第30話「姫すずか降臨なの?」






 
「ホームズ! 何故ここに……」
「それは、貴方が一番ご存知のはずです」
「動くなホームズ! コッチには人質があるんだぞ」
 そう言って服の破けたファリンを盾にする。
 盾にしつつ生の胸を揉んでいる。
「アンタ!」
「何かな? お嬢さん!」
「この国で18歳未満に淫らなことをしたら捕まるわよ」
「おい! オマエ歳は幾つだ!?」
「15です」
「15だと!」
 ファリンの年齢に驚くモリアーティ。
「今すぐ、ファリンを開放して!」
「開放してほしくば、其処をどけ!」
 そう言いながらファリンの胸を揉み続ける。
 モリアーティが揉むたびにいろんな形へ変えるファリンの胸。
 ファリンの胸を嫌らしく揉み続けるモリアーティにキレるアリサ。
「あんた達、あたしに消し炭にされるのとすずかに殺されるのどっちがいい?」
「人質を取っている私に手を出せるのかい? お嬢さん!」
 今度は強弱をつけてファリンの胸を揉む。
 揉まれるたびにファリンは感じている様だ。
「いい加減にしないと燃やすわよ 起きなさいシャナ!!」
 アリサはデバイスを起動させる。
 紅蓮の炎を纏って愛機シャナをモリアーティに向ける
≪stand by ready. set up.≫
 アリサは、物干し竿のような刀を手にしている。
「何だ!? 手品か?」
「それより、どんな風に殺されたい?」
 なのは達は、怒りの炎を燃やしてモリアーティを睨んでいる。
 そして、すずかの使い魔の吸血猫軍団も……。
「教授、猫ですよ」
 猫を教授に渡そうとするトッド。
「猫など放っておけ!」
「でも教授!」
 その間にも足元に吸血猫が群がる。
 そして、すずかの命令を待っている。
「この猫を除けろ!! 除けなければ、この娘を殴るぞ」
 モリアーティの拳はファリンの腹部にある。
 何時でも殴れると言う態勢だ。
「侵入者、殺す!」
 警備メカが発する。
「メカ風情が私に命令するな!」
 モリアーティは、ファリンの腹部を何度も殴りつける。
 モリアーティのパンチが柔らかいファリンの腹にめりこむ。
 何度も殴られたファリンは終には血を吐いた。
「あんた、血を吐くまで殴ることないじゃない」
「ファリンさんが死んだら如何するんですか!?」
 なのはも怒っている。
「此れでファリンさんが死んだら罪状が増えるわよ」
「知ったことか!」
 既にファリンはグッタリしている。
「す……ず……か……ちゃ……ん」
 苦しそうに助けを求めるファリン。
「誰が喋っていいと言った!!」
 そう言って力一杯ファリンの腹を殴った。
「ごふっ!!」
 胃を突き上げられるように腹を殴られたファリンは大量の血を吐いた。
「もう許さない! ファイヤー・スマッシャー!」
 アリサがモリアーティにファイヤー・スマッシャーを放つ。
 フェイトとアリシアのサンダー・スマッシャーの炎版だ。
 アリサの炎に焼かれるモリアーティ一味。 
 ファリンも一緒に……。
「アリサちゃん!?」
「なによ!」
「ファリンさんも燃えちゃってるけど……」
「えっ?」
 ファリンは黒焦げになっていた。 
「ふぁ、ファリン!」
 黒焦げになったファリンをすずかの使い魔、吸血猫が救出する。
「ファリン!?」
「す、すずかちゃん……」
「ファリン、大丈夫?」
「お腹が……痛いです……」
 お腹が痛いと言うファリン。
「ごぶっ」
 口から血が吐き出される。
「ファリン! 喋らないでじっとしていて」
 ファリンの処置をしようとするすずか。
「すずかちゃん、ファリンさん助かる?」
「今調べている居るから……」
 すずかは、ファリンの状態を調べる。
 すずかが、ファリンの腹部に触れる。
「うぐぅっ」
 すずかがファリンの腹部に触れるとファリンが激しく苦しんだ。
 腹部に相当なダメージがあるようだ。
「い、痛い……」
「ファリンの恨みは私が晴らすから」
 ファリンの恨みを晴らすというすずか。
「貴方達は私の家族を傷つけた」
「傷つけたからなんだというのだ!!」
「だから、絶対に許さない」
「許さなかったら何だ!?」
「その方等には、地獄以上の苦痛を味あわせてくれる」
 すずかの雰囲気が一変する。
 おだやかなすずかが、高圧的な雰囲気に変わる。
 覚醒すずかとも違う。
「下種共、穴から出るが良い」
 すずかがモリアーティ一味に命じる。
 だが、モリアーティ一味は穴から出ない。
「聞こえなかったか? すぐに穴から出るがよい!!」
 再び命じるもモリアーティ達は出ない。
 そんなモリアーティ達にキレる。
「我の手を煩わせるでない」
 穴からトッド、スマイリーを引きずり出すすずか。
 最後にモリアーティの首を掴み片手で持ち上げる。
「ぐっ!!」
「ファリンが受けた以上の苦しみを味あうがいい!!」
 もう片方の手でモリアーティの腹を殴った。
「うげぇっ!!」
 姫すずかの拳がモリアーティの腹に深々とめり込んだ。
 殴られたモリアーティは、胃液を吐く。
「苦しいであろう?」
 モリアーティは、苦しさのあまり喋れない。
「この程度で許されると思うでない!!」
 再びモリアーティの腹を殴る。
「ごふっ」 
 胃液が逆流する。
 その胃液に少し赤い色が混じっている。
 早くもモリアーティの内臓は破裂したようだ。
「簡単には殺さぬ。もっと苦しみを与えてやる」
 更に力を込めてモリアーティの腹を殴る姫すずか。
「きょ、教授……」 
「がはっ」
 激しく血を吐くモリアーティ。
「その辺にしておくがよい!」
 すずかを止める声。
「私の怒りはまだ収まらぬ」
「殺しては侵入した目的を聞くことも出来なくなるぞ」
「すずか、殺すのは事情を聞いてからでも出きるわ」
 忍とさつきが戻って来たようだ。
「ノエル、ファリンは?」
「内臓の幾つかが破裂しているようです」
「医療施設で手術の手配を……」
「了解……すぐに手配をします」
 ファリンの手術の手配をするノエル。
「いっそのこと血を吸って吸血鬼にしてやろうか?」
 ファリンを吸血鬼にしようかと言うさつき。
「血をすってドジが治れば良いのだけど……」
「試してみるか……すずか! お前がやるが良い」
「貴様は後でミンチにしてやる」
 そう言ってモリアーティを地面に叩きつけた。
 叩き付けられたモリアーティは奇怪な声をあげた。
「教授! 大丈夫ですか?」
「大丈夫な訳があるか……腹が……痛い……」
 モリアーティは、両手で腹を抱えて苦しんでいる。
 血を吐きながら……。
 とても苦しそうだ。
「ごふっ」
 腹を痛めつけられている為、逆流してくる血を飲み込む事ができない。
「早く医者に見せましょう」
「医者に見えたところで手の施しようがない」
 吐血量から見て手の施しようが無いことは明らかだ。
 胸は、自ら吐いた血で真っ赤に染まっている。
「すずか、貴女にファリンの処置を任せます。血を与えるなりしなさい」
 すずかにファリンの治療を一任する忍。
「妾の血をファリンに与える」
 ファリンに血を与えることを決める姫すずか。
 そう言って、ファリンの首筋に噛み付く姫すずか。
「すずか! なにファリンさんの血を吸っているのよ!! ファリンさん、失血死するじゃない!!」
 失血死など気にせずファリンの血を吸う姫すずか。
 自らの血をファリンに送り込む。
 仕事を終えた姫すずかがファリンの首筋から牙を抜いた。
「後は、ファリン次第だ!」 
 だが、ファリンはピクリとも動かない。
「ファリンさんを殺して如何するのよ!」
「殺しては居らぬ。後は、時が解決してくれる」
 後は、時が解決するという姫すずか。
「さつきさん! ファリンさんは助かるの?」
 なのはが、さつきに聞く。
「心配は要らぬ。元のファリンとはいかぬが、新たに生まれ変わる」
「新たなファリンさん、ドジ属性が強化されたりしないよね」
 ドジ属性が強化されたか、新たな属性が発生しているかはまだわからない。
「ノエル! ファリンをベットに……」
「了解しました」
 ファリンを抱え屋敷に入っていくノエル。
「さて、我が家に侵入した目的を話してもらいましょうか?」
「誰が話すか!? ごふっ」
 拒否しながら血を吐くモリアーティ。
「きょ、教授!」
「うるさい! それよりも此処から逃げるぞ」
 だが、吸血鬼4人から逃げるのは至難の業だ。
 とても逃げ切ることは出来ない。
「貴方達を殺す前に、ファリンで楽しんだお返しはしないとね……」
「俺たち楽しんでいません。犯ったのは教授だけです」
 ファリンを犯したのは教授だけと言うトッド。
「あなた達もファリンの胸を揉んで楽しんでいたのはどう言うこと?」
「凄く柔らかかったよ」
「そう……あなた達もファリンを……」
 トッドとスマイリーに怒りの炎がますます大きくなる姫すずか。
「すずか、私にそいつらの首の骨を折らせて」
 首の骨を折らせてというアリシア。
「思いっきり折ってやるがよい」
 首の骨を折れと命じる姫すずか。
「すずかの許可が出たから彼方達の首の骨を折ってあげるね」
 アリシアは、目を赤くかえ吸血鬼の力を解放する。
「あいつ等、死んだわね」
「アリシアちゃんがすずかちゃんの次に強いって知らないだ」
 当然そんなことを知らないモリアーティ一味。
「どの道、あの人たちは再起不能だね」
「うん。フェイトちゃん」
「此処のメンバーで最強はさつきさんだよね」
「最強と言うより最凶よ」
 まさにさつきは最凶の強さを誇っている。
「さつきさんの次がすずかでしょ」
「うん」
「すずかの次が忍さん、その次がアリシア……」
「次は、私かフェイトちゃんのどっちだろうね」
 その後にアリサと続く。
 この順位は闇の書事件ご変わる事になる。
 だが、さつき、すずか、アリシアの順位が変わることは無かった。
「モリアーティ教授、諦めて縛につきなさい。今なら殺されずに済みますよ」
「五月蝿い! ホームズ、貴様さえいなければ私の野望は達成されていたのだ!!」
 既に、日も暮れ夜になっている。
 寒い中、モリアーティに時間を費やされる。
「最早、時間の無駄だ! 異世界に飛ばしてくれる」
 モリアーティ一味を異世界に飛ばすというさつき。
「とばすって……」
「うむ……。あの騎士共はどこにいるかな?」
 ヴォルケンリッターの居る世界を探す。
「目障りな貴様等を飛ばす」
 そう言って、モリアーティ一味を異世界へ飛ばした。




「のあぁぁぁぁ」
 モリアーティは、異世界の空を落下している。

「でぇやぁぁぁっ!」
 ヴィータは、戦っている。
 巨大生物が叩き潰される。
「はぁはぁはぁっ」
 肩で、息をするヴィータ。
「のあぁぁぁぁぁ!!」
「ん? なんだ!?」
 上空を見上げるヴィータ。
「のぁぁぁぁぁぁ!!」
 落ちてきたモリアーティがヴィータを押し倒した。
「な、何とか助かった……」
 モリアーティは、布越しに小さく柔らかい何かを感じた。
「なんだ?」
 モリアーティは、それを揉んで確かめた。
「小さいな……」
 モリアーティは、ヴィータを押し倒した状態で胸を揉み続けた。
「てめぇ! 何時まで人の上に乗っかって私の胸を揉み続けている?」
「あぁん? もっと揉んで欲しい?」
 モリアーティは、ヴィータの胸を激しく揉む。
「何時まで人の胸を揉んでいるのか?」
 ヴィータがぶちキレる。
「いい加減に退きやがれ」
 モリアーティを殴る。
 顔を真っ赤にして、グラーフアイゼンをモリアーティの顔に突きつける。
「てめぇ、魔力を持っているな?」
 ヴィータはモリアーティの魔力を奪うことを決めたらしい。
「てめぇの魔力貰ってからぶっ殺してやる」
 グラーフアイゼンがカートリッジをロードする。
「覚悟は良いか?」
「話し合おう。アレは事故だ」
「問答無用!」
「ぎゃぁぁぁぁぁっ!」
 モリアーティは、袋にされた。
「てめぇの魔力、大した足しにならないけど貰っていくからな」
 そう言って、ヴィータはモリアーティの魔力を奪った。


 次回予告

 なのは「ファリンさんが助かった翌日、皆で行くことになった銭湯……」
 フェイト「なのは、洗いっこしようか?」
 なのは「うん。フェイトちゃん」
 アリサ「ラブラブもいい加減にしなさい」
 なのは「『魔法少女リリカルなのは〜吸血姫が奏でる物語〜』第31話『ドキドキ!お風呂場は熱き戦場なの!? 前編』」


ファリンも吸血鬼化するのかな?
美姫 「どうかしら。まあ、モリアーティは罰せられたみたいだけれど」
ホームズの出番がなかったな。
美姫 「まあ、事が頭脳よりも肉弾戦だったしね」
だな。それじゃあ、この辺で。
美姫 「それじゃ〜ね〜」



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