第74話「同窓会任務1」






 
「じゃ、いってらっしゃいフェイト、アリシア。授業のノート取っておくからね」
「うん! ありがとうアリサ」
「授業が終わったら来てね」
「わかったわ」

「ほんならカーテローゼちゃん、また後でな」
「じゃあ、わたしも」
「気をつけてください。陛下……」
 まだすずかのことを陛下と呼んでいるようだ。


「なのはも! 気をつけてね!」
「はぁーい!」
 なのは達は、別々のクラスのようだ。
 なのは、フェイト、アリシア、アリサが3年2組み。
 すずか、はやて、カーテローゼが3年6組みだ。
 この日は、アリサとカーテローゼがノート取りだ。
 必然的になのは、フェイト、アリシア、アリサが同時に縫えることはない。
 必ず一人が残ることになる。
 すずか、はやては同時に抜けることが多々ある。
 それは、カーテローゼが常にいるからだ。




 私、高町なのはと小3のころからの友達、フェイトちゃんとアリシアちゃんとはやてちゃん。
 それにすずかちゃんとアリサちゃん。
 中学生を続けながら、あるお仕事もしています。


 フェイトちゃんは子供の頃から……。
 私とはやてちゃんとアリシアちゃんとすずかちゃんとアリサちゃんは、小3の時に出会った『魔法』をきっかけに、いくつかの 事件や出会いを超えて私たちはそれぞれの思いや願いをもって時空管理局所属の職業魔導師の道へ進みました。


「じゃ、いつもの場所に転送ポート開くね!」


「はぁいっ」
 屋上になのは、フェイト、アリシア、はやて、すずかの姿がある。
「レイジングハート!」
≪Yes MY Master.≫
「バルディッシュ!」
≪Yes Sir.≫
「ヴァルディッシュ」
≪Yes Sir.≫
「リインフォース!」
「はい! マイスターはやて!」
「ブリュンヒルト!」
≪Yes Master.≫
「「「「「セーット・アーップ!」」」」」
 5人は、バリアジャケットまたは騎士甲冑を着装する。
「「「「「ゴー!」」」」」



 第162観測指定世界
『じゃ、改めて今日の任務の説明ねー』
 任務の説明を始めるエイミィ。
『そこの世界にある遺跡発掘先を2つ回って、発見された古代遺失物を確保。最寄りの基地で詳しい場所を聞いてモノを受け取って アースラまで戻って本局まで護送!』
「平和な任務ですねぇ」
『ま、モノがロストロギアだから油断は禁物だけど。なのはちゃん、フェイトちゃん、アリシアちゃん、はやっちゃん、すずか ちゃんの5人でも』
 油断禁物というエイミィ。



「もう1か所にはシグナムとザフィーラがいるわけだから」
 もう1か所には、シグナム達が行っているらしい。
「本当は、ローゼンリッターにも参加して欲しかったんだよね」
「モリアーティの捜査に掛かりきりだからな」
「最近、超広域手配されたあのモリアーティ教授か!?」
「ホームズ提督が指揮をとっておられる」
 モームズも管理局に入っていたようだ。
 非魔導師ながら異例の出世を果たしていた。
「まぁ、多少の天変地異くらいならなんとかしちゃうよね」
「よろしくたのむ」
『了解ー!』

「でもホント最近みんな忙しいし立場も固まってきちゃったし、こーやって同じ任務に関われるのもあと何回あるのかなぁ」
「そうだな」
 クロノは、思い返す。
「あの子達の研修期間が懐かしいやー。あのころはホント艦内もにぎやかでさ」
「僕は騒々しくてかなわなかったがな」
「その割りに嬉しかったんじゃない? なのはちゃんたちの裸を見れたんだから」
「その話は、しないでくれ」
「なのはちゃん達の裸を見ては制裁受けてたもんね」
 クロノは、研修期間中のなのはたちの裸を何度も見てしまったらしい。
「ま、今日は楽しい同窓会任務。終わったらにぎやかにやりましょ」
「まぁ、仕方ないな」
 同窓会任務とはいえ、一部参加していないメンバーも居る。
 さつき、アリサ、ローゼンリッターである。
 そして何故か、居るのが当然の顔で居る人……。
「そこの黒い服の人、お茶を淹れて来なさい」
 そう。
 アンゼロットだ。
「何で僕が……。階級は僕のほうが上なんだぞ」
「そんなこと言っていいのですか?」
 アンゼロットは、クロノの弱みを握っているようだ。
「一ヶ月前の任務のときシャワールームでフェイトさんの裸を見た上に胸を揉んだことを言ってもいいのですか?」
「ク・ロ・ノくん!? どう言う事か説明してくれるよね?」
 黒いオーラを放ちながら迫ってくるエイミィ。
「一寸、エイミィ……」
「O・HA・NA・SHしてもらうよ」
「ぎゃぁぁぁぁっ!!」


 クロノがエイミィにO・HA・NA・SHされている頃……。
≪Jacket Off.≫
 なのはたちは、目的地に着きバリアジャケットを解除した。
「さて、基地のほうは……と」


「遠路おつかれさまです! 本局管理補佐官グリフィス・ロウランです!」
「シャリオ・フィニーノ通信士です!」
 二人は、敬礼する。
「ありがとう」
「ご休憩の準備をしてありますので、こちらへどうぞ」
「あ、平気だよ。すぐに出るから」
「私ら、これくらいの飛行じゃ疲れたりせーへんよ。グリフィスくんは知ってるやろ?」
「はい……存じ上げてはいるのですが」
「まぁ、すずかちゃんは10徹しても平気やったからな」
「はやてちゃん!! そんな話しなくても……」
「でも事実やろ!?」
「認めるけど、任務中に言わなくても……」
 すずかは10日連続で徹夜したことがあるらしい。
「10日連続で徹夜ですか……」
「「「「?」」」」
「あ、4人は会ったことなかったな。こちらグリフィスくん。レティ提督の息子さんや」
「はじめまして!」
「「「「あー!!」」」」
「フィニーノ通信士とは初めてだよね?」
「はい! でも、皆さんのことはすごーく知っています!」
 全員のことを知っているようだ。
「姉妹揃って本局次元航行部隊のエリート魔導師アリシア・T・ハラオウン執務官とフェイト・T・ハラオウン執務官!」
 フェイトとアリシアは、姉妹揃って執務官になっていた。
「いくつもの事件を解決に導いた本局地上本部の切り札。八神はやて特別捜査官」
 はやては、特別捜査官として活躍しているようだ。
「武装隊のトップ、航空戦技教導隊所属! 不屈のエース、高町なのは二等空尉!」
 なのはも活躍しているらしい。
「管理局最後の切り札。最凶の配下と共に難事件を解決してきた月村すずか武装執務官!」
 興奮気味のシャリオ。
「陸海空の若手トップエースの皆さんとお会い出来るなんて光栄です〜!!」
「あ」
「あはは」
「リインフォースさんのことも聞いてますよー。とっても優秀なデバイスだって」
「ありがとうございますー」
「シャーリー失礼だろう」
「あ、いけない。つい……」
「シャーリーって呼んでるんだ。仲良し?」
「す……すみません! 子供のころから家が近所で……」
「幼馴染だ!」
 グリフィスとシャーリーは、幼なじみらしい。
「いいね。私たちも幼なじみだよ」
「幼なじみの友達は貴重なんだから……大事にしてね」
「はいっ!」




 時空管理局本局
「ユーノ、そっちのデータはどうだ?」
「もう解析を進めている」
 既に解析を始めているユーノ。
「なのはたちが戻るころには出そろうよ」
「そうか」
「はいよユーノ」
「ありがとうアルフ。アルフももうそっちの姿が定着しちゃったね」
「あー。まーね」
 アルフは、小さい姿が定着していた。
「フェイトの魔力を食わない状態を追求してったら、こーなっちゃってな。あたしはフェイトを守るフェイトの使い魔だけど、 フェイトはもう十分強いし、ひとりじゃないし、ずっとそばにいて守るばっかりが守り方じゃないし、家の中のことやるのも案外楽 しいし来年にはクロノとエイミィも結婚する予定だし、子供とか生まれたらもっと忙しくなるしね」
『ア〜ル〜フ〜。その話はまだヒミツだってー……』
「アルフ!? アレほどヒミツと言われていたのに人の耳があるところで言う人が居ますか!!」
 何時の間にか、アルフの背後にはリニスが居た。
「ヒミツを簡単に話す口はそれですか?」
 リニスがアルフの口を両手で引っ張る。
「ヒタイ……ヒニフ、ヒハイ……」
「リニスも落ち着いて……」
 アルフをお仕置きしているリニスを落ち着かせるユーノ。

「ええと……おめでとうございます」
『うう……。ありがとう……』
「クロノもやっと決心したんだね」


「まぁ、色々とな」
「というか」


『そーゆーユーノくんは、なのはちゃんとホントに何もないの?』
「なのはは僕の恩人で大事な幼なじみです。友達ですけど、それだけですよ。本当に」


『まぁ、2人とも仕事好きだしねぇ。まだ当分さきかな、そういう話は』



「皆さんの速度ならポイントまでは15分ほどです。ロストロギアの受け取りと艦船の移動までナビゲートします」



「はい……。よろしくねシャーリー」
「グリフィスくんもねー」
『はい』

「しかし私たちも、もー6年目かー」
「中学も今年で卒業だしね」
「卒業後はきっと今より忙しくなるかな」
「私とアリシアは、長期の執務官任務も受けることになるし」
「わたしも教導隊の一員としてあちこち回ることになるね」
「私は卒業の少し前にミッドの地上にお引越しや」
 はやては卒業前に引っ越すようだ。
「ミッド首都の南側で家族7人で暮らせる家、えーカンジのトコを探し中や。決まったら遊びに来てなー」
「うん! 行く行く!」
「リインもはやてちゃ……マイスターはやてといっしょにお待ちしているです!」
「「あはは」」
「そんな堅い呼び方しなくても『はやてちゃん』でいいんじゃない?」
「うん」
「うう……」
「すずかちゃんは、どうするんや?」
「わたしは、大学院までは行こうと思っているから」
「すずかは家業も継がないといけないものね」
 すずかは、大学院までは行く予定らしい。
「そっか。すずかちゃんは、学生魔導師を続けるんやね」
「うん」


「あれ……?発掘地点と通信が繋がらない……」
「本当に?」
「やっぱり……どうしたんだろ?」




「あ……見えてきた……」
「けど、あれって……?」



「あ……ああ……ッ!」
 正体不明の機械に襲われていた。


「現場確認。機械兵器らしき未確認物体が多数出てます!」
「ん!」
「フェイトちゃん、アリシアちゃん! 救助には私が回る!」
「私とアリシアは迎撃する!」
「はやてとリインとすずかは上から指揮をおねがい!」
『了解ッ!』


「おし! やるよ、リイン!」
「はいです!」
「「ユニゾン、インッ!」」
 リインとユニゾンするはやて。



「中継! こちら現場!」
 中継へ連絡するなのは。
「発掘地点を襲う不審機械を発見! 強制停止を開始します!」
『本部に中継します!』
「お願い!」


 機械兵器の攻撃を防ぐなのは。


「「プラズマカンサー!」」
 フェイトとアリシアが同じ魔法をセットする。
「「ファイアッ!」」



「大丈夫ですかッ!?」
「は……はいっ……」
「あれはいったい!?」
 なのはが聞く。
「わかりません。コレを運び出していたら急に現れて……」



『広域スキャン終了……人間はあの2名だけです!』
「ん!」
 ユニゾン中のリインが広域スキャンをした。
「念のため、すずかちゃんもスキャンしてくれる?」
「うん」
 はやてに頼まれて広域スキャンを改めてするすずか。
「超広域スキャンしたけど、リインちゃんのスキャン結果に間違いないよ」
「そっか」


「あれは機械兵器……?」
≪There are no applicable data.≫


『中継です! やはり未確認! 危険認定。破壊停止許可がでましたっ!』


「了解! 発掘員の保護は私が引き受ける! すずかちゃんと3人は思いっきりやってええよ!!」
『『『『了解!』』』』


≪Master.≫
「フィールドエフェクト……?」
 機械兵器が何かを発生させた。
「様子見でワンショット! レイジングハート!」
≪Acsel Shooter.≫
 カートリッジを1発ロードする。
「シュートッ!」
 なのはは、機械兵器に撃つ。
 しかし当たることなく霧散した。
「無効化フィールド!」
≪Searched Jummer field.≫


「AMF。AAAランクの魔法防御を機械兵器が……?」



『はわわッ。AMFって言ったら魔法が通用しないってことですよっ!? 魔力結合が消されちゃったら攻撃が通らないですー!』
「あはは……リインは、やっぱりまだちっちゃいな」
『ええっ!?』


「覚えておこうね。戦いの場で『これさえやっとけば絶対無敵』って定石は、そうそう滅多にないんだよ」
 カートリッジがロードされる。
「どんな強い相手にも、どんな強力な攻撃や防御の手段にも必ず穴はあって崩し方もある」
 アリシアとフェイトは、魔法の詠唱を始めている。
「でも、当てはまらない人も居るけどね」
 すずかの方を見て言うなのは。
 なのはは、言いつつ地面を撃つ。
「魔力が消されて通らないなら『発生した効果』のほうをぶつければええ」

「例えば小石。スターダスト……!」


「例えば雷」
「「サンダー……!」」


「「「フォールッ!」」」


「あることをしたら魔力を通すことができるよ」
 そう言ってすずかはスフィアを数個作る。
 作ったスフィアを機械兵器にむけ撃った。
 撃ったスフィアを機械兵器のAMFを突破し破壊した。


『ふぇー……すごいですー……』
「4人とも一流のえーすやからな」
『あ! 何機か逃走しているです!』

『追おうか?』
『わたしが空想具現化で足止めするけど……』
「へーきや。こっちで捕獲するよ」


『リイン頼んでええか?』
「はいです!」


 発生効果で足止め捕獲というと……。


『こんなカンジです!』
 機械兵器のまわりに何かが現れる。
凍てつく足枷ッフリーレンフェッセルン!』
 氷で機械兵器の動きを止めたリイン。

「お見事!」
『ありがとうございます!』


「これがそのロストロギアですね」
「はい……」
 ロストロギアを確保するフェイト。
「中身は宝石のような結晶体で『レリック』と呼ばれています」
 ロストロギアは、『レリック』と呼ばれているものらしい。



「……し……。……こちら……」



『こちらアースラ派遣隊! シグナムさんですか?』
「その声、なのはか? そちらは無事か?」
『機械兵器の襲撃があったんですが……まさかそっちも?』
「こちらは襲撃ではなかったがな」
 シグナムたちの方は襲撃はなかったようだ。
「危険回避のため、すでに無人だったのが不幸中の幸いだったが、発掘現場は跡形もない。先ほどアインとシャマルとヴィータを 緊急で呼び出した」
 初代リインフォースはちびリインと区別する為にアインと呼んでいるようだ。
「今日の任務、気楽にこなせるものではなさそうだな」


 次回予告

 なのは「気楽なはずだった任務」
 フェイト「駆けつけてくる増援……」
 ヴィータ「月村すずか! おまえは手を出すな!」
 シグナム「次回『魔法少女リリカルなのは〜吸血姫が奏でる物語〜』第75話『同窓会任務2』」


謎の機械兵器の登場で気楽なままとはいかないようだな。
美姫 「みたいね。まあ、今の所は大丈夫そうだけれどね」
だな。なのはたちは無事に任務を達成できるのか。
美姫 「それじゃあ、また次回を待ってます」
ではでは。



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