第79話「紅い悪魔逮捕」
某世界倫敦……。
「そこに直りなさい!!」
「直るのはそっちですわよ」
「遠坂もルヴィアも喧嘩を止めろ!!」
「シェロは黙っていてください!!」
「士郎は黙ってて」
魔術による喧嘩を続けている遠坂とルヴィア。
周辺は瓦礫で溢れている。
二人のガンド連射に巻き込まれ直撃を受けた者、瓦礫の下敷きになった者もいる。
この二人の喧嘩を止めれる者は数少ない。
二人の間で喧嘩を止めようとする士郎。
「士郎退きなさい!!」
「シェロは退いていてください」
当然と言うか退かない士郎。
結果は二人のガンドの的となった。
士郎を的としたガンドの撃ちあいが始まる。
「ぐへっ」
奇声を上げる士郎。
其れもたて続けである。
「いい加減にせんか!!」
捕縛礼装で拘束される凛、ルヴィア、士郎。
彼女たちを教授、保安部の魔術師が取り囲んでいる。
「またお前たちか!! 今季、これで何度目か!?」
「お前たちに何度時間を割かれなければならない」
「いい加減に退学処分にしたいぞ!!」
彼らも勝手に退学処分に出来ない。
魔導元帥の弟子であるために退学に出来ないのだ。
「今回の被害総額は幾らになるのだ?」
講堂も数個が使用不能の吹き抜け状態だ。
それも数階にわたってである。
床があると思って戸を開けた学生が転落する事故もおきていた。
転落した学生は一人ではなかった。
床が抜け何十人が一斉に転落した。
転落した学生は全員が骨折などの重傷を負った。
内、何人かはコンクリートの塊が仰向けに転落したところに腹部に直撃し血を吐いた。
其の上に更に巨大な塊が落ちてきて完全にミンチになっていた。
瓦礫の下から犠牲者や負傷者を運び出す作業が開始される。
当事者三人は正座させられ動けないよう拘束されている。
其の三人に友を殺された学生は恨みの眼を向ける。
どうやら相当の恨みを買っているようである。
「教授!! そいつらを永久追放処分にしてください!!」
永久追放を要求する学生。
「お前たちの要求は分かる。死者も出した今回の処罰は過去にないくらい重いものになるだろう……」
「何故、今すぐ処罰しないんですか?」
「今回は、この者たちの師である魔導元帥の采配を任せるしかない」
「今回は、魔導元帥も厳罰を下す。魔導元帥の処分を信じるのだ」
そこへ杖を突きながら近づいてくる音がする。
誰もが待ち望んだ魔導元帥の登場である。
「ほう。今回は特に大暴れしたな?」
魔導元帥が睨む。
「大師父……」
「殆どの講堂を使用不能にしおってから!」
「それはルヴィアが……」
「全て私のせいにしないで下さる?」
「講堂を壊しただけならまだ良かったが、死者まで出しおって!!」
雷が落とされる。
「今回は、各教授の具申を取り入れることにする」
「それって……」
「お前達を平行世界に飛ばす」
実質上の追放処分に喜びの声が上がる。
「暫く無一文で頭を冷やせ!!」
「期間は!?」
「無期限だ!! それとも終身追放が良かったか?」
「いえ。無期限でいいです」
「それで良いですわ」
終身追放だけはイヤだった。
復帰できるなら復帰できるほうが良かった。
「異世界に行く前に払うものは払ってから行ってもらう。修理費もろもろ耳をそろえて払ってもらう」
渡される請求書。
それを見て震える凛と士郎。
「こんな額、払えるかぁ!!」
金欠の凛。
その横で士郎も震えていた。
凛の弟子として師を止められなかった罪で請求書が渡されていた。
「どうした!? エーデルフェルトは、賠償金を納めたぞ、小切手で……」
支払う手段がない凛と士郎。
「払う手段がないのなら働いて稼げ!! 当然稼いだ物はワシが回収に向かう」
「じゃあ、どうやって食えばいいのよ!!」
「お前は管理者解任だ!! 今後は、お前の妹を冬木の管理者にする」
凛に告げられる管理者解任。
これで、収入源を完全に断たれたことになる。
「これ以上話す事もない。異世界で死ね!!」
ゼルレッチは、宝石険を抜いた。
ゼルレッチの魔法で異世界に飛ばされる凛、ルヴィア、士郎。
「コレで、時計塔が平和になる」
「あぁ。今後、講堂が壊されることもない」
「だが、復旧工事の間は長期休講にするしかないな」
復旧にどの位の時間が掛かるかわからない。
過去に例のない大破壊なのだ。
第97管理外世界……。
海鳴市。
月村亭。
そこには日本かと思う城が建っていた。
今までの邸宅に増築する形でである。
当然、維持管理には人手が要る。
広大な邸宅にそれを遥かに凌ぐ城もある。
掃除だけでも大変なのだ。
掃除に警備を担うは、月村が管理しているイレインである。
「すずかちゃん!!」
涙目のファリンが駆けてくる。
そしてお約束どおり……。
ビッターン!
ズッこけた。
「カーテローゼちゃんたちがまだ帰ってこないんです」
「帰ってこないってどうしたの?」
「あっドジメイド!!」
アルクェイドの言葉が胸に突き刺さる。
「それで、三人は?」
「あっ、そうでした。中心街のどこかに居るとおもうんですが……」
「ファリン、後でO・HA・NA・SHしようね♪」
「すずかちゃん、怖いです」
すずかの黒い気配に縮むファリン。
「三人に持たせているデバイスの発信源を写して」
「は、はい」
警備司令室でモニターに海鳴市のマップを表示する。
そこから駅周辺を拡大していく。
ある一点が点滅している。
そこに三人が居るようだ。
だが、別の反応もある。
その反応が三人を捕らえているようだ。
「我々もお手伝いしましょう……。姫様を預かって頂いているのにこのようなことになってしまうとは……」
「じゃあ、ファリンと共に警察、報道機関に圧力を掛けて。月村の名前で」
「わかりました。こちらのモニターに変化があればご連絡します」
「警備室の指揮をヨートフさんにお任せします」
「一時、警備室の指揮をお預かりします」
すずかに頭を下げる老執事。
警備室の指揮をファリンからヨートフに移すとすずかは、吸血鬼狩りに出て行った。
第一管理世界ミッドチルダ
「うわぁ!! 落ちる!!」
三人は、落下していた。
飛行も出来ない為、空に浮くことも出来ない。
引力に引かれて落下速度を速めていく。
唯一の救いは、彼女達が半吸血鬼だということだ。
「この高さで落ちたら私達ミンチよ!!」
だが、彼女達は半吸血鬼だ。
落下しようとしている場所は、大火災と失踪事件があった空港だ。
そして三人は空港に落下した。
「あいたたた。士郎、ルヴィア大丈夫!?」
半吸血鬼だけあって体は丈夫だった。
凛はある光景を見て眉間に血管が浮いた。
それは、ルヴィアの胸に顔を埋めた士郎の姿だった。
「士郎!! あんた、どこに顔を埋めているのよ」
士郎は、ルヴィアの胸に顔を埋める形で着地していた。
「シェロ!? 私の胸がそんなに好きですの?」
ルヴィアは、更に自分の胸に士郎の顔を押し付ける。
「そんなに好きでしたら生で触ってもいいですわ」
更に激しく士郎を胸に押し付ける。
「あんたねぇ!!」
凛の魔力が膨れ上がる。
「いつまでルヴィアの胸に顔を押し付けてるつもりかぁ!!」
そう言って士郎の股間を蹴り上げた。
士郎は、ルヴィアの胸に顔を埋めたまま股間を押さえピクピクしている。
凛に股間を蹴られた為、更に動けなくなった士郎。
「誰か近づいてくる」
気配を感じる凛。
「不審者が落ちてきたのはこの辺の筈……」
不審者の情報を得て現場付近を調べている魔導師。
そして、ある光景を目撃してしまった。
「人が居ないからここでお楽しみだと!? こっちは捜査で忙しいのに……」
魔導師の眉間に血管が浮き上がる。
「それも三人で……」
杖を構える魔導師。
「動くな!! 動けば撃つ!!」
「撃って見なさい。撃ってきたら100倍返しなんだから」
好戦的な凛。
「シェロ、後で満足するまで相手してあげますから起きなさい」
益々魔導師に油を注ぐルヴィア。
「貴様ら、管理局員の脅迫容疑で逮捕してやる」
「やれる物ならやってみなさい!! ボッコボコにしてやるから」
「シェロ、起きなさい!!」
「どうしたんだ、ルヴィア。それに股間がすごく痛いんだけど……」
「敵襲でしてよ」
「どこに居るんだ?」
「目の前ですわ。私とシェロのお楽しみを邪魔した憎き敵でわ」
「お楽しみって何だ!?」
「そんな恥ずかしいことを私に言わせるのですか? シェロは……」
士郎は、顔が赤くなる。
「ルヴィアの胸にダイブしたまでの記憶はあるんだが……」
ルヴィアの胸ははだけたままだ。
「さぁ、覚悟なさい!!」
凛は、魔導師にガンドを撃った。
ガンドは、魔導師の顎に直撃した。
ルヴィアも負けじとマシンガンガンドを撃つ。
連射音が空港内に響く。
それは、新たな魔導師を呼ぶ水になったのだった。
数十分後……。
凛たちは、十数人の魔導師に包囲されていた。
「そこの魔導師!! お前達は包囲されている。大人しく武装を解除して縛につけ!!」
「邪魔でしてよ!!」
ルヴィアは、ガンドを撃つ。
ガンドに倒れる魔導師。
「これ以上罪を重ねる前に縛につくんだ!!」
「五月蝿い!! 全員ぶっ飛ばしてやる」
管理局員を脅迫する凛。
また罪を重ねる凛。
之までの彼女達の罪は、管理局員に対する脅迫、障害、武器の不法所持である。
三人は、罪を重ねていた。
ごく一般的な魔導師には逮捕すら出来ないで居た。
まさに『赤い悪魔』大暴れだ。
「あ、悪魔だ……」
「どうやって逮捕すればいいんだ!?」
「『赤い悪魔』だ」
彼らの眼には凛が『赤い悪魔』に映っている。
「誰が『赤い悪魔』よ」
魔導師に吼える凛。
再びガンドを撃つ。
また罪を重ねる凛。
直ぐにキレやすい凛とルヴィア。
何か言われる毎に魔導師に攻撃していた。
海鳴市では、カーテローゼ、グリューエル、グリュンヒルデを人質にした吸血鬼とすずか達は対峙していた。
「動くな!! 一寸でも動けばこの三人を殺すぞ」
脅迫する吸血鬼。
どこか、怯えた様子である。
「人質を取って勝ったつもり?」
アルクェイドが言う。
「動けば、殺す」
脅しは彼女たちには無意味だった。
「私たちに脅しは効かないよ」
「本当に殺すぞ!!」
また脅す吸血鬼。
すずかの前で処刑命令書にサインする。
「之で、貴方は何回処刑命令書にサインしたかわかる?」
「はぁ? 何を言っていやがる。これからこいつ等の処刑を執行するのはお前たちじゃない。この俺だ!!」
「すずか、どうする?」
「話し合うだけ無駄です。好きなだけ暴れてください」
すずかは処刑の執行を宣言した。
「覚悟はいい?」
爪を繰り出すアルクェイド。
「あっ、私が全力を出したらあの子達、肉片も残らないわよ」
「心配いらないから殺ってください」
三人が持っているデバイスがバリアを張ってアルクェイドの爪から身を守る。
真祖三人に魔犬を相手にするには分が悪い。
人質を取っているとはいえ相手が悪すぎる。
「うぎゃぁっ!!」
腕が千切れる吸血鬼。
腕が千切れようが死なない。
彼は、吸血鬼だ。
少々の事では死なない。
だが目の前の敵は、どうやっても勝つことが出来ない。
対峙してしまった以上、逃げ切れない。
ここに来て彼は理解した。
処刑命令書にサインしたと言う意味を……。
「処刑命令書にサインしたとはこういう事だったか……」
吸血鬼が離れた隙に三人は救出されていた。
「三人とも大丈夫だった!?」
「はい」
「月村に手を挙げた落とし前だけはつけてもらわないといけないから」
すずかに言われて少し離れる。
「いろいろO・HA・NA・SHしてくれますよね?」
冷や汗が流れる吸血鬼。
『O・HA・NA・SH』の意味を知らない吸血鬼。
『O・HA・NA・SH』の意味を知った時には、彼の肉体はこの世に残っていないだろう。
「肉片も残さないんだから!!」
真祖三人によって蹂躙される吸血鬼。
あっという間にバラバラにされる。
バラバラになった肉片が端から灰になっていく。
そしてミッドチルダでは、凛たちはまだ暴れまわっていた。
床に転がっている魔導師……。
凛とルヴィアのガンドの直撃を受けた魔導師たちである。
「もう手に負えません」
「増援を……」
取り囲む魔導師たちは弱気だ。
まさに悪魔っぷり発揮である。
「こうなれば、八神一尉だ!!」
「そうだ、そうしよう」
通信で呼び出す。
「ごちゃごちゃ五月蠅い!!」
何発目かわからないガンドが発射される。
「貴方方、雑魚の相手は飽きましたわ」
「俺たちが雑魚だと!!」
激昂する魔導師たち。
「えぇ、雑魚ですわ」
雑魚と言い切るルヴィア。
士郎も投影した剣を構えている。
数十分の間に数々の罪を重ねる三人。
彼女たちの魔力は、一般の魔導師たちより遥かに多い。
だが何時までも続くものではない。
こうしている間にも彼女たちのデータは収集されていた。
魔力総量、運用技能、術式が分析に掛けられる。
「うちを呼び出すとは、何が起こったんや?」
「八神一尉!!」
「犯人グループは凶悪で取り押さえられません」
はやては、惨状を見渡す。
「派手にやられたようやな」
「はい。もう野獣なのか手に負えません。怪我人が増えるばかりで困りまして……」
「後は、うちが何とかしたる」
「八神一尉」
「犯人のデターは?」
「はっ」
空間モニターに判明しているデータが表示される
「女二人の魔力総量は180万ノン!!」
「男は大した量は無い。だが、使用する術式は解析不明!!」
「これ以上罪を重ねる前に投降するんや!! あんさんらには、弁護士を呼ぶ権利も黙秘する権利もある」
「嫌よ!!」
拒否する凛。
「この我のものとなれ『赤い悪魔』よ」
「断る!」
「我のものになれ」
「断る!」
「ダメか?」
「ダメ」
「絶対か?」
「絶対」
「交渉の余地は?」
「ない」
「本当に本当か?」
「無いわよ」
「あるとみた」
「あるわけないわ!!」
ガンドを撃つ『赤い悪魔』
何事も無かったように防ぐはやて。
「私のガンドを何語もなかったように防ぐなんて何者よ!!」
「本当は自ら投降してほしかったんやけど、しゃあない。肉体言語を使わせてもらうで」
はやての魔力が膨れ上がる。
はやては、シュベルトクロイツを手に詠唱を開始する。
はやての前に光の玉が現れる。
「な、何なのよ、それ!!」
巨大な光のたまに恐怖を感じる凛。
「撃たれたくなかったら投降してくれへん? これくらえば唯じゃすまへんで」
最後通告するはやて。
「誰が投降するもんですか!!」
「じゃあ、しゃあないな……。さつきさんを呼んでもえぇんやで!?」
「ちょっと聞くけど、さつきって弓塚さつき?」
「もしかしてあんさんらも知り合い?」
「知ってるといえば知っているかな?」
「もう一度聞くけど、自首せよ!!」
「断る!」
「もうえぇわ。自首を進めたウチがバカやった」
発射態勢を整えるはやて。
「スターライトブレイカー!!」
はやてが、なのは最大最凶の主砲を発射した。
「じょ、冗談じゃないわよ。あんなのどうやって回避しろと言うのよ!!」
凛たちの願いもむなしくスターライトブレイカーに飲み込まれた。
「うわぁ、『白い悪魔』よりエグイ……」
「今の本人たちの前で言えば殺されるぞ」
床には、スターライトブレイカーの直撃を受け気絶している凛、ルヴィア、士郎が気絶していた。
お約束どおり、士郎はルヴィアの胸に顔を埋めて……。
「今のうちに身柄を確保するんや!!」
「は、はい」
「それから、聞こえてるで」
ガクガク・ブルブル
震える局員達。
「公務執行妨害、障害、脅迫、魔法の不法使用の容疑で逮捕する」
気絶している凛たちに魔力を封じる手錠をかける。
此処に『赤い悪魔』たちは逮捕された。
暴れまわった代償は大きな物になった。
「地上本部にAMF牢ってあったか?」
「魔力を封じておかないと、また暴れられたら……」
地上本部で暴れられる事態だけは避けなければならない。
三人は気絶してる為、両脇を抱えられる形で引きずられていった。
これからの取調べが大変である。
管理世界出身者なら戸籍があるから身元が直ぐわかる。
だが凛たちは管理世界どころか第97管理外世界の住人ですらない。
第97管理外世界の平行世界の住人なのだ。
当然、第97管理外世界に戸籍がある筈がない。
取調べ中に不法渡航も加わることになる。
この日、トップニュースを飾ったのは、発生したその日に解決された事件だった。
ニュースに使われたのは、凶悪そうな顔で管理局員を攻撃する凛の映像だった。
次元世界に『赤い悪魔』の名が知れ渡った瞬間でもあった。
『赤い悪魔』と共に『青い女王』の名も知れ渡るのだった。
そして取調室では……。
「出身世界と名前を言ってもらおうか」
大暴れした末、逮捕された凛たちの取り調べが始まっていた。
「出身世界ってなんなのよ?」
またキレそうになる凛。
魔力を封じられているのでガンドを撃てない。
「出身世界も分からないド田舎者か」
凛を見下す取調官。
「それよりここはどこなのよ」
「ここは第一管理世界ミッドチルダだ。そんなことも知らなないバカが居たとはな……」
凛は、ゼルレッチの弟子なのに並行世界のことをよく知らなかった。
「誰がバカよ、誰が……」
取調官に吼える。
いくら吠えても怖くない。
「貴様らのせいで何人の同胞が病院送りになったと思う!?」
「知らないわよ」
「教えてやろう。100人だ!! たった1時間の犯行で100人が病院に運ばれたんだぞ」
怒りがこみ上げる取調官。
「それがどうしたと言うの? 弱いアンタらが悪いのよ」
「言わせておけば……」
凛たちの態度が気に食わないようだ。
反省の色を一切見せない。
「何処に武器を隠し持っているかわからない。全裸になれ!! 徹底的に調べてやる」
凛たちに全裸になれと言う取調官。
「アンタ、乙女になって事言うのよ!!」
「犯罪者に人権があると思うな!!」
凛たちには人権はないと言う。
「自分で脱がないと、無理やり脱がすぞ」
他人に脱がされるのはイヤである。
「脱げばいいでしょ! 脱げば……」
自ら脱いで裸体を晒す凛、ルヴィア。
鬱憤が溜まっている取調官に体を弄られたのだった。
その後、代わる代わる魔導師によって過酷な取り調べが続けられた。
その取調べでも悪魔ぷりを発揮したのだった。
その結果、取調官にも弁護士にも『赤い悪魔』、『青の女王』と恐れられることになった。
次回予告
はやて「苦労の末、逮捕した『赤い悪魔』」
はやて「取り調べ中も暴れる『赤い悪魔』」
凛「こうなったら脱獄してやるわ」
ルヴィア「賛同しますわ」
さつき「その方たちには、お仕置きが必要なようだな」
はやて「この我のものとなれ『紅い悪魔』よ」
凛「断る!」
はやて「次回『魔法少女リリカルなのは〜吸血姫が奏でる物語〜』第80話『脱獄』」
士郎、完全にとばっちりのような。
美姫 「しかも、罰が異世界追放だものね」
というか、管理局員の取調べはどうなんだろう。
美姫 「やり過ぎな気がするわね」
脱獄する気満々みたいだし。
美姫 「そうなる事かしら」
では、次回で。
美姫 「まったね〜」