第85話「海鳴大血戦3」
海鳴市の戦闘は続いていた。
死者たちを蹴散らしながらダンジョンを進んでいく。
現れる敵は、元人間の死者たちである。
オフレッサー以外の幹部クラスの死徒は、現れる気配すらない。
同じような壁が続いているため、現在位置が把握しづらい。
敵の体力を消耗させる迷路のようだ。
体力を消耗して弱ったところを襲撃しようという作戦のようだ。
だが、相手が悪かった。
何故なら、彼女たちは化け物だ。
彼是、数時間彷徨っているが体力は全く減っていない。
壁を破壊しては進んでいる。
「倒しても限がありません」
「シエル、もうへばったの!?」
「別にへばってなんか……」
「まぁ、あれだけお腹を痛めつけられたら無理もないよね」
「私のことはどうでもいいです。死神に嫌われていますから……」
シエルは、死神に嫌われていた。
「それよりも貴方は、休まなくてもいいんですか?」
「鍛えているからな」
「では、最前線に出てください。貴方が来る前にお腹を何度も殴られたので少し休憩です」
シエルは、オフレッサーにお腹を痛めつけられすぎていた。
それに血も失いすぎだった。
そんな状態で大暴れしたらどうなるかといえば……。
「ごばっ」
シエルは、血を吐いた。
「シエル、死んだ!?」
「私は、まだ戦えます」
「闘」
すずかは、カードを使う。
「シエルさん、暫く戦線離脱してもらいます」
「何を言うんですか!? わたしは、まだ……」
ズン
シエルは、目を大きく見開いてお腹を抱えて地面に倒れた。
倒れたシエルをアルクェイドは、ツンツンっとする。
だがシエルは動かない。
「この程度の攻撃で動けなくなるんですか?」
だが、シエルはピクリとも動かない。
「不死身だら死なないんですよね」
すずかは、シエルを見下す。
「すずか、少しは手加減しろ!! 今、肘までめり込んでいたぞ」
すずかのパンチは、シエルの腹に肘までめり込んでいた。
しかも『闘』のダブルである。
その分、ダメージも巨大だ。
「この人、之くらいじゃ死なないそうですよ」
「今の、普通なら死んでいるぞ」
「そうですか?」
「あぁ。ヤバイ音もしてたぞ」
「戦闘不能の人は邪魔なだけです。恭也さんも戦闘不能なったら排除しますから」
恭也にも戦闘不能になったら強制排除すると言うすずか。
「戦闘不能のシエルさんは……」
戦闘不能のシエルを地上目がけて放り投げた。
すずかによって投げられたシエルは、地上を目がけて地面を突き破りながら飛んでいく。
地面を突き破る音が聞こえる。
シエルが突き破った天井から土砂が降ってくる。
だが、シエルは落ちてこない。
まだ地面を突き破りながら地上に飛んで行っているようだ。
「すずか、運ぶのが面倒だからって投げ飛ばす必要はないだろう?」
「そんなことを言っても良いんですか? 恭也さんも戦闘不能になったら同じようにしますよ」
「それは、勘弁してくれ! 俺は、不死身じゃないんだぞ」
恭也は、不死身ではない。
「では、戦闘不能にならないように気を付けてくださいね」
「あぁ。気を付ける」
「もし、離脱したらペナルティーとしてお姉ちゃんの実験台になってもらいます」
「忍の実験台……」
「あっ。顔が青いぞ!! もしかして戦線離脱!?」
アルクェイドが聞く。
「違う。忍の実験で嫌なことを思い出しただけだ」
忍の実験の悪夢を思い出したようだ。
「あの時、気が付いたら忍と一緒に裸で寝てたんだよな」
不意に周囲の温度が下がった気がした。
「すずか、白い目で見るな!!」
「恭也さん、お姉ちゃんとの子供、早く見せてくださいね」
「おい。すずか」
「恭也さん、命令しても良いんですよ」
「今は、そんな話している場合ではないであろう? カレー星人は、戦線離脱したのだぞ」
シエルは、戦線離脱中だ。
かなりの数の死者達を屠ったがまだまだ残っている。
2万人からの住人が死者にされたのだ。
倒すだけでも時間が掛かる。
それに倒したオフレッサーを除く死者達の上に立つ四祖も残っている。
ミッドチルダでは……。
「デバイン……バスターッ!!」
『白い悪魔』が大暴れしていた。
襲ってくる死者達を砲撃魔法で薙ぎ払っていた。
『白い悪魔』の砲撃に飲み込まれる死者達。
『(高町なのは! 私たちが居るの忘れてねぇだろうな)』
「(忘れていないよ、ヴィータちゃん)」
『(お前の言葉は信用できないんだよ)』
「(それよりヴィータちゃん、お客さんの団体だよ)」
『(わかってるよ)』
団体のお客が現れたようだ。
「てめぇら止まれ!!」
ヴィータが吸血鬼に言う。
だが、吸血鬼が止まる筈がない。
親の命令しか聞かないのだ。
当然、ヴィータの静止命令に従わない。
「全員、ぶっ叩いてやる!!」
「ヴィータ!」
「シグナム、こいつら静止命令に従わないぜ」
「やむえんだろう……。倒さないと新たな被害者が出る」
「こいつら、ぶった押しても問題にならないのか?」
「あぁ。倒しても問題にならない」
吸血鬼を倒しても今回は問題にならないようだ。
「ホームズ提督も吸血鬼は殺しても問題ないとおっしゃっておられた」
「じゃあ、手加減する必要はないんだな」
「あぁ」
「よっしゃ!! 手加減するの面倒だたんだ」
ヴィータは、手加減が面倒だったようだ。
「シグナムも手加減が面倒だったんじゃねぇのか?」
「我らは、まだ加減が効くが、アイツは……」
「さつきか、アイツの戦闘力ハンパねぇもんな」
さつきは、少し触れただけで死者達は灰になっていた。
高密な魔力に触れただけで肉体が持たないのだ。
魔力に耐性のない死者達から灰になって行ったのだ。
「ベルカの騎士であるあたし達でさえあの殺気はきついからな」
「キツイと言っては将は務まらん。テスタロッサ姉妹に笑われるわけにはいかん」
「お前は、テスタロッサ姉妹とのバトルが好きだからな」
「そう言うヴィータは、高町との戦闘が楽しいのではないのか?」
「シ、シグナム!!」
図星だったようだ。
「ともかく、今は吸血鬼退治に専念しよう」
愛機であるレヴァンティンを構えるシグナム。
「テスタロッサ姉妹に笑われるわけにもいかん」
「そうだな。あたしもなのはに笑われるわけにはいかないしな」
吸血鬼退治に集中するシグナムとヴィータ。
「シグナム、無事ですか?」
「テスタロッサ姉妹か……。お前たちの方は片付いたのか?」
テスタロッサ姉妹は、シグナム達に合流した。
そして、ロイエンタールは……。
「ホームズ、なかなかの戦力を揃え投入してきたか」
「閣下、いま我が方が優勢ですが何時まで持つか……」
「ベルゲングリュン! 攻城戦に必要な戦力はどのくらいか知っているか?」
「はい。何年閣下にお仕えしていると思いますか?」
「そうだったな。では、答えを言ってみろ!!」
「最低でも3倍の戦力が必要です」
「そうだ、そのとおりだ!!」
「ですが、敵は管理局のエースです」
「それにホームズが指揮を執っている。ホームズには及ばないもブリュンスタッドの名を持つ最凶の姫もいる」
「あの最凶の姫君がですか?」
「あの姫君だ!!」
「それでは、戦力があっても意味がないではないですか」
「手は打ってある。『赤い悪魔』との繋ぎはついたか?」
「使者は向かわせましたが、未だに戻って来ません」
「『赤い悪魔』が我らの見方になれば戦力の穴埋めをすることが出来る。間に合えば良いが……」
ロイエンタールが差し向けた使者は……。
「動けば撃つわよ!!」
『赤い悪魔』に脅されてた。
「貴女が『赤い悪魔』ですか?」
「あんた、誰に聞いたのよ!! その呼び名……」
「もう一度、聞きます。『赤い悪魔』で間違いありませんか?」
「そうよ。で、何のよう?」
「我が主からの書状を読んでください」
書状を差し出す使者。
「えぇっと……」
書状に目を通す凛。
書状は、ドイツ語に似た文字で書かれていた。
「それで、私たちに見方になれと……。唯では嫌よ」
「報酬などについては、我が主と直接交渉してください。唯、今、我が主たちは管理局と称する組織と戦闘中です」
「その管理局とか言う連中と戦わせてくれるなら乗っても良いわ」
凛は、管理局に対してフラストレーションが溜まっているようだ。
アレだけ士郎の股間を蹴っても発散しきれていなかった。
「我が主も戦力をお求めだ! ついて来い」
「あのタヌキめ、ギッタンギッタにしやるから……」
「ハックション!!」
はやては、クシャミをした。
「風邪か!?」
「いや、誰かがうちの噂をしたようや」
誰かがはやての噂をしたようだ。
「作戦は!?」
「シグナム達は敵を排除しながら進んでいるようや」
はやては、シグナム達とはラインが繋がっている。
ラインを通じてある程度、状況を知ることが出来る。
「はやて、暴れたくてうずうずしておるのではないのか?」
はやてに聞くさつき。
「そう言う、さつきさんもやろ!?」
「妾も、すずか見たいに暴れたいぞ」
「すずかちゃんもこっちに来てるん?」
「来ていないぞ。海鳴の吸血鬼退治をしているはずだ」
「そっか、海鳴にも吸血鬼が侵入して大事件起こしてたからな」
「すずかなら、問題ない。それに、アルクェイドさん達も来ているみたいだから」
急に口調が変わるさつき。
「今度、アルクェイドさんの胸、揉ませてもらおうか」
はやての悪癖、発症である。
はやての悪癖とは、身近の親しい女の人の胸を揉みたくなる病気だ。
はやての餌食になった被害者の人数、数え切れずだ。
はやては、イヤらしい手つきでさつきの背後に回り込もうとする。
ここで、さつきの胸を揉もうとしているようだ。
「さつきさんの胸、今揉ませてくれへん!?」
はやての指はイヤらしい動きをしている。
「うちが揉んでも減るもんやないで、むしろ増えた娘もおるんや」
はやては乳揉み職人である。
それもスキンシップに格好をつけてだ。
「仕事中に胸を揉まないで!!」
「おっ、さつきさん、感じてるん?」
はやては、さつきの胸を揉んでいる。
騎士甲冑の中に手を入れて直接である。
はやての手に肉の感触が伝わる。
「なかなかの柔らかさや。指が食い込むこの柔らかさ、堪らんわ」
甲冑の中に入れた手でさつきの胸を直接揉みあげる。
「これ以上、胸を揉まないでぇ」
はやての乳揉みで逝きかけているさつき。
「よく感じる胸やな。うちが気持ちヨクしてやるで」
はやては、さらにさつきの胸を揉みこむ。
「それ以上は、ダメッ!!」
「まだ、揉まれ足りない!? ご希望通り、もっと揉んでやるで」
さつきの言葉を無視して、さつきの胸を揉み続けるはやて。
「ダ、ダメッ!! 体が……」
はやてに胸を揉まれ続けた、さつきの体は限界だった。
はやてに胸を揉まれ続けたことで体の力が抜けていく。
真祖をも無力化するはやての乳揉みテクニック。
恐るべし、はやての乳揉み。
はやてによる、さつきの胸を揉む行為は十数分続いている。
それも仕事中にである。
「逝ってしまったんか?」
満足したのか、さつきの胸を揉むのを止めるはやて。
胸を揉まれ続けた、さつきはヘロヘロだ。
「さつきさんからエネルギーも貰ったし、仕事するで」
「はやて、仕事が終わったから覚悟しているがよい。妾から地獄の特訓をプレゼントしてやろう」
「それだけは堪忍や! さつきさんにO・HA・NA・SHされたら、うち死んでしまうわ」
「好きなだけ妾の胸を揉んだのだから思い残すこともないであろう?」
はやてはガクガク震えている。
「お前たちは、何を戯れておるのだ。今は任務中であろう」
背後から声がする。
「その方たちは、死徒か? それとも死者か?」
新たに現れた者は、一人ではないようだ。
「余は、敬等の上官だ!! ホームズとか云う者の許可は取ってある」
上官だと言う金髪青年。
「敬らは、この任務が終わるまでの間、余の指揮下に入ってもらう」
金髪の孺子の後ろには赤毛の青年と軍人に見えない青年が立っている。
「先ずは余の部下を紹介する。ジークフリード・キルヒアイスとヤン・ウェンリーだ」
部下を紹介した金髪の青年。
「そして余がラインハルト・フォン・ローエングラムだ」
金髪の青年は、ラインハルトと言うらしい。
「キルヒアイス、先陣を務めさせるとしたらどっちがいいと思う?」
「実際に戦闘を見ていないので何とも言えません」
「ヤンは、どうだ!?」
「どうだと申されても困ります」
「ラインハルト様! 弓塚さつき・ブリュンスタッドの情報は、最重要機密事項に指定されています」
「やはりか……」
「どうするんです? ローエングラム公」
「如何もしない。余の手で幕を下ろすだけだ」
「ですが、敵の情報もないのに突入するのは危険です」
「危険だからと言って動かなければ、何も始まらん!!」
そう。動かなければ先には進まない。
話している時も時々聞こえてくる爆発音。
「敬等の他に居も仲間がいるのか!?」
「うちの仲間が、突入作戦を継続中や!! 今のは、なのはちゃんの砲撃やろうな」
キルヒアイスは、端末を操作する。
「ありました。高町なのは、戦技教導官……。次元世界で『白い悪魔』と恐れられているようです」
「『白い悪魔』か」
何故、『白い悪魔』と呼ばれている理由を知らない。
「えぇい!! まだ侵入者を排除できないのか!!」
ブラウンシュヴァイクが聞く。
「未だに排除できません。それどころか、ここに近づいてきます」
死者達は、次々倒されているようだ。
「役立たず共が!! 選民共を後ろから脅して無理やり戦わせろ! 督戦隊を使え! 逃げるそぶりを見せたものは殺しても構わん。いや、殺せ!! 殺してしまえ!!」
ブラウンシュヴァイクは、督戦隊の出動を命じた。
命令を受けた督戦隊は、選民に実行していた。
死者たちを脅して無理やり戦わせる。
督戦隊は、死者たちを脅す。
背後から魔術を放ち無理やり前進させる。
死者たちには、前進しか道はない。
退路はない。
退路は、督戦隊が塞いでいるからである。
督戦隊は、死者たちの心配などしない。
彼らにとっては、捨て駒でしかない。
いくら死者が倒されようが意に返さない。
彼らが命令を聞くのは、ブラウンシュヴァイクだけなのだ。
「死者共、戦え!! 敵の侵入を許すな!! 逃げようとすれば、この督戦隊が処刑する」
「貴様らは引くことは許されない。戦って死ぬ以外に開放される方法などない」
「隊長!! もう少し戦線を押し上げましょう」
「よし。死者共を脅して戦線を押し上げるぞ!!」
死者たちの背中を鞭でぶって戦線を押し上げる督戦隊。
「戦え!! 戦ってブラウンシュヴァイク公に忠誠を尽くせ!!」
督戦隊は、死者達を無理やり戦わせる。
「こいつら、恐れを知らないのか!?」
恭也は言う。
「面倒だ! 皆まとめて吹き飛ばそう」
美姫を構えるすずか。
美姫の先端に魔力が集まる。
一目で高密な魔力の塊であることがわかる。
「アルテミス・ブレイカー」
すずかは、魔法を撃つ。
すずかの魔砲が死者達を飲み込む。
チリ一つ残さず消滅する死者達。
すずかの高密度の魔力に触れただけで蒸発した。
それも一度に数百もの死者を消滅させた。
「そんな面倒くさいことせずに直接魔力で倒せば良いのに」
「そうしたいんですけど、私の魔力の大きさ忘れてませんか?」
「あはっはっはっ」
相変わらずお天気なアルクェイドである。
実際、すずかの高密度の魔力が少し地面に触れただけで溶けていた。
すずかが、その気になれば、周囲の岩を溶岩に変えることすら出来るのだ。
「アルクェイドさん、笑ってないで戦ってください」
「あっはっはっはっ」
「では、アルクェイド。あの者たちを屠れ」
「じゃあ、一寸だけ戯れるわよ!」
アルクェイドが動く。
アルクェイドの姿が死者たちの視界から消える。
爆発音とともに死者が吹き飛ぶ。
爆発だけではない。
瞬時に死者が灰に変わる。
「吹っ飛べっ!!」
アルクェイドは、死者たちを処刑する。
前後から圧力を受ける死者は、逃げ道がない。
前にも後ろにも進めない。
だが、後退は許されない。
前進しか選択肢はない。
死者たちの背後には督戦隊がいる。
督戦隊が死者達が下がることを許さない。
「後退するな!! 貴様らの背中は、この督戦隊が狙っていることを忘れるな!!」
死者達を脅す督戦隊。
死者達の中には生きている人間も交じっているようだ。
「俺、まだ死にたくない」
死の恐怖に憑りつかれる人間。
「死にたくないよ!!」
「逃げる人間は殺す」
「うぎゃぁぁっ」
督戦隊によって命を奪われる人間。
「うゎぁぁぁぁっ」
「あぎゃぁっ」
「ぐぎゃぁぁっ」
普通の人間も、アルクェイド達によって体を引き裂かれる。
「あれ!? もしかして生きている人間も殺しちゃった?」
相変わらずお天気のアルクェイドである。
「一度殺されて頭のネジが壊れたままのようだな」
アルクェイドの頭のネジは壊れたままのようだ。
「アルクェイドさん、生きている人まで殺して如何するんですか」
「あはっはっはっ」
笑って誤魔化す。
「笑い事じゃありませんよ、アルクェイドさん」
「生きている人間も殺しちゃった!?」
「もう良い。アルクェイドに戦わせたのが間違いであった」
「姉さんが戦いたいだけでしょ」
アルトルージュも戦いたいようだ。
「妹だけに暴れさせるわけにはいかん。それで無くとも殺された影響が残っておるからな……。お前は……」
「姉さん……」
「選手交代だ!! 次は妾が戦う。敵はまだまだ残っておるのだぞ。それでなくとも完全に力が戻っておらぬのだからな」
「まぁ、カレー星人は戦線離脱中だし」
シエルは、戦線離脱中だ。
戦列復帰の時期は分からない。
そして、ハラオウン亭では……。
仕事上がりのリンディがモニターを見つめていた。
「おかあさん。あのまま、すずかに任せてよかったの?」
「他の局員たちじゃ犠牲を出すだけだから」
リンディは、ミッドチルダのことを引き合いに出す。
ミッドチルダでは、吸血鬼によって多くの犠牲者を出していた。
「それから、お母さん。離脱者、一名回収したよ」
シエルは、海鳴に駐在するハラオウン家に回収されていた。
「結界を張っている局員がどうするか聞いてきているよ」
「回収した人は!?」
『内臓が破裂しているようなんですが……』
「直ぐに本局の医療施設に運ぶ手配をして」
『其れが……』
「どうしたの!?」
『破裂している内臓が勝って治っていっているんです』
現場の映像を転送する局員。
転送してきた映像は、勝手に治っていく様子が写っている。
『どうしますか? リンディ提督』
「まぁ、放っておいても問題ないでしょう。結界の維持だけに集中して」
『はい』
カレー星人は、その場に置かれることになった。
同時に作戦が行われているミッドの方を気に掛ける。
「おかあさん、ミッドは大丈夫ななの?」
「多分大丈夫よ。あの三人を応援に向かわせたから」
「まさか、あの三人なのか?」
次回予告
なのは「ミッドと海鳴で同時進行で行われる吸血鬼退治」
フェイト「脅威の指揮能力を発揮する謎の三人」
はやて「そして、首謀者の下にたどり着く」
ヤン「はぁっ」
ラインハルト「再び余に忠誠を尽くせロイエンタール」
ロイエンタール「次回『魔法少女リリカルなのは〜吸血姫が奏でる物語〜』第86話『我が皇帝』」
すずか「この我のものとなれ」
ミッドと海鳴両方での吸血鬼退治。
美姫 「今の所、全く危なげもなく進んでいるわね」
このまま順調に辿り着く事が出来るか、だな。
美姫 「凛たちがどう動くかにもよるけれどね」
一体どうなる事やら。
美姫 「それじゃあ、この辺で」
ではでは。