擬きに捕らわれて、閻魔刀とレイジングハートも奪われたとなると、最初より
もやるべき事が増えてしまった事は間違いないやろね。

3つの小型の地獄門を破壊して、ギンガを奪還するだけやなくて、閻魔刀とレイジングハートも奪還して、ネロ君となのはちゃんを神擬きの中から引っ張り出さないとアカン
やろうからね……一気にミッションの難易度が跳ね上がった感じやわ〜〜!!



「そうでもないのではないか?
 閻魔刀とレイジングハートを奪還し、神に捕らわれたネロとなのはに届ける事が出来れば、後はあの2人が自力で何とかするのではないだろうかと思うのだが……貴方
 は如何考える、ダンテ、バージル?」

「まぁ、坊主と嬢ちゃんはガッツに溢れてるから、最低限の状況さえ整えてやりゃ自力で何とかすんだろ?」

「其れに付いては同意見だ。
 尤も、今の状況を鑑みる限り、その『最低限の状況』を整えるのも並大抵の物ではないと思うが――まぁ、機動六課の全勢力を投入すれば、大体何とかなるだろう。」



クレドさん……此処で、その2人に振りますか〜〜〜?まぁ、余裕綽々な答えが返ってくるんは予想しとったけどね。
よっしゃ!それじゃあ、改めて現状と、ミッション確認と行っとこうかな?

「先ず、言うまでも無く状況は最悪や。なのはちゃんとネロ君が神に吸収され、閻魔刀とレイジングハートも敵の手に落ち、ギンガは敵の手駒として地獄門の門番の1人と
 なり、ミッドの街中にはトンでもない数の悪魔が出現してもうた。
 せやけど、市街地の悪魔はマッドサイエンティストの最悪な自作自演の結果やから、六課としては無理に悪魔を退治せずに市民を非難する方向で行こうと思ってる。」

「其れに加えて、レイジングハートと閻魔刀の奪還、全ての地獄門の破壊、ギンガの奪還とネロとなのはとヴィヴィオの救出、そして神の破壊とスカリエッティの逮捕。」



そう言う事やでフェイトちゃん。やけど一カ所だけ訂正や。
今回の事件の首謀者であり、最大の敵であるジェイル・スカリエッティに関しては、目的を『逮捕』から『殺害』に変更する!!



「えぇ!?ちょっと待ってはやて!如何してこの土壇場で逮捕から殺害に!?犯人を生きた状態で逮捕するって言うのが管理局の方針だったと思うんだけど?!」

「其れはあくまで『人』に対してやろ?人の心無くして、魂の髄まで悪魔に染められたマッド・デビルサイエンティストに人に使うべき法が通じるかい!
 其れにや、どんな話に於いても、悪魔に憑りつかれた人間ならば兎も角、悪魔になり果ててしもうた人間に救いは無いって言うのがお決まりごとやからな……」

「そして其れは真理よ。悪魔になり果てた人間を救う術はないわ。
 人の心を失い、己の欲望を果たす為ならどんな事でもする外道は、死の間際にすら他の誰かを利用して生き長らえようとするのよ。
 アーカム――私の父であった者がそうだったようにね。
 六課で身柄預かりになった眼帯ちゃん達には酷かもしれないけど、悪魔になった人間は、死ななければ永遠に魂を闇に捕らわれ、自覚のないままに苦しみ続ける事に
 なるから、死を持ってのみ、其の魂を解放する事が出来るのよ。」



つまりはそう言う事やから、六課全員腹括って貰うで?
せやけど強制はせん。如何しても其れが嫌や言うなら、今この場で私に見切りを付けてくれてもかめへんで?――ホンマに付いて来てくれる人だけが必要やからな。



「それで、アタシ等が見切り付けると思ってんすか八神司令は?」

「甘く見ないで下さい!
 確かにアタシ達は、司令達と比べれば全然ですけど、其れでも六課に配属になったその時に、とっくに覚悟は決めてるんです!確かに、少しばかり戸惑いがあるのは否
 定しませんけど、それ以上にアレが――ジェイル・スカリエッティが生きていてはいけない存在だと言う事は理解できます!!
 だから、大丈夫です!!そうでしょ、スバル!!」

「勿論だよティア!!ディー姉とウェンディも良いよね?」

「勿論。大丈夫。」

「言われるまでもねえっすよ、スバル姉ちゃん!!」

「悪魔は滅すべし……訓練校時代から慣れてるから大丈夫。
 ヴィッツ・シュナイゼル以下5名、如何なる任務に於いても八神総司令の命令に従います!!」



さよか……我ながら、良い隊員を持ったもんやね。

ほな、ミッションの内容やけど、ギンガが門番になってる地獄門エミュレーターには、予定通りスバルとノーヴェとヴィッツで向かって貰うで。
んで、残る2つの地獄門エミュレーターの内、郊外に有る1つにはヴィータとダンテさん。廃墟にある1つには、シグナムとバージルさんに行って貰うで?かめへんやろ?



「上等だぜ……あの糞みたいな門をぶっ壊せるなら願ったり叶ったりだ!!
 あそこに居るであろう門番の悪魔も、地獄門そのものも、纏めてアイゼンで文字通り粉砕してやらぁ!!!」

「Ha-ha!良いノリだねぇヴィータ嬢ちゃん?そう来なくちゃ面白くないがな。
 だが、俺も嬢ちゃんの意見には諸手を上げて賛成しちまうね――あの巨大建造物は、立派だが迷惑極まりないんで、ぶっ壊してやった方が良いと思ってたからな。」




「異論はありませんよ、主はやて。あの門は、私の手で破壊したかった、そう願っていましたから。
 ――アギトよ、早速で悪いがお前の力を貸して貰うぞ?」

「了解!!任せときな!!」

「門番とは言え、俺達にとっては有象無象でしか無かろうが、自分の息子と、そのパートナーの為に雑魚を撃滅してやるのもまた一興と言えるかもしれん……良いだろう、
 貴様の提案に乗るとしよう、八神はやてよ。」

「……ホントに素直じゃねぇよなアンタって。
 男のツンデレはカッコ悪いぜバージル?時には素直に言葉に出すのも大事だぜ、お兄ちゃんよぉ?」

……刺すぞ?

「さーせん。」



此の土壇場で兄弟コントかますとは、バージルさんとダンテさんの度胸はトンでもないレベルやな?――まぁ、こんだけの人が仲間だって言うんは、心底心強いけどな♪
兎に角、これで地獄門メンバーは確定!やなくて、あの弩デカい地獄門はドナイしたもんやろ?幾ら何でも、アレは簡単には壊せへんと違う?



「その通りだ、現在の状況でアレを破壊するのは不可能に近いだろう。
 起動した地獄門は悪魔の通り道となるために、その強度を増し外的攻撃は略意味を成さない故、アレを破壊するには閻魔刀を取り戻し門を停止させるより他にはない。」

「成程……やけど、閻魔刀が何処にあるかは分からへんから、そう簡単にはいかへん言う所やろな。」

しゃーない、閻魔刀の在り処はフレキとゲリに探って貰って、場所が分かり次第動けるメンバーが奪還に向かうって言う所でえぇやろ?てか、其れがベターやと思うしな。



「異論はありません我が主。
 して、地獄門攻略メンバー以外は如何様になさるのでしょうか?」

「んなモン決まっとるやろ?市民の避難誘導を行いながら、地獄門から溢れ出してる悪魔を兎に角、抹殺!虐殺!!滅殺!!!するだけや!!
 序に天使も滅殺の方向で!!姿形は兎も角、アレやって悪魔やから捨て置けんし、鎧の中身は悪魔なんやろクレドさん?」

「うむ、アレの中身は無数の悪魔の魂で満たされているが、アグナスのみならずスカリエッティと言う悪魔の頭脳の技術がアレに加わっているのだとしたら、形なき魂では
 なく、どんな形でアレ込められた魂が混ざり合って1個体の悪魔となっている可能性は充分にある。
 あくまでも可能性の話だが、もしもそうであった場合、市民の前で天使の鎧を破壊すれば、スカリエッティの自作自演をばらす事が出来るやもしれん。」



と、つまりはそう言う訳や。よーするに手加減不要!
悪魔だろうと天使だろうと、見つけたら容赦しないで叩きのめす!!そんだけの事や!!!

ミッドチルダの荒廃、此の一戦に在り!!各員、一層奮励努力せよ!!――私達は絶対に勝つ、やから全員必ず生きて帰還せよ!!機動六課、出撃や!!!



「「「「「「「「「「「「「「「「「了解!!」」」」」」」」」」」」」」」」」



最悪の結末で終わった第1幕に続いて、今度は反撃のための第2幕と行こうやないか?機動六課の底力、見せたるわぁ!!!!








――――――








Side:ノーヴェ


まぁ、大体予想はしてたけど、ギンガの居る地獄門への道程の中でも、出て来やがったな悪魔が!!其れに紛れて、数体のガジェットも確認できるが、正直邪魔だ!

「道を開けろ雑魚共!!アタシ等は、テメェ等に構ってる暇なんざねぇんだよ!!散れぇ、ジェットサイクロン!!



――バキ!バキ!バキィ!!!



「おぉ!ノーヴェ新技?なら、アタシもお姉ちゃんとして負けてられないよね?
 其れ以前に、鬱陶しいのは間違い無い訳だから、大人しく道を開けてくれるかな?喰らえ、一撃必殺!ディバインバスター!!!



――ドゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!!



「邪魔はしない方が身の為だと思うかな?……其処だ、ミラージュブレイド!!



――パチン!!バシュバシュバシュゥゥゥ!!!



スバルの馬鹿力は毎度の事だが、ヴィッツさんの攻撃もスゲェよな?
指を鳴らして真空の刃を無数に作り出して撃ち出すとか、そんな攻撃は見た事がねぇよ!!これも、氷以上に希少な『風の変換資質』を持ったヴィッツさんならではの魔法
なんだろうけど、やっぱり凄いぜ!!!

「うざってぇんだよ、此のトカゲ野郎!!!大人しく地中で冬眠してやがれってんだ!!!」

『グギャァァアッァァァァァァァァァァァァァァァアァァァァアァ!!!』



「いや、中級のアサルトをいとも簡単に葬ってるノーヴェが一番凄いと思うよ?
 って言うか、此処に至るまでに撃破したガジェットと悪魔の総数は、ノーヴェがダントツだからね?アタシもヴィッツさんも、ノーヴェの半分程度しか撃破してないんだよ?」

「しかもその殆どが、一撃必殺だって言うんだから驚きだわ。」



そうなのか?……いや、ある意味でそうかも知れねぇな。
悪いがアタシは、テメェの姉があんなにされた所を見せられて、更には敵の手駒にされたって言う事を『戦いだから仕方ない』で済ませられるほど大人でもないし、寛大で
もねぇ上に、自分で言ってりゃ世話無いが、堪忍袋の緒なんてもんは有るかどうかも疑わしいんだ。

だから、ギンガを取り戻す為にも、こんな雑魚共に時間をかける事なんざ出来ねぇんだよ!!



「確かに、その通りだね。」

「だけど、如何にもそう簡単にはいかないみたいね……」

「らしいな。」




『『『ギシャァァァアァァァァァァァァァァ!!!』』』

『『『『『『『『あ〜〜〜〜っはっはっはっは!!!』』』』』』』』

『『『『『『『『きゃははははははははははははっは!』』』』』』』』




だが、得てして物事ってのは、思い通りに進まねぇモンだ――アタシ等の進路を塞ぐように、ブリッツが3体と無数のスケアクロウとマリオネットが現れやがったからな…!
スケアクロウとマリオネットは兎も角、ブリッツ3体は流石にきつい感じだが……邪魔するならブチ砕くだけだぜ!!

来いよ、クソ共!格の違いってやつを教えてやる――テメェ等の命を持ってしてな!!








――――――








No Side


そうして始まった戦闘だが、意外にもノーヴェもスバルもヴィッツも、自分からの攻撃は殆どしない状態となっていた。
いや、攻撃する必要が無いと言うのが正しいのかもしれない。


「ハッ!やっぱり目暗ってのは大した事ないぜ!!テメェでテメェの仲間をブッ飛ばしてりゃ世話がねぇ!!」


ノーヴェの言うように、ブリッツには視覚がないため、音や温度を頼りに敵を攻撃するのだが、その能力は最強であると同時に、最大の弱点であり欠点と言えるのである。
要するに、音や温度を頼りに攻撃すると言う事は、逆に言うならその音と温度では敵か味方かを判別する事が出来ないのと同義だ。

実際に、3体のブリッツの攻撃は、ノーヴェ達よりも、スケアクロウとマリオネットを攻撃して、其れを破壊していたのだから。視覚情報とは、かくも大切なモノなのだ。



『ガァァァァァァァァァァァァ!!』

「おぉっと、マリオネットバリア!!」



更にはトンで来る攻撃をマリオネットを盾にして防ぐなど、防御面でも隙は無い。そして、全くの偶然だが、此れにてマリオネットは全滅である。
否、マリオネットだけでなくスケアクロウも、此処で全滅に至ったようだ。

ならば残るはブリッツが3体のみ!!



「オラァ!!!」

「でやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

「眠りなさい……永遠に!!」




そのブリッツに対して、ノーヴェは必殺の飛び蹴りを、スバルは破壊力抜群の拳打を、ヴィッツは凶刃とも取れるほどの風の刃をブリッツに叩き付ける!正に全力全壊!!
当然その破壊力は凄まじく、夫々の一撃でブリッツが纏っていた雷が剥がされ、本体が露出されてしまったのだから。

そして、雷の剥がれたブリッツは、防御力が著しく低下する為に、本体への猛攻は=死を意味するのだ。

だがしかし、ノーヴェもギンガもヴィッツも甘くはない。



「オラァ、打っ飛べ!!」

「此れでファイナルだよ!!」



先ずはノーヴェがサマーソルトキックで、スバルが高威力のアッパーカットでブリッツ2体を中空に放り出し……



「行くぜスバル!!」

「合点承知!!」




そのブリッツを、スバルは変形式のツームストーンパイルドライバーの形に捉え、ノーヴェは垂直落下DDTの構えから、更にブリッツの両大腿部を固定する独特な形に捉え
て行く。最強の技の完成に入る!!


「「全力全壊!!」」


其のまま一気に落下速度を利用して超加速し、スバルもノーヴェも急降下!!


「「マッスルドッキング!!!」」



――ドガァァァァアァァァン!!!!!



先ずはスバルがブリッツを地面に突き立て、その刹那にノーヴェがスバルの肩に着地し、想像も出来ないエネルギーが2体のブリッツを襲う。逃れる術は有りはしない。



『『ぎやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!』』



実際に、この攻撃で2体のブリッツは退場と相成ったのだから。
更に――



「無粋にも程がありますね……と言うかぶっちゃけ面倒なので此処で死んでください。って言うか死ねマジで。――お別れです!!」



――キュゴォォォォォォォォォォォ!!!



ヴィッツが、ブリッツの頭を掴んだかと思うと、そのまま強烈な竜巻を喰らわせ、大ダメージを喰らわせる!!
如何に最強クラスの中級悪魔であるとは言え、此のルーキーズの猛攻を止める事は出来なかった――其れが決定的な、力の差と言うモノなのだろう。



「此れにて終焉……楽勝過ぎましたね。」

「まったくもって……準備運動にもなりゃしないぜ。」

「ウォーミングアップにもならなかったね。」

「中々に強い相手だったのでしょうが、私達の敵ではありません――精々出直してきなさい。」



かくして、ノーヴェ、スバル、ヴィッツの3人は、ブリッツを撃滅し、目的の場所へとその足を進めて行ったのだった。








――――――








Side:ノーヴェ


さっと、有象無象を蹴散らして、辿り着いた先には、確かに地獄門があり、その守護者としてギンガが――否、ナンバーズ13が待ち構えて居やがった。ま、当然だけどな。
なぁギンガ、アタシ達は其のデカブツをぶっ壊しに来たんであって、アンタとやり合う気はねーんだわ。

此れをぶっ壊すくらいは3分も有れば出来るから、その間だけ大人しくしててくれねぇか?別に難しい事でもないだろ?



「………ターゲット補足、抹殺する。」

「抹殺って……ギン姉!!」

「ギンガさん!!」



でもって、分かっちゃいたが、こっちの言う事には耳もくれずか……完全にスカリエッティのクソ野郎に、記憶操作と自我の封印がされてるみたいだ……外道野郎が!!
だが良いぜ……アンタがスカリエッティの手駒になり果てて、地獄門のガーディアンになるって言うなら、ある意味で仕方ねぇ事だ。


でもなぁ、アンタが其れの片棒を担ぐなんてのは絶対に認められねえんだ!!
其れでもやるって言うな、良いぜ――他の誰でもねぇ、アタシとスバルが、アンタの妹としてアンタをブッ飛ばす!!そして、アンタをスカリエッティの呪縛から解き放つ!!

「御託は要らねぇ……始めようぜ。」

「待っててねギン姉、必ず助けるから!!」

「訓練校伝説のチームが欠員になっては、流石に格好が付きませんからね……本気で行かせて貰いますよギンガさん!!」



行くぜギンガ!!
アタシとスバルとヴィッツさん……この3人を相手に出来るもんならしてみやがれ!!アタシ達は、絶対に負けない!!負ける事は出来ねぇんだからな!!!

先ずはアンタを倒し、そして地獄門をぶっ壊してやるぜ!!――それが、アタシの使命ってやつなんだろうからな……精々、その役目を果たしてやろうじゃねぇか!!













 To Be Continued… 




スカリエッティの自作自演。
美姫 「とは言え、これをどれぐらいの人が信じるかよね」
まあ、当のスカリエッティ本人はそこまでこだわっていないような気もするがな。
美姫 「どちらにせよ、はやてたちのする事に変わりはないしね」
確かにな。目的の一つであるギンガも姿を見せたし。
美姫 「果たして、無事にギンガを取り戻せるかしらね」
次回も気になる所。
美姫 「次回も待っていますね」
待っています。



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