設定は、とらはの方はAllエンドで恭也は誰とも付き合っていません。
With Youの方は、乃絵美は拓也に振られています。
----------------------------------------------------------------------------------------
とらいあんぐるハート3×With You(伊藤 乃絵美)
ずっと二人で・・・
第四章 とまどい、そして・・・ 前編
----------------------------------------------------------------------------------------
なにか、ふわりとした感触があった。
穏やかに意識が覚醒してゆく。
体調はさほど悪くない。昨夜の熱もほとんど引いたようだ。
薄く目をあける。
眩しい朝日の中、すぐ近くに乃絵美の顔があった。
「おはようございます。恭也さん」
「おはよう。乃絵美」
少し恥ずかしそうな表情をしている。
服装は、昨夜と同じ・・・l'omeletteの服。
どうやら、昨日のアレはまだ続いているらしい。
そこまで考えて、唇に残る感触に気が付いた。
口元に手をやると、乃絵美の顔が目に見えて赤くなった。
「あ・・・そ、その・・・あ、そうだ、あ、朝ごはん出来てるよ?」
あからさまに俺の意識を逸らそうとしている。
「・・・じゃ、ちょっと着替えるから」
「う、うん、じゃあ・・・わたし、下で待ってるね?」
部屋を出ていく乃絵美。
部屋で一人きりになった俺は、パジャマのボタンに手をかけようとして動きを止めた。
乃絵美・・・
乃絵美は・・・これでよかったのだろうか・・・
乃絵美は、俺にとって本当に大事な友人だ。
だけど・・・俺のやってることは乃絵美を疵付けているだけじゃないんだろうか。
『恭也さん・・・わたし・・・このままじゃ壊れちゃいそうだよ・・・』
乃絵美の・・・悲痛な声。
そのあと、乃絵美にしたキス。
本来なら、血で汚れている俺にはとても許されない・・・そう言う行為。
あれで・・・吹っ切れてくれただろうか・・・
そこまで考えて、俺は自分自身にひどく嫌悪感を抱いた。
俺は・・・卑劣だ。
乃絵美のせいにして、自分の罪悪感を和らげようとしている。
自分自身の卑小さに・・・嫌気がした。
「あ、恭也さん・・・遅いよ・・・恭也さんの熱が下がってるからってせっかく普通の朝ごはん用意したのに・・・」
食堂に行くと、乃絵美が少し怒った表情をしていた。
ちょっと考え込みすぎたらしく、着替えるまでかなり時間が掛かってしまったからだろう。
「すまん、乃絵美・・・」
つまらない考えを悟られないよう、努めて明るい表情で手を合わせる。
「もう・・・せっかく作ったお味噌汁が冷めちゃうよ・・・はい、恭也さん」
そう言いながらご飯をよそった茶碗を差し出す乃絵美の笑顔は、いつもと変わらない。
少しだけ安堵して、テーブルにつく。
「「いただきます」」
いつもとは違う朝食の光景。
俺と乃絵美、二人きりの朝食。
昨日のことがあるから、余計に意識してしまう。
何気なく卵焼きをつまむ。
口に運ぼうとして、乃絵美の視線が俺に向けられていることに気が付いた。
「ん?どうかしたのか?乃絵美」
「え?う、ううん、何でも無いよっ」
慌てたようにそう言って、視線を逸らす。
「?????」
ハテナマークで頭が占有されていくような感覚があった。
疑問におもうが、考えてみれば、昨日の事があって乃絵美だっていろいろ悩む事があるのだと思い直す。
が、今は乃絵美が作ってくれた朝食を楽しむことにしよう。
そのまま卵焼きを口にする。
美味い。
なるほど。
「乃絵美・・・おいしいよ」
「恭也さん・・・ありがとうございます」
「料理の腕は俺の母さんと引けを取らないな・・・」
「えっ・・・?恭也さんのお母さん・・・桃子さんと同じって事?」
「ふむ・・・。そうだが何かあるのか?」
「さすがに、それはないかなと思ってしまいますが、恭也さんが言うなら・・・」
昨夜も同じ事を言ったような気がするが、誉めて損するわけじゃないし、むしろこう言うのはいくらでも誉めてやったほうが良いものだ。
「えへへ・・・。ありがとうございます。恭也さん」
乃絵美の照れている姿を見ていて、本当に愛おしいと想う。
でも・・・この感情は何なのだろうか・・・それとも・・・
恭也自身は自分の感情の変化にとまどいを感じていた。
乃絵美との他愛も無い会話の中、意識の底で俺は思考の迷路に入り込んでいた。
「それでね、お父さん達帰ってこられるのは今日の夕方になりそうなんだって・・・でね、恭也さんが熱を出したって言ったら、
『今日は無理しないでおけ』って・・・」
朝食のあと、今日はどうするかと悩んでいると「朝早くにお父さんから電話があったんだけど」と、乃絵美が忠志さんの伝言を伝えてくれた。
そうか、じゃあ今日は臨時休業か・・・
「そうだな・・・普段なら二人でもなんとかなるけど、考えてみれば乃絵美だって病み上がりだったな」
「うん・・・」
「乃絵美、体は大丈夫なのか?」
「う、うん。大丈夫だよ。恭也さん、急にどうしたの?」
「いや。・・・喜美恵さんから、『乃絵美は無理をしてしまうから、誰かが止めてあげないと』って聞いたからな」
「・・・。うん。わかった」
俺の言葉に、乃絵美は少し意外そうな表情をした。
「でも、乃絵美も強くなったよ・・・」
「えっ・・・」
「俺と始めて会った頃の乃絵美は少し熱を出しただけで2〜3日寝ておかないと直らなかったと思ったけど、今回は一日で治っただろ?」
昔の乃絵美は、本当に体が弱かった。
体つきも今以上に華奢で、本当に少し捻っただけで折れそうな気がしたものだ。
「・・・ううん・・・」
まるで、俺の心の声が聞こえたかのような乃絵美の返事。
「わたしが強くなったんじゃなくて、恭也さんが強くしてくれたんだよ」
「えっ?」
聞き返そうとした俺に、乃絵美がしがみついてくる。
とくん、とくん・・・
俺と、乃絵美の心臓の鼓動が重なったような気がした。
「恭也さんの事・・・ずっと追いかけたかったから・・・」
乃絵美が呟く。
肩が震えている。
そっと、乃絵美の細い顎に手を回し、上を向かせた。
「乃絵美・・・」
「恭也さん・・・ずっと・・・恭也さんに・・・憧れてた・・・だから・・・」
普通の同年代の少女より狭い世界に生きてきた乃絵美にとって、俺は普通の友達より近い存在になっていたのかもしれない。
なにがきっかけで、乃絵美の感情が憧憬からもっと激しい感情になったのか・・・それは俺にはわからない。
とにかく・・・乃絵美は、俺が考えている以上に悩んでいたのだろう。
乃絵美は多くを語らないが、乃絵美の頬を流れる涙は、言葉以上に能弁にそれを語っていた。
それを見てしまった俺は、もうなにも考えられなかった。
だから、俺はほとんど無意識に乃絵美の頬にキスをしていた。
そのまま、乃絵美の涙を吸う。
俺と乃絵美の感情を代弁するような、複雑な味がした。
反対側の頬にも同じ事をし、最後に乃絵美の唇を求める。
時間が止まったように感じた。
改めて乃絵美の顔を見る。
涙はもう流れていない。
ただ・・・穏やかに微笑んでいる乃絵美。
この微笑を守るためなら、俺は何だってできる。そう思っていた。
でも、今俺がやっていることは・・・
「そ、そうだ・・・洗い物しなくちゃ」
長い沈黙のあと、乃絵美が俺の抱擁から離れようとする。
だが、このまま乃絵美を放してしまったら、どこかに消えてしまいそうな気がして・・・かえって強く乃絵美を抱きしめる。
「き・・・恭也さん・・・?」
乃絵美の戸惑うような声。
「乃絵美・・・本当に・・・これで良かったのか・・・?」
聞いてはいけない質問だったかもしれない。
でも、聞かずにはいられなかった。
乃絵美の体がびくり、と震えた。
そして、しばらくの沈黙。
「・・・うん・・・だから・・・今日だけは・・・」
乃絵美のか細い声。
まただ。
また・・・俺は卑怯な言葉で乃絵美を疵付けて・・・
「判った・・・ごめんな・・・乃絵美・・・」
そう呟くと、俺はもう一度乃絵美に軽くキスをして、抱擁を解いてやる。
今日だけは・・・今日だけは乃絵美を大切にしよう・・・
そして、俺自身のために、俺自身を戒める鎖を断ち切っておこう。そう決意した。
今まで、向けられる好意にあえて鈍感な振りをしてかわしていたが、乃絵美の好意には逃げないで答えたいと思ってしまった。
こんなに綺麗で純粋な想いを血で汚れている俺にぶつけてきてくれる乃絵美にきちんと答えを出したいと。
だが、そのためには、一度、鳴海に、父が眠る鳴海の地に戻る必要があると思った。
「ううん・・・いいの・・・」
そういって微笑む乃絵美は、何故だかいつもより輝いて見えた。
「恭也さん、お茶、淹れたよ?」
「ありがとう、乃絵美。・・・・?」
乃絵美の姿にとまどいを隠せなかった。
「恭也さん、何かな?」
「ふむ・・・。乃絵美、その格好は?」
「l'omeletteの服だよ」
「着替えないのか?」
「今日一日はこの格好でいたいな?だめかな、恭也さん」
悪戯っぽく笑う乃絵美。
「・・・・・・いいんじゃないのか」
「ありがとうございます。恭也さん」
「ふむ、乃絵美。その服、本当によく似合っているな・・・」
「本当?」
「ああ、本当だよ」
「恭也くん・・・」
「ところで、話が変わるがいいか?」
「うん、いいよ。何かな?恭也くん」
「明日一日だけ、休みが欲しいのだけど、いいか?」
「明日・・・?」
「ああ、そうだ。明日一日だけ。正確には今日の夜からだがな」
「恭也さん、理由を聞いてもいいですか?」
「鳴海に帰ってしておかないといけないことが出来たからだ」
「しておかないといけないこと?」
その答えにあえて答えないでおく。
「もちろん、忠志さんや喜美恵さんにはちゃんと、許可を取るけど・・・」
「・・・私も」
「・・・・・・・・・?」
「私も一緒に行っていいですか?」
「ああ、いいが、楽しいことは何もないぞ。あえていうなら、からかわれるだけだぞ。それでもいいのか?」
「はい。恭也さんが育った街を見ておきたかっただけです。それに、からかわれるのには、ミャーコちゃんで慣れているから」
「わかった。忠志さんと喜美恵さんに許可を取ることを忘れたら、駄目だぞ。ミャーコちゃんね、納得」
「はい。わかりました」
「じゃあ、夕方まで何をしようか?乃絵美」
「えっ?」
乃絵美が少し驚いた顔をする。
そして、少し照れたような表情になる。
「恭也さん、耳掃除してあげようか?」
「ふむ、末っ子にはよくせがまれて耳掃除してやるが・・・」
「恭也さん?」
「乃絵美。お願いしようかな」
「はい。わかりました。ちょっと、待ってくださいね」
乃絵美は、耳掻きを取って来ると、リビングのソファーに腰掛ける乃絵美。
「じゃあ・・・どうぞ、恭也さん」
俺は少し照れながら、横になり、乃絵美の揃えた脚の上に頭を置く。。
「恭也さん、痛かったら言ってくださいね・・・」
「ああ・・・」
服越しに、乃絵美の脚の柔らかさを感じる。
すっ、と乃絵美の手が耳元に添えられ、耳掻きが俺の耳の穴に入ってきた。
目を閉じる。
その手際は乃絵美らしく、とても優しいものだった。
あまりの気持ち良さについうとうととなる。
ふっ。
「!?」
半分眠りかけたところに、いきなり耳の穴に息を吹き掛けられたので一瞬ビクっとした。
「くすくす・・・恭也さん、反対側、向いて?」
恭也にしては、そんなに珍しかったのか・・・乃絵美は口元に手をやって笑っている。
「あ、ああ」
照れ隠しにそう答えてごろり、と転がる。
そうなると、自然に乃絵美のおなかのあたりに俺の鼻先が向く事になる。
乃絵美のあたたかさに包まれて・・・、俺はそのまま、まどろみの底に沈んでいった。
なんだか、まるで子供の頃に戻ったような懐かしい気分だった。
そう、あれは、まだ、御神不破両家が存在していたころ。
父・士郎に連れられて、御神宗家に行ったときの事である。
父さんは美影さんと静馬さんに捕まって拷問されていた。俺を勝手に連れまわした事に怒っていたらしいが・・・
十中八九、父さんが悪いから、助けないというより、助けられなかった。
父さんが拷問を受けている間、琴絵さんが俺の面倒を見ていたと聞いていた。
その当時、三歳か、四歳だった俺は、父さんとの旅のせいか、疲れて寝てしまったのだ。
「恭ちゃん?」
「・・・・・・」
「恭ちゃん?寝ちゃったのね。士郎ちゃんも、自分の子供のことをもう少し、考えればいいのに」
「・・・・・・ことえおねえちゃん、とうさんはわるくないよ・・・」
寝ながら、父さんをかばっていたらしい。
「恭ちゃん。本当にいい子ね・・・」
琴絵は恭也の頭を少し持ち上げて、自分の足をその間に入れた。
そして、恭也の頭から手を離し、恭也の頭を慈しむ様にやさしく撫でていた。
本当に自分が生んだ子供のように可愛がっていたのだ。
御神家・不破家の両家で本当に大事に大切にされていたのを夢で見ていた。
夢が途切れて、懐かしい場所に立っていた。
御神宗家の道場。
恭也は一人、真ん中に立っていた。
懐かしむように周りを見渡していると、三つの炎がこちらに近づいてきていた。
三つの炎は人の形となり始めた。
その姿は、御神御影・御神静馬・不破琴絵の姿となり、こちらに話しかけてきた。
『恭也』
『恭也君、久しぶりだね』
『恭ちゃん。ずいぶん、かっこよくなって』
『御影さん、静馬さん、琴絵さん。お久しぶりです・・・』
そして、恭也は懐かしさゆえに涙を流していた。
『おやおや、泣かしてしまったかい。本当にいい子に育ったね。士郎とは大違いだね』
『ええ、そうですね。お母様』
恭也は、何も言わずに、ただただ、静かに涙を流し続けていた。
三人はそれを見ながら、嬉しそうに恭也に想いを伝える。
『恭ちゃんがこれまで、どれだけ人の幸せのために自分を殺してきたか。私たちはずっと見てきているよ』
『恭也、そろそろ、自分にかけている戒めを解いてもいいんじゃないか』
『恭也君には僕たちのようになって欲しくないからね』
『私たちは恭ちゃんの幸せを祈っているよ。だから、恭ちゃん自身が人を好きになる資格はあるよ』
『恭也君には幸せになる資格があるよ。僕たち三人だけじゃないよ。恭也君の幸せを祈っているのは、御神不破両家全員だよ』
『恭ちゃんはこれだけの人たちに愛されているんだよ』
『御影さん、静馬さん、琴絵さん』
『なんだい?恭也』
『御神不破両家のお墓を父さんが眠っている近くに立てたいのですが、いいでしょうか?』
『恭ちゃん・・・』
『恭也君・・・』
『恭也。理由を聞いてもいいかい?』
『はい。遺骨は・・・ないですが、爆破事件から十年以上経って、お墓がないって寂しいですから。それに・・・』
『それに?』
『やはり、戦いの日々を忘れて安らかに眠って欲しいと思います。全員、心優しい人ばかりですから』
『恭也・・・』
『そして、何より、俺たちの成長を見守って欲しいです。父さんと一緒に』
『わかった。そういうふうに伝えておく』
『こちらもできるだけ早く建てます』
『そろそろ、時間のようだね。静馬、琴絵、帰るよ』
『はい。わかりました。お母様』
『恭ちゃん、時々、私たちのこと、思い出してね。思い出してくれたら、夢の中に出てくるから』
『恭也君、美沙斗と美由希のこと、頼んだよ。それと、あまり、身体に特に膝に負担をかけたら駄目だよ』
『おやおや、私の言うことが無くなってしまったね。どんな結果になっても、私たちは味方だからね。恭也、元気でおやり』
『・・・。ありがとうございます。御影さん、静馬さん、琴絵さん』
耳掃除を終えた乃絵美はしばらく、寝ている恭也の頭を優しく撫でていた。
乃絵美は恭也の異変に気づいた。
寝ていた恭也が、静かに涙を流し始めたのである。
「恭也さん・・・」(どんな夢を見ているのだろう)
「・・・」
「恭也さん、恭也さん。起きて下さい」
「むぅぅ・・・。寝てしまったか」
乃絵美の声で目を覚ます。
穏やかに微笑んでいる乃絵美の顔が間近にあった。
頭の下に感じる感触は・・・しまった、耳掻きの姿勢のまま寝てしまったのか・・・
照れ隠しに少し頭を掻きながら起きあがる。
「すまない、乃絵美・・・重かったか?」
「ううん、大丈夫だよ」
「俺、どれくらい寝てた?」
「うーん、確か30分くらいだったかな・・・」
30分か・・・思ったほど時間は経っていないが・・・その割にはけっこう気分が良い。
それだけリラックスできた・・・って事か?
「恭也さん、なんだか可愛かったよ・・・。それから、何の夢を見ていたのかな?」
むう・・・よほど無防備な寝顔をさらしていたのだろう・・・
でも、乃絵美なら・・・構わない・・・
何故か、そんな想いにとらわれた。
「ふむ、懐かしい夢だった」
「恭也さん、涙・・・」
「む・・・。涙?」
「そうだよ。恭也さん」
「・・・。すまない。見苦しい物を見せてしまったようだ」
「恭也さん、涙は見苦しいものじゃないよ。ねっ?」
「ああ、そうだな。すこし、顔を洗ってくる」
「はい。じゃあ、私は昼食の準備をしますね」
そして、時が過ぎ、夕方になった。
忠志さんと喜美恵さんが帰ってきた。
「忠志さん、喜美恵さん、おかえりなさい。お疲れ様でした」
「お父さん、お母さん、おかえりなさい」
「ただいま。恭也君、乃絵美」
「ただいま。恭也君、身体は大丈夫なの?」
「ええ、大丈夫です。ところで、お二人に相談があるのですけど、いいですか?」
「ああ、いいよ。恭也君、言ってみてくれるかい?」
「はい、ありがとうございます。明日一日、休みをもらいたいのですが。いいですか?」
「私も一緒に休みをほしいのですが。お父さん、お母さん」
「恭也君、理由を聞いてもいいかな?」
「はい。一度、鳴海に帰って、やっておかないといけないことが出来たからです」
「乃絵美はそれに付いていくのね」
「いいよ。行っておいで。どちらにしろ、明日は休むつもりだったし」
「恭也君、乃絵美のこと、お願いね」
「ありがとうございます。忠志さん、喜美恵さん」
「ありがとう。お父さん、お母さん」
「乃絵美、すぐに準備するぞ」
「はい。恭也さん」
「準備が出来次第、出発しないと鳴海に着く時間が遅くなる」
「うん。わかった」
恭也と乃絵美は急いで自分の部屋に戻り、準備をし、出発するのであった。
そして、舞台は鳴海へ移ったのである。
第四章「とまどい、そして・・・ 後編」へと続きます。
あとがき
ふむ。
第四章の前編が書きあがりました。
小鈴「・・・」(こちらをにらんでいる)
小鈴ちゃん?
どうしたの?
急に黙っちゃって・・・。
小鈴「・・・」チャキ←刀を抜いた音
小鈴ちゃん?
プスッ
バタッ
小鈴ちゃん、痛い・・・。
小鈴「痛くて当然よ。刺したのだから」
・・・。
小鈴「作業の遅い京梧におしおきをしておきました」
小鈴「今回のお話は、恭也の決意の前触れでした」
小鈴「そして、それを後押しするように夢の中に現れた三人」
小鈴「感想は掲示板にて、お願いします」
夢で懐かしい人々が。
美姫 「そこに士郎がいないというのが……」
あ、あははは。ほ、ほら、士郎は海鳴にいるからね。
ともあれ、次回から舞台は海鳴へと移るのかな。
美姫 「うーん、そこで今度は何が待っているのか」
次回もお待ちしてます。
美姫 「待ってますね〜」