お読みくださる皆様へ

この作品では「IZUMO2」「とらいあんぐるハート3」のクロス作品ですが原作とは違った人間関係や世界関係が成り立っています

念のためですが「恭也は一歳だけ年が若くなってる」「海鳴の住人の一部が出雲に居ます」

「IZUMOのキャラの数人が、とらハのキャラと入れ替わってます」

ご容赦ください

 

 

 

トライアングル IZUMO   

不破たる剣の閃記

 

 

 

一話「目覚めよと呼ぶ声」

 

 

 

 

冷たい風が吹きぬける音が聞こえる

其処は深遠たる暗闇の世界で佇みながら祈る少女

死に絶えた世界に響くような悲しい声が聞こえる

「私の声が聞こえますか?」

だが応えられない、何かに阻まれたように感じる。

そして声が遠ざかっていく

「・・・・・様・・」

最後に聞きなれた懐かしい名を呼ばれた気がした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トントン

「恭也さん、朝ですよ」

「うぅ・・」

不意に聞こえた声に反応し恭也は低くうなる。

「もう直ぐ朝御飯が出来ますから起きてくださいよ」

(ああ・・琴乃か・・朝だな)

近所に住んでいる白鳥琴乃だという事が一発でわかった、だが頭で現状を認識できても直ぐに起きられるというわけではないのだ。

言って置くが恭也は別に遊んで夜更かしをしてるわけではない。

深夜の鍛錬を終えるのが12時。睡眠後に朝の自主鍛錬を3時から4時まで行うと、やる事が無くて2度寝してるだけだ。

なお、「だったら朝6時に起きてやればいいだろ?」と言う突っ込みは無しである。

「あと5分・・・スマン」

だが先ほどの夢のせいだろうか少し寝覚めが悪い。

「そんなこと言われましても」

少しだけ不満の篭った・・でも優しい声。

琴乃が仕方なさそうに部屋を出ようとした時

「仕方・・・」

どどどどどど―――――!

地響きが遮り

ガチャ!

「お兄ちゃん、起きろ〜〜〜〜っっ!」

「ハブゥ!」

嵐のように入ってきた声が恭也の上に飛び込む・・・なんて生易しいものではなくフライングボディプレスが直撃だった。

「そーれ、ぐ〜り〜ぐ〜〜り」

上に乗っかった小悪魔は右へ左へと体を転げて追加ダメージを与える。

ハッキリ言って恭也のHPが高速で減って逝ってる。

「・・・起きるから辞めてほしい」

遂にはギブアップの宣言を出して起きるしかなかった。

「あははっ!お兄ちゃん、やっと起きたよ」

小悪魔こと白鳥明日香は情け容赦のない笑顔で言い放つ

「明日香ちゃん・・・頼むから其れは辞めてほしいのだが・・せめて今度から攻撃までの猶予時間を求めたい・・」

「だって、お兄ちゃんだったら簡単に交わしちゃうんだもん」

実際、不意打ちと言う要素がなければ余裕で交わせるし、ソレを一度前に実行したせいで奇襲となっていた。

彼の名誉の為だが明日香の隠密のレベルは国家2級クラスだったりするが本編には関係ない、何故なら対恭也限定とも言うべき能力だからだ。

「分かった、分かった・・・起きるから下に行っててくれ」

「は〜〜い」

明日香が下に行くのを確認すると布団から起きて着替えを始める。

(それにしても・・・先ほどの夢はなんだったんだ・・・)

なんとも思えない感覚だったが、軋む腰を抑えて着替えに専念していた。

 

 

「お早う、琴乃、師匠、明日香ちゃん」

「遅いぞ・・剣術家たる者、朝はシッカリせねばな」

挨拶と共に搭馬六介が威厳ある声で戒めた。

別に恭也はシッカリしてないわけではないが、それでも六介から見れば弛んでるらしい。

「特に学校では弛みすぎのようじゃな」

「ぐ・・」

居眠り常習犯の恭也に反論の術は無い。

それでも何かを言い返そうと考え始めた時、

「まぁまぁ六介さんも怒らないで・・・朝御飯ができましたよ」

茶碗を差し出しながら琴乃が割って入った。

後日に記載するが食事中には琴乃が最大の権力者となっている、故に一気に静かになり

「わ〜い、いただきます」

「「いただきます」」

「どうぞ、召し上がれ」

食事を始めた。

 

 

 

 

 

「んーーやはり朝は味噌汁じゃな」

「確かに・・・塩分も控えめで味を感じられるし丁度良い」

六介と恭也の味噌汁の感想は良好だ。

「お兄ちゃん、少し年寄り臭いよ」

心に打撃を受けながらも恭也は食を進めていく。

その光景は家族の食事シーンだが少し事情は違った。

何故なら正式な家族ではない

「恭也、沢庵いらんならワシが貰うぞ」

恭也の皿から沢庵を頂こうと箸を動かしてるのが搭馬六介。

現在恭也は彼の養子と言う事になっている。

「アサリが安かったんで今日はアサリ汁なんです。おいしいでしょう」

現在の搭馬家の食卓を預かるのは近所に住む白鳥琴乃。

一言で彼女を説明するなら母性の塊だ。

「ウウ・・ちょっと貝は苦手かな」

その言葉に搭馬家の二人はハモって

「「この苦味は子供には分からない(かのう)」」

「うう・・私子供じゃないもん!」

と頬を膨らませているのは白鳥明日香。琴乃の妹だった。

此の二人は六介の孫が海外移住で居なくなった現搭馬家の食事の惨状を見かね、昔馴染みという事で毎朝食事を作りに来てくれてるのだ。

「そういえば・・もう直ぐ期末テストじゃのう」

「・・・」

わざとらしく言う六介の言葉に恭也の声は止まった。

最後に不破恭也。

「進学も考えてやる事やらんとのう」

「善処する・・・・」

数年前に施設から弟子入り兼養子と言う事で搭馬家に引き取られていた。

 

 

 

 

 

 

「ご馳走様〜」

「ご馳走様」

二人が殆ど同時に食べ終わる。

と一方で既に恭也と六介は既に終えていた。

それだけに琴乃の料理は食が進むのだろう・・

(アイツらは無事だろうか・・)

ふと遠い場所に住んでる家族たちのことを思い出す。

自分の事情で置いてきてしまった事に今でも少し後悔が出る。

「美味しかったですか、恭也さん?」

「ああ、美味しかったぞ」

琴乃に声を掛けられてハッとした。

早く一人前になって帰る。

ソレが今の目標なのだ。

「それじゃあ、そろそろ行こ。時間だよ」

明日香の声に時計を見ると学校へ向かうのに丁度いい時間だった。

椅子の下においてあるカバンを掴み

「だな・・では師匠、俺達は出かけます」

椅子を立ち上がり玄関へ駆ける。

「おじいちゃん、いってきま〜す」

「それじゃあ、言ってきます六介さん」

「うむ、いってらっしゃい」

続いて明日香、琴乃も立ち六介が見送った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

見送られて恭也たちは山の上にある出雲学園に向かう。

「・・・・俺達の学園は何時ごろ出来たんだ?」

「何年か前に創立50周年があったはずですよ」

出雲学園は山の中腹に立てられた男女共学校である

「そういえば、おじいちゃんが出席してたよね?」

「ああ、一応創立者だしな・・確か50年前に設立されたみたいだ」

そう、六介が出雲学園の創始者であったのだ。

「随分と、お若い理事長先生だったんですね」

「たしか・・ひ孫まで居たはずだぞ?」

「ええ〜〜!見えないよ!」

今でこそ理事長職を辞してるが昔の杵柄と言う奴で恭也が副将を努め、親友が主将を勤める剣道部の名誉顧問だったりする。

「話は変わるけど・・お兄ちゃんでも一回も一本取った事はないんだよね?」

「む・・・否定できない」

剣道は勿論だが深夜の鍛錬でも彼の扱う剣術を相手に彼は一度も勝てたとことは無かった。

「警察の偉い人も、たまに指導を頼みにくるくらいだ。普段は兎も角、剣道部が強いのは師匠の御蔭と言うのは言うまでもない」

と話して居る内に学校が近づいてきた。

ふと恭也は周りを見渡すが目標が見つからない。

時間としてはそろそろ会えるはずの友人を探しているのだ

「もうすぐ剣道大会だよね?うちから推薦枠で一人出られるって言う」

「ああ決めるのは師匠だがな?」

話しかけられて相槌を打つ。

「お兄ちゃんが選ばれるかもね?だって強いもん」

「無理だろう・・アイツには勝てた事がない」

その言葉に周りが納得した。

剣道においてなら恭也よりも上の奴が一人。

「フム・・噂をすればだな」

「お早う、恭也、琴乃さん、明日香ちゃん。何の話をしてるんだい?」

リムジン(!)から顔を出して来たのは大和(旧姓は赤星)勇吾。

剣道部の主将で恭也から剣道(だけでなら)で上を行くといわれてる猛者だ。

「全国大会だ」

「もうすぐだな・・ああ此処で」

「かしこまりました坊ちゃま」と運転手は勇吾を降ろし小声で掛けてリムジンは去っていった。

赤星勇吾改め大和勇吾は、この辺りでも一,二を争う名家の大和に養子となった施設での恭也の親友だった。

 

 

 

「何時もより早いですね」

「・・ああ・・少し変な夢を見てね・・」

何故か複雑そうな顔をしてみせる勇吾。

一方の恭也だが朝の夢は速攻で忘れていた。

「懐かしいような怖いような不思議な夢だった・・」

「どんな夢なの?」

明日香の言葉に思い出しながら

「薄い衣の女性が祈ってたな・・」

ニヤリ!

唐突に恭也の父親譲りのスキル「イジワル好き」が発動した

「成る程な・・・」

肩に手を置き何かを分かったような顔になって嬉しそうに言った。

それだけである。

だが

「え、真逆!」

琴乃には見事に誤解を生ませることに成功してたりした

「誤解を生むようなしぐさを辞めてくれ!」

「俺は何も言ってないぞ?」

感情的に勇吾が叫び何処吹く風と言う感じで恭也は流す。

「おもしろ〜い!」

そして明日香が笑う。

この光景が好きだから勇吾も恭也も親友だった。

 

 

「まったく・・・で全然知らない人なんだ。記憶に無い声だし・・でも懐かしいかった」

「ふむ・・・しかし夢ならあるんじゃないのか?」

真面目口調に戻った勇吾に恭也も返す。

「なぜか気になってね」

「そういうことって有りますね、既視感っていいます。そういうのは疲れてるときに有るってお母さんが言ってました」

琴乃の母は元保険医であり現在は絵本作家である。

「疲れてないと思うんだがな・・」

「ソレよりも期末テストが近いな」

恭也葉自分の頭では付いて行けないないと反応したのか話題のすり替えに入っていたりする。

だが運命は残酷だった

「オレは大丈夫だぞ?普段から勉強やってるからな」

何気に学年トップの成績を持ってる扱いの勇吾であった。

それだけではない

「私は試験対策やってるよ?」

「わたしは、その・・普通程度にはやってます」

確実に琴乃のは謙遜であった(笑)

「一夜漬けでも頑張ればいいぜ」

勇吾は先ほどの仕返しとばかりに恭也の肩に手を置き返していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「恭也さん、それでは」

「放課後、部活でな」

「うちにも遊びに着てね〜」

クラスが別々なので校門前で別れ自分のクラスに向かう。

明日香は一年生であり他は(話の都合上)2年A組、B組、D組なのだ。

教室に着き机に座った瞬間、長髪の女性が話しかけてきた。

「ねぇ恭也。聞いた?」

「聞いてないぞ?」

目的の言葉が何か知らないのだから聞いてないのは当たり前だが、こういう反応するのは面白い。

と、余談はさて置き話しかけてきたのは(数少ない)友人の月村忍。

とらハファンならば彼女の説明は無用であるが、あえて追加項目をするなら性格はリリちゃ時点になっていたりする。

「クラスに転校生が来るんだって」

「ふむ・・・・転校生か?」

恭也の突っ込みを無かったことにしているが、恭也も分かっているらしく無視だった。

まぁ、互いに良い友人関係でいるからの物だと思えばいいだろう。

「あまりに急で驚いているかもしれないけど確かよ」

「・・・念のために聞いておくが・・・どうやって調べた?」

別段に驚いているわけではないが嫌な予感がして聞き変えす。

「ん?ノエルの諜報能力の賜物よ〜」

「・・・・」

ノエルを国家認定の忍者にする気か?と心で疑問にしながらも納得したのだが・・・

甘くなかった

「他にも那美に確かめさせたりしたしね」

恭也の予想を斜め上・・・を通り越して別次元の答えも来た。

那美こと神咲那美とは忍の家でメイドのバイトをやっていながら近くの北河神社で巫女として住み込んでいる女性だ。

「学生会長なら試験が近くても職員室に入れるが・・・」

とらハファンならば恐ろしくて卒倒するかもしれないが彼女は一年生でありながら生徒会長をやっている。

何故なったかは彼女しか候補者が居なかったからだが・・・まぁ立候補もドジスキルが全開だったのは言うまでもない

「ああ・・試験よね・・」

作者の内心を余所に忍は顔を曇らせた・・・

彼女もまた試験に恐怖する立場なのだ。

「で、転校生とは?」

「人の苦しみを何だと思ってるのよ・・って恭也もよね・・・逃避か・・帰国子女って話よ」

恭也の冷静さを現実逃避と決め付けて話を再開。

「帰国子女か・・」

何故か心にひっかかる物を感じた。

 

キーーーンコーーーーンカーーーン

 

「じゃあ席に付いて〜!」

チャイムがなり同時に担任教師の鷹城唯子が入ってきた。

 

 

「と〜言うわけで〜重大な話があります」

忍の顔がニヤリとしたが無視し恭也は考える。

現在は夏休みの少し前である、転入する理由が分からない。

まさかとは思うが数年前の悲劇を起こした忌まわしき龍の刺客を考えてしまう。

「聞いてのとおり〜今日から新しいお友達が入りました」

「聞いてねぇよ!」とクラスの中央席に居るY・A君が突っ込むが無視された。

ドアを開けて一人の少女が入ってきた。

「彼女の名前は・・・・」

「恭也!」

開けて唯子の紹介が始まった瞬間に疾走。

恭也に抱きついた。

「えへへへへ・・ビックリした」

「・・・?><“!」

恭也は勿論のこと周りのメンバーも唖然としてる。

だが、それでも少女は止まらない。

「やっと日本に来たんだよ!おじいちゃんにも内緒にしたしさ」

「・・・・?><‘&%!」

彼女の独白は続くが恭也は未だに混乱してる。

だが何故か昔の思い出がフラッシュバックで蘇ってきたりする。

「約束守りに来たんだよ!」

「・・?」

約束に引っかかる恭也だが未だに名前が出ない。

いや・・・出るには出るのだが・・・

「お嫁さんになりに来たんだよ!」

その一言が全てを壊す幻想破壊。

「ぬな!」

「なにぃぃぃ!」

「あんですとぉぉぉ!」

 

(こんばんの夕食は何かにゃ〜)

 

約一名は兎に角、収まってたはず混乱が更に悪化した・・・

だけでなく周りの男子の殺気を諸に当てられて冷や汗が流れてきた恭也。

(い、いかん・・・思い出せ、思い出せ・・・!)

何故か知らないが緑の髪の少女やら茶髪だか青髪の女性が写ったりする。

現在の設定の影響上でアレは無いはずである。

ならば彼は「因果導体」なのか?<タケル違い

 

「フィアッセ?」

 

時が止まった・・・

(もしかして・・言葉の地雷原を踏んだか)

「信じられない・・・」

にげろ逃げろニゲロ

警笛が鳴り響く。

退避を敢行。

だが間に合わない

「恭也の・・・恭也の・・」

彼女の腕が引き絞られた後に弓から放たれた矢のように飛んでくる。

全体重の篭った一撃が顎にぶつかり・・

「恭也のバカぁーーーー!」

巻島流     奥義

 

 

 

 

恭也は宙を舞った・・・

 

 

 

 

 

2話に続く

 

 

 

 


後書き

 

神楽歌:・・・長かった

美由貴:たしか・・11月末に書き始めたんだよね?

神楽歌:だな・・まぁ過ぎた日々は置いとくとして一話完成!

美由貴:無視か・・それにしてもキャラの置き換えクロスとはね・・

神楽歌:ああ・・最初は恭也は剛の立場を考えたんだが・・まぁ

美由貴:ふ〜〜〜ん・・にしても・・何で私達が出ないの?

神楽歌:・・・ベースがIZUMOだからな

美由貴:何となく理由は分かったけどさ。でも那美さんの立ち位置って・・

神楽:オレはIZUMO2では会長が1番好きだ!(以下エコー)

ズシャ!

美由貴:此れの戯言は斬り捨て置きまして・・2話もよろしくお願いします!

      




神楽歌さん、投稿ありがとうございます。
美姫 「ありがと〜」
IZUMO2とのクロス!
美姫 「本来のキャラ位置に、とらハのキャラが」
果たして、どうなるのか!?
美姫 「そして、転入してきた少女は一体!?
いや、そこはIZUMOの方と一緒だろう。
美姫 「どうかしらね〜。事実は蓋を開けてみるまでは分からないものよ」
へいへい。ともあれ、次回も楽しみです。
美姫 「これからの展開を楽しみに、次回を待っています」
ではでは。



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