食事が終わった後、寮生達は食事が終わった後、寮生は何とはなしに居間に集まっていた。時計が10時を指す。

 

「そういえば、相手はリスティさんみたいにテレポートとかできるんですよね?いきなり寮の中にテレポートを仕掛けてくる事ってないんですか?」

 

舞が緊張した面持ちで耕介に尋ねた。それに対し耕介は優しく微笑みかけて答える。

 

「ああ、大丈夫、今、寮の周りの結界をONにしてるから。」

 

「お父さん、そんなもの貼ってたの?」

 

耕介の答えにアリサが問いかける。ちなみにお父さんというのは無論この場合耕介のことである。一度、抱きしめられた時、アリサが耕介のことを『管理人さんってあったかくてお父さんって感じ。』『そう?じゃあ、俺でよかったらお父さんになってあげようか?』というやり取りを交わして以来、彼女は耕介のことをこう呼び、よく一緒に寝たりお風呂に入ったりしている(爆)(あくまでそれだけです。)。これに関して養子縁組をしてほんとの親子になるという話もでたのだが、『ほんとの親子になっちゃったら将来GETできなくなっちゃうから♪』という理由でそれはやめている。ちなみに耕介は知佳と婚約し、他に8人深い関係の女性がいて、さらに数人から好意を寄せられているが一応まだ独身であった。後、アリサは恭也にも目をつけていたりしてどこまで本気なのかはわからない。

 

「ああ、この建物自体とその周囲にね。周囲に張ってるのはただ単に悪意を持つもの侵入を告げるだけのものだけど、この建物に貼ってあるのは、寮生以外に反応するかなり強力なもので、空間転移系にも対応できるようになってる。こっちの方は危ないから普段は停止状態にしてあるんだけどね。」

 

「ええ、確かにありました。なかなか巧妙に貼られていたようです。昼間に見せていただいたあなた達の気配感知能力まで含めれば奇襲は高確率で防げるでしょう。」

 

この寮に来る途中でそれを見つけたシオンが評価する。優秀な錬金術師である彼女だからこそ気づいたもののその2種の結界は葉弓にも手伝ってもらった高精度な物で、うまく秘匿もされていた。だが、外側の結界の対象条件、悪意に反応というのはその具体的な条件設定が難しくそれを相手に見破られる事で簡単に透過されてしまうのである。だが、内側の結界はその限定条件が厳しく、それを解除するにしても強引に破るにしてもこの場にいる者たちに気づかれずに行うのは魔法使いでもない限り不可能だろう。

 

「そうなんですか。」

 

その言葉に舞がほっとする。その時、何人かが反応した。

 

「どうやら、来たみたいだ。こっちに気配を隠すつもりはないみたいだね。」

 

外側の結界の内側に空間転移してきた敵。その気配を感じ取ったもの達が素早く戦闘態勢を整え耕介、恭也、久遠、シオンの順に庭にでる。

 

「アルクェイドを頼みます。」

 

そう付け加えて志貴が最後に外にでる。そして、10数秒の時間の後、何もない空間からアルフレッドが6体の鬼をひきつれてそこに現れた。

 

「御機嫌よう。」

 

にやついた意味でいやみたらしくそういうアルフレッド。それを無視して皆はその場の気配を探る。

 

「アルフレッド、お前を殺す。」

 

その時、志貴が発した冷たい声。それを殺人貴としての彼を始めてみる耕介と恭也が驚く。アルクェイドを傷つけられた事で彼のアルフレッドに対する殺意は大きく高まっていた。

 

「さあ、それはできますでしょうか。」

 

アルフレッドがそう答えた瞬間、虚空から無数の刃が飛んでくる。それを予想していた5人はそれをすぐさま破壊する。

 

「「!?」」

 

驚愕する志貴とシオン。その奇襲を予想していた訳ではない。位置までは特定できていなかったが、志貴は目の前の相手以外に気配を感じていたし、シオンは目の前の相手の戦力が少なすぎる事から伏兵か罠、あるいはその両方が高確率で存在する事を予測していた。驚いたのは奇襲があったことでなく、それを為した相手。

 

「シエル先輩!?」

 

志貴が叫ぶ。そこには彼が良く知る女性の姿があった。

 

「ふふ、彼女は術で忠実な操り人形になっていただいています。そうそう、可哀想ですんで、意識だけは残しておいてあげてますよ。昔を蛇に体を奪われていたころを思い出せて案外楽しんでいらっしゃるかもしれませね。」

 

アルフレッドのその言葉に志貴の眼がさらに蒼くなり、その殺意がさらに高まった。それは、味方であるはずの耕介たちですら死の危険を感じるほど。

 

「・・・・・・・・・耕介さん、先輩は俺が相手をします。他をお願いします。」

 

だが、志貴はアルフレッドを殺すことよりもシエルを救う事を選んだ。その役目を耕介たちに託し、シエルのみに意識を集中する。

 

「・・・・・何か彼女を取り戻す手があるのかい?」

 

耕介の問いに志貴が無言で頷く。それを見て耕介は彼を信じることにした。

 

「そう言う訳で、お前の相手は俺たちがする。」

 

「ただで済むと思うな。」

 

そう言ってアルフレッドに殺意を放つ耕介と恭也。彼らはシエルの過去など知らない。だが、しかし、彼女を操るのみならず、絶対に許せない事をしたのは志貴をみればよくわかる。だが、アルフレッドはその殺気を流して言った。

 

「流石に私とこの鬼だけであなたたちの相手をするのは苦しいですからね。ここは、私の協力者の方に出てきていた出しましょう。」

 

アルフレッドがその言葉を発した次の瞬間、圧倒的なプレッシャーを放つ存在がアルフレッドの後方から現れた。全身黒ずくめな、あまりに圧倒的な力を放ち、そしてぞっとするほど美しい男。

 

「耕介、恭也・・・・・・久遠、怖い。」

 

久遠が、怯えの言葉を発する。他の皆はそのプレッシャーに声もでない。そして、男は呪文を唱え始める。

 

「!!」

 

耕介たちがそれに気づいたその時、男は既に膨大な魔力を放っていた。

 

 


(後書き)

ちょっと更新に間が開いてしまいました。黒の月と白の月は後、ラスト3話で一部完です。一部では3主人公のなかで耕介に主眼を置いてきましたが二部では恭也に中心が移る予定です。最終的には4部まで続く予定ですが2部、3部はそれほど長くないです。できれば最後までお付き合いお願いします。

(後書き座談会は今回も休みです。)

    


最後に出てきた男は一体……。
美姫 「後3話で一部も終わるらしいから、次回にでも分かるんじゃないかしら」
まあ、それもそうだな。
それじゃあ、次回を大人しく待つとしようかの。カクさんや。ふぉっほっほっほ。
美姫 「誰がカクさんよ!」
うげっ!こ、これぐらい笑って許せよ……。
美姫 「嫌よ。それじゃあ、次回を待ってますね〜」
シクシク。



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