「ふああああああああ。」
俺は欠伸をしながら目を覚まし、朝食を作りながらふと、昨日の出来事を思い出し始めた。
「ご飯、ご飯、士郎のご飯♪」
「藤ねえ、毎食、毎食高校生の家にたかりにくるのはやめろ。それから、お客さんの前であんまりみっともない真似するな。」
夕食時、いつものようにたかりに来た虎に対し、それをやや呆れた目で見ているバゼットさんとセイバーを指し示したしなめる。それに気付いた藤ねえは慌てて態度を直し、頭をさげる。
「あ、すいません。はじめまして藤村と・・・・・・・って、士郎、どういうことよ!!何、こんな綺麗な人と美少女連れ込んでるのよ。あ、そういえば、士郎、今日無断早退したって・・・。ま、まさか学校さぼって彼女達を家に連れ込んで今度は3ピー(伏字になってない)3ピーなの、お姉ちゃんは士郎をそんなふしだらなで不良な子に育てた覚えはありません!!」
「おいこら待て!!初対面の人に失礼な事言うな!!後、“今度は“ってなんだ!!俺の品性を疑われるような事を言うな!!」
藤ねえは頭を下げ、そして吼えた。その後、バゼットさんは親父の知り合いで、セイバーはその妹だと言う風に説明(バゼットさん達には了承済み)し、早退の事に関しても適当に誤魔化して置いた。ちなみにその後は躾のなっていない虎を強制すべく隣の部屋につれこんできっちりお仕置きもしておいた。
「うー、士郎酷い。」
「自業自得だ。」
お仕置きの後、泣きながらご飯を食べる藤ねえ。ちなみにどんなお仕置きをしたのかは秘密だ。
「ふむ、なかなか愉快な家族だな。」
一連の光景を最初は呆然として見ていたバゼットさんだったが、今はもの珍しいものでも見たと言うように面白そうにしている。そして、セイバーは一心不乱に飯を食っている。それにしても、魔術師に奇妙だと言われるうちの家族(藤ねえは俺にとって家族)って一体・・・・。
「それで、味の方はどうですか?」
「うむ、和食というのは食べた事が無かったがなかなか口にあう。たいしたものだな。」
「はい、おいしいです。」
料理の評価を二人に尋ねると二人とも好評価を返してくれる。特にセイバーは満面の笑みで見てるこっちがうれしくなった。
「そういえば、セイバー、さっきセイバーの生まれた時代・・・あ、いや、セイバーの生まれたあたりはあまり料理が発達してないって言ったよな。どんな感じだったんだ?」
ふと気になってさきほどセイバーが言っていた事を尋ねてみる。藤ねえがいるので、時代とかそういうことはぼかして。すると、先ほどまで笑みだったセイバーの表情が突然暗くなる。そしてポツリと言った。
「雑でした・・・・・・。」
その言葉に言いようの無い重さを感じ、俺はそれ以上何も言う事ができなかった。
「もう、帰っちまうのか?せっかくだから泊っていって・・・・・。」
夕食後、藤ねえが帰宅し、そしてバゼットさん達も帰ると言い出した。怪我は大して負っていないが、ギルガメッシュとの戦闘でバゼットさん達は魔力をかなり消耗している。せめて一晩と薦めたが二人はそれを断った。
「いや、これ以上恩をつくりたくはないからな。君には命を救われた。その対価はいずれ支払おう。」
「士郎のご飯は名残惜しいですが。私には為すべき事があります。そして私はマスターに使えるものです。」
そう言って、二人は立ち去っていった。
「桜の奴大丈夫なんだろうか・・・・・。」
ぽつりと呟く。一夜明けた今日、朝食時にはいつも衛宮家を訪れる筈の桜は来なかった。桜の祖父だと言う臓硯が彼女を拘束しているのかもしれない。しかし、下手に動けば状況は悪化しかねない。自分がしたい事とするべき事を混同し、感情のままにすすむだけではいけないという事は1年以上も前にすでに学んだことだ。今は、ただ本郷さんを信じるしか俺にできる事はなかった。
「あ、そうだ!!遠坂にバーサーカーとギルガメッシュの事話さないと。」
そこでふと、昨日言いそびれた事を思い出す。今日こそはちゃんと言わないと、そう思いながら学校にたどり着くと、そこには遠坂の姿があった。
「おーい、遠坂。」
俺は彼女の名を呼ぶ。が、・・・・それは失敗だった。学年のアイドルを何の変哲も無い一生徒である俺が、親しげに呼びかけた事で教室で軽い騒ぎが起きてしまったのだ。
「それで、な・ん・の・よ・う・か・し・ら?衛宮君?」
やばい、まじでやばい。本能が危険をつげていた。目の前の女性、遠坂凛はかなり怒っている。どうやら、彼女のクラスまで訪れて彼女を呼んだのを、それも少しばかり大きな声で呼んでしまったのを怒っているらしい。
「あ、ああ、どうしても伝えておきたい事があっってな。」
圧倒的なプレッシャーに気おされる中、俺は何とか言葉を搾り出す。
「ふーん、伝えたい事ねえ。もし、つまらない事だったら・・・・。」
(殺すわよ)無言の意思でそう付け加えられたような気がした。
「あ、あのな。実は俺、昨日とおとといと全部で3体のサーヴァントと戦ってだなあ。」
「・・・・・・・・・なんですってええええええええええええええええ!!!!!!!」
俺の言葉を聞いた遠坂の叫びが屋上に響き渡った。
大声で叫んだ割りに、あっさり切り替えをした遠坂に俺は事情を説明した。話を全て聞いた後、遠坂は盛大に溜息をつく。
「まったく、本気で聖杯戦争に関わる気だったとはね。」
怒りとも呆れともつかない表情を浮かべ、そして首を振ると、彼女は顔を上げて言った。
「まあ、いいわ。その情報は役に立ったから。サーヴァントが一体倒れた事にマスターとそのサーヴァントがわかったのはかなり有益な情報よ。」
「ああ、それでさっきも話したように本郷さんは・・・・。」
遠坂に本郷さんを倒さないようにしてもらうよう頼んでおかなければならない。
桜を助けるためには彼の強力がなければならないのだから。
すると遠坂は何故か表情を暗くして答えた。
「・・・・ええ、いいわ。この情報をもらった対価ってことで、出来る限り戦闘は避けるようにしてあげる。もっとも慎二の奴が本気で魔術師の規則を破るような真似をスレば約束はできないけど。」
魔術師の規則を破る・・・・それはつまり、人前で魔術の存在を明らかにするような事態という事なのだろう。この一点に関して遠坂は絶対に譲らないのだということが感じられた。だから、俺は頷きそして誓った。
「わかった。そんな事になる前に俺があいつを止めて桜を救う。」
「そうね。そう願っているわ。この事に関しては私はなにも・・・・・・いえ、なんでもないわ。」
遠坂が何か小さく呟いたのが聞こえたが何と言ったのかまでは聞こえなかった。そして遠坂は屋上から立ち去ろうとして、ふと何かを思い出したように立ち止まると振り返って言った。
「そういえば、もうひとつ恩があったわね。二日前、あなたが乱入しなかったらもしかして、アーチャーはやられていたかもしれない。その分の対価を支払っておくわ。柳洞寺にサーヴァントが2体もいるわ。注意しておいた方がいいわよ。」
それだけ言うと遠坂は立ち去っていった。だが、俺はショックを受けていた。柳洞寺は友人の一成がいる寺である。そのサーヴァントとマスターは一般人に危害を加える気はないのだろうか?いや、そもそもマスターは誰なのだろうか。俺はそれを確かめる為、放課後
柳洞寺を訪れる事にした。
「悪いがここを通さないように命じられていてな。」
「俺はこの寺の子息の友人なんだけどな。友人に会いに来って言うのに“通るな”って一体誰に命じられたっていうんだよ。」
柳洞寺へとつながる階段、その中心に着物を着て、長い刀を持った一人の男が立ちふさがっていた。俺は取り合えず、とぼけて言う。
「ふ、誤魔化さずとも貴公が只者で無い事はわかる。この時期にこのような場所を訪れる猛者となれば、聖杯戦争の関係者であろう?」
「いや、俺は聖杯戦争のマスターでもサーヴァントでもないし、関係者なんかじゃない。友人に会いに来たってのも本当さ。もっともその友人が心配で、ここにいるっていうサーヴァントと話しに来たって言うのが主目的だけどさ。」
男の言葉で俺は男がサーヴァントだと確信した。そして男の問いかけに対し、俺は自分の考えを正直に述べる。そして男はそれに信じたようだ。
「話し合いか・・・。おそらくはそれは本当なのだろうな。貴公の言葉からは嘘は感じられん。だが、だからと言って素直に通して門番としての意味がないし、何より貴公程の相手と戦えるチャンスを逃すつもりはない。私は強敵との戦いを求め、限界に応じたのでな。」
男が刀を抜く。それに答え、俺は構えをとる。
「わかった。相手をする。そして通してもらう!!」
「ありがたい。私はアサシンのサーヴァント、佐々木小次郎!!」
求めに応じた俺に男は何と真名を名乗ってきた。それに驚きつつ、俺も名乗り返し、そしてその姿を黒き戦士へと変えた。
「俺は衛宮士郎、仮面ライダー!!トレース・オン(変身)!!」
そして、俺は高く飛び上がった・・・・・・・・・・・・・・・・!!!!!
(後書き)
応援いただいたのでがんばって連載再開しました。でも、ちょっといまいちですね(汗)ちなみに0部の方のタイトルを予告しておきます。あ、後、裏設定の小ネタですがこのssでは先輩ライダーとか結構、結婚したりとかしてます。城茂とかも(相手はユリ子ではありません。)あ、後、黒月はもうちょっと待ってください。
0部
1話 新・仮面ライダー誕生 死徒襲来
2話 対決・未確認生物
3話 魔法使いとの出会い
4話 二人の凡人(VS G3-X)
5話 先輩ライダーの教え
6話 自然界の代弁者
最終話 そして・・・・
小次郎対士郎。
美姫 「果たして、どんな戦いが繰り広げられるのかしら」
ドキドキ?
美姫 「ええ」
ワクワク?
美姫 「勿論よ」
それじゃあ、次回を待ってます。
美姫 「待ってるわ〜」