Side:スカリエッティ


復活直後でパワーが充実して居ないとは言え、炎獄の覇王を退け、更には強靭な肉体を誇るファントムを撃滅した濃紺のコートの彼と、蒼いコートの彼は興味深い。

それ以前に、小手調べの心算でやった今回の事で、此れだけの見事な結果を残してくれるとは、六課の評価を上方修正する必要がありそうだね。

だが、今回の敗退は私に新たな道を示してくれた。
如何に強力な悪魔だろうと、意思なき機械に憑依させたのでは、その力には雲泥の差があるのは明白だったからね……だが、抜け道は何処にでもあるモノさ!!

機械に憑依させたのでは物足りないのならば、生きた人に悪魔の力を植え付ければ、人の知能と悪魔の力を併せ持った最強の存在が出来上がる筈だ!!


「良いこと考えるねぇ、スカリエッティの旦那?
 つーか、俺っちが魔界から見つけ出した魔導書は、意味を成さなかったって事か……まさか、独学で『帰天』に辿り着くとは、驚きだぜぇ?
 帰天に失敗した者に待つのは死だが、その強靭な力は使うに値するだろ〜〜〜〜?」

「下らんな……」


ベリアル君か。
下らないとはどうしてかな?いかなる事でも、此処で対処する事が可能なのだがね……何故、下らないと言いきれるのかな?


「嘗て、帰天で神の力を得ようとした愚かな人間を知っているからだ。
 確かに強い力を手に入れる事は出来たが、最終的にはスパーダの血に屈する事になった……故に、貴様等では帰天の力を使いこなす事は出来んだろうな。
 其れに、帰天の力を使ったところで、あの小僧には勝てる筈もない……やるだけ無駄な事はしない方が良い筈だ。」



マッタク持ってそのとおりだが、私は『無限の欲望』故に、酷く欲深くてね?
だからこそ満たされない思いが強いのだろうね?……まぁ、然して興味のある事でも無いが――だが、帰天の理論を捨て置くのは何とも勿体ない事この上ない!!

いっその事、私の娘達に悪魔の力を融合させようとしたら果たしてどうなるのか……実に興味深いが、其れはやらない方が良いかも知れない。――今は未だね。


「愚かな……だが忠告はしたからな?
 ……後は、貴様等が如何するかだ……精々無駄な事を足掻くが良い……狂った思想が何を産むのか……見せて貰おう。」



期待には応える心算だ、炎獄の覇王ベリアル殿。



それにしても、人に悪魔の力を宿す帰天……この基礎理論を確立した人物は、間違いなく天才だろうねぇ?
会う事も叶わぬだろうが、稀代の天才に敬意を表し、この理論は有効に活用させていただくよ……最終的に、私達が勝利するその為の布石としてね!!!!!


実に愉快だ!
この力が有れば、私の野望を成就するのは難しくない!……悪魔の力、精々利用させて貰うとするさ!














リリカルなのは×Devil May Cry  黒き騎士と白き魔導師 Mission58
『親睦会兼祝勝会〜Let's Party〜』











Side:ネロ


「「「「ジュエルシード?」」」」


思わず、バージルとダンテとレディとハモッっちまったが、ソイツは一体何モンなんだよはやて?無人のガジェットに搭載されてたエネルギー装置って事らしいが……
何だってそんなモンが、このガラクタに搭載されてるんだ?

エネルギーを得るだけなら、大容量のバッテリーを使えば其れで良い筈だろ?其れなのに何で、そんなモンを搭載してやがるんだコイツは?


「多分、己の存在を私達に示す目的があったんじゃないかと思うんだ。
 今回の件で、このガジェットの製作者は略特定できたし、彼の性格を考えれば、挑発を含めてのこんなあからさまな事をしても不思議じゃないからね……」

「マジかよ、フェイト?……ったく、誰なんだ、こんな悪趣味なガラクタを作ってくれた奴は?
 序に言っとくと、このガラクタだけなら兎も角、機械に悪魔を宿すとか、如何考えても普通じゃねぇ。狂ってるにも程があるだろ流石に?マジでクレイジー過ぎるぜ。」

「クレイジーか……確かに狂ってると言うのがピッタリかもしれないね『彼』には。
 このガジェットの製作者は、恐らく『ジェイル・スカリエッティ』だよ。違法研究やら何やらで、広域指名手配されてる、稀代のマッドサイエンティストだよ。」


マッドサイエンティスト……其れだけで碌なモンじゃねぇな絶対。
狂った科学者ってのは、得てして自分の研究やら何やらに没頭して、周りが見えなくなるもんだ――アグナスの奴もそうだったな……ったく、本気で碌でもないぜ。


だけど、マッドサイエンティスト風情だけなら、如何とでも出来るが、問題はそいつが悪魔を使って来たって事だ。
ガジェットを憑代にした悪魔は勿論として、其の後のメフィストにファウスト、そしてアルケニーだって、スカリエッティとか言う奴の配下だったのは、略間違いないんだ
ろうけど、幾ら下級と中級の悪魔とは言え、一個人で操れるもんじゃない……協力者が居ると考えた方が良いかも知れないぜ部隊長様?


「勿論、その可能性は考慮しとるで?
 やけど、協力者がいるとしたら、其れは一体何者なん?スカリエッティに協力する事で、ソイツは一体どんなメリットを得るのか……其れが分からへんのや。」

「考えられる可能性は、悪魔を手引きする代わりに、その狂科学者の科学的知識を得て、中級までの悪魔を完全に使役する手段を得ようと言う所だろうが――それ
 だと、ベリアルやファントムの出現の説明が付かん。
 人間の中にも、魔界と通じて中級までの悪魔を使役する奴は居るが、上級以上の悪魔を『悪魔のまま』で使役出来る奴は居ない……いや、使役出来ないのだ。」

「其れは何でや、バージルさん?」

「上級以上の悪魔はプライドが高く、自らに力を認めさせた者にしかその力は貸さん。
 しかも、その場合は悪魔その物の姿ではなく、強力な魔具に姿を変えて力を貸すのだ、丁度ダンテが持っている、ネヴァンやケルベロスのようにな。
 無論、何らかの契約を持ってして『協力関係』を結んだ可能性も無くはないが、相手が気性の荒い炎獄の悪魔だった事を考えると、契約した線も薄いだろう。」


そう考えると、確かにスカリエッティとか言うマッドに、悪魔の力を渡した協力者ってのが何者なのかは見当もつかねぇって事になるか。
まぁ『コイツと組んだら楽しそうだから』で、つるむ場合が人間だったら考えられるんだが、悪魔だとそんな事を考える奴は流石に………


「「「あ!!!」」」

「ど、如何したのなのは、ネロ、ドゥーエ!?」


居たぜ、たった1匹だけそう言う奴が!!
アイツなら、スカリエッティってマッドと協力関係になっててもオカシクねぇし、アイツなら言葉巧みに上級の悪魔に俺達を襲わせる事だって出来るかも知れねぇ!!


「そうね……アイツならあり得るわね。」

「アレだったら、可能性は高いね……」

「何や?心当たりがあるん!?……誰やねん、広域指名手配のマッドサイエンティストに悪魔の力ちらつかせたズべ公は!!」

「「「ジェスターだ。(よ。)(だよ。)」」」

「ジェスターって…道化師?」


そっか、フェイトもはやても六課設立前は別部隊だったから知らねぇのか。まぁ、六課の中では俺となのはとドゥーエ、後はバージル達しか知らねぇだろうけどな。

あぁ、その通りだぜフェイト。ジェスターってのはまるでピエロみたいな格好をした中級クラスの悪魔さ。
ソイツ自身の戦闘能力は大した事ないんだが、下級悪魔を略完全な形で使役する事が出来るクソッ垂れで、トンでもねぇ快楽主義者なんだよ。迷惑なくらいにな。

アイツなら『もっと楽しめそうだから』って理由でスカリエッティと手を組んだとしても不思議じゃねぇし、俺やバージルの存在を餌に、ベリアルとファントムを焚き付けた
可能性だって大いにあるからな?

……悪魔共にとって『スパーダの血筋』ってのは忌み名みたいなもんだろうから、其れをちらつかせればアイツ等に俺達を襲わせるのは造作もねぇ事だぜ。


「確かに、あの愉快なピエロなら其れ位はやってくれそうだな?
 まぁ、極限にイカレてるハッピーなパーティは大歓迎なんだが、やり過ぎはよくねぇな?幾ら、人生は刺激のある方が楽しいって言ってもだ。
 てか、あのクソピエロが生きてるとか、ムカつく事この上ねぇよな?……そうだろ、バージル、レディ?今度こそ、キッチリ()ってやらねぇとな!!!」

「フン……切り刻むか。」

「なら、細切れになった所を手榴弾で焼き尽くすのがベストでしょうね。」


サラッと、空恐ろしい計画を立てるなよ……(汗)

だが、あのクソピエロをブッ飛ばすって事に関しては諸手を上げて賛成するぜ。あのクソッ垂れは、色々とやらかしてくれたからな!!叩きのめすのが正解だぜ!!


つー事で、スカリエッティとか言うマッドに協力してるのは、ジェスターで略間違いなしだぜはやて?


「悪魔の様な科学者に協力してるのが、ホンマモンの悪魔っちゅーのは、何とも笑う事が出来ん事態やけど、まぁ、何とかなるやろ?
 今回の事で、私がこのメンバーを集めたのは間違いやなかったって確信できたからなぁ?
 隊長陣とネロ君は当然やけど、フォワードの新人達もようやってくれたで♪初陣勝利は万々歳や♪」


此処で褒めるか?……まぁ、良いタイミングであるかも知れねぇけどさ。


「初陣で、此れだけの情報が得られれば、寧ろ僥倖って言うところや。
 ――スカリエッティは野放しに出来ん奴やからな……六課の相手が奴さん言うのは、ある意味で都合が良いわ……私等に喧嘩売った事、後悔させたるわ!!!」


でもって、見事な士気の上げ方だな、はやて?
六課の力を持ってすれば、スカリエッティは恐れるに足らずって事なんだろうが、士気が上がれば更にだからな。



「とまぁ、堅い話は此処までとして……今日は17時から、ミッドの居酒屋借り切っての六課親睦会を予定しとるから、皆参加したって〜〜〜♪
 緊急出動はあったけど、其れが逆に六課初陣の勝利を祝う形にもなるから、思い切り楽しもうやないの?
 因みに、経費は六課で落ちるから問題なし!!レティ提督も来てくれるから、皆で思い切り楽しもうやないか!!!寧ろ、楽しんでなんぼやでぇ!?」


んな事画策してたのかよお前は……まぁ、親睦会ってのは良いかもしれないけどな。


六課初陣の祝勝会も兼ねて、精々楽しむとするか。








――――――








Side:レジアス


機動六課……初陣を勝利で飾ったようだが、中々如何して出来る部隊であるようだな?
八神はやてとか言う小娘が設立した部隊と聞いていたので、幾許かとも思ったが、成程中々の部隊であるらしいな?

更には、バックにレティ・ロウラン……『海の女狼』が居るとなれば、超精鋭部隊であるのは間違いないだろう……特に、このネロとか言う小僧は見逃せんが………

「何か分かったかオーリス?」

「特に目新しい事は何も――ですが、彼の持つ力は凄まじいのは間違いありませんよ中将?」


だろうな……異形の右腕を持ち、圧倒的なパワーを有する六課の最大戦力とも言えるネロ……恐るべき強さだ。
だが、それ以上に気になるのは、奴の名前だ……ネロとは、ワシが幼い頃に読んだ『伝説の魔剣士』なる叙事詩に登場した、3代目の英雄と同名ではないか!!


まさか、アレは現実の事だったのか?………考えるだけ無駄だな、馬鹿馬鹿しい。

何れにしても、機動六課が機能しているならば其れで良い――奴等の存在が、管理局の改革を推し進めるのは間違いなかろうな―――

「何れにせよ、アレが精鋭部隊である事は間違いない。
 下手な事をするとは思えんが、過剰戦力な部隊である事は間違いないからな……引き続き、監視を頼むぞオーリス。」

「御意に……」


精々見させて貰うぞ、海の女狼……貴様の直属の部隊が如何程であるのかをな。
貴様等の存在が、ワシの理想を叶えるに値する物である事を願っている……その力、期待しているからな。


「だけど、アンタに其れを見届ける権利はないんだよねぇ?」


誰だ!?


「誰だって良いだろ?
 取り敢えず、アンタ等には、俺達の傀儡になって貰うぜ、中将様&その娘さんよぉ?精々俺達の手駒として生きてくれよなぁ?…ま、手駒としての余生を楽しみな。」


オーリス!!!貴様ぁ……!!!!


「い〜〜〜っひっひ!!良いねぇ、その憎しみに満ちた顔!!
 アンタの負の感情は、俺達悪魔に力を与えてくれるってもんだからな……向けられるだけの負の感情を俺っちに向けてくれよ中将様よぉ?」



貴様ぁ!!!!
だが……抗う事も出来ん……此れがワシの末路か……ワシは、此のまま悪魔の手先になるだろうが、貴様等ならば何とかできるだろう……後は頼んだぞ!!!


頼むぞ、機動六課………如何やらワシは、此処までであるようだからな――



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・



………む?ワシは一体何をしていた?
そうだ、此れから大事な会議があったのだったな……目の上のタンコブたる機動六課は、何とかしなくてはなるまい……あんな部隊は到底容認できんからな。

海の女狼がバックに居たとて関係ない……目障りなモノは潰す――其れだけだからな!!


生意気な小娘に、一発喰らわしてやるのも良いかも知れんからな!!調子に乗っている小娘どもは滅すべきだ!!!――必ず潰してやるぞ、機動六課よ………!








――――――








Side:なのは


さて、六課の親睦会って言う事で、ミッドの居酒屋の宴会座敷を借り切ったみたいだけど、此れは此れで効果は抜群だったみたいだね?
場の雰囲気って言うのも有るだろうけど、フォワードの皆が積極的に、隊長陣とコミニケーションを取ってるのは良い事だよ?聞いて得る物は、意外と大きいからね。


「まぁ、其れを踏まえると、はやてがコイツを企画したってのは良い事だったかも知れねぇな。
 かくいう俺も楽しませて貰ってるけどさ――時に、此れ喰うか?カリカリ揚げた豚の軟骨らしいが、コリコリとした食感が中々旨かったぜ?」

「いただきますなの♪……うん、此れは確かに美味しいね♪」

「だろ?俺達は未成年だから、酒は無理だが、その分料理を楽しもうぜ?」

「だね♪」

あれ?そう言えば、バージルさん達は如何してるんだろう?


「シグナム、貴様は呑まんのか?其れとも、酒は好かんか?」

「いや、嗜む程度ならば呑むが……深酒はせん。
 酔って、主を護る事が出来なかったなどと言う事は、洒落にもならんのでな――まぁ、1〜2杯程度なら、付き合う事はやぶさかではないがな。」

「ならば、付き合え。
 此れだけの良い酒を手酌でと言うのは、幾ら何でも興醒めなのでな?――酌をしてくれる相手が欲しかったと思って居たところだ。」

「ふ……私でいいのか?」

「寧ろ、貴様以外には頼む気にもならん。」


にゃはは……バージルさんとシグナムさんは、何て言うか『良い関係』みたいだね?クールな剣士同士、何か通じる物があるのかも知れないね。
で、ダンテさんは……


「おらぁ!!30インチ(約72p)のピザ1枚くらい余裕だぜ!!
 寧ろまだまだ食えるぜ!!つーか、ピザとストサンだったら幾らでも食う事が出来るぜ俺は!!ドンドン追加注文持って来いや!!纏めて食い尽くしてやるぜ!」

「む……やりますねダンテさん?
 だけど、大食いなら負けませんから!!ウェンディ、アタシとダンテさんに、更にピザ10枚追加注文して!!」

「了解っす、スバル姉ちゃん!!
 え〜〜と、此のモッツァレラのマルゲリータを追加で10枚追加っす!!勿論全部30インチで!!
 序に、スバル姉ちゃんにはジンジャエールを追加で10杯!オッちゃんには、ジントニックを追加で10杯っす!!こうなったらトコトンまで行けっスよ!!!!」



「ダンテと張り合う、貴女の姉は何者かしらね、ノーヴェ?」

「知らねぇよ……ドンだけ喰えば気が済むんだよアイツは!アイツとギンガとウェンディのせいで、我が家のエンゲル係数は、笑えねえ状態なんだよなぁ……」


ダンテさんも、楽しんでるみたいだね。


「まぁ、あのオッサンは『人生は楽しまないと損』を地で行くからな。
 っと、飲み物がなくなっちまったな?何か頼むか?」


ん〜〜〜……あ、其処に在るオレンジジュースで良いよ。
誰か口を付けた訳でもないみたいだし、態々頼む必要もないからね?其れを取って貰っても良いかなネロ?


「はいよ。どうぞ、お姫様。」

「うん、ありがとう♪」

ん〜〜〜、オレンジジュースの爽やかな甘みと酸っぱさは最高だね♪氷も入って良く冷えてるから、尚更だよ。


だけど………あれ?何か視界が霞むかな?……妙にくらくらするし……あれ?あれ?……め、目が回るの〜〜〜〜!!―――も、もうダメ………なの。








――――――








Side:ネロ


なのは?おいなのは、如何した!?
オレンジジュースを飲んだ直後から、なのはの様子がおかしくなったが、一体如何したって言うんだよ?……おい、なのは!!確りしろ!!!


「ネ……ロ?」

「大丈夫か、なのは?」

「ネロ……大好き……」


――ギュム


ってーーー!!何で抱き付いてんだなのは!?
つーか、当たってる!!滅茶苦茶当たってるから、物凄く柔らかいのが!!いや、役得かも知れねぇけど、流石に公衆の面前では恥ずかしいつーかなんつーか…

行き成り如何したんだよなのは!?………って、酒臭い!?

なんで……飲んでない筈なのに……ってまさか、さっきのオレンジジュースか!?
只のオレンジジュースだと思ってたが、若しかして、其れってカクテルだったのか!?……其れでも一杯で酔っぱらうなんてドンだけ、弱いんだよなのはは………


「此れは、オレンジジュースにウォッカ混ぜた『スクリュー・ドライバー』やな。
 口当たりが良い代わりに、アルコール度数はカクテルの中でもトップクラスやから、たった一杯でなのはちゃんが潰れても、不思議はないで………」


誰だよ、そんな危険物頼んだのは!!
いや、間違えてなのはに呑ませちまった俺が言うのも何だけどよぉ………こりゃ、起きそうにはねぇな……隊員寮まで連れて行くしかねぇみたいだな?

つー事で、お先に失礼させて貰うぜ?
もうちっと、楽しみたい所だが、なのはをこのままにする訳には行かないんでね?悪いが、先に上がらせて貰うぜ?別に構わないだろ?


「寧ろかめへんよ。
 なのはちゃんの事宜しくな〜〜、ネロ君。……くれぐれも、送り狼にだけはならんようにな〜〜〜〜?」

「誰が成るか!!」

そんなのは、最低野郎のする事だろ?――そんな事は絶対にしねぇよ。大体、テメェの愛した女に、そんな事が出来る筈ねぇだろ。
なのはが求めるなら兎も角、前後不覚になってる相手に、そんな事が出来る筈がねぇさ……だから、要らん心配しないで、アンタはもっと楽しんどけよ部隊長様よ。


「そうさせて貰うわ〜〜〜……なのはちゃんの事宜しくな〜〜〜♪」

「了解だ。久遠、悪いが付き合ってくれ。お前のご主人様を運ばなきゃならねぇんだ。」

「は〜〜〜い。」


んじゃ、先に失礼するぜ?また明日な。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・



そんな訳で、隊員寮に戻ってきて、なのはの部屋な訳だが……取り敢えず、ベッドに寝せればいいか?流石に着替えさせるわけにも行かないからな?
あとは、テーブルに水とグラスを用意しとくか。目が覚めた時に呑むかもしれないからな。

あとは、風邪をひかない様に毛布を掛けてやれば――


――グイ!!



「のわ!?な、なのは!?」

と思って、毛布を掛けようとしたら、なのはに引きずり込まれた!?しかも抱きしめられてるのか此れは!?……完全に抱き枕状態だよな此れ?
おい久遠、なのはを引き剥がしてくれ!


「く〜〜〜〜〜……」


って、到着した途端、お前も夢の中かよ!?

参ったな……此れじゃ引き剥がす事は出来そうにないし、デビルトリガーの衝撃波で吹き飛ばすなんて言うのは以ての外だ……つまり、俺はなのはに抱き付かれた
ままで居るしかねぇって訳か……まぁ、偶にはこう言うのも良いかもしれないけどな。


「ネロ……大好きだよ……」

「知ってる……てか、俺もお前が大好きだよなのは……愛してる。」


――ちゅ……


まぁ、額にキス位なら良いだろ?


少しばかり気恥ずかしいが、偶にはこんなのも有りかも知れないな……ま、今夜は寝る事が出来ないかもしれないけどな。

だけど、なのはの天使みたいな寝顔を拝めるんだから、其れを考えれば、寝れない事なんて大した事じゃないぜ。


ったく改めて、俺は世界一の幸せ者かも知れねぇな………本気で、そう思うよ。



Good night Nanoha………Sweet Dream.(お休み、なのは………良き夢を。)















 To Be Continued… 




初陣が無事に終わり、無事に親睦会へと。
美姫 「なのはが最後にやっちゃったけれど、充分に楽しめているようね」
だな。だが、相手の方は今この時も着々と策を巡らせているみたいだがな。
美姫 「そうみたいね。レジアスが傀儡と成ってしまったみたいだし」
これから先、戦闘だけじゃなく色々と邪魔が入るかもな。
美姫 「本当にね。一体どうなってしまうのかしら」
次回も楽しみにしてます。
美姫 「待っていますね〜」
ではでは。



▲頂きものの部屋へ

▲SSのトップへ



▲Home          ▲戻る