第94話「幻想郷に降り立った白い悪魔」






 魔理沙は、湖に浮かんでいる。
 すずかのループによる無限地獄によって……。
「お嬢様!」
「咲夜、勝負はついたわ」
 勝負がついたようだ。
「魔理沙と霊夢は、どうしますか?」
「一応、助けてあげなさい」
「私が助ける必要はないようです」
 湖に落ちた魔理沙は、なのは達によって助け出されていた。
 そして、魔理沙は紅蓮のバインドが掛けられている。
「咲夜、予定外で遅くなったけど、夕餉の用意をお願い」
「畏まりました」
 夕餉の支度をする為に咲夜の姿が消えた。
「勝負も付いたし、入るわよ」

 魔理沙によって墜落した霊夢は、アリシアによって捕縛されていた。
 捕縛した霊夢は、アリシアによってバインドされている。


 バインドされた霊夢と魔理沙は、再びレミィの前に転がされている。
「霊夢、魔理沙。約束通り私の奴隷になってもらうわよ」
 奴隷になれと言うレミィ。
「そんな約束していないぜ」
 約束したのにしていないと言う魔理沙。
 都合の悪いことは、無かったことにしたいらしい。
「そうよ」
 霊夢も追従する。
「何を言っても無駄よ。これは、決定事項だから」
 決定事項と言うレミィ。
「そんなの関係ないぜ」
「霊夢、契約を反故にするの? 反故にするなら異変の時に結んだ契約を破棄するわよ」
 契約を破棄すると言いだすレミィ。
「其れよりも効果的な方法もあるわよ」
 効果的な方法……。
「霊夢、魔理沙。自分から私の奴隷になるのと命じられてなるのとどっちがいい?」
「どっちも嫌だぜ」
 両方拒否する魔理沙。
「そう。じゃあ、わたしが選んであげるわ」
 選ばない魔理沙と霊夢に変わって選ぶと言うレミィ。
 すずかから話を聞いているレミィが選ぶのは……。
「すずか、魔理沙と霊夢に命令して」
 すずかは、頷く。
魔理沙と霊夢は、レミリアの奴隷になる
 すずかの口撃。
 すずかの統一言語に逆らえるはずも無い。
 あっけなくレミィの奴隷になってしまう魔理沙と霊夢。


「私の命令をききなさい!! 霊夢、魔理沙」
 命じるレミリア。
「はい、レミリアさま……」
 本人の意思とは関係なく服従させられる。
 そして、メイド服を着せられている。
「貴女達が壊した紅魔館は、貴女達の手で直してもらうわよ」
 魔理沙と霊夢に命じるレミィ。
「当然だけど、石は山から切り出して来てね」
「嫌だぜ」
「奴隷の分際で、私に逆らうの?」
 レミィは、絶対命令権を見せる。
「それは、なんだ?」
「違うでしょ。『それは、なんですか? ご主人様!!』と言いなさい。魔理沙……」
「それは、なんですか? ご主人様」
「之は、絶対命令権よ。霊夢と魔理沙にだけ有効な」


 その夜……。
「うち等もスペルカード欲しいな」
 スペルカードが欲しいと言うはやて。
「其れならわたしも……」
「私も……」
「もし持つことが出来るとしたら、なのはちゃんは、スターライトやろ!?」
 図星を突かれるなのは。
「幾ら私が砲撃魔導師でも、そこまでは……」
「なのはちゃんのスターライトをスペルカードしたら、星魔砲『スターライトブレイカー』やな」
「なんで魔砲なの!? 何で……」
 魔砲と呼ばれたことに不満があるなのは。
「私が魔砲ならすずかちゃんは如何なの!? すずかちゃんの方が魔砲だよ」
 すずかの方が魔砲と言うなのは。
「確かに……」
「すずかのアレは、魔砲と呼べるレベルじゃないもんね」
 すずかの魔法は、魔砲と呼べるものではない。
「そう?」
「アルテミスブレイカーさえ魔砲レベルじゃないし」
 アルテミスブレーカーさえ魔砲レベルを超えているらしい。
 魔法のスペルカード化を画策するなのは達。

「貴女達、スペルカードが作りたいの?」
 談義をしている所にレミリアがやって来る。
「ほしいと言えばほしいな」
「スペルカードの作り方、教えてあげてもいいわよ」
「ほんまか!?」
「本当よ。条件付だけど……」
 条件付だと言うレミィ。
「その条件ってなに!?」
 レミィに聞くアリサ。
「私の奴隷と弾幕ごっこをしてくれる?」
「貴女の奴隷!? 良いけど、誰が戦えばいいの?」
「対戦相手は、私が指名するわ」
 レミィが対戦相手を指名するようだ。
「じゃあ、誰が戦うかわからないのね」
「えぇ」
 まだ、誰が戦うかわからない。
「それじゃ、スペルカード作りなの!!」



 スペルカード作成中



「なのは、出来た!?」
「うん」
 なのはは、スペルカードが出来た様だ。
「なのはの事だからスターライトでしょ」
「うん!!」
 なのはは、スターライトブレイカーをスペルカード化したようだ。
「はやてちゃんは!?」
「うちは、ラグナッロクや」
 はやては、ラグナロックのようだ。
「フェイトちゃん、アリシアちゃん、アリサちゃんは、どうなんや?」
「私のは、火力ないよ」
「火力、ないんか?」
「火力のかわりに密度かな?」
 フェイトは、火力のかわりに密度のようだ。
「アリシアちゃんは?」
「まだ、出来ていないよ」
「アリサちゃんは?」
「アリサの性格からして、炎系よね」
「当然でしょ。私のスペルカードは、炎系よ」
 アリサのスペルカードは、炎系だ。
「じゃあ、ブレイカーも?」
「当然でしょ。スペルカードぐらいブレイカー造るわ」
 アリサもブレイカーを造ったようだ。
「なのはとすずかだけブレイカーが使えるんじゃ腹が立つわ」
「このカードで模擬戦する!?」
 戦闘狂のなのは。
「えぇなぁ。けど、すずかちゃんの参戦は禁止や!!」
「それは、同感」
 はやてに同意するアリサ。
「スペルカードでもすずかが相手だと瞬殺は間違いない」
「それに、反則カードもあるからな」
 反則カード……。
 それは、すずかカードである。
「さっきの戦闘でも反則見せ付けてくれたし」
 ループタイムを使った無間地獄直行コンボだ。
 そのコンボによって魔理沙は、無間地獄へご招待されたのだった。
「ふっふっふっ」
 なのはが、不気味に笑う。
「早く之で、O・HA・NA・SHしたいよ」
 なのはの病気が発症しそうだ。
「なのはちゃんのO・HA・NA・SHしたい病発症や」
「私、病気じゃないもん!!」
 反発するなのは。
「顔は、正直やで? なのはちゃん」
「顔にも出ていないよ」
「なのは、顔に出ているよ」
「フェイトちゃんも……。顔に出ていないってば!!」
 だが、なのはの顔には、O・HA・NA・SHしたいと出ている。
「だから、出ていないってばぁ!!」
 だが、顔には出ている。
「なのはって、顔に出るんだから」
「顔に出ていないって」
 否定するなのは。
 だが、顔は正直だった。



 其のころ、月村城では……。
「何時になったら私は、解放されるのですか!!」
 カレー星人は、未だに働かされていた。
 カレー星人ことシエルは、掃除をしている。
「真祖は、魔導元帥と戻ったのに、私だけ残留……」
 シエルは、取り残されたようだ。
「元の世界に戻ったら串刺しにして差し上げます」
 そう言って黒鍵を投擲した。
 投擲された黒鍵は、月村家の高価な調度品に命中した。


 グワッシャン!!


 盛大な音を立てて割れた。
 其の音を聞きつけて掛けてつけてくる住人。
「また、壊したのですか?」
 シエルに言うグリューエル。
「また?」
 シエルは、自分が壊したものを見る。
「其の壷、5000万するそうですよ」
「5000万!?」
「今壊した壷の代金も加算しますと、カレー星人さんの借金は、10億5000万になりますわ」
「今のもカウントするんですか?」
「当然です。すずかさんから任されています」
「じゃあ、私の借金は……」
「返済完了までの期間が延びますわね」
 シエルは、既に数十年奉仕で借金を返済することになっていた。
 暴れて壊した物の額が額だから仕方ない。
「では……」
「がんばって、また返済してくださいね♪」
「私の給金は……」
「当然、減額ですわね。早く返済しようと思えば、更に減額ですわ」
「減額……。じゃあ、カレーは……」
「食べれませんわね。お給金も減るわけですから……」
 シエルの給金は、減るようだ。
「まだ、カレー禁止令は解除されていませんわよ」

 シエルに言葉の刃が突き刺さる。
 シエルは、ダメージを受けた。
 シエルは、死んでしまった。


 そして、ミッドチルダでは……。
「連続魔導師襲撃、殺人事件の犯人だと認めるか!?」
「私たちは、やっていないわよ」
 犯行を否定する凛。
「だが、量販店に侵入して盗んだのは卿達であろう?」
「盗んでなんかいないわよ」
 知らないふりをしようとする凛。
「惚けるのもいい加減にしろ!!」
 怒鳴るラインハルト。
「キルヒアイス!!」
「はい」
「奴らに決定的な証拠を見せてやれ!!」
「了解しました。ラインハルトさま」
 決定的な証拠を見せるキルヒアイス。
「何なのよ!! これ」
「証拠が残っていないと思ったか!? 之は、監視カメラがとらえた犯行の決定的瞬間だ」
 決定的な証拠を見せつけられる。
「卿等は、裁判で犯した罪に相応しい刑に服することになるだろう」
 凛たちの罪は、相当な物だ。
 ロイエンタールの罪も上乗せされているからだ。
「卿等は、脱獄もしている。減刑はないものと覚悟せよ」
 脱獄の罪も上乗せされるようだ。
「脱獄せず、大人しくしておれば、数多の罪が上乗せされずに済んだものを……」
「ラインハルト様のお力をもってしても数百年の封印刑は免れません」
 ラインハルトでも限界があるようだ。
「ロイエンタールの減刑に可也無理をなさいましたから」
「こいつらは、減刑する価値などない」
「私とヤン・ウェンリーの二人でも大した減刑は出来ません。やはり、ラインハルト様でなければ……」
「ヤンよ、少しは働け!!」
「私の言う事を地上の上が聞くと思いますか?」
「キルヒアイス!! 司法取引でどれくらい減刑できるか!?」
「普通の取引でも数百年の封印刑です」
「どのくらいの減刑か?」
「数年が限度です」
「なら、キルヒアイスとヤンが申請した場合はどうだ!?」
 直ぐに計算するキルヒアイス。
「10年ぐらいしか減刑できません」
「ならば、他に力がある者は居ないのか!?」
「居ないわけではありません」
「どういう事だ!?」
「彼女たちに負債を背負わせてもよいのか……」
「彼女たち?」
「『65年マフィア』です。ローエングラム公」
「『65年マフィア』!? あの小娘たちか……」
「他の人たちでは、大きな減刑は無理でしょう」
「『65年マフィア』の名前をつかったらどれ位出来るか?」
「『65年マフィア』ですか?」
「そうだ!!」
「一寸お待ちください」
 空間モニターのキーボードを叩くキルヒアイス。
「あれ!? 一人を除いて極秘任務中になっています」
「その一人は、誰だ?」
「弓塚さつき・ブリュンスタッドです」
「取りあえず、その弓塚の点数を使うとするか」
 さつきの点数を使おうと言うラインハルト。
「勝手に使っても宜しいのですか?」
「構わん!! どうせ直ぐに稼ぐだろう」
 関係ないと言うラインハルト。
「なら、コネを使う練習と言って命令すれば如何ですか?」
「コネを使う練習か……。よし。早速命令しろ!!」
「かしこまりました」
 命令を実行するキルヒアイス。
 だが、ラインハルトもキルヒアイスもさつきが聖王教会と関係があるのを知らない。
 聖王教会との間に強力なコネがあるのを……。


 そして、命令を受けたさつきは……。
「何で、私がコネを使う練習しないといけないの!!」
 直属の上司でもないヒトからの命令……。
「誰に頼もうか……」
 事を相談する相手を考える。
「私、知り合いとか少ないし……。教会関係は多いけど……」
 そう教会関係である。
「今からでもカリムさんに逢えるかな?」
 そう言うさつき。
 カリムに相談しようと考えるさつき。
 聖王教会へと転移するさつき。


「何者だ!! ここは聖王教会本部と知っての事か」
 警備の騎士がさつきに言う。
 だが、さつきは止まらない。
「止まれっと言うのが聞こえなかったのか!?」
 騎士は、さつきに命令する。
「如何した!?」
 騒ぎをききつけた騎士たちが駆け付けて来る。
「この人が、許可も得ずに敷地内に入ろうとしまして……」
「なに!? 侵入者だと」
「はい」
「侵入者よ聖王教会の名において成敗してやる」
「何の騒ぎだ!?」
「あっ、シグナムさん。こちらの方が……」
「弓塚、何しに来た!?」
「シグナムさん、お知り合いなんですか?」
「あぁ、知り合いだ。お前たちもあった事あるだろう?」
 騎士聞くシグナム。
「騎士カリムのご友人の一人だ」
 シグナムの言葉を聞いて姿勢を正す騎士達。
「失礼しました!!」
 騎士としての礼をとる。
「シグナムさん、なんで此処にいるんですか?」
「シスターシャッハに手合わせを頼まれてな」
 シグナムは、シャッハと手合わせをしていたらしい。
「シャッハさんも戦闘狂ですからね」
「そのシスターシャッハからの伝言だ!!」
「伝言ですか?」
「今度、手合わせをしようとのことだ」
「あはははっ。シグナムさんも戦闘狂なんだから」
「それを言うか? お前を含む『65年マフィア』も戦闘狂だろう!?」
「そ、それは……」
「隠す必要はないだろう?」
「それは、そうですけど……。今日は、急用でカリムさんに相談があるんです」
「そうか。だったら相談してくるといい」
「はい」
 さつきは、教会の中に消えていった。

「騎士シグナム! 今の人は……」
「弓塚さつき・ブリュンスタッド……。最凶のベルカの騎士の一人だ」



「騎士カリム! 騎士さつきが緊急のようでお見えです」
「シャッハ、案内して」
 さつきを出迎えにいくシャッハ。
 シャッハに伴われてやってくるさつき。
「騎士カリム、騎士さつきをお連れしました」
「シャッハ、お茶を用意して」
「はい」
 お茶の用意をしにいくシャッハ。
「さつき、久しぶりね」
「はい。カリムもお久しぶり」
 簡単に挨拶を交わす二人。
「今日は、どういった用でこちらに?」


 さつき説明中……


「そう」
「それで、カリムに頼めるかなぁ〜と思ったんだけど……」
「その人達、どのくらいの刑になりそうなの?」
「少なくても数百年の刑になりそうなの」


 さつき罪状説明中……



「どれだけ暴れたの!? その人達」
「逮捕したの、はやてちゃんだし……」
「はやてが?」
「はい」
「じゃあ、明日、その人達と面会できる?」
「出来ると思いますよ」
「そう。それで、はやてとすずかは? 今日は、一緒じゃないの?」
「すずかちゃんたちは、極秘任務中なんです」
「今度、はやてやすずかも集まってお茶会をしたいわね」
「はい♪」
「明日、貴女達が逮捕された三人が居る施設に行くから」
「護衛は!?」
「シャッハに頼むわ」



 そして、数日後……。
 〜幻想郷〜

「それじゃ、約束通り貴女達には魔理沙たちと弾幕ごっこをしてもらうわ」
 場を仕切るレミィ。
 噂を聞いた妖怪たちが集まってきている。
「魔理沙と霊夢の公開処刑をするらしいぜ」
 妖怪たちは、処刑を待っている。
 そして、ここに居る妖怪たちは目撃することになる。
 『白い悪魔』の降臨を……。


 次回予告

 フェイト「始まった公開処刑」
 はやて「観衆のボルテージは最高潮」
 アリサ「最高潮のボルテージの中始まる公開処刑」
 なのは「星砕魔砲『スターライトブレイカー』」





 フェイト「次回『魔法少女リリカルなのは〜吸血姫が奏でる物語〜』第95話『恐怖!? 白い悪魔降臨』」



霊夢と魔理沙の奴隷化が決定してしまったな。
美姫 「しかも、自分の意志じゃないから逆らえない状態よね」
早速という訳ではないけど、なのはと弾幕ごっことは。
美姫 「一体どうなるのかしら」
それではこの辺で。
美姫 「それじゃ〜ね〜」



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