無数の異形の死骸が漂う、暗闇が広がる空間に激しくぶつかり合う機械仕掛けの二体の巨神が居た。
白銀と真紅が混ざり合った身体に闇よりも黒い光と光よりも白い闇を混ぜ合わせた瞳、その瞳と同じ六対十二翼の天使のような翼を持つ巨神は翼を羽ばたかせ、両手に持つ黒光りする拳銃のうち、右手に持つリボルバータイプの銃をもう一体の巨神へと向けた。
「ディス・レヴ、オーバードライブ!『ディス・アストラナガン』よ、インフィニティ・シリンダーを廻せ!」
巨神は中性的な声で手に持つ『ディス・アストラナガン』に命令する。
シリンダーから銃身にかけて膨大なエネルギーが充填されると引き金を引いた。
「テトラクトゥス・グラマトン!アイン・ソフ・オウル!デッド・エンド・シュートッ!!」
銃身から解き放たれた幾つかのエネルギーの塊はもう一体の巨神、蒼い身体に所々血よりも鮮やかな紅いラインが入った、虹色の翼を模る膨大にして純粋なエネルギーを背負った巨神へと向かった。
しかし、猛禽類の如き瞳で弾道を捉えると全ての塊を手に持った戦斧槍で打ち払い、白銀の巨神へと迫るがもう一つのオートマチックタイプの銃で牽制する。
そして、そのまま銃に力を込めた。
「『アストラナガン』よ、虚無に還せ!インフィニティ・シリンダー!デッド・エンド・シュートッ!!」
今度は『アストラナガン』に命令をする。
そして、全てを消し去るが如く蒼い巨神へと突き進む。
今度の一撃は危険と判断したのか、蒼の巨神は横へと避け、間合いに近づくと戦斧槍で首を薙ぎ払うように振るった。
それを白銀の巨神は『アストラナガン』で防御し、右足からの強烈な回し蹴りを蒼の巨神の脇腹へと叩き込む。
先程からこのような一進一退の攻防戦が繰り広げられていた。
しかし、それも終局へと差し掛かってきた。
「・・・これで終わりにしてくれる、『龍狼騎』!」
蒼の巨神は白銀の巨神に向かって『龍狼騎』と叫ぶと戦斧槍を折りたたんで背中にしまい、胸の前で両拳を叩き付け合い、大きく弧を描く様に腕を開く。
その軌跡を追う様に黒き雷炎がバチバチッと火花を散らし、周辺を吹雪と竜巻が取り囲み、それらを胸の辺りで拳大の球体に圧縮する。
『龍狼騎』はその様子を見ながら両手の拳銃を腰の後ろにあるホルスターにしまい、右手を正面へと向ける。
「開け【次界門】!」
そう叫ぶと正面に大きな亀裂が走り、その隙間から此処とは違う世界が見える。
腕を中に入れ、何かを掴むとそのまま引き抜く。
ソレは『龍狼騎』の数倍の大きさだった。
ソレは剣と呼ぶにはあまりにも異形すぎた。
ソレは『龍狼騎』程の長さの柄に、全てを飲み込んでしまいそうなほどに綺麗な刀身を持った諸刃の剣だった。
ソレは現れただけで周囲の空間などを喰らい始めた。
ソレは当然の如く世界を喰らう。
ソレは歓喜していた。
ソレは啼いていた。
ソレは怒っていた。
ソレは憎悪していた。
そして、『龍狼騎』はソレの行いを見詰めていた。
ソレが大人しくなると縦横無尽、荒唐無稽に振り回す。
「さぁ、行くぜ【覇界剣】!最後の刻だ、覚悟しな『混沌なる始祖』!!」
【覇界剣】を上段に構え、刀身にありったけのエネルギーを溜め込めると同時に突っ込んでいった。
『混沌なる始祖』が右手を前に左手を右肘に当て、圧縮したエネルギー塊を右掌に移動させる。
「虚無に消えろ、極獄滅界焉弾!!」
向かってくる『龍狼騎』に打ち出した。
『龍狼騎』はそのエネルギー弾を払うために懇親の一撃を放つ。
「喰らえ!破壊を超えた衝撃!!」
【覇界剣】を振り抜き、そのままエネルギー弾に当たり、衝撃が辺りを包む。
しかし、衝撃が広がったと思ったとき、そのまま激突地点に収束し始めた。
「くっ!?一体どうしたのだ!?」
「な、何が」
星、銀河系さえも消し去る程の威力を持った凄絶なエネルギー同士のぶつかりによってワームホールが発生した。
ワームホールは一瞬で世界を覆うと二体を飲み込んだ。
「うわぁぁぁぁぁぁ!!」
「ぐぅぅぅぅぅぅぅ!!」
二体は別々の方向へと飛ばされ、次元の裂け目へと堕ちて行った。
そして、次元の裂け目が閉じると世界は跡形も無く消え去った・・・・・・・・・。
スーパーロボット大戦ExceedFuture
命在る者達の未来を賭けた戦いが始まる・・・・・・
あとがき
ども、骨董品です。
いや〜、此処のところバイトやプログラミング関連のレポートに終われる毎日で大変でした。
でも、そんな大変なときに支えとなってくれたのがスパロボでした。
ある時はアニメで心を湧かせ、ゲームで集中力を取り戻したり、歌を聴いて和んだりなど色んな意味でお世話になりました。
此処で話が変わりますがたま〜にssサイトでスパロボとギャルゲーのキャラ達によるクロス作品を見かけるんですよ。
それを見ていて、終わってない作品後回しにしてでも書きたい!という衝動に駆られてしまった結果、この作品を出してしまおうと思い立ちました。
というわけでして、あとがきにしてはやたら言い訳がましい、もとい、説明的になってしまいましたが今回はここら辺で終わりにしたいと思います。
それでは、次回をお楽しみに。
という訳で、スパロボ。
美姫 「これからどんなお話が繰り広げられていくのか」
熱いバトルものになるのかな。
美姫 「次回を待っていますね〜」
待ってます。