「・・・・はあ、・・はあ・・。」
俺は息をつきながらキャスターの側による。少し見てみて、このままでは、彼女が助からないことがはっきりとわかった。ぬえの攻撃、黒鍵のような概念武装によってきられた損傷は単純な魔力だけでは再生しきれず、そもそもが傷が深すぎる。
「・・・・・ストーン、いや、キングストーン・フラッシュ!!」
俺は体内に眠るキングストーンの光を浴びせる。仮面ライダーシロウになった時、俺は石と完全に一体化し、その力を理解した。俺は太陽の力を持ってキャスターにかけられた概念を完全に浄化し、さらに生命力を与える。
「そうか、これが本郷さんの言ってたことか・・・・。」
太陽の力は生命、そして浄化の力、その力と本郷さんの知識と技術があればさくらを助けられると言う事なのだろう。
「葛木先生は気絶してるだけか・・・・・・。」
そして俺は葛木先生の無事を確認すると二人を寺社の中に運んだ。
一夜が明ける
「うっ、私は一体・・・・。」
「お、目が覚めたか?」
目を覚ましたキャスターに対し、ちょうど部屋の前にたち様子を見にきた俺が声をかけた。
「あなたは!?」
「葛木は無事だ。あの、変なのは立ち去った。いや、はっきり言って見逃してもらった。一成達には適当に誤魔化してある。」
俺は聞かれる前に質問されそうな事を全て答える。そんな事よりできれば早く本題にうつりたかった。
「宗一郎様が無事。よかった・・・・。」
俺の答えを聞いてキャスターはほっとしたような表情を見せうっすらと涙を浮かべた後、直ぐにはっとしたように俺を睨みつける。
「何故、私を助けたのですか?」
その口調は静かでそして冷たい。明らかに警戒心が篭っていた。だが、俺はそれに怯まず答える。
「俺は、人に対して簡単に見切りをつけたくないんだ。だから、俺は俺の責任が持てる範囲でぎりぎりまで踏ん張りたい。」
「甘いですね。それに私は人などでは・・・・・・」
俺の答えに対し、キャスターは前半は俺を嘲るように、後半は自嘲するように笑う。
「人だよ。確かに君達サーヴァントは人間ではないかもしれない。けど、心を持った人だ。これ以上君が、魂を集めたりしないと約束してくれるならさっき言ったように、俺は君に手出しをしたりしない。」
俺は彼女の言葉を遮って言った。それは紛れも無く俺の本心。そして、彼女はそれに対し驚いた顔をした。
―――何故だろう、彼の言葉はやけに温かく感じる――――
キャスターは、士郎の言葉はとても安らかなものに感じた。そして、彼女は気付いた。言葉だけでなく、身体全体、内と外の両方から温かさが伝わってくる。まだ、外はようやく太陽が昇り始めようとする時間であるにもかかわらず、太陽に全身を包まれてているように。
「・・・・・わかったわ。これ以上、魂を吸ったりはしない。」
だからだろうか。偽りも打算もなく、彼女はそう答えていた。
「!?」
俺はキャスターのあまりに素直さに驚く。だが、彼女の言葉は信じるに当たる。そう、感じられた。だから、俺はゆっくりと頷き、そして、その場を立ち去っていた。
「はあ、早く朝飯準備しないと藤ねえが・・・・・。でも、疲れてるし、ちょっとだけ眠るか?」
俺はぶつぶつ呟きながら家にたどりつく。時計を見ると5時をすぎたばかりのところ。前日はあまり寝ていなかったのでかなり疲れていた。すると玄関の前にバイクが止まっているのを見つける。
「なんだ、こりゃあ、人ん家のドアの前にバイク泊めとくなんて非常識な奴がいるもんだなあ。」
そう思ってバイクをどかそうと思った俺はそこの中心に付けられたディスプレイを見て表情を変える。
『桜が危ない。直ぐに間桐邸に来てくれ。本郷』
それを見た瞬間、俺は一目散に走り出そうとする。だが、その時、誰も乗っていないバイクが勝手に動いた。
「乗れって事か!?」
俺は迷わず乗った。そして、全速で走る。
「くっ、頼む、間に合ってくれ!!」
このバイクは一体何時から合ったのだろう。2時間前?3時間前?それとももっと早くか?常識的に考えればその可能性が高い。
「くそっ!!」
俺は叫ぶ。昨日の行動は間違っていなったと今でも信じている。だが、もし、その所為でさくらが手遅れになってしまったら。
「頼む!!頼む、間に合ってくれ!!」
俺は早朝の道を100キロ以上の速度で駆け抜けた。
(後書き)
士郎、バイク初乗り。話はいよいよ、佳境に入ります。
さくらの身に一体、何が!?
美姫 「気になるわね」
ああ、とっても続きが気になるよ〜。
一体、何が起こっているのか。
美姫 「次回、次回、次回が待ち遠しいわ」
ここは大人しく、次回を待ちます。
美姫 「それじゃあ、また次回をお待ちしてます」