『ネギまちっく・ハート〜Love and War〜』






     第二帖『四天王勝負』



「ふあ・・・・?」

 カーテンの隙間から入る朝日にあやかは目を覚ました。昨日はあれから暫く眞莉亜と屋上にいて、それから一緒に布団に入ったのが1時。

それからいろいろあって寝付けたのは夜2時。しかも、いつもに比べて朝が早い。目覚まし時計を見るが、まだ6時である。

つまるところはっきりいって寝不足だ。と、となりに眞莉亜の姿が無い。どうやら既に起きているようだ。

あやかは二度寝してしまうとおきれない可能性を考慮し、眠いのを我慢して布団から起き上がり、リビングに向かった。

既に千鶴と夏美が朝食を食べている。いつもなら二人ともまだ起きていないはずだ。すると、眞莉慧がキッチンから顔を出した。

「あ、あやか。おはよう。」

 小さなかわいらしい声で朝の挨拶をする眞莉慧にあやかはおはようございますと眠たそうに返事をして、今日はどうして早いのか尋ねた。

「あれ?知らないの?『四天王勝負』は今朝やるのよ。」

 千鶴が早起きの理由をあやかに伝えたが、あやかは何のことを言っているのかわからず首をかしげた。そんなあやかに夏美が単車の勝負だよと説明する。

あやかはああ、なるほどと頷き、それじゃ起きますわといってバスルームに向かった。眞莉慧はじゃあ、朝食用意するねとキッチンに再び姿を消した。

「それじゃ、私先に行ってるからね〜。」

 夏美はあやかがバスローブを着てリビングに戻ってくるとそういって立ち上がった。

「もう少しゆっくりしていかないの?まだまだ時間はあるわよ。」

 千鶴がそういって夏美を呼び止める。時刻は6時10分。まだまだ早い時間である。

「エンジン慣らしでそこらへん流しながら行くからさ。」

 夏美はそういうと姿の見えない眞莉慧に今日の勝負楽しもうねと手を振って部屋を後にした。眞莉慧はうん、楽しもうと小さな声で返事をする。

「あんまり飛ばして事故らないでくださいね。あと、警察に見つかったら後が大変ですわよ。」

 やる気満々の眞莉慧にあやかは釘を刺したが、いうことを聞かないことはわかりきっている。

「うん。スピードは出すけど、安全運転はするよ。警察は大丈夫。何とでもなるし。」

 あやかはやる以上は負けは許しませんわと肩をたたいて眞莉慧の用意したトーストをかじる。

眞莉慧はそんなあやかの後ろに回って髪を乾かして、髪の毛を整えはじめた。

「それで、何時から勝負は始まるの?」

 のんびりとお茶をすすっていた千鶴は眞莉慧にレースのスタート時間を尋ねた。眞莉慧は7時からだよと湯呑を手にとってお茶を口にして答えた。

「のんびりしてていいんですの?夏美さんみたいにエンジンとかを温めたりしなくて。」

 あやかはバイクに詳しくないものの、夏美がそのために早く部屋を出たため、眞莉慧はしなくていいのかと聞いてきた。

「しといたほうがいいといえばいいんだけど、そんなのは学校に行くまでですればいいから。」

 眞莉慧はあくまでゆったりと構え、特別あせることも急ぐことも無くいつもと同じように朝のひと時を堪能していた。

「さすがは眞莉慧ちゃんね。何事にも動じないのは本当にすごいわ。」

 千鶴はそんな眞莉慧の様子をそう賞賛した。確かに、眞莉慧の様子からは勝負に対する気負いや緊張といったものは見受けられない。

あくまでいつもと変わらず、まるで勝負すら日常の一コマにしてしまう眞莉慧はさすがといえよう。

「そんなこと無いよ。絶対に勝てる勝負だからあせる必要も無ければ気負う必要もないだけ。」

 眞莉慧はそんなふうに謙遜してみせたが、ある意味謙遜になっていない気もする。しかし、千鶴はそれはそれだからすごいのよと眞莉慧をほめた。

「さて、それじゃあそろそろ行きましょうか。あ、眞莉慧。今日は千鶴さんと行きますから先に行ってていいですわよ。」

 あやかは立ち上がってそういうと部屋に着替えをしに入る。眞莉慧と千鶴は互いに向き合うと笑みをもらし、互いに登校準備を始めた。

それから10分、あやかが部屋から出てきた。と、眞莉慧も千鶴も登校準備を済ませている。

「それじゃあ、ケーツー出すね。」

 眞莉慧はそういってキーを片手に部屋を後にする。千鶴は行きましょうとその気満々で答えて部屋を後にする。

あやかは突然のことに何が言いたいのか理解できなかった。

「行きましょ、あやか。」

 千鶴はそんなあやかの手を引いて場違いのケーツーがおいてある駐輪場に引っ張っていく。

その先には眞莉慧がエンジンをかけたケーツーにまたがっていた。そこまで来てあやかもぴんと来た。どうやら3人乗りで行く気らしい。

「ちょ、ちょっと。3人乗りで行く気ですの?いくらなんでもそれは無理ですわ。」

 しかし、千鶴が違うわよとあやかの言葉を否定する。そして、千鶴が駐輪場の裏から一台の単車を押してきた。ハーレーディビドソン・スポーツスター。あやかはまさかと思い千鶴に聞く。

「千鶴さん、まさかこれに乗っていく気ですの?」

 あまりにもミスマッチな組み合わせにあやかは目を点にした。

「そうよ。今日の『四天王勝負』、楽しみだったの。」

 どうやら千鶴も参加する気のようだ。眞莉慧は始めから知っていたのかうっすらと笑ってケーツーをハーレーのとなりに寄せる。

「あやか、乗って。」

 眞莉慧の呼びかけにあやかはわかりましたわと生返事をしてケーツーの後部座席に腰を下ろした。

「それじゃ、学校まで。」

 千鶴がそういってアクセルを吹かす。

「ウォーミングアップということで。」

 それに答えるように眞莉慧がアクセルを開ける。同時に、二台のマシンが一気に学園に向かって駆け出した。

「私を巻き込まないでくださいなぁ〜!!!」

 望まずにして巻き込まれたあやかにとってはいい迷惑なのだが。





「ん・・・・。」

 どうやら朝のようだ。窓からうっすらと朝日が差し込んでいる。しかし、早く起きすぎてしまったのか、まだ外は薄暗い。

エヴァは時計を見て時間を確認する。6時。いつも起きる時間よりも少し早い。しかし、恭也と茶々丸は既に起きているようだ。

「そうか。今日は単車の勝負だったな。」

 エヴァはそうつぶやくとベッドの上で伸びをして洗面所で歯を磨き顔を洗って、恭也たちの待っているであろうリビングに足を運んだ。

リビングには既に制服に着替えた恭也たちの姿。エヴァが起きたのに気づいたのか、朝食ができたての状態で用意されていた。

エヴァは恭也たちにおはようと挨拶をして朝食のトーストをかじる。

「今日だよな、単車の勝負。」

 トーストを食べ終わって紅茶を口にしながらエヴァが恭也に聞いた。

「ああ。初めての『四天王勝負』だからな。本気を出すことになると思う。」


 恭也も紅茶を口にしながらそう答えた。恭也が『麻帆良の音速四天王』と呼ばれるようになったのは去年の冬。

それ以降、挑んでくる単車乗りが出てこなかったため、恭也にとっては実質初めての『四天王勝負』になる。気も入るというものだ。

「事故だけには気をつけてください。ただでさえあの単車は『曲がる』ということを考えて作られていないのですから。」

 茶々丸はエヴァのカップに紅茶を注ぎながら恭也に注意を促した。恭也はそうだなと頷いて注意は十分すぎるぐらいにしておくよと返事をする。

「さて。そろそろ向かうか。開始時間は7時からだろう?」

 エヴァは茶々丸の入れてくれた紅茶を飲み干していすから立ち上がって言った。恭也はそうだなと返事をして鞄を片手に立ち上がる。

茶々丸もすぐに片付けますといってキッチンに向かう。それから5分後、三人は恭也の愛車カミナリマッパの周りに集合した。

「さて、恭也。行こうか。」

 エヴァはそういってリアシートにまたがる。恭也は少し急ぐぞといって愛車にまたがりエンジンをかける。

「毎回すまないな茶々丸。」

 恭也は何度かアクセルを吹かして茶々丸にそういった。3ケツするわけにもいかず、いつも茶々丸が歩きになるのだ。

とはいえ、歩きというわけではない。体に備え付けられたブースターで簡単に恭也の単車についてくる。

まあ、だから茶々丸が歩きなのだが。恭也はそれじゃあ行くぞと学園に向けて全開で駆け抜けた。





「な、なんですのこれ・・・・。」

 ものの数十秒で学園に着いた眞莉慧たちだったが、その異様な学園の雰囲気に圧倒された。時刻は6時30分。

本来なら部活の生徒がちらほらと朝練をしている程度なのだが、今日は下手をすれば高等部だけではなく、大学部、中等部といった面々や、

麻帆良学園内にある聖ウルスラ女学園といったような他高校の生徒の姿までもが多く見受けられる。

グラウンドにはバンドのライブで使われるような大型モニターが設置され、人が蟻のように群がっていた。また、それだけではない。

各教室に一台備え付けられたテレビには『四天王勝負特別中継』と報道部が大学の工学部の前面バックアップのもと生中継が入っていた。

そしてそれに群がる生徒たち。学園挙げての大騒ぎになっていた。

「な、何があったの?」

 その異様な雰囲気に千鶴も圧倒されて目を点にしていた。前回の四天王勝負では普通に走りの勝負だっただけで、

観客などというものは物の数しかいなかった。しかし、今回のこれは一体どういうことなのだろうか。

「やるなら徹底的にしないと面白くないじゃない。」

 と、眞莉慧たちの後ろから突然裕奈の声がした。裕奈によると『四天王勝負』ということもあって

報道部や工学部、購買部などに協力を求めたという。当初はここまでするつもりは無かったらしいが、各協力者たちが暴走し、こうなってしまったらしい。

「先生たちは大丈夫?」

 眞莉慧はバイクを止めて裕奈に聞いた。確かにここまでの騒ぎにして先生たち、特に生活指導の面々が黙っているとは思えない。

しかし、それに関しても対策は打ってるよとにこやかに答える裕奈。

「大丈夫ネ。先生達は今日一日起きることは無いヨ。」

 裕奈の後ろからそういって出てきたのは超だった。どうやら超が裏で動いたらしい。ということは先生に関しては大丈夫といっても違いなかろう。

「でも、この騒ぎようじゃ、遅かれ早かればれるんじゃない?」

 眞莉慧は超にそう尋ねるが、超は証拠が無ければ犯罪は成り立たないヨと犯罪者のようなことを口にした。

眞莉慧はそれもそうだねと安心したように頷いて再びバイクにまたがる。あれよあれよという間に時間は6時前50分。

スタートの時間が迫りはじめた。と、集まった全観客に聞こえるように放送を使ったアナウンスが学園中に響き渡る。

「『四天王勝負まで』残すところ10分となりました。観客の皆さんはコースから観客席に戻ってください。

また、コース沿いに出展している購買部の皆さんは至急店舗を閉じてください。」

 今回の司会・実況は報道部の一番星、朝倉和美と相坂さよ。アナウンスも二人が担当しているようだ。

観客であるところの生徒達はそのアナウンスに従い、まるで餌を見つけた蟻のようにぞろぞろと観客席であるグラウンドや各自自分達の教室に戻っていく。

「それじゃ、あやか。行ってくるね。」

 『四天王勝負』執行委員からコースに入るように促された眞莉慧はあやかの額にキスをしてケーツーにまたがった。

「やる以上は負けてはいけませんわよ。信じますからね。」

 それに答えるように眞莉慧にそっと抱きつき、あやかはそういった。眞莉慧はうんと答えて、はなれたあやかのほほを一撫でしてコースに向かって単車を走らせた。





「しかし、いくらなんでもやりすぎじゃないか・・・?」

 学校に着くと同時にコースインした恭也はその異様な雰囲気に少し圧倒されていた。

「教師や保護者会がうるさいだろうな、絶対・・・・。」

 エヴァは恭也のバイクから降りて頭を抱えてため息をついた。教師達に関しては超が何とかしたとはいえ、必ずどこからか情報や証拠が漏れることは間違いないだろう。

そう考えると恭也が参加するエヴァとしては気が気ではない。

「そのような問題を今から考えていてはキリがありませんから、今はレースのことだけを考えてください。」

 茶々丸は恭也のバイクの最終チェックを終えて恭也にそういった。恭也もそうだなと答えバイクにまたがる。

「バイクは遊びじゃないからな。集中しないと危険だし、何より、気を抜いて勝てるような相手じゃなさそうだ。」

 恭也はそういって気を引き締めなおし、振り返って自分の後ろの参加する単車乗りを見る。GPZ900R−NINJA、CB400F、Z400FXといった同じく

『麻帆良の音速四天王』に名を連ねる面々。そして5台の挑戦者。その中でも脅威は姫神眞莉慧のCB750K2と千鶴のハーレーディビドソン・スポーツスター。

四天王入りも時間の問題と呼ばれるほどの使い手を相手にするのだ。気を抜けば自分が落ちるかもしれない。

『麻帆良の音速四天王』の看板に対して執着心はあまり無いが、それでも、あるものを失うのはできる限り避けたいものである。

それに、バイクでの事故は冗談抜きで命にかかわる。

「無用な心配だろうが、『麻帆良の音速四天王』の手前、負けるなよ。」

 エヴァは最後にそういって恭也を激励すると実況席に茶々丸とともに移動した。恭也はヘルメットを被るとバイクにまたがる。

スタートが切られるまであと1分。遂に『四天王勝負』が始まろうとしている。





「さて、遂に『四天王勝負』のスタートが切られようとしています!今回四天王に挑むのは総勢で5人!

その中でも最注目はCB750K2の姫神眞莉慧と、ハーレーディビドソンの千鶴の二人!

この二人は遅かれ早かれ『麻帆良の音速四天王』に名を連ねるのではないかといわれた走り屋!遂にその二人が四天王に挑みます!!」

 実況の和美の声に観客である生徒が歓声を上げる。

「そして迎え撃つ四天王は長瀬楓、佐々木まき絵、村上夏美、高町恭也の四人!

歴代最速といわれる『麻帆良の音速四天王』の面々はこの最強の挑戦者にどのように立ち向かうのか!」

 もう一人の実況、さよの声に再び大きな歓声が始まる。

「「麻帆良学園名物『四天王勝負』、開催です!!」」

 実況の二人の声に、会場のボルテージは最高潮に達する。

「今回の特別ゲストは『麻帆良のイナヅマ』こと高町恭也の正妻、エヴァンジェリン.A.K.マクダウェルさん、そして挑戦者の一人、

姫神眞莉亜、眞莉紗、眞莉慧の彼女の雪広あやかさんです。」

 さよの説明のようにエヴァとあやかは実況席にいた。どうやら特別な関係にある相手がいるのは恭也と眞莉慧だけらしい。

そういうこともあって二人は実況席に呼ばれたのだ。

「さて、今回の挑戦者は史上最強といわれていますが、高町くんは四天王になって始めての『四天王勝負』。心配のほうはありませんか?」

 アナウンサーモードの和美の質問をエヴァは鼻であしらうように答える。

「心配?いらぬ必要だ。あいつが負ける要素はどこにも無い。前回同様、一位でゴールするだろう。」

 エヴァそういって恭也の一位を断言する。

「さて、四天王に最も近い挑戦者といわれる眞莉慧さんたちをよく知るあやかさんは今回のレース、どうなると思いますか?」

 最初はためらっていたさよもアナウンサーがだんだんと板につきつつある。そんなさよに聞かれてあやかはエヴァ同様いうまでもないと肩をすくめて答えた。

「あの人は勝ちますわ。彼女こそ最速の単車乗りですもの。断言しますわ。このレースが終わったそのとき、頂点にいるのは眞莉慧だと。」

 あやかは最後の言葉をエヴァたちに向かって言ったように横目で一瞬エヴァたちのほうを見た。

エヴァはその視線に気付き、ほほうとその挑戦、受けてたとうとあやか視線に目で答えた。

「面白いことを言うな、雪広。姫神の走りしか知らないおまえがそう断言できるのか?」

 エヴァのその言葉にあやかが喰いついた。というか、思い通りにいったといわんばかりに反撃を開始した。

「ええ。できますわよ。まず第一に高町君の単車と眞莉亜の単車ではそもそも馬力も最高速度も排気量も全く違いますわ。

詳しいことは私も知りませんがそれだけで十分でしょう?」

 あやかのその反論にすぐにエヴァが反撃する。

「そうかも知れんがテクニックと場数なら恭也は姫神より圧倒的にうえだ。レースは単車の性能だけで決まると思ったら大間違いだぞ。」

 そのエヴァの言葉にすぐに反撃するあやか。

「そうでしょうか?眞莉亜の単車を創りあげたのは超さんでしたわね。説明おねがいしますわ。」

 あやかのその言葉に実況席に超が転がり込んできた。

「それは私が説明するネ。眞莉慧、正確には眞莉亜のケーツーのマシン部分はほとんど私と聡美の作たものヨ。

エンジンは130馬力以内で300キロ以上をはじき出せるワタシの作った試作品、マフラーは眞莉亜の要望で音重視でいじらせてもらたネ。

トルクも高回転のみでその力を十二分に発揮できる仕様になってて、カーブをオーバースピードで突っ込む癖のある眞莉慧サンにあわせてるヨ。

ま、試作機ではあるがネ。」

 超の説明、一体どれだけの人がわかったかはわからないが、超の作ったバイクということ自体がある意味脅威だった。

超は聡美と2人で茶々丸を作り、その筋では偉才をはなっている。その超の作品、桁違いであってもおかしくない。

しかし、エヴァにとっては脅威であっても恭也が負ける要素にはなりえない。

「ふ、面白いじゃないか。だがな、恭也は負けんよ。たとえ相手が自分より強かろうと、あいつは進化し続ける。

最後に笑っているのは私達のほうだ。」

 エヴァは全く動じることなく恭也の勝利を断言した。

「それはありませんわ。バイクもテクニックも、眞莉慧が圧倒的に上ですもの。最後に勝つのは私達のほうです。」

 実況であるさよと和美を無視して火花を散らすエヴァとあやか。収拾をつけるにも、レース開始である7時まで後一分。

収拾よりも先に進行が大事である。

「さぁ、既に場外ではゲストの二人が火花を散らしておりますが、レース開始まで一分を切りました!!

レースの模様は工学部の開発した無人中継機によってすべてのモニターに映し出されます!それでは、画面を、コースにおねがいします!!」

 スタート地点である麻帆良学園高等部校門前。今回の『四天王勝負』に挑む九名のバイクがスターティングポジションについている。

ポールポジションは四天王最速の恭也。それから楓、まき絵、夏美の順番に並び、千鶴は8人目、眞莉慧は最後尾である。

スタートまでもう残りわずか。スタートの合図は7時を知らせると系統の鐘の音。コースは『四天王勝負』用に用意された公道全20キロのコース。

ワインディングあり、連続ヘアピンあり、そして最大の目玉はゴールまでの全長2キロの弾丸ストレート。

どのバイクにも勝つ機会があるコース。そこで最速を決めるレースが始まろうとしている。そして、遂に午前七時の鐘がなる。

最速を決めるレースの幕が遂に開いた。







   あとがき



ということで、第二帖をお届けします。

(フィーネ)今回と次の回はバイクレースがメインのお話ね。

ああ。数少ない日常編の一つだな。

(フィーラ)数少ないって・・・・

今回はバトルメインだもん。原作のようにメリハリがつけれれば良いんだけど、それができたら苦労しないって。

(フィーリア)それもそうだね。で?何でいきなりバイクになったの?

バイクに乗ってツーリングに行きたい俺の願望がこんな風になりました。

(フィーネ)これまたわかりやすいわね・・・・。

でもなぁ・・・高いんだよ。バイク。

(フィーラ)旧車にこだわるからよ。新車でいいじゃない。

旧車のあの無骨なラインがいいんだよ。80年物のフォアとかZ−Uとか、マジで最高だよ。

(フィーリア)その前に免許取らないと。

あう。そうですね・・・・。

(フィーネ)無免は違反!!!

わかっとるわ!!!ちゃんととるって!!

(フィーラ)でも、とるのは来年の夏でしょ?

仕方ないじゃない。まず車の免許とらにゃならんのよ・・・。

(フィーリア)でしょうね。

それじゃそろそろ予告頼むわ。

(フィーネ)了解!!公道を法廷速度無視で突き進む8台のバイク!!!

(フィーラ)音速を超える戦いに終止符が打たれたとき、チェッカーフラッグを受けるのは一体誰か!!!

(フィーリア)人智を超えた人外の走りに誰もが括目する!!!!

(フィーネ&フィーラ&フィーリア)次回、ネギまちっく・ハート〜Love and War〜第三帖『史上最高の暴走(はし)り』!!乞うご期待!!!



いよいよ始まるカーレース。
美姫 「バイクなのに、カーで良いの?」
バイクレース!
美姫 「果たして、どんな走りが繰り広げられるのか」
そこはやっぱり、羽を使ってショートカットしたり、甲羅で邪魔をしたり…。
美姫 「いや、それは違うから」
あまつさえ、道路上にあるとある印を踏むと、途端に急加速!
美姫 「お〜い」
そんなこんなで次回はレースだ!
美姫 「まあ、馬鹿の戯言は置いておいて、次回も楽しみにしてますね」
俺の前は誰も走らせない!
美姫 「アンタの場合は、後ろでしょう」



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