Side:ネロ


つ〜訳で、俺となのはと久遠は、有休取って(バージルは嘱託扱いだから、好きな時に休める)海鳴にやって来た訳だが――なんか寒くねぇか此れ!?いや、実際
に寒いだろ此れ!?雪降ってるし!!

ミッドは其処まで寒くなかったんだが、本局と地球の間の温度差がハンパねぇ!いや、ミッドが1年通して気候があんまり変わらねぇのか!
何時も通り、コート羽織って来たのは正解だったぜ。
羽織らないで来てたら、俺もバージルも少しばかり寒さにやられてたかもしれないな。――そんな柔じゃねぇって言っても、寒いモンはヤッパリ寒いからな、マジで。

「ヴィヴィオは、寒いの大丈夫か?……って、何してんだヴィヴィオと久遠?」

「寒いから、2人でくっついてみた。」

「久遠温かいね〜〜〜♪」



いや、其れは別に良いけど、何も2人で1つのコート羽織らなくてもいいんじゃねぇか?何か、顔が2つある1個体の面白生物みたいになってるぜ?…可愛いけど。
てかよ、何処から持って来たんだ、その赤いコート?



「其れは俺の予備だ。」

「アンタのかよ!てか、アンタも赤いコート持ってたのか!?」

「基本カラー、設定時カラー、ネロ風、デミトリ風、鏡恭介風、ダンテ風の計6色が、俺のキャラクターカラーなのでな。」



何の話だオイ!?格ゲーか?格ゲーの、カラーバリエーションの話なのか!?アンタも、時々意味分からねぇ事言うよなバージル!!此れもスパーダの血か!?



「気にするな。気にしたら負けだ。」

「身も蓋もねぇぞ、そのセリフ……」

つっても、今の全力突っ込みで、なんか身体温まって来たから結果オーライって事にしとくか。
此れから会う相手――士郎と桃子は、最強の相手だから、桃子は兎も角、事と次第によっては、士郎とは一戦交える可能性も否定できないから、此処は気合い入
れて行くしかなさそうだ。

でもまぁ、絶対に認めて貰うぜ?俺となのはの結婚てのをな!!

さて、行くか!!










リリカルなのは×Devil May Cry  黒き騎士と白き魔導師 Mission114
『未来に向けての一歩〜The Future〜』











つ〜訳で、久々にやって来たぜ翠屋。相変わらず繁盛してるみたいだなぁ?雪降ってるってのに、さっきから人がドンドン入って行くぜ?



「ソロソロクリスマスが近いから、ケーキの予約をしに来る人も多いんだよこの時期は。
 しかも、普通のクリスマスケーキだけじゃなくて、オーダーメイドでの注文も受け付けてるから、結構凝った装飾のケーキも注文可能なのもお客さんが多い理由。」

「成程。オリジナルデザインのケーキを作ってくれるとなれば、ソイツは予約に来る客がわんさかだろうな。
 つっても、ケーキの予約だけじゃなくて、当然カフェの方だって繁盛してるんだろ?こう言っちゃなんだが、翠屋のシュークリームと珈琲は、一度喰ったら忘れられ
 ない位に美味いからな。」

「ウム、其れは楽しみだが……なのはよ、俺はてっきりお前の実家に行くのかと思っていたのだが、直行ではなく、先ずはこの喫茶店で一息入れるのか?」



ん?あぁ、そう言えばバージルには説明してなかったな。
そうじゃなくて、この翠屋ってのは、なのはの両親が経営してる店で、今の時間だと実家の方に行っても誰もいねぇんだ。だから、こっちに来たって訳。こっちに来れ
ば、確実に会う事が出来るからな。



「ふむ、そうだったのか。――だが、これ程の店を経営すると言うには、矢張り只者ではないのだろう、なのはの両親は。
 俺は、喫茶店には明るくはないが、それでもこの店が『良い店』か、それとも『悪い店』かは、外から見れば大体分かる。良い店と言うのは、自然と建物から強いエ
 ネルギーが発せられるモノだからな。」



そう言うもんなのか?良く分からねぇけど。
時になのは、アリサとすずかにもこっちに帰るって連絡入れてあんだろ?翠屋に来てもらってんのか?



「うん、翠屋で待っててって言ってあるから、多分もう店の中にいるんじゃないかと思うよ?」

「なら、さっさと行くか?待たせるのも悪いからな。」

其れじゃあ行くぜヴィヴィオ、此処がなのはのママ達の店だ。桃子と士郎に、ちゃんと挨拶するんだぜ?



「うん♪」

「OK、良い子だ。それじゃあ――」



――チリンチリ〜ン……



「いらっしゃいませ……って、おかえりなさいなのは!ネロ君も久しぶりね♪
 奥の席に行ってくれる?アリサちゃんとすずかちゃんも待ってるわ。直ぐに珈琲持って行くから。」

「ただいまお母さん。」

「ただいま〜〜。」

「久しぶりだな、邪魔するぜ。」

「こんにちわ、ヴィヴィオです!」

「ふむ……矢張り店の中も素晴らしいか。
 はじめましてと言うべきだろうな、バージルだ。暫し邪魔させて貰うぞ?」

「はい、こんにちわヴィヴィオちゃん♪そしていらっしゃいませ、バージルさん。
 話は後で伺うとして、先ずは向こうへどうぞ。なのはの同級生達が待っていますから。」



相変わらずだな桃子は?
普通は、ヴィヴィオとバージルの存在に付いて『誰だ?』的な突っ込みを入れそうなモンだが、アッサリと普通に受け入れて先に進めやがった……流石、桃子だぜ。

でもまぁ、アリサとすずかが先に待ってるってんなら、遠慮なく奥の席に行かせて貰うぜ?あの2人と会うのも、大分久しぶりだから楽しみだしな。



「あ、やっと来たわね〜〜?こっちよ、なのは、ネロ!!」

「久しぶりだね、なのはちゃん、ネロ君♪」

「久しぶり〜〜!元気してた、アリサちゃん、すずかちゃん!!」

「当然でしょ!!」



よう、久しぶりだなアリサ、すずか。元気そうで安心したぜ――つっても、すずかはアレだから滅多な事じゃ怪我も病気もしねぇんだろうけどな。俺と同じようにな。
伝説の魔剣士の血統と、真祖のヴァンパイアの末裔……ある意味で、俺とすずかは同種の存在って言えるのかもしれないぜ。



「で、その金髪の女の子と、銀髪のイケメンは……ちょっと待って、銀髪の方は当てる。
 どことなく雰囲気が似てるし、顔立ちも似てるから……貴方はネロのお兄さんでしょ!!ぜったいそうに決まってるわ!!!」

「ふむ、悪くないがハズレだ。
 俺は兄ではなく、ネロの父親で、名をバージルと言う。覚えておくが良い。」

「はぁ!?父親って、如何見たって兄弟にしか見えないじゃない!!
 って言うか、ネロの親にしては幾ら何でも若すぎるんじゃないの!?……と思ったら、桃子さんと士郎さんが、有り得ない位に見た目が若かったーー!!」



まぁ、そう来るとは思ったが、桃子と士郎の事を考えたら、バージルが俺の親父だっつってもオカシクはねぇだろ?てか、桃子がアレでもうすぐ50って、ある意味で
詐欺だぜ?誰が如何見ても、30代前半、下手すりゃ20代後半でも通じるだろアレは!!
天下無敵のダンテだって、年相応にオッサンだったてのに、本気でどうなってやがるんだろうなぁ、桃子達はよぉ?――今更突っ込むだけ、徒労なんだろうけどな。



「桃子さんの若さは反則でしょ普通に。
 んで、な〜〜〜〜んか、前に会った時よりも、なのはとネロ仲良さそうじゃない?若しかしなくても、アレからバッチリ進展した訳?」

「この流れで其れを聞くか?いや、隠す事でもないから良いけどな。」

「うん、私とネロは、正式に交際してるよ、アリサちゃん、すずかちゃん。
 でね、この子――ヴィヴィオは、この前ミッドで有った大きな事件の際に保護した子で、私とネロが保護責任者で身元引受人になってるの。所謂『養子』だよね。」

「2人は結ばれたんだね、おめでとう。
 でも、其の子がなのはちゃんとネロ君の養子になるって言う事は……やっぱりそう言う事なのかな?」



まぁ、交際してるのはヴィヴィオと出会う前だが、此れを期にちゃんと籍入れる事も考えといた方がいいと思ってな。
ヴィヴィオにとっても、『両親』が籍を入れてない状態ってのは、あんまり良い事とは言えないだろ?俺もなのはも、ちゃんとヴィヴィオのパパとママになりたいしな。
ぶっちゃけた事言うなら、今回こっちに来たのは、桃子と士郎になのはとの結婚認めて貰う為だからさ。



「成程ね……まぁ、大丈夫じゃない?少なくとも、桃子さんは1秒了承してくれると思うし。士郎さんは、ちょっと難しいかもだけど。
 てか、よくよく考えると、ネロの親って事は、バージルさんも悪魔なのよね?ネロがクォーターだから、バージルさんはハーフって事で合ってるかしら?」

「ウム、その通りだ……尤も俺の場合、肉体はより悪魔に近くなっているがな。」

「人間にしか見えないんですけど不思議ですね?私が言えた義理じゃないですけど。
 で、ネロ君、その……右腕の事は如何するの?流石に、隠したままで居られるとは思わないんだけど……」



まぁ、隠し通すのは無理だろうから言う心算ではいるぜ?多分だが、桃子も士郎も受け入れてくれるだろうからな――つっても、切っ掛けがあった方が楽なのは、
否定しないけどよ。

その辺は巧くやるさ。



「お待たせ〜〜。シュークリームとコーヒーのセットですよ〜〜♪ヴィヴィオちゃんには、あま〜いカフェオレね♪」



と、此処で来たか、翠屋特製のシュークリームと、士郎の淹れた珈琲!コイツは、マジで美味いからな!早速頂くぜ!!
バージルも喰ってみろよ、余りの美味さに驚く事間違いなしだぜ?これぞ正しく『究極の美味さ』って言っても、絶対に過言じゃねぇからな!!!



「ふむ……確かに美味だな。
 シュークリームの美味さもさることながら、コーヒーの味も絶妙だ……淹れ方のコツと言うモノを享受願いたいモノだな。民間協力者で無くなった後は、喫茶店でも
 開こうかと思っていたのでな。」

「マジか!?」

いや、案外似合ってるかもしれないが、其れは予想外だったぜバージル。
取り敢えず、此れを喰って、そんでもってこの後、桃子と士郎に如何言うかを考えるか――右腕の事も含めて、な。








――――――








Side:なのは


で、アリサちゃん達と別れた後、今度はお仕事が終わったお母さん達と一緒に帰宅して、只今リビングで談笑中。
バージルさんが、家の大きさに驚いて、純日本風の造りに感激してたけど、道場がなかったら、割と普通の何処にでもある日本家屋なんだけどね高町の家は。



「ネロ君のお父さんですか。いや、お若い事で。」

「其れはお互い様だ士郎。お前とて、なのはの様な娘が居るような歳には見えん。それは、桃子も同様だがな。
 尤も、ネロが言うには、俺の弟は歳相応に老けているらしいので、俺も将来的にはどうなるか分からんが……まぁ、無様に歳を取る心算は無い。」

「弟さんがいらっしゃるのね?どんな方なのかしら?」



更に、予想外にお母さんとお父さんがバージルさんと意気投合!
同い年の子供を持つ親として、何か通じる物があったのかもしれないけど、此れは流石に予想してなかったよ!!――仲良くなってくれた事自体は、嬉しいけどね。

で、お母さんからの質問だけど、バージルさんの弟……ダンテさんがどんな人かって言うと――



「腕っ節は滅茶苦茶強いが、色々と残念なオッサン。其れとピザ。」

「義理人情にあつく、仲間思いだが、少々軽薄で、其れが祟って苦労する愚弟。それからピザだな。」

「戦闘能力なら、管理局のトップに割り込める位に強いんだけど、素肌にコートを普通にやっちゃうファッションセンスゼロの凄い人。あとはピザ。」

「なんで、3人共通でピザなのかな?」



だって、ダンテさんて管理局に居た頃は、食事の8割がピザだったんだよ!?
食堂のメニューに無い時は、態々宅配ピザ頼んで食べる程のピザジャンキー!それこそ『身体はピザで出来ている』って言われても、信じちゃう位のピザ好き!!
しかも、朝と昼は、飲み物がコーラで、夜の場合は決まってジン・トニックか、ウォッカ・フィズ!普通だったら、成人病になって即入院なの!!



「マジであのオッサンヤバいって!
 俺がオッサンの事務所に行った時なんて、ピザ喰いながらウォッカを瓶でラッパ飲みしてたぜ!しかも、ロシア製のアルコール度70%のトンでもねぇのを!!」

「異常な酒の強さは相変わらずか……ボビーのウォッカの悪夢が蘇ってくるな……」

「改めて聞くと、本気でトンでもないですよね、ダンテさんて……」

ネロの叔父さんで、バージルさんの弟って事を考えると、この型破りっぷりもアリかも知れないのかもしれませんけど。



「うん、取り敢えず凄い人が身内に居るって言うのは理解したよ。
 其れだけの人の血筋がなのはと交際してると言うのなら、逆に親としては安心できるからね?本当に、ネロ君がなのはの相手で良かったと思ってるんだ僕は。」

「そりゃ、どうも。」



私とネロ君が交際してる事も認めて貰えたしね。
だけど、本番は此処からなの!!



「だけどな、俺となのはは付き合ってるだけじゃねぇんだ。
 単刀直入に言わせて貰うが……なのはと結婚させてくれ。俺となのはは、コイツの――ヴィヴィオの保護責任者で身元引受人だ……要するに『育ての親』になる
 訳だから、ちゃんと籍を入れておいた方がいいと思うんだ。
 無論、其れだけじゃなくて、俺自身がなのはと一緒になりたいって思ってるからだけどさ。」

「了承♪」



って、お母さん早!!
どこぞのスーパー主婦もビックリの1秒……否、0.5秒了承!?認めて貰った事に異議はないけど、そんなに簡単に了承して良いモノなのこう言う事ってのは!!



「あら、なのはとネロ君が互いに好きあってて、其れでヴィヴィオちゃんの親になる事を決めて、其れで家族となる為に結婚するって言うのなら、反対はしないわ♪
 寧ろ、家族が増えるのは嬉しい事だし、ヴィヴィオちゃんがなのは達の子供になるなら、私にとっての初孫ですもの♪
 50になる前に孫の顔を見たいと思ってたんだけど、其れが叶いそうだし、私はなのはとネロ君が結婚する事には全く異論はないわよ?……士郎さんは、分からな
 いけれどね。」



そうだったんだ……で、関門はやっぱりお父さんだね。
お母さんが即刻了承しても、お父さんがそうであるとは限らないし。



「いや、僕もなのはがネロ君と結婚すると言う事に付いては異論はないよ?ネロ君なら、なのはを任せても良いって、前に会った時に思っていたからね。
 だけど、一つだけ質問させてくれるかいネロ君?
 君は此れから先、なのはと伴侶となり、ヴィヴィオちゃんの親となる訳だけれど、2人に何かあった時、君はなのはとヴィヴィオちゃんを護る事が出来るのかな?」

「出来る出来ねぇは、あんまり問題じゃねぇだろ?大事なのは、やるかやらないかだ。
 無論、なのはもヴィヴィオも護る心算だぜ?尤も『命に代えて』なんて馬鹿な事を言う心算はねぇけどな――命に代えて護った所で、其れは一度きりだけだしな。
 だったら俺は、例え惨めでカッコ悪くても、泥水啜ってでも生き延びて、俺の命のある限りなのはとヴィヴィオを護って見せる!」

「其れで正解だよネロ君。
 もしも君が『命に代えても護る』選択をしていたら、僕は即時、結婚には反対だったからね?君は、本当に護る事は如何言う事かを理解している様で安心したよ。」



でも、そのお父さんも、ネロの覚悟と心構えを聞いて、如何やら認めてくれたみたいだね?
なら安心なの――お父さんが認めてくれれば、お兄ちゃんだって何も言わないだろうし、そもそもお姉ちゃんは私とネロが結婚するって言っても、そんなにあたふた
しないと思うからね。



「だが………男親の性分として、娘の伴侶となる人がドレだけの強さを秘めているのかが気になるのは仕方ないモノだね。
 なのはとの結婚に異議を唱える心算は毛頭ないけれど、だからこそ君の力を僕に見せてくれないかなネロ君?――道場で、一勝負と行こうじゃないか!!!」

「OK、異論はないぜ士郎?てか、大体この展開は予数してたからよ。
 寧ろ、俺としては願ったり叶ったりだぜ?――直接対決で実力を示すってのは、四の五の言うより100倍分かり易からな!!!」



だけど、やっぱりお父さんとネロの対決は起こっちゃうよね。
お父さんは男親として、娘である私の伴侶になる人の実力は知っておきたいだろうし、ネロはネロで、売られた勝負を蹴るような人じゃないから、此れは若しかしなく
ても、激戦は必須だね!!



「見せてくれネロ君、君の強さを!!」

「見せてやるぜ、スパーダの血統の力を、そして俺自身の強さって言うモノをな!!――悪いが、この勝負は勝たせて貰うぜ、士郎!!」



頑張ってネロ!!
お父さんは最強クラスだけど、今のネロだったら絶対に勝てるから。何よりも、私がネロが勝つって信じてるから!!だから、絶対に勝って見せて、隊長命令なの!



「OK、Boss。(分かったぜ隊長。)
 元より負ける心算なんぞ毛頭ねぇから、バッチリと勝ちをもぎ取ってやるさ――だから、心配しないで見てな。なのはが信じてくれてる限り、俺は負けないからな。」

「うん、信じてるよネロ♪」

ネロvsお父さんの、ある意味で史上最強の対決が始まるけど、私はネロが勝つって信じてるから。
だから、思い切りやっちゃっていいよネロ!お父さんは頑丈だから、多少手荒くやっても壊れないし、何よりもネロの力を実際に体験して貰った方がいいと思うしね。


飛びっきりの最強vs最強の幕開けだね!!――頑張ってね、ネロ!!!












 To Be Continued… 




なのはの里帰りと。
美姫 「ネロのご挨拶ね」
まあ、桃子さんは予想通りにあっさりと了承だったな。
美姫 「士郎も反対ではないようだけれど」
やっぱり勝負する事になったか。
美姫 「どんな試合になるかしらね」
次回も楽しみです。
美姫 「待っていますね」
ではでは。



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