Side:ネロ


スバル達との模擬戦の最中、ティアナが暴走して、なのはのバインドに捕らえられちまったか……まぁ、仲間をも巻き込んで攻撃なんてのは絶対にやっちゃいけない事
だから、なのはが怒るのも無理はねぇって所なんだが、ティアナの行動は気になるな?

少なくとも、ティアナは仲間を犠牲にしてまで相手を撃破するようなクソッ垂れな考えを持ってる奴じゃなかった筈だ。
其れなのに、今の模擬戦ではスバルを囮にして、挙げ句にはスバルごとなのはをブッ飛ばそうとしやがった――大凡ティアナらしからぬ行動としか、言い様がねぇよ。


「ティアナ……アイツ如何しちまったんだよ!?」


訓練校時代からの付き合いであるノーヴェも困惑してるあたり、マジでティアナが異常な状態なのは間違いねぇんだが……何だってそんな事に――



――ヒィィィィィン………



!!此れは、右腕が反応してる?それも、ティアナに!!
右腕が反応するって言う事は、若しかしてティアナは―――


「ティアナ……少し、頭冷やそうか?」


待てなのは!!今は撃つな!!今は未だ撃っちゃダメだ……ティアナは!!!


「……撃って……撃ってくださいなのはさん!!!此のままだと私は私じゃなくなる……だから、私を撃ってください!!」


ティアナ!?……一瞬と言え自我を取り戻したのか?――だけど、其れでも充分だぜ!!
今ので、なのはにも何がどうなってるかは伝わった筈だからな……ギリギリの土壇場で、自分の意思の強さを見せてくれるとは……マッタク凄い奴だぜティアナはな!














リリカルなのは×Devil May Cry  黒き騎士と白き魔導師 Mission65
『山羊に連なる者〜Goat ring〜』











Side:なのは


「撃ってくださいなのはさん!!」


異常な行動を起こしたティアナをお仕置きする心算で居たんだけど、私が一撃放つ直前にティアナがこんな事を言って来たって言うのは、如何言う事なんだろう……?
若しかして、あの攻撃はティアナの意思じゃなかった?――ティアナは誰かに操られて、あんなことをしたって言う事なのかな?

でもそうだとしたら一体誰がティアナを?
シャマル先生のメディカルチェックにも引っ掛からないなんて、相当なモノの筈なんだけど……其れほどの相手が、ティアナには憑りついてるって言う事なのかな…?

だけど、だからと言って簡単に撃墜する訳には……


「今なら良しだ、撃てなのは!!ティアナは恐らく悪魔に憑りつかれてる!!
 発動が遅いが、俺の右腕が強烈に反応してるんだ――間違いなくティアナの中には悪魔が居る!そいつを、お前の魔力砲撃でティアナの中から追い出せ!!」


ネロ?
悪魔に憑りつかれてるって、其れは流石に笑えないよ!?何時から憑りつかれてたかは分からないけど、六課のメンバーが誰も気付けなかったって事でしょ其れ!?

其れなのに、こんな状況に成っちゃうなんて……!!


「気に病むなよ、ティアナに憑りついてるのが俺の予想通りの相手だとしたら気付けないのは道理なんだ。
 アイツは、一流のエクソシストが悪魔祓いを行って初めて人前に姿を現す悪魔だからな……そいつがティアナに巣食ってたんだとしたら、ギリギリまで分からねぇさ。」

「そうなの?」

「俺の予想が正しければだがな。
 何れにしても、ティアナを助けるにはそいつをティアナから引き剥がすしかねぇからな……憑りついてるクソッ垂れを引き剥がす意味でも、全力でブチかましちまえ!」


ティナアを助ける為にも全力でか……なら、此処はネロの予想を信じてやるべきだね!!
振られたダイスがどんな目を出すかは分からないけど、此処はやらせて貰うよ――クロス・ファイヤーーーーーーーーーー!!!!


――キィィィン……ドゴォォォォォォォォォォオォォォォォン!!!


『ギヤァァァァァァァァァァ!!!……ぐ、まさか教え子を攻撃するとは…!!』


そして、放った一撃はクリーンヒットし、其の瞬間にティアナの背後から何かが現れた。
全体的に白い身体と、山羊の頭が特徴的なその存在………確認するまでも無いと思うけど、アレって悪魔だよねネロ?


「確認するまでも無く悪魔だぜ、なのは。
 アイツはゴートリング――直接的な戦闘力は其れほど高くないが、人の心を惑わし、そして操るって言う何とも胸糞の悪い中級レベルの悪魔だ…最悪だぜマッタク。」


人の心を!!――成程、其れでティアナの心を乱したって言う事なんだね。


「間違いなくな。」

「付け加えるならば、奴は人間の僅かな心の隙、心の闇に入り込み、そして其れを増大させて自らの力とする。
 あの小娘に、どんな隙や闇が有ったかは知らんが、其れに付け入ったのだろうな……フン、雑魚に相応しいせせこましいやり方だ。」


バージルさん?あ、エアトリックで来たんだ……やっぱり瞬間移動って便利だよね。
じゃなくて、つまりアイツは、ゴートリングはティアナの心を利用したって言う事……人は、誰しも心の弱い部分は持ってるのかも知れないけど、其れを利用した事は、絶
対に許す事が出来い――って言うか、其れを許せるほど私はお人好しじゃない!!


『ならば如何する?』

「徹底的に叩く!!」

「其れには私も参加させて貰うわよなのは。ティアの心を良いように利用したコイツは、全身ハチの巣にしてやるわ。」


レディさん!……うん、一緒にやっちゃいましょう!!


『2人で来るか……だが、此の娘の心の闇のおかげで、私の力は本来の物よりも大きく増幅され、今や上級悪魔にも匹敵するほどだ。小娘2人に負けはせん。
 ……そうだ、序に良い機会だ、此の娘の心の闇とも戦って貰おうか?』


相当に自信があるみたいだね……って言うか、ティアナの心の闇と戦うって一体如何言う事?


『クハハハハハハ……精々驚くが良い、己の教え子の中に蠢いていた闇と言うモノにな。』


――ズズズズズズズズズズズズズズズズズ……


な、何?
ティアナから黒い物が噴き出して、其れが人の形になって行く……体格は、ティアナよりも全然大きいし、体付きは紛れもなく男性の物……此れがティアナの中の闇?


『キシャァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!』


そして現れたのは、頭部が不気味な赤いマスクで覆われた、不気味で得体の知れない存在が現れた。
あんな不気味な物が、ティアナの心の闇だって言うのが信じられないんだけど、それ以上にアレから感じるのは、紛れもない『悪魔』の気配なのは如何してなの!?


『ククク……コイツは『ドレカヴァク』と言う悪魔でな、本来は勝利のみを目的としていた剣術家が、自身の悪意によって変異した悪魔だ。
 が、コイツは実は力を求める意思と、人の心の闇が融合する事でも、本体である人間から切り離された状態で現れる事がある――其れを外的に行ったのだよ。』


人の悪意が変異、或は力を求める意思と心の闇が融合して生まれる悪魔……ティアナの心の闇と、『強くなりたい』って言う思いを融合させて生まれた悪魔なんだね?
だったら、其れも砕くだけの事だよ!!


『威勢がいいな……だが、私の力も増したしドレカヴァクを生み出した今、この小娘はもう用済みだな?……フン!』


なっ!!!利用するだけ利用して投げ捨てるなんて!!
今のティアナは気を失ってる……あの高さから落ちたら大怪我じゃ済まないよ!!!


「おぉっと、将来有望なお嬢ちゃんを手荒に扱うってのは良くないぜ?
 女の子には、もっと優しく接するもんだって事を教えてくんなかったのかよ、アンタのママは?」

「ダンテさん!」

ティアナをキャッチしてくれたんだ。ありがとうございます!!


「当然の事をしたまでだぜ、なのは嬢ちゃん。この嬢ちゃんは、フェイト嬢ちゃんにでもミス・シャマルの所に連れてってもらうから安心しな。
 序に、そっちの赤頭は俺と坊主が引き受ける――アンタとレディは、そのマナーの成ってない山羊野郎に、キッチリとマナー違反の手痛いお仕置きをしてやんな!」

「勝手に決めんなよオッサン……まぁ、俺もアイツの相手をする心算ではいたけど――アンタは如何する、バージル?」

「お前とダンテ、なのはとレディが出張るのならば、俺が出る必要もなかろう?
 ゴートリングが増援を呼んだ時に備えて待機しておこう、今回はな――増援が現れたその時は、纏めて斬り捨ててやるがな。」


その時は、お願いしますねバージルさん。
其れとネロも、ダンテさんとのタッグとは言え、くれぐれも油断しないでね?――あの悪魔、ドレカヴァクはその辺の悪魔とは、比べ物に成らない相手だと思うから。


「分かってるよなのは。そっちこそ気を付けろよ?
 人の心の闇のエネルギーを吸収したゴートリングは、魔界の更に深い場所に住んでる同系統の上位種を、遥かに上回る力を身に付けているからな。」

「大丈夫だよネロ。人の心を食い物にするような外道に負けるほど、私もレディさんも弱くはないから!」

「知ってる。……んじゃまぁ、クソッ垂れ共をチャッチャと処理するとするか!!――参考までに、クリア目標タイムは?」

「取り敢えず10分で。」

「10分か……Ha More than enough!(楽勝だな!)」


なら行こうか?……ティアナの心を利用した悪魔と、ティアナの思いと心の闇が融合して生まれた悪魔を撃滅するミッションのスタートだよ!!








――――――








Side:ネロ



「此処からのライブはR指定なんだが、付いて来れるか坊主?」

「ハッ、確認する必要があるのか?アンタの方こそ、置いてけぼり喰らうなよなオッサン!」

「Ha-ha!良いね、最高のノリだぜ!!そう来なくっちゃ楽しくねぇってもんだ!!なら、最高にイカレタ最高に楽しいライブを、ギャラリーに見せてやろうぜ坊主!!」


異論はねぇよオッサン……来るぜ!!!


『キシャァァァァァァァァァァァァァァァアァァ!!!!』


赤いマスクと漆黒の身体……大凡ティアナから生まれたとは思えない外見だが、此れがティアナの心の闇だってんなら、コイツは絶対にぶっ殺してやらないとだよな。
中途半端にボコった挙句に、ティアナの中に戻られたら、其れこそ笑えねぇ事に成っちまうだろうし。

まぁ、俺と若りしころのオッサンが組んでる以上、テメェの負けは始まる前から決まってる事なんだけどな!!!

Be gone!!(消えろ!!)

ハァァァァァァ!!


ドレカヴァクの動きは確かに鋭く、攻撃も的確で、相手にしたら厄介なのは間違いないだろうが、其れはあくまでも1vs1のタイマン勝負に限っての事だ。
相手が複数になった場合には、ドレカヴァクの剣は一切意味を成さない……必殺の一撃を放つ事が出来なくなるんだからな。


『キィィィィィィ!!!』


続いて瞬間移動に関しても同じだ。
確かに目の前から突如消えられると面倒なんだが、生憎とお前が瞬間移動したところで、何処に現れるかは俺の右腕が教えてくれるから、其れも大して意味がねぇ!
オラァ、打っ飛べ!!!!


『キョアァァァァァァァァァァァァァァアァ!!!』


唯一、厄介なのはスピードだが――頼むぜオッサン!!


「任せな坊主!!……さて、本物はドレか分かるかな?」


――バババババババババババババババババババババババ!!!


……頼んだ手前で言うのも何だが、エアトリックで近付いて、其処からアフターイメージで自分の分身を大量に作り出しての分身の術は、少しやり過ぎじゃねぇかのか?
マスクで読めないが、ドレカヴァクは間違いなく相当に困惑して混乱してると思うぞ俺は?


「其れで何か問題があるか坊主?」

「いや、マッタクねぇけどな?」

「ならOKだ……ティアナ嬢ちゃんの闇を、今此処で砕いてやろうぜ!!異論はあるか坊主?」


あると思ってんのかよオッサン?
ティアナは俺達の仲間だぜ?……その仲間の心に巣食った闇をブッ飛ばすのは、仲間の役目だ――其れを教えてくれたのは、未来のアンタなんだぜオッサン?

だから此処は、全力でアイツをぶちのめす!!


「なら行くぜ坊主!!……Are You Ready?(準備は出来てるか?)

You're going down……!(死にたいらしいな……!)


――バシュ!!ザシュ!!ザギザギ、ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドォ!!!!


タイマンでは無類の強さを発揮できるとしても、俺のショウダウンと、オッサンのダンスマカブルが同時に発動したら、対処する事なんて出来る筈がないぜ。
四方八方から迫りくる剣閃と、無数の幻影刀を防ぐなんてのは殆ど不可能に近いからな………大人しくぶっ飛びやがれ、やられ専門の三流三下以下のクズ野郎が!

「Ashes to ashes……!(灰になれ……!)」

「Hoo……特大のホームランだな!!」


全弾的確にブチかましてやったが、其れでもくたばらないとは、中々にしぶといみたいだなアイツは。
だが、満身創痍は間違いないだろ?――ならコイツで終わりにしてやるぜ……準備は良いかオッサン!!トドメなんだから、しくじらないでくれよな?


「準備万端ぬかりはないぜ坊主。
 だが、トドメには決め台詞ってのが必要なのはわかるだろ?……俺の合言葉、分かるか坊主?」

「知ってるよ――未来のアンタから教えて貰ったからな。バッチリ決めようぜダンテ!!」

「OK!行くぜネロ!!」


――バッ!!


「「Jack Pod!!(大当たりだ!!)」」


――バガァァァァァァァァァァァァン!!!


『ガァァァァァァァァァァアッァァァッァァァァァァァ!!……あぁぁ……あ……』


――シュウゥゥゥゥゥン……



消えたか……まぁ、中々の使い手だったが、相手が悪かったな?
俺とオッサンのコンビに勝ちたいなら、世界中の軍隊を集めてきな――其れでも、俺とオッサンのコンビには絶対に勝つ事は出来ないだろうけどな――!!


まぁ、取り敢えずドレカヴァクは制圧したから俺とダンテのミッションはSランククリアで間違いねぇだろうが、なのは達の方はどんな状況なんだろうか?

尤も、なのはとレディのタッグなら不安はねぇな――ぶっちゃけて言うと、レディに対して右腕が反応しなかった事に、本気で驚いちまったからな…終わったな山羊頭。
精々頭冷やされて地獄に帰んな……それがテメェにはお似合いだぜ、クソッ垂れの山羊野郎!








――――――








Side:なのは


うん、ティアナの心の闇からエネルギーを吸収しただけあって、ゴートリングの攻撃は、何れも喰らったら一撃必殺は免れないレベルなんだけど、技の精度が低すぎる。
幾ら破壊力は抜群でも、其れは当たらなかったら意味はないからね?

大体にして、攻撃の直前にターゲットの足元が僅かに光るなんて言うのは、弱点どころかトンでもない欠陥だよゴートリング?……攻撃を事前に知らせてるんだから!

そんな攻撃を喰らう程、私とレディさんは愚鈍じゃないよ!!


『馬鹿な……あの小娘の心の闇のエネルギーを吸収した私が、貴様等の様な小娘に後れを取るとは……あり得ん、此れは何かの間違いだーーー!!!』


間違いじゃないよ、貴方と私達の間には明確な差が有った、其れだけの事なの!

貴方は、ティアナの事を『道具』としてしか見て居なかった。
だけど私にとってティアナは大切な教え子であると同時に、将来有望な六課のフォワードで、レディさんにとっては、ティアナは大事な友達だからね……其れが大きな差
を産んだんだよ!他者を利用するだけの悪魔には分からないかもしれないけどね!!

「此れで終わりにするよ……レイジングハート!!」

『Yes Master.Devil trigger Drive ignition.』

「「I go by full strength!!(本気で行くよ!!)」」


――ドゴォォォォォォォォォォォォォォン!!


『なっ……デビルトリガーだとォォォ!?小娘、貴様一体何者だ!?』



悪魔と天使の混血児『ネフィリム』の末裔にして、その力を誰よりも色濃く受け継いだ存在にして、伝説の魔剣士の孫のパートナー、白き魔導師『高町なのは』だよ!!
そして、私がデビルトリガーを発動した以上、貴方には地獄への片道切符が強制的に配布されたんだよ?……しかもレディさんも居るから、受け取り拒否は不可能!

覚悟は良いねゴートリング……ティアナの心を利用した罪は、その命をもって清算して貰うから!!――先ずは、やっちゃってくださいレディさん!!!


「OK、任せなさい?……私の友達を惑わせ、ティアにとっては辛い記憶である心の闇をつつき、あまつさえそれから悪魔を作り出したアンタは、言うまでも無く死刑ね。
 尤もこの一撃は相当に消費するからあんまり使いたくないんだけど、経費はダンテに請求するわ!


ちょ、其れは流石に理不尽ですよレディさん!!
その手榴弾は自前なんですから、自腹を切って下さいなの……経費の押し付けは良くないですよ?


「大丈夫よ、言ってるだけだから。
 ――序に言うなら、こう言うとダンテがリミットブレイクしてあっと言う間に仕事が終わって楽だからね……最近は、決め台詞として定着しちゃったけどね。」

『グガァァアアッァァアッァァァァァ……人間風情が生意気な!!!』

「加えて決定打を与えたんだから、四の五のは言いっこなしよなのは。
 其れに、此れは好機でしょ?…手加減なしの全力全壊でブッ飛ばしちゃいなさい!弩派手な花火で、戦闘終了を合図してやろうじゃない!…やっちゃえ、なのは!」

「「勿論だよレディさん……手加減なんて必要ないの!!此れで終わりだよゴートリング!!
  All power opening by which this is I!Divine Busterーーーー!!(此れが私の全力全開!!ディバインバスターーーーー!!)」」


――ドゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!!


『ぎやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁあぁぁぁぁぁ!!!!』



此れにて決着です……幾らティアナの闇を吸収して力を増したと言っても、私とレディさんの相手じゃなかったみたいですね。


「そうね。ま、即興のタッグとは言え、私となのはのタッグも中々のコンビネーションだったから、此の結果はある意味で当然でしょ?
 人の心の隙を狙うような、下賤な山羊頭如き、私達の相手じゃないわ――文字通りの完全勝利ってやつよ、なのは!」

「そうですね♪」


――パァァァァン!!


デビルトリガーを解除して、レディさんとハイタッチ!

……ネロやフェイトちゃんとのコンビと違っての即興コンビだったけど、思った以上に噛み合ってたみたいだったから、偶には即興のコンビって言うのも良いかもだね。


『ぐぬぅぅぅ……よもや此処までとは……』


其れでも、ゴートリングはしぶとく生きてるんだから、ある意味で尊敬するよ……生き汚いとも言えるけどね?


『まぁ良い……だが、最後に良い事を教えてやる……あの小娘の心の闇には、貴様も関係しているぞ白き魔導師!!
 何時如何なる時でも、基礎練習を教練に組み込んで基礎固めを図っていた貴様のやり方に、此の娘は疑問を感じて焦りを覚えたのだからな!!
 貴様の方針が、此の娘の闇と隙を強くしたのだ――つまり、今回の事は、全て貴様の教導が引き起こした―――――――』

「るせぇよ雑魚が。負けたくせに偉そうにベラベラ喋ってんじゃねぇ。っつーか、寧ろ死ねクソ野郎。演説は地獄でやってろボケが!!」


――ザウゥゥゥゥ!!!


『ギョアァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!』

「うるせぇって言ってんだろタコ助が!!」


――グシャァァァァァァァァァァ!!


何かしゃべってたゴートリングだったけど、ネロがやって来て其れを完全撃滅!!……喋り過ぎると碌な事にはならないって言うのは、何とも至言だって思うね、うん。


だけど、私の教導がティアナに焦りを産んだって…如何言う事?私のやり方は間違っていたのかな?
私みたいな事になって欲しくなくて、基礎を重視して居たんだけど、其れはティアナには伝わらなかったって、そう言う事なの?……だとしたら私の此れまでの教導は…


「伝わってないとは思わないけど、其れが具体的に理解できてないんじゃないかしら?
 こう言ったらなんだけど、なのははティア達に如何してあれほどしつこく基礎訓練を積み重ねるのかを言った事は無いわよね?……それじゃ伝わらないんじゃない?」

「!!!」

其れは、確かにそうかも知れませんね。


あんまり気持ちの良い事じゃないし、私自身話したくない事だから言わなかったけど、如何して私が基礎を重視していたのか、其れを話した方が良いかもしれないね。

私がそう考えるに至った8年前のあの日の事を……そして、私の身体に残った、一生消える事のない傷痕の事を……皆に話す時が来たって事なのかな。


事件の事は兎も角、傷の事は、はやてちゃんやフェイトちゃんから彼是言われる事を覚悟しておいた方が良いかもしれないの。まぁ、此れはある意味自業自得だけど。


だけど、それで私の教導の真意を伝える事が出来るなら、寧ろ御釣りがくるくらいの安い代償だよ――













 To Be Continued… 





ティアナを操っていた物が姿を見せたか。
美姫 「力を付けた事で勝てると思ったんでしょうけrどね」
単純に相手が悪かったか。
美姫 「そうね。なのはたちによって滅ぼされてしまったわね」
最後に放った言葉でなのはを動揺させたけれど。
美姫 「それもレディのフォローで問題ないみたいだしね」
気付いたなのはが何かを伝えようとする。
美姫 「それはまた次回ね」
次回も待っています。
美姫 「待っていますね〜」



▲頂きものの部屋へ

▲SSのトップへ



▲Home          ▲戻る