第45話「夜の終わり、旅の終わり」
暴走開始地点と思われる場所に黒い球状みたいなものが出来ている。
「『闇の書』の主、防衛プログラムと完全に分離しました」
「皆、下の黒い淀みが暴走が始まる場所になる」
『クロノくんが到着するまで近づいちゃ駄目だよ』
「はっ、はいっ!!」
「管理者権限発動!」
「(防衛プログラムの侵攻に割り込みをかけました。数分程度ですが暴走開始の遅延が出来ます)」
「うん」
はやての周りに4つの光が現れる。
「それだけあったら十分や。リンカーコア送還、守護騎士システム破損修復」
外の世界に4つのベルカ式魔方陣が現れる。
魔方陣からヴォルケンリッターが復活する。
「おいで、私の騎士たち……」
はやてがヴォルケンリッターを呼ぶ。
白い光の柱が現れる。
眩しさに眼を隠すなのは。
「ヴィータちゃん」
「シグナム!」
「我ら夜天の主の下に集いし騎士」
「主ある限り、我らの魂、尽きることなし」
「この身に命ある限り我らは御身の下にあり」
「我らが主、夜天の王、八神はやての名の下に……」
「リインフォース、私の杖と甲冑を……」
「(はい)」
全裸のはやてが甲冑を纏い杖を手に取る。
元の世界に復活するはやて。
「はやてちゃん」
はやては、笑顔を見せる。
「夜天の光よ我が手に集え、祝福の風リインフォース、セーット・アァープッ!!」
クロノ、ヒバリ、アリサが上空から様子を見ている。
「はやて……」
「うん」
「すみません」
「あの……はやてちゃん、私達……」
「えぇよ。皆わかっている。リインフォースが教えてくれた。せやけど、細かいことは後や! 今は、皆お帰り」
涙ぐむヴィータ。
泣いてはやてに抱きつく。
「はやて、はやてぇ! はやてぇぇぇっ」
泣きじゃくるヴィータ。
はやての元へ飛んでくるなのは、フェイト、アリシア、すずか、さつき。
「皆ごめんな、うちの子たちが色々迷惑掛けて」
「う〜んん」
「平気」
「すまないな、水を差すようだが時空管理局執務官クロノ・ハラオウンだ! 時間がないので簡潔に説明する。あそこの黒い淀み……『闇の書』の防衛プログラムが後数分で暴走を開始する。僕らはなんだかの方法でそれを止めないといけない。停止のプランは現在、二つある。一つ究めて強力な氷結魔法で凍結させる。二つ、軌道上に待機している艦船アースラの魔道砲アルカンシェルで消滅させる。これ以外に何か良い手はあるか? 『闇の書』の主とその守護騎士の皆に聞きたい」
「えぇと最初のは難しいと思います。主のない防衛プログラムは、魔力の塊みたいなものですから……」
「凍結させてもコアがある限り再生機能は止まらん」
「アルカンシェルも絶対駄目」
両方とも駄目というヴォルケンリッター。
「こんなところでアルカンシェル撃ったら、はやての家もぶっ飛んじゃうじゃんか」
「そんなに凄いの?」
「発動地点を中心に百数十キロの範囲を歪曲させながら反応消滅させる魔道砲というと大体解る?」
「あのっ、私もそれ反対!!」
珍しく反対と言うなのは。
「同じく絶対、反対!」
「私も反対! すずかの家も消し飛ぶから……」
フェイトとアリシアも反対する。
「私の家を吹き飛ばしたら、タダでは済まさないわよ! 変態!!」
アリサも反対する。
「なんで変態なんだ!?」
「なのはも聞いて!」
「そいつ、寝込んでいる私を裸にして胸を触ったのよ。その上で思いっきり揉んだのよ。鷲づかみにしてイヤらしい手つきで……」
アリサは、顔を真っ赤にしてクロノがどういう風に自分の胸を揉んだか実演した。
どれだけイヤらしい手つきでアリサの胸を揉んだのかなのは達に伝わった。
「クロノ、本当なの?」
「クロノくん、後でどういう事かO・HA・NA・SH聞かせてくれるかな?」
クロノ、事件後なのは達からO・HA・NA・SH決定である。
「クロノ執務官、死なないでください。死ぬのは、私の研修が終わってからにしてください」
ヒバリに注文を付けられる。
アリサからは睨まれ続ける。
「盛りがついた執務官は無視してアレをどうにかしましょう」
「無視するな!! そんなこと言うと研修終了を認めないぞ」
「クロノくん最低!」
「クロノ、それは酷いんじゃ」
パワハラ発言するクロノ。
「後で、リンディ提督に今の発言キッチリ報告させていただきます」
そう言って、発言を記録したデバイスを見せる。
墓穴を掘ったクロノ。
大幅減俸は避けられないだろう。
「僕も艦長も使いたくはないよ。アレの暴走が本格的に始まったら被害はそれよりはるかに大きくなる」
「暴走が始まると触れた物を侵食して無限に広がっていくから……」
「「「……………………」」」
「はぁい、皆! 暴走臨界点まで後、15分切ったよ」
エイミィが言う。
『会議の決断はお早めに』
「何かないか?」
ヴォルケンリッターに聞くクロノ。
「すまない。あまり役に立てそうもない」
「暴走に立ち会った経験は我らにもほとんど無いのだ!」
「でも、何とか止めないと……はやてちゃんのお家がなくなったらいやですし」
「いや、そういうレベルの話ではないんだが……」
「それでも栄光あるベルカの騎士か?」
「誰だ!?」
謎の声に聞くクロノ。
「彼らは全ての蒐集型魔導書の原典……『創世の書』の守護騎士よ」
聞いたことのある女性の声。
「プ、プレシア・テスタロッサ!!」
「母さん?」
「お母さん!?」
現れたプレシアに驚くクロノ。
目の前に死んだはずの人間が居るからだ。
「エイミィ!」
確認を求めるクロノ。
『今確認するよ』
大急ぎで確認する。
『クロノくん、彼女は正真正銘のプレシア・テスタロッサよ! どうして、生き返ったのかわからないけど……』
「そのことなら、後で教えてあげるわ。今は、暴走プログラムの停止が先よ」
「ぐっ!!」
何者かの手がクロノの首を掴む。
「誰の許しを得て、撃つつもりだったのか教えてくれる?」
何者かの手は、万力のようにクロノの首を締め上げる。
「お姉ちゃん」
「忍さん! その恰好……」
「これ!? 自分で組んだの」
「若しかしてデバイスを?」
「最後の仕上げは、一寸手伝ってもらったけど」
「手伝って貰ったって、かあさんに?」
「詳しい説明は後ね。その前に……」
クロノに殺気を向ける。
「誰のゆるしを得て撃つつもりなのか、O・HA・NA・SHしてくれるよね?」
忍、クロノとO・HA・NA・SH中……。
「続きは後にしてあげるね」
クロノの地獄確定である。
「あのっ、さつきさん!」
「なのは! 何か!?」
「その人たちは?」
「この者たちは、『創世の書』の守護騎士、ローゼンリッターだ」
ローゼンリッターを紹介するさつき。
「我は、シェーンコップ。ローゼンリッターが将だ! 雑種!!」
黄金の騎士甲冑を纏ったシェーンコップが言う。
「ローゼンリッターが参謀……リンッ」
銀色の騎士甲冑を纏っているリンッ。
「同じくローゼンリッター、ブルームハルト! 盾の騎士だ!!」
紫色の甲冑のブルームハルトが言う。
「ローゼンリッター、ヴァーンシャッフェ……覚えておけ選民ども」
真っ赤い騎士甲冑のヴァーンシャフェが偉そうに言う。
「すずか! 『創世の書』を返そう……」
「さつきさんがマスターじゃなかったんですか?」
「『闇の書』を元に戻す方法を探すために借りただけだ!」
「王よ! 我たちはアレを潰せばいいのか?」
「アレを潰すがよい。ヴォルケンリッターと連携せよ」
ヴォルケンリッター達との連携を命じるすずか。
「すずかちゃんが『創世の書』のマスター?」
すずかが『創世の書』のマスターだと言うことに驚くシャマル。
「クロノのせいで時間をロスしたけど話を元に戻すよ」
脱線した話を元の軌道に戻すユーノ。
「戦闘地点をもっと沖合に出来ればいいけど……」
「海でも空間歪曲の被害が出る」
「あぁ、ごちゃごちゃ鬱陶しいなぁ」
鬱陶しいと言うアルフ。
「皆でズバッとぶっ飛ばしちゃうわけには行かないの?」
「ア、アルフ……これは、単純な話じゃ」
「ズバッと……」
なのはは考える。
「ぶっ飛ばす」
「ここで撃ったら、被害が大きいから撃てへん」
「でも、此処じゃなかったら」
「そういえばすずか、ブレイカー撃つとき海面から撃っていなかった?」
アリシアがすずかに聞く。
「撃っていたけどそれがどうかしたの? アリシアちゃん」
「「「「……………………」」」」
なのは、フェイト、アリシア、すずか、はやては顔を見合す。
「クロノくん! アルカンシェルって何処でも撃てるの?」
忍にボロボロにされたクロノに聞く。
「何処でもって……例えば?」
「すずかのブレイカーの発射方向で思いついたの」
「今、アースラが居る場所……」
「軌道上……宇宙空間で」
「管理局のテクノロジー、舐めてもらっちゃ困りますなぁ」
エバるエイミィ。
「撃てますよぉ。宇宙だろうが、どこだろうが」
「おいっ!! ちょっと待て、キミら……まさか……」
「「「「うん」」」
「あらまぁ。凄いというか……」
「計算上、実現可能ってのが怖いですね……クロノくん、ヒバリくん、こっちのスタンバイはOK! 暴走臨界点まで後10分」
「実に個人の能力頼りでギャンブル性の高いプランだが、まぁやってみる価値はある」
「防衛プログラムのバリアは魔力と物理の複合4層式。まずはそれを破る」
「バリアを抜いたら本体に私たちの一斉攻撃でコアを露出……」
「そしたら、ユーノ君たちの強制転移魔法でアースラの前に転送……」
「後は、アルカンシェルで蒸発と……」
「上手くいけばこれがベストですね。さらに、すずかちゃんの地上からのブレイカーの支援があれば……」
恐ろしいことを考えるエイミィ。
『提督……見えますか?』
「あぁ。よく見えるよ」
『『闇の書』は呪われた魔導書でした。その呪いはいくつもの人生を喰らい、それにかかわった多くの人の人生を狂わせてきました。アレのおかげで、僕の母さんも他の多くの被害者遺族もこんなはずじゃない人生を進まなけれならなくなった。それは、きっと貴方も、リーゼ達も……』
「なくしてしまった過去は、変えることが出来ない」
≪Start up.≫
デュランダルを起動させる。
「だから今を戦って、未来を変えます」
「アルカンシェル、チャージ開始!!」
「「はい」」
アルカンシェルのチャージが始まる。
黒い淀みを見る戦士たち。
『暴走開始まで後2分!!』
暴走開始まであと2分……。
「なのはちゃん、フェイトちゃん、アリシアちゃん、すずかちゃん……それにそこの黒い服の……。シャマル」
「はい。皆の治療ですね」
「わたしは、治療しなくていいよ」
「せやけど、すずかちゃん……」
「忘れていない? はやてちゃんを吸血鬼にしたの私だよ」
「せやった。すずかちゃんが吸血鬼やというのを忘れとった」
「クラールヴィント、本領発揮よ」
シャマルは、クラールヴィントにキスをする。
≪Ja.≫
「静かなる風よ、癒しの恵みを運んで」
なのは達の傷がいやされる。
オマケでクロノも。
「湖の騎士シャマルと風のリング、クラールヴィント……癒しと補助が本領です」
「凄いです」
「ありがとうございます。シャマルさん」
「アンタたち、カートリッジ使い切ったんでしょ? 私が持ってきてたんだから感謝しなさい!!」
威張るアリサ。
我先に群がるなのは、フェイト、アリシア。
「あたし達はサポート班だ! あのうざいバリケードを上手く止めるよ」
「「うん」」
「あぁ」
ユーノ、リニス、ザフィーラが頷く。
「始まる……」
暴走が始まるようだ。
「『夜天の魔導書』を呪われた『闇の書』と呼ばせたプログラム……『闇の書』の闇……」
「チェーンバインド!」
「チェーンバインド!」
「ストラブルバインド!!」
ユーノ、アルフ、リニスがバインドを掛ける。
が、直ぐに外れてします。
「縛れ、鋼の楔!!」
ザフィーラが邪魔なものを払う。
「ちゃんと合わせろよ! 高町なのは」
「ヴィータちゃんもね……」
「それと……」
「ヴァーンシャッフェだ!!」
改めて名乗るヴァーンシャッフェ。
「鉄槌の騎士ヴィータと鉄の伯爵グラーフアイゼン!」
グラーフアイゼンがカートリッジを吐き出す。
≪Gigantform.≫
巨大ハンマーに変形する。
「轟天爆砕」
巨大なハンマーは更に巨大になる。
「真紅の騎士、ヴァーンシャッフェと熱き公爵バルバッロサ」
≪Hmmaleform.≫
バルバロッサがグラーフアイゼンと同じハンマー形に変形する。
「ギンガントシュラーク」
「ハンマーシュラーク!」
ヴィータとヴァーンシャッフェが同時に振り下ろす。
二つのハンマーによってバリアが砕ける。
「高町なのはとレイジングハート・エクセリオン行きます!」
≪Load cartridge.≫
レイジングハートがカートリッジをロードして羽みたいなものが生える。
「エクセリオン……バスターァ!!」
防衛プログラムがなのはに襲い掛かる。
≪Barrel shot.≫
衝撃波が防衛プログラムに当たる。
「ブレイク」
巨大な光の塊が出来る。
「シュートッ!!」
なのははトリガを引く。
光の塊が防衛プログラムのバリアを砕く。
防衛プログラムが悲鳴を上げる。
「次、シグナムとテスタロッサちゃん姉妹」
「シェーンコップ!!」
シャマルとリンッが指示を出す。
同じ参謀同士だ。
「剣の騎士シグナムが魂、炎の魔剣レヴァンティン! 刃の連結刃に続くもう一つの姿……」
鞘を剣に連結させる。
≪Bogenform.≫
弓に変形するレヴァンティン。
「黄金の騎士シェーンコップが相棒、最凶の魔炎剣サラマンドル! 最凶の無限刃……」
≪Kurastaform.≫
刃が無数に散って数えきれない数の剣が現れる。
「駆けよ隼!!」
≪Sturmfalken.≫
「駆けよ無限刃!!」
≪Sturme Schwert.≫
シグナムとシェーンコップが同時に攻撃する。
同時に攻撃を受け呆気なく防衛プログラムの3つ目の防壁が砕ける。
「フェイト・テスタロッサ、バルディッシュザンバー……」
「アリシア・テスタロッサ、ヴァルディッシュザンバー……」
「「いきます!!」」
バルディッシュとヴァルディッシュがカートリッジをロードする。
フェイトとアリシアは同時にバルディシュとヴァルディッシュを左右対称に振って、蛇みたいなのを切り落とす。
「「撃ちぬけ、雷神!!」」
≪Jet Zamber.≫
≪Jet Zamber.≫
フェイトとアリシアは、同時にバルディッシュとヴァルディッシュを振り下ろす。
ダメージを受け、悲鳴を上げる防衛プログラム。
「盾の守護獣ザフィーラ! 攻撃など撃たせん!!」
「盾の守護騎士ブルームハルト……マスター達には指一本たりとも触れさせん!!」
ザフィーラとブルームハルトの息の合った攻撃が決まる。
「はやてちゃん、すずかちゃん、さつきさん!!」
シャマルが指示を出す。
はやてとすずかは、同時に詠唱を始める。
すずかは、美姫を待機状態にしいつの間にかすずかカードを使う時の杖を持っていた。
「彼方より来たれ宿り木の枝、銀月の槍となりて撃ち貫け!」
「彼方より来たれ黒闇の枝、氷雪の槍となりて撃ちぬけ!」
すずかも詠唱を完了させる。
「石化の槍ミストルジン」
「雪柱の槍スノルジン」
先にはやての攻撃が命中し石化する。
石化と同時にすずかの雪柱が刺さり凍らせてゆく。
石化と凍結のに弾攻撃が決まる。
「月よ!!」
更にさつきの『月落とし』も加わる。
着弾点を中心に爆発が起きる。
爆発が収まると視界が回復する。
防衛プログラムは、健在だ。
更に不気味な形に変わる。
「うわぁっ」
「なんだか凄いことに……」
「やっぱり、並みの攻撃じゃ通じない。ダメージを入れた傍から再生されちゃう」
『だが攻撃は通ってる。プランに変更はなしだ!!』
「行くぞデュランダル」
≪OK, Boss.≫
「悠久なる凍土よ、凍てつく棺の内にて永遠の眠りを与えよ」
「全てを凍てつかせよ」
「凍てつけぇ!!」
≪ Eternal Coffin.≫
「凍!!」
すずかは、魔導書をシェーンコップに預け『凍』のカードを使った。
デュランダルの凍結魔法と合わさって強力に氷結させる。
「行くよ。フェイトちゃん、アリシアちゃん、すずかちゃん、はちゃてちゃん」
「「うん」」
「うん」
「うふ」
「私も混ぜなさい!!」
自分も混ぜろと言うアリサ。
「アリサちゃん、砲撃できないでしょ!?」
「なのはの言うとおりだよアリサ。今回は我慢して」
「無理を言うな! 今回は、お前は観戦だ! どうしても戦いのなら今度戦えばいいだろう?」
「アリサちゃん、今度気が済むまで相手してあげるから……」
「絶対だからね」
「うん」
アリサも戦闘狂のようだ。
その場は、引き下がったアリサ。
≪Starlight
Breaker.≫
「わたしは、トランジッションブライカーのチャージを始めるから……」
≪All right. Transition
mode.≫
美姫が待機モードがらトランジッションモードに変形する。
「美姫、トランジッションブライカー最大出力全弾構築!!」
すずかは、トランジッションブレイカーのチャージを始める。
「スターライト……」
「「雷光一閃、プラズマザンバー!!」」
「ごめんな……お休みな」
目を瞑って決意する。
「響け終焉の笛、ラグナロク」
はやても詠唱を完成させる。
「「「「ブレイカー!!!!」」」」
4人が同時に攻撃する。
その一方ですずかは、チャージを急ぐ。
なのは、フェイト、アリシア、はやての攻撃でコアが露出する。
「本体コア露出……捕まえた!」
シャマルがコアを捕獲する。
「長距離転送!」
「「目標、軌道上!」」
転送準備が整う。
「「「「転送!!」」」」
「美姫、バレル展開!!」
すずかもバレルを展開し射線軸の誤差を修正する。
「コアの転送来ます。転送されながら生体部品を修復中!! すごい速さです」
「アルカンシェル、バレル展開!!」
アルカンシェルのバレルが展開される。
「地上に超巨大魔力反応! 地上からも砲撃するようです。アルカンシェル級のチャージ反応です」
地上からのチャージ反応を観測したようだ。
「ファイヤリングロックシステム、オープン!!」
発射装置が出てくる。
「命中確認後、反応前に安全宙域まで退避します。準備を……」
「「了解!!」」
コアは軌道上へ転送中だ。
すごい勢いで修復されていく。
リンディが発射キーを差し込む。
軌道上にコアが転送されてきた。
「トランジッションブレイカー、発射!!」
すずかがトリガを引くと凶悪な魔力が軌道上のコアに向け発射された。
自転の速度も計算された超精密砲撃。
地上からの砲撃は衰えず軌道上のコアへ向かう。
「アルカンシェル、発射!!」
リンディは、発射キーを回す。
アースラからアルカンシェルが発射された。
発射されたアルカンシェルがコアへ延びる。
地上からすずかが発射したトランジッションブレイカーと同時に命中する。
二つの巨大エネルギーの直撃を受け跡形もなく消し飛んだ。
『対象空間内の物体、完全消滅! 最生反応ありません!!』
「うん」
頷くリンディ。
『準警戒態勢を維持! もう暫く反応空域を監視します』
「了解!」
『っと言う訳で現場の皆お疲れ様でした。状況、無事に終了しました』
お互いに見合って笑顔を見せるユーノ、アルフ、リニス、シャマル。
『この後、まだまだ残骸の回収とか、市街地の修復とか色々あるんだけど皆は、アースラに戻って一休みして』
なのは、はやて、フェイト、アリシアがハイタッチする。
その時、すずかの美姫がからボンッと言う音ともにシリンダー部分から残留魔力と煙が噴出した。
デバイスがすずかの持つ強大な魔力に耐えられなかったようだ。
「すずかちゃん、デバイスが……」
「うん。美姫、壊れちゃった。ありがとう美姫」
すずかは、美姫を待機モードに戻し独自の飛行魔法を起動させる。
「クロノ、お疲れ様……」
「あぁ……。よく頑張ってくれた、フェイト、アリシア」
「はやてぇ!!」
「はやてちゃん!?」
「「「!?」」」
はやてに何かがあったようだ。
「はやて! はやてぇ!!」
はやてを抱えているシグナム。
「はやてぇ!! はやて……はやてぇ!!」
倒れたはやてに泣くヴィータ。
次回予告
フェイト「そして『闇の書』事件は終わりを迎えます」
なのは「出会った人、触れ合った人たち、笑顔と感謝を……」
フェイト「それから旅立ちと再開と新しい道を進むとき」
なのは「次回『魔法少女リリカルなのは〜吸血姫が奏でる物語〜』
なのは、フェイト、アリシア、すずか「第46話『スタンバイ・レディ』」
なのは「終わりじゃなくて、きっと始まり……」
創生の書の騎士にすずかやさつきも加わっての総攻撃。
美姫 「いやー、よく耐えたわね闇の書のプログラムも」
確かにな。まあ、どうにか事態も終息させれたみたいだし、良かった良かった。
美姫 「とは言え、はやてが倒れたみたいだけれどね」
どんな結末が待っているのかな。
美姫 「それではこの辺で」