設定は、とらはの方はAllエンドで恭也は誰とも付き合っていません。
With Youの方は、乃絵美は拓也に振られています。

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とらいあんぐるハート3×With You(伊藤 乃絵美)

ずっと二人で・・・

第ニ章 かわっていく、想い 第ニ話
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9月1日早朝
氷川神社の境内。
朝の鍛錬を終えて、汗を拭きながら、恭也が一人、めずらしく愚痴っている。

「ふむ。やはり、一人の鍛錬は出来る事が限られてくるな・・・・・」
「やはり、強引に赤星を巻き添えにするべきだったかな・・・・」

などと、赤星が聞いていれば、涙を流しながら、「勘弁してくれ」と言うであろう事をさらりと言ってのける。

「なんなら、今からでも、遅くないか。ティオレさんに頼んで、連れて来てもらうか・・・」
「あいつは、卒業が決まっているからな。ちょっとくらい、羽目を外してもかまわないだろう・・・」
「赤星が逃げないように藤代さんにも付いて来てもらうか・・・」

などと、父・士郎並みに横暴なことをしようかと考えていると、そこに携帯がなる。
番号を見ると、美由希からだ。

ピッ。

「恭ちゃん?」

「美由希か。お前は朝の挨拶も出来ないのか?」

「おはよう。恭ちゃん」

「おはよう。馬鹿弟子。何か、用か?」

「って、そんなことはどうでもいいから。今、どこにいるの?」

「む、どうでもいいことなのか?挨拶は大切だぞ。どこって、神社だが」

「どこの?」

「どこのだろうねぇ・・・・・?クククククク」

と、恭也が不気味に笑っている。
美由希はその恭也の笑いにちょっとだけ引いてしまった。

「母さんはなんて言っているんだ?」

「まだ、聞いていない。母さんが素直に教えてくれると思うの?恭ちゃん」

恭也は盛大なため息をつきつつ、美由希に言う。

「・……………馬鹿弟子。まずは母さんに聞くのが筋だろ。教えてくれなくてもな・・・・」

「恭ちゃん、ひどいよ。さっきから、馬鹿弟子、馬鹿弟子って」

「馬鹿弟子に馬鹿弟子と言って、何が悪い?馬・鹿・弟・子」

「馬鹿って言うほうが馬鹿なんだよ」

「子供か?まぁ、いい。で、何用だ?」

「いじめっ子だ。いじめっ子がいる。なのはに言ってやるぅ・・・・」

「何用かと聞いている。何も用がないなら、切るぞ」

「わっ。待って。今日から学校始まるけど、どこにいるのかなと思って・・・・」

「母さんに聞けば、いいだろう」

「わかったよ。そういえば、恭ちゃんの部屋に桃子かあさんとなのはが入って、なにか、物色していたみたいだけど」

「む・・・・・(こっちに送る荷物を作っていたのだろう)。まぁ、いい。見られて困るものはないし」

「それから、なにやら、荷物を作って、どこかに送っていたようにも思えたけど」

「気のせいだ。じゃあな、切るぞ。一人でも鍛錬をさぼるなよ。それから、無機物にだけは遅れを取るなよ。馬鹿弟子」

「戦えば負けないもん・・・・・・・・」

ピッ

馬鹿弟子め。
今度、向こうに帰ったら、厳しく鍛錬(いじめ)つけてやるか。
などと、心の中で思いながら、家路につく。

が、何かを忘れているみたいだ。

「・・・・・・・・」


どこからともなく、恭也の頭の中に沸いて出た作者とアシスタントが話に乱入。

(小鈴:「10秒20秒30秒・・・・・」)
(小鈴:「高町恭也名人、長考に入りました」)

(京梧:「って、おい!!将棋の名人対決か?」)

(小鈴:「うるさいわね。絞めるわよ?」)

などと、頭の片隅のほうで作者京梧とアシスタント小鈴が騒がしくやっていると・・・・。

(恭也:「そこのお二人さん、うるさいぞ」)

(小鈴:「京梧のせいで怒られたじゃないのよ」)

(京梧:「ぇー。俺のせいなのか?」)

(恭也:「だ・か・ら、う・る・さ・い・と・言・っ・て・い・る」)

恭也が殺気をこちらに向けて言う。

(二人:「「ごめんなさい。もう、出てきません」」)

恭也が怒りそうなので、乱入終了。


「むぅぅぅぅぅぅ。そういえば、急で忘れていたが赤星と耕介さんに一言言っておくか」

まずは、耕介さんに連絡を取る。

「おはようございます。耕介さん」

「おはよう。その声は、恭也くんかい。どうかしたのかい?」

「ええ。しばらく、家を空けることになりましたので、連絡したのです」

「そう言えば、昨日、さざなみ寮で那美ちゃんと美由希ちゃんが騒いでったっけ。何でも行方知れずらしいじゃないか」

「はぁ・・・・・・、馬鹿弟子め」

「ところで、恭也くん。今、どこに?」

「横浜の桜美町の知り合いのところです」

「知り合い?」

「はい。母が知り合いでして・・・」

「横浜か。鳴海から通えないね」

「ええ、そうなんですよ。だから、知り合いのところに泊めてもらっているのです」

「へぇ、そうなんだ。護衛かい?」

「いえ、違いますよ。長期バイトです」

「えっ?長期バイトって何のバイト?」

「喫茶店の店員です。期間が今年一杯です」

「大変だね。わかったよ」

「このことは、誰にも言わないでくださいね。こっちに来られても、色々と面倒なので」

「ああ。その辺は、心配しなくても・・・・・・「やぁ、恭也」リスティ、駄目だって」

何やら、向こう側が騒がしくなってきた。
耕介が携帯を奪われないように交戦するが努力の甲斐もなく、あっけなく携帯を奪われる耕介。

「はぁー。リスティさん、何か用ですか?」

「別に用と言うほどの事はないけど、行方知れずらしいじゃないか」

「ああ、それは、美由希の早とちりですよ。それでは、そろそろ、時間なので切りますね」

ピッ

リスティにいろいろと詮索されそうなので早々撤退する。
赤星にも耕介の電話のときと同じような内容を伝える。

「おはよう。赤星」

「おはよう。高町」

「高町、美由希ちゃんから聞いたよ。行方知れずらしいじゃないか」

「むぅぅぅぅぅぅぅぅぅ。やはり、ここまで知れ渡っているか。馬鹿弟子め、今度、帰ったときに絞めるか・・・」

何やら、物騒なことを言っている恭也。
華麗にスルーしている赤星。

「高町。今、どこに?」

「今は横浜の方の桜美町の知り合いのところだ」

「いつ、戻ってくるんだ?」

「来年だな。今年一杯、こっちでアルバイトなんだ」

「学校はどうするんだ?」

「ああ、それなら、心配要らない。母さんとティオレさんが今学期のみ、エルシア学院に転校させてくれたから」

「そ、そうなのか。大変だな、高町も」

「何を言うか。お前を呼ぼうかと迷っているところだ」

恭也がそう伝えると・・・。

「・・・・・・・・・?ハイ?タカマチ、モウイチドイッテクレナイカ?」

なぜか、片言の赤星。

「・・・・・・・・お前を呼ぼうかと迷っているところだ」

「・・・・・冗談だよな?冗談と言ってくれ。高町」

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

「冗談じゃないと・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「藤代に・・・・・・・・・うぐっ・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・冗談だ。いくら、俺でも無理だな」

「いや。高町なら、やりかねんからな・・・・」

「俺だけの力では無理だな。エルシアの学園長とティオレさんが知り合いでな。ティオレさんに頼めば、すぐにでも手続き可能だぞ」

「勘弁してくれ。藤代に何されるか、わからないから」

「ああ、その辺は、心配ない。呼ぶとすれば、二人だから。赤星が逃げないために藤代さんにも来てもらうから」

「本当に勘弁してくれ」

「まぁ、冗談だがな」

「だから、高町の冗談は本気に聞こえるから・・・・」

「そろそろ、切る。またな」

「ああ、わかった。他の人にはどうする?」

「黙っていてくれ。頼む」

「ああ。わかった。じゃあな。高町」

ピッ

ロムレットへの道を軽〜〜くランニングして帰る。
っと言っても、普通の人からすれば、全力疾走並みの速度で走っているのだが。
恭也にしてみれば、何のことはない、軽くの部類なのだ。


9月1日朝6時30分
ロムレット店内。
伊藤夫妻が朝の仕込みをしていた。

「おはよう。恭也くん。今日も朝からがんばっているね」

「おはようございます。忠志さん。ええ、毎日の日課みたいなものでして」

「たまには、休まないと身体のほうが壊れちゃうよ?」

「一日休めば、取り戻すのに三日はかかりますので・・・・」

と言うと、恭也は苦笑いを浮かべていた。

「おはよう。恭也くん、シャワーなら空いてるから、今のうちに入ってね」

「おはようございます。貴美恵さん。ええ、ありがとうございます。お言葉に甘えて、入ってきます」

恭也が店の奥に入っていく。

「ねぇ、あなた。恭也くんをうちの正樹と交換できないかしら?」

「むぅぅぅぅ・・・・・・・」

貴美恵は暴走している。
忠志はしかめっ面になる。

「わかったわ。乃絵美が恭也くんを貰えばいいのよ」

貴美恵がさらに暴走してしまった。
さらにしかめっ面になる忠志。

忠志の反応を見て、そこはかとなく楽しそうな顔になる貴美恵。

「むぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ。貴美恵、それはいくらなんでも・・・・」

「そうかしら?あなただって、恭也くんなら、乃絵美を任せてもいいって思っているのでは?」

「確かに認めているけど、二人はまだ、学生だし・・・・」

「あらあら、残念ね」

貴美恵は本当に残念そうにしている。
忠志は疲れきってげんなりしていた。


恭也はシャワーを浴び、学校に行く準備をし、一階に降りる。
恭也の一般人としての朝は、新聞を読みながら、熱いお茶を飲む・・・・(桃子談:あんたは老人か?)。

「恭也くん・・・・・・・・・・・・」

恭也を見るや否や、貴美恵はがっくしとうなだれてしまった。

「貴美恵さん。何ですか?」

「・・・・・・・・・・・ハァ〜。恭也くん、乃絵美を起こしてきてくれないかしら?」

恭也は、剣士としての性なのか、家の中の気配を読む。

(ふむ。正樹はまだ、寝てるのか。乃絵美は起きているな)

「貴美恵さん。乃絵美なら起きていますよ」

「ここからわかるの?」

「ええ。家の中の気配を読みましたから」

「恭也くん。・・・・・・人間捨てちゃ駄目よ」

「えっと、貴美恵さん、それはどういう意味でしょうか?」

「まぁいいわ。気にしないで。正樹は起きて・・・・るわけないわね」

「叩き起こして来ましょうか?」

「叩き起こす?」

「ええ。文字通りですが。乃絵美の様子を見に行くついでですが」

「乃絵美のほうはお願いね。正樹については、別にどっちでもいいわ」

「はい。わかりました。後、少し、叫び声がするかもしれませんが、無視してください」


恭也は乃絵美の部屋の前にやってきた。

コンコン

「はい」

ガチャ

「おはよう。乃絵美」

「おはようございます。恭也さん」

乃絵美の頭を見ると、黒いリボンが結ばれていた。

「むっ。そのリボンは・・・・・昔にあげたものか?」

「はい。そうですよ」

「物持ちがいいな。乃絵美は」

「このリボンは私にとっての最初の宝物です」

「乃絵美・・・・。むっ。そういえば、正樹が起きていないみたいだから、叩き起こしてくる」

「叩き起こす?」

むぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ。
貴美恵さんと反応が一緒だ。

「少し、待ってろ」

「きょ、恭也さん?」

正樹の部屋の前に立つと、恭也は一応、ノックする。

コンコン

「正樹。入るぞ」

ガチャ

スタスタスタスタ

「正樹。起きろ。朝だ。遅刻するぞ」

恭也がなにやら、拳を握りしめ、軽く振り下ろした。本当に軽〜〜くだった。

バシッ!!!!!!!!!!!!!

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

恭也はにこやかに笑い、口を開く。

「おはよう。正樹。目ぇ覚めたか?」

恭也は、文字通り、正樹を叩き起こしたのである。
正樹の叫び声は家中に響き渡った。

「だ、誰だ?こんな無茶な起こし方をするのは」

「正樹よ。朝の挨拶はどうした?」

「恭也か。ああ。おはよう。・・・・・・じゃない。今、何をした?」

「何をしたって、起こしただけだぞ」

「叩き起こすの、間違いじゃねえのか?」

「・・・・・・・。時間通りに起きれば、こんなことはしない。俺は行くが、くれぐれも二度寝はするなよ」

「したら、どうなる?」

恭也はニッコリと微笑んで言う。
正確に言うと、ほんの少しの殺気をまといながら、にっこりと微笑んだのである。

「・・・・・・・・・今さっき以上のやつをあげる」

それを聞いた正樹は、すぐに飛び起きた。
それを見ていた乃絵美はくすくす笑いながら、正樹に声を掛ける。

「お兄ちゃん。おはよう」

「おはよう」

「明日から、恭也さんに起こしてもらおうかな」

「正樹?まさかとは思うが、これまで乃絵美に起こしてもらっていたとか?」

正樹は引きつった顔をしている。乃絵美は苦笑いを浮かべている。
恭也には、それだけでわかった。そして、恭也が一言。

「正樹。そこに直れ。おまえの腐った根性を叩き直してやろう」

「いえ。結構です」

「乃絵美に面倒をかけるな。今後は、俺が叩き起こしてやる」

「私の睡眠時間を取らないでください。お願いします」

「ふむ。では、自分で起きれると言うことだな。起きていなければ・・・・・」

「・・・・・・・・・」

「沈黙は承諾したと言うことだな。明日からは自分で起きろよ。いいな?」

「はっ、はい。わかりました」


一階に降りた恭也と乃絵美は、忠志と貴美恵に捕まった。

「おはよう。乃絵美」

「おはよう。お父さん、お母さん」

「なにやら、さっき、叫び声が聞こえたけど・・・」

乃絵美は苦笑いを浮かべている。
恭也は何事もなかったのように、いつもの仏頂面で言う。

「いえ。なにもないですよ。なにもね。ただ、正樹が起きていないようだったので起こしたまでですよ。忠志さん」

「叩き起こすの間違いじゃないのかな。いつも、乃絵美に起こしてもらっているから・・・・」

「正樹・・・・・。やっぱり、絞めてやるか」

「恭也くん?物騒なことはしないでね。あれでも、エルシア学院のエーススプリンターだから」

「ほう。そうなのですか」

「そうだよ。恭也さん」

「正樹とスプリンターで勝負してみるかな。あいつの得意な分野で完全に叩き伏せてやるか・・・・」

「きょ、恭也くん。やめて。あなたが本気になったら・・・・・」

実際問題、恭也が本気を出せば、世界新記録が出かねないのだ。
恭也には神速という奥の手がある。
神速の多用と神速ニ段がけを使ってしまったら、それこそ、ありえない世界になってしまう。
でも、神速を使わなくても、十分であることは確かだ。

「恭也さん?」

「乃絵美、どうした?」

「お兄ちゃんね、本当に速いんだよ?」

「ああ。なんとなくだが、わかる」

「恭也さん、ひょっとして、前の学校で陸上してたの?」

「いや。何もしていなかったな。目立つのが嫌いでな」

「へぇ〜。そうなんだ」

恭也さんの存在そのものがすでに目立っているために、そんなことをしてもしなくても目立つことは間違いが無かった。

「時々、剣道部に助っ人を頼まれていただけだな。人数合わせのために」

「剣道部の助っ人・・・・。恭也さんって、剣道出来るの?」

「出来るか出来ないかと言われれば、出来るんだろうけど、苦手だ」

「なのに、助っ人として呼ばれるのは、すごいことだよ」

「そうだな。でも、ただ単に剣道部の部長と知り合いだけなのかもしれない・・・・」

恭也は、音も立てずに立ち上がり、そして、音も立てずに、リビングの扉まで歩いていき、ドアノブに手を掛ける。

「恭也さん?」

乃絵美が不思議そうに聞いているが、後回しだ。
扉を引く。
そこには、正樹が居た。

「正樹、お前はそこで何をしている?」

「いや。何って入りづらかったので、待っていただけ」

「・・・・・・・・お兄ちゃん、盗み聞きはだめだよ」

「すまん。許してくれ。恭也、その手はなんだ?」

「教えて欲しいか?」

「い、いや、いい」

「まぁ、いい。今回は見逃してやる」

「おはよう。正樹。朝から災難だな」

「おはよう。正樹」

「おはよう。親父、お袋。本当だよ」

「せっかく、こうして5人そろったんだし、朝食を取ろうか」

「お母さん。何か、手伝うことある?」

「う〜〜ん。お味噌汁をよそってくれる?乃絵美」

「はい。わかったよ。お母さん」

そして、朝食を取り、学校に行く三人。

「いってきます」

「いってらっしゃい」


学校に着き、恭也は職員室に行き、正樹と乃絵美はそれぞれ自分の教室に行く。

朝のホームルームが始まる前。
正樹のクラスでは転校生の話で持ちきりだった。

「正樹くん。一緒に来ていた人って誰?」

「ああ、あいつは転校生だな」

「へぇ〜。どこのクラスだろうね?」

「さぁ。その辺はみちる先生にでも聞いてみればいい」

などと、色々、聞かれて正樹は少しげんなりしていた。
菜織が気遣って

「お疲れ様。正樹。あんたも大変ねぇ〜」

「ああ。ありがとう。まぁ、あの容姿だし、仕方ないかと諦めている」

「そうね。恭也くんは、あんた以上に有名になりそうだね」

「・・・・・・・そうか?」

「ええ。そうよ。ファンクラブとか、できるかもね」

「・・・・・・・・恭也も乃絵美も大変だねぇ」

「乃絵美?何で乃絵美が大変なの?」

「っと、ここで話したら、やばいことになりかねないから・・・・」

「まぁ、いいわ」

そうこうしている間に、みちる先生が登場した。

「みなさん、おはようございます。今日から、転校生が一人、増えます」

みちる先生がドアの外にいる恭也を呼ぶ。

「高町君、どうぞ」

「はい」

ガラガラ・・・・・。
みちる先生の隣に立つ。

「自己紹介をお願いね。高町君」

「高町恭也です。今学期一杯、お世話になります。よろしくお願いします」

と、しーーーんと静まった教室に響く。

(む。やはり、予想以上に無愛想な男なので、怖がらせてしまったか)

恭也は、翠屋専用の営業スマイルを浮かべて、お辞儀をする。

さっきまで、静かだった女子達は騒ぎ出した。
その中に、ミャーコちゃんやサエや菜織も含まれていたのは言うまでもない。

当然、男子は面白くないので、恭也を睨んでいる。
その中に、柴崎が含まれていたのは言うまでも無い。

「高町君、どこから来たの?」
「高町君、誕生日はいつ?」
「高町君、恋人いるの?いなかったら、立候補していい?」

などなど、挙げるときりがない。転校生特有の質問攻めというのが正しいのでしょうね。

恭也は困った顔で周りを見ていると正樹がいた。
正樹は何食わぬ顔をしているかと思いきや、いきなり苦笑いを浮かべてこちらの様子を伺っていた。

「みんな、それぐらいにしてね。高町君が困ってるわよ。それで、高町君の席は正樹君の横ね」

「はい。わかりました」

恭也は自分の席に着く。

「恭也。おまえも大変だねぇ〜」

「む・・・・・。それはどういう意味だ?正樹」

「わからないならいい。変に自覚されたら、こっちがいやだから」

「むぅぅぅぅぅぅぅぅ。っと、おはよう。菜織さんにミャーコちゃんにサエ」

正樹の周りには、サエや菜織、ミャーコがいた。
そして、恭也の席は、元、真奈美が座っていたところだ。

「おはよう。恭也くん。大変だね」

「おはよう。恭也」

「おはよう。恭也くん」

そして、そこで、クラス中がどよめいたのはいうまでも無い。
そんな感じで、転校初日は過ぎって行った。


次の話に続きます。「第二章 かわっていく、想い 第三話」へ




あとがき

小鈴「こぉぉぉぉぉぉぉのぉぉぉぉぉぉぉぉぉおバカ!!!!!」
ひでぶ。
小鈴ちゃん、痛いよ。
小鈴「また、あんたは・・・・」
ん?
何かな?
小鈴「予定したものと違うじゃない?」
あはははははは。
また、やっちゃいました。
書いてて楽しかったから、良しとしましょう。
小鈴「このお馬鹿!!!!!脳足りんめ!!!!!!一度、地獄に落ちろ!!!!!」

作者京梧の足元にブラックホールが出来た。

うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ

小鈴「すみません。また、作者がやっちゃいましたのでお仕置きをしました」
小鈴「そのために作者がブラックホールに飲み込まれたので私が変わりに次回の予告をします」
小鈴「転校して初めての週末。乃絵美をデートに誘う恭也・・・・」
小鈴「次回「第二章 かわっていく、想い 第三話」をお楽しみに」
小鈴「感想は掲示板のほうによろしくね」




転校初日。
美姫 「まあ、大方通りに大騒ぎに」
さてさて、これからいよいよ学園生活が始まる訳ですな。
美姫 「どうなるのかしらね」
次回も待っています。
美姫 「待ってますね〜」



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