昨日は色々あったが、やはりいつも通りの朝の鍛錬である

晶はもう出てきているが、美由希がまだ来ていない

と、美由希の気配がこっちに

「遅いぞ美由・・・」

「お兄ちゃん♪」

「「・・・・・・・・」」

「あれ?どうしたのお兄ちゃん」

「晶、救急車呼べ。美由希が狂った」

「やっぱ精神科ですかね?」

「ああ、それでいい」

「え、ちょ・・・」

 

 

 

 

 

Snow drop   第4話「Crocus」

 

 

 

 

 

「うう、酷いよ恭ちゃん・・・」

「だって・・・なぁ」

「そりゃ・・・ですよね」

晶が苦笑を浮かべつつ応じる

「一応恭ちゃんが兄だからお兄ちゃんでもいけるのに」

「やめてくれ、鳥肌が立つ」

正直な話、不気味で仕方が無い

「そんな鳥肌が立つ私のキャラって一体・・・」

「一言で言うと、馬鹿弟子だ」

「うう」

美由希がますます落ち込む

晶は何も言わずにずっと苦笑を浮かべていた

「狂ったことを言ってないでとっとと鍛錬を始めるぞ・・・」

とりあえず、まだ落ち込んでる美由希はほっといて鍛錬を始めた

 

 

 

 

 

 

「さて、先に風呂を貰うぞ」

「あ、はーい」

晶が返事を返す

美由希はそこで返事もできないくらいへばっている

今日の鍛錬はかなり汗を掻いた

鍛錬の後半に復活した美由希がかなりの(やけくそ気味な)動きを見せたのだ

勿論たたきのめしてやったが・・・いつもはしない動きをしたので対応に手間取った

良い鍛錬にはなったが。晶なんか気迫で美由希に圧倒されてたしな

脱衣場に入り、服を脱ぐ

いつもあれくらいの動きや、相手の意表を付く動きができれば良いんだが・・・

やはり、基本とかと別に応用も教えてやる必要が

――ガラッ

考え事をしていると脱衣場の扉が開いた

「「・・・・・・・・」」

雪花だった

どうやらカギを閉め忘れたらしい

「むにゃ、、おにいひゃん、おひゃよ〜」

まだ寝ぼけている

寝起きが悪いのもなのはに似ている・・・いや、そうじゃなくて

今ならまだ間に合う、早く脱衣場の外に出させよう

「雪花、今ちょっと服脱いでるから外に出てくれ」

「あ、はーい〜・・・」

パタン

素直に出て行った

間に合ったか

いや、または雪花がこのようなことでは動揺しない性格という可能性も

「きゃーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

なかったか・・・

少々時間差があったが自分のしたことに気付いたようだ

俺はこれから起こることを考えて頭を抱えた

 

 

 

 

 

 

「恭ちゃんの変態」

「恭也の露出狂」

朝食の席で俺は非難の矢面に立たされていた

ちなみに悪口を積極的に言ってくるのは父さんと美由希だ

美由希はさっきの仕返しとばかりに言い、父さんは面白がって煽っている

かーさんとレンと晶は苦笑を浮かべつつそれを傍観し、雪花は顔を赤くして俯いている

早く飯を済ませて逃げよう・・

「ところで恭也」

それまで散々煽っていた父さんが口を開く

「何だ?」

「お前、雪花にお兄ちゃんと呼ばせてるのか?」

「呼ばせたわけではないが、そうなった」

「・・・・・・・・」

「どうした父さん」

急に父さんが俯いて黙り込んだ

いつかそうなるとは思っていたが、ついに頭が狂ったか

「う」

「う?」

「うらやましいッ!俺も可愛い妹に「お兄ちゃん♪」とか呼ばれたい!妹はいるにはいるがアイツは可愛くないし、それにお兄ちゃんとか言えるほどの歳でも―」

この○△×□(差別用語)め。良い年してそんなことを言うか。

父さんは更にやむことなく「萌え!」とか「属性が云々」などとのたまっている

「士郎さん」

笑顔でかーさんが父さんの肩を叩く

・・・非常に魅力的だが、何故か潜在的な恐怖すら感じさせる笑顔だった

父さんはギギギという音が聞こえそうな感じで首を動かし、かーさんを見て何か言い訳をしようとしたが―そのまま無言で引張られて行った

その後、悲鳴が聞こえたとか聞こえなかったとか

さて、学校に行くか

 

 

 

 

 

 

そういえば、雪花は学校とかどうするんだろうか?

まぁ、今はもう今年度の終わりも近付いてきてキリが悪いから、美由希が上に上がるのと同時に入れるといったところか・・・

考え事をしているとすぐ学校に着いた

「お、恭也来たか」

教室に入ると、赤星が声をかけてきた

「お前の所にまた居候が増えたんだって?いやー、お前の家も奇妙だよなー」

「・・・おい、なんで知ってるんだ。まだ誰にも話してないんだが」

一瞬の沈黙の後に言い返す。確かまだうちの家族以外に誰も言ってないはずなんだが・・

「へ?月村には話したんじゃないのか?さっき月村から聞いたんだけど」

「・・・・・・・・・」

月村 誰にも話してないのに知っている そして海鳴1の(もしかしたら世界1)のマッドサイエンティスト―答えは1つ

「おい月村」

自分の席で寝ている月村に話しかける。いつもならここで起こしたりせずに頭の上に物を載せたりするが・・・今日は別だ

起きてこない月村の頭をはたいて強制的に覚醒させる

「・・・・何よ恭也、私の安眠を妨害する気?」

眠そうな、尚且つ怒気すらはらんだ声で月村が返してくる。しかし―

「何よ恭也じゃない。お前またうちの家に盗聴器をしかけただろう・・・・」

その言葉に体をビクッとさせ慌てて俺から目を背ける

「あ、あははは、何のことかしら〜?」

「とぼけるな、ネタは上がってるんだ。とっとと吐けば楽になるぞ」

そう言って両の拳骨で月村の頭を挟み、押すように動かす

某アニメ及び、某漫画で有名なぐりぐりというやつだ・・・

「いたたたたた!痛い!痛いってば!」

「認めるか?」

「認める!認めます!私は恭也の家の高町さんちに盗聴器を仕掛けました!」

「よろしい」

その言葉を聴いて即座にやめる。月村は涙目で頭をさすっている

「まったく・・・恭也は乱暴なんだから」

「なら盗聴器なんて仕掛けるな」

「知的好奇心の赴くままに行動したらつい・・・」

「ついでお前は何回も人の家に盗聴器を仕掛けるのか」

「いやぁ、愛する人が自分の知らない所でどんなことをしてるか興味があるじゃない」

「だからと言って非合法な手段に手を染めるな。盗聴器は撤去しとけよ・・・してなかったらまたこれだからな」

さっき月村にやったことを空中で示してみせる

「はいはい、わかったわよ・・じゃあ今日の帰りに恭也の家に行って良い?ちゃんと撤去するから」

「今日は用事もないから別に良いが・・・」

「んじゃ決まり。ついでに雪花ちゃんとやらの顔も拝んでみたいしね」

「それが目的か・・・。あ、それと盗聴器を撤去するフリして新しいのを仕掛けたりするなよ」

一応釘を刺しておく。以前にこのようなことがあったのだ。

「わ、私がそんなことするわけないじゃな〜い。信用しなさいよー」

するつもりだったな・・

俺は溜息をついて会話を打ち切り、授業の準備(勿論寝る)を開始した

月村も時たま(または度々)非合法な行為をしなければ良い親友なんだがな・・・

      

     


あとがき

Snowdrop第4話をお届けしました〜。きりしまでございます

ここでいつもなら当たり障りの無いことを・・・と行きたいんですがネタがないので、ここで1つ

SSを書き始めてわかったことが結構あります。まず第一

 

1:執筆時間

使用前:こんな文章なんてちゃっちゃと書けるだろう、そんな多いわけでもないんだし

使用後:うおおお、全然書けない!文章の書き方もわからんし、言葉をどのようにまとめたら良いのかッ!

 

・・・ええ、浅はかでした。思っていたより果てしなく時間がかかるもんでした・・・

まぁ、やってみなければ分からないことは多々あるのだと勉強になりました。

ではこの辺で〜

      

    




お疲れ様です〜。
美姫 「忍って一体……」
マッドサイエンティスト(きっぱり)
美姫 「はははは」
さて、雪花もすっかり馴染んできたみたいだし、これからどうなるのかな?
美姫 「次回も楽しみに待ってますね〜」



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