この小説では恭也は誰とも付き合ってなく、とらハ3と魔法少女リリカルなのは設定が混ざっています。

また一部、独自設定も出てきますのでご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

魔法少女リリカルなのはA's――side『KYOUYA』――

 

1話  『再び』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

高層ビルが並び建つ街、普段であればまだ人々の喧騒が聞こえる時間帯。だというのに辺りは静まり返り喧騒どころか人の姿さえ見当たらない。

 

その代わり、幾色もの閃光と爆撃音が辺り一帯を支配している。よく目を凝らしてみればそれが人だと言うのがわかるだろう。

それも年端もいかない少女が大半である。

――魔法。少女達の放っている閃光の正体は正にそれだ。この静寂の空間も又、魔法の一つ。

 

 

ハンマーの様なデバイスを駆使して赤き少女は踊る。それは狂的でありながらも理性の鋭さを備えた演舞だった。だが見るものを魅了させるその舞も、相対する者には恐怖の殺劇でしかありえない。

されど舞踏はまだ続く。今宵、舞うは殺劇だ。ならばどちらかが力つきるまで、エンドロールは訪れない。

 

 

そして唐突に、しかし当然にその演舞は終わりを告げた。赤の少女の鉄鎚が白の少女の障壁ごとバトルジャケットを破砕し、デバイスにも亀裂が入った。

デバイスも崩壊寸前、身体的ダメージもピークに達している。どう見ても致命的だ。

それでも、ろくに身動きも取れないくせに、叩きつけられた場所からゆるゆると震える手でせめてもの抵抗とばかりにデバイスの先端を赤の少女突きつける。

が、目の焦点もうまく定まっていない。

これではもはや抵抗と呼ぶことすらできない。

そんな行為など意にも介さずに一歩一歩歩みを進め、目の前までくるとゆっくりとその鉄鎚を振り上げる。

その姿、さながら死刑執行を執り行う執行官に見えるだろう。

 

幕がゆっくりと降り始める。殺劇の上演は一度きり、再上映は望めない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――そう、再上映は望めない。たとえば………まだ見ぬ役者が登場したりしない限りは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

歪む視界の中、自分に向かって振り下ろされる鉄槌の姿が見えた。

避けなきゃと思うが体の方はその命令を受け付けない。どんなに懸命に動けと念じても空回りにおわる。友達の、金の髪に綺麗な赤い瞳を持つ少女が脳裏によぎる。

彼女ともうすぐ逢えるというのに、逢えずにおわるなんてそんなのは嫌だ。彼女だけじゃない、家族や、大事な友達と逢えないなんてそんなのは嫌だ。

嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ――!

また逢いたい、いつもの様におはようって挨拶して、おしゃべりして、遊んで、笑って。

そんな何気ない日常を失いたくない。こんなところで終わらせたくない!

 

思考が加速して行き、肉体はますます命令をきかなくなり、突きつけるデバイスを支えるのすら困難になって――――

 

 

 

――――あの、くろくて、やさしくて、あったかい、あのひとが、みえた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

たすけて、おにいちゃん・・・・・・!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガキリ!と振り下ろした鉄槌が何かに受け止められる。赤の少女ははっとすると同時にその場から飛びのき、刹那にはさっきまで自身のいた場所が抉れ、砕けていた。

 

「・・・ち、仲間か」

鉄槌を構えなおし、歯噛みするように言うと

「違う。・・・・・・兄だ」

漆黒を纏い両手に黒白の剣のようなものを携えて

「子供とはいえ、大事な妹を傷つけたんだ。――その代価、ここで払ってもらうぞ」

堂々と、そして宣言するように、青年―――高町恭也は剣を構えた。

    







クレさん、投稿ありがとうございます。
美姫 「ございます〜」
リリカルなのはととらハのクロス〜。
美姫 「なのはのピンチに現れたのは、兄である高町恭也」
どうして、彼がここに!?
美姫 「一体、どういう事なのか」
早くも続きが気になる〜。
美姫 「それじゃあ、今回はこの辺りで」
ではでは。



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