転校を迎えてから、早三日・・・
なんとか、リリアンのことが私にも判ってきた。
まず、『お嬢様学校』と堅苦しいイメージがあったが、意外とそうでもないようだ。
お嬢様もいれば、庶民もいるし、面白い人間もいる。
今、私が通っている「薔薇の館」はまさにその縮図だろう。
とまぁ、他にもいろいろあるんだけど、
とにかく私が納得さえすれば学校生活のほうは精神衛生上なんら問題はないわけで・・・
・・・むしろ、私には今現在、電話の先にいる銀髪悪魔の方が問題なんですよ。

「 それで圭吾の方から1人借りれたんだよ。 いや・・・、まぁちょっと違うんだけど。
もともと探りを入れていた圭吾の部下と協力体制を取れるようになったんだ 」
「 はぁ・・・、圭吾さんの部下っていうことは警防の人ですか・・・? 」
「 うん、そう。 特務の奴 」
「 えぇ!? 」

時刻は深夜の11時を回るというのに、
驚いて思わず、大声を出してしまった・・・
この部屋、防音大丈夫だよね・・・?

「 特務って、機密部隊じゃないですか・・・。 いいんですか・・・? 」

とりあえず、大声を出さないように、小声で・・・

「 いやだって、既に国際問題レベルなんだし・・・。 それに借りれたのは一人だよ 」
「 はぁ・・・。 それでどういった方なんですか? 」
「 それは教えれない・・・ 」
「 は? 」

ちょっと待ってください。
自分から紹介しといて、教えれないってどういうことですか?

「 今さっき、君が自分で言ってたじゃないか。 機密って 」
「 ・・・ 」
「 じゃ〜ちょっとだけヒントいる? 」
「 ・・・おねがいします 」
「 少なからず、君と関係があったり、なかったり・・・ 」
「 私と・・・? 」

警防には母さんがいるから、そりゃ広い意味では警防の人は少なからず関係があるということになるけど、
それでは、全然ヒントになっていない。
親しい知り合いはみんな、通常の部隊にいるわけだし・・・。
まぁ心当たりが一つないでもないけど、あのバカではないことは確かだろう。

「 とりあえず、名前は便宜上『レプレ』ということになってある。 こちらから『レプレ』に対する連絡手段はないので注意を・・・。、
あ〜それと、レプレから送られてきた君の調査報告もあるんだけど、聴きたい? 」
「 ・・・って、なんで私が調査されるんですか? 」
「 それは、今後彼女が君のバックアップとして動いてくれるから 」
「 はぁ・・・。それでなんて書いてあるんですか? 」
「 う〜ん、ちょっと待って・・・ 」

すると電話越しにガサガサという音が聴こえてくる。
たぶん、机の上にある大量の資料のなかから引き出そうしているんだろう。

「 え〜と、君の個人情報とかは省略するよ・・・。 【高町美由希 振る舞いは至って庶民的。 外見、趣味などもそれを逸する事はない。 授業中などは勉強はしているようだが、よく窓の外を眺めている。 】 」

・・・別に間違ってはないんだろうけど、そこまで言いますか・・・?
そして、今も尚、同じような事が電話越しから聴こえてくる。
そのどれもこれもが、私のハートに急角度に突き刺さるワードなんですが・・・

だいたい、読み終わったのだろうか、リスティさんが息をついてこう言った。

「 【 ただし、有事の際の行動能力には、目を見張るものがある。 】 」
「 ・・・ 」
「 あとね〜。 今日の報告もある。 例えば美由希、君は今日・・・ 」

今日・・・、今日は特になにもなかった。
だから報告される内容に心あたりもないんだけど・・・

「 学校で三回こけたね・・・ 」

それを聴いて、ずこっーと、もたれていた椅子のバランス崩し盛大にずっこけた。

「 今ので、四回と・・・ 」
「 あの・・・レプレさんてどこでソレみてるんですか? 絶対誰にも見られていないと思ってたのに・・・ 」
「 さぁ・・・? 」

まぁなんというか、
世の中には普通に瞬間移動したり、空飛んだり、物を自在に動かしたりする人もいるわけで・・・
・・・とりあえず気にしないことにしよう。

「 ちなみに恭也の分もある・・・」
「 ぜひ、聴かせてください 」

つーか、聴かせろと・・・
兄であり、師でもある恭ちゃんの調査レポートは、非常に内容に興味がある。
けして、さっき『庶民的』だとか言われて悔しいわけじゃないんですよ・・・
だから、『枯れている』なんていうワードに期待なんかしてませんよ・・・

「 残念だけど、だめ〜。 兄弟だといっても個人のプライバシーは大事にしないとねぇ・・・(´∀` )」
「 あの・・・、じゃぁ私のプライバシーは何処へ・・・(-∀ー#) 」
「 じゃ、用事あるから・・・( ´∀` )b 」

・・・ツーツーツー・・・

「 ・・・ 」




13. わりと平凡な日 1

〜放課後〜

30分前・・・

「 図書館に本を返しに行く・・・!? 」

突然に会話の相手のトーンがあがる

「 えぇ・・・そうだけど・・・? 」
「 ・・・? 」

珍しく気圧され気味な祥子・・・
そして、状況が全く把握できない祐巳・・・

「 それは素晴らしいですね・・・。 いますぐ行きましょう。すぐ行きましょう。とっとと行きましょう 」

で、相手というのは無論、美由希のことである。

「 図書室ならぬ、図書館ですか・・・。 相手にとって不足なし!! 」
「「 ・・・ 」」


現在・・・

「 あの・・・美由希さん。 本も返したし、そろそろ閉館なんだけど・・・ 」
「 ・・・ 」

聴いてない・・・というよりは聴こえてない。
リリアンの図書館に初めて来館した美由希は『キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!! 』と叫んだ後、ずっとトランス状態にあり、
速読術でも会得しているのだろうか、尋常じゃない速さで本を読んでいる。
その光景に驚きつつもどうしようかと悩む祥子・・・
しかし、そこでふとある厄介な問題が脳裏によぎった。

「 あぁ、失敗したわ・・・ 」
「 なにがですか? 」

姉のふとしたつぶやきに真面目に聞き返す、実はけっこう良く出来た妹・・・

「 令に三年生の送別会の資料を渡すの忘れていたの・・・。 志摩子はともかく、
令には話の前に事前に目を通してもらわないと・・・。
今日は道場の日だから早めに帰ったのよね・・・って何? 」
「 あぁいいえ、その〜お姉さまでもこういう失敗することあるんだなぁ〜って・・・ 」
「 あたりまえでしょ。 人間なんだから 」
「 はい・・・。 けど、そうなると今すぐに・・・」

ガタンッ!!
・・・と、突然に祐巳の言葉をさえぎるように急に音を立て立ち上る美由希。
その大きな音に驚いたのか周囲は急に静まり返った。
そこで開口・・・

「 さて、次はと・・・ 」
「「 もう閉館よ(ですって)・・・ 」」


〜寄り道〜



「 へぇ〜、支倉さんって家で剣道教えてるんだ・・・ 」
「 そう・・・、身内びいきってわけじゃないけどアレでなかなか大したものよ 」

冬の最中は学校の下校時間も早い。
現在時刻は夕刻の6時をまわったころ。 既に空がくろずみ、星が映えて見える。
私は祥子さんと祐巳ちゃんに付き添って支倉宅を目指し歩いている。

「 美由希様は、剣道とかやったことあるんですか? 」

歩きながら祐巳ちゃんが訊ねてきた。

「 剣道か・・・。う〜んちょっと苦手かなぁ・・・ 」
「 あっ、じゃぁあるんですね 」

とりあえずYESと応えてみたら、祐巳ちゃんが嬉しそうに話を続ける。
祐巳ちゃんが喜ぶのはいいのだが、個人的にはいろんな意味でちょっと避けたい話題・・・

「 にしても、志摩子さんは、この時間までなにやってたんでしょうね・・・?」

祐巳ちゃんには悪いが、話をはぐらかせることにする。
先程、図書館をでて校門を出ようとすると、志摩子に出会ったのだ。

「 聖堂の道から出てきたみたいだから、聖堂にいたんでしょ。 志摩子はちゃんとしたクリスチャンなわけだし・・・ 」

と、祥子さん

「 けど、志摩子さん、なにか上の空って感じでしたね 」

と、祐巳ちゃんが来て・・・

「 人間なんだから考え事もするでしょ・・・ 」

又も、祥子さん・・・

言葉の受け流しが簡潔すぎますよ。祥子さん・・・
私と祐巳ちゃんは、約10秒であしらわれている。

そこで、ちょうど目的地と思われる場所が見えた。
来た事はなかったけど一目でわかる。なにせ、その敷地内に立派な剣道場が建っていたから。
壁についている表札にも「支倉」と書いてある。

「 そう。 ココが令の家で、すぐ隣が由乃ちゃんの家 」
「 これって、家が隣同士っていうのかな・・・ 」

ほとんどくっついてるではないかと言いたそうな祐巳ちゃん・・・
敷地内の道場へ続く道は開いていて、中にはたぶん子供たちのものであろう自転車が並んでいる。

「 それでどうするんですか? このまま道場に行っても邪魔になる気がしますし・・・ 」
「 そうね・・・。 とりあえず家の方と会って、コレと言伝をお願いしましょう・・・ 」

そう言って、道場のほうではなく御宅のほうへ歩みを進めようとすると、
ちょうど支倉宅中から人が出てきた・・・

「 って、由乃さん!?・・・と、やかん? 」

その人の姿は間違いなく祐巳ちゃんの叫んだとおり由乃ちゃんだ。
わりと簡素な服の上に防寒用のマフラーをして、両手でやかんを持っている。
その叫び声に気づいた由乃ちゃんもこちらに気づいた。

「 あれぇ〜、 祥子様に祐巳さん・・・、それに美由希様まで・・・? 」
「 ちょうど良かったわ。 令にちょっと資料を渡し損ねて、届に来たの・・・ 」
「 あぁ、じゃぁちょうどいいですね。 私がこのお茶を持っていったらちょうど休憩時間に入るから、
その時に渡せばいいですよ 」

そう言って由乃ちゃんは「ついてきてください」と、3人に促し道場のほうへ向かった。

「 美由希さん? 」
「 ・・・あ、なんでしょう? 」
「 さっきからぼ〜としてるけど・・・ 」
「 あ〜、ただ大きいなぁ〜って。 」

内容が他愛もないことだったので、祥子さんは「そう・・・」とだけ言って話を切り上げた。
しかし実際にこの道場は私物の建物としてはかなり大きい・・・
もしかしたら家の道場の三倍くらいはあるかもしれない。
うらやましいというかなんというか・・・

「 掃除が大変だろうなぁ・・・ 」
「 は? 」
「 いや、なんでも・・・ 」

道場に近づくと、中から剣道特有の掛け声が数多く響いてくるのが聴こえる。

「 そこで靴脱いで入ってください 」
  
先の由乃に従い三人も同じように靴を脱ぎ揃える。

「 あぅ・・・、私こういうところ初めてなんで緊張します 」
「 別に何かするわけでもないんだから普通にしてなさい・・・ 」
「 それは、そうなんですけど・・・ 」

するものはするんです!・・・と強く言いたいっぽいけど、声にならないといったような様子。
祐巳ちゃんはちょっと不機嫌といった感じだけど、私から観れば、たんにじゃれあってるようにしか見えませんよ・・・。
まぁそれはともかく・・・、
由乃ちゃんが道場内に入る前に軽く礼をしてから入る。
前を歩く姉妹もそれに続き、続いて私も礼をしてから入場する。

「 はい!残り30秒! 」

そこで令さんの声が響いた。
令さんは道場奥でストップウォッチを片手に練習を見ている。
おそらく彼女が師範代で練習を取り仕切っているのだろう・・・。
ちらりとこちらを確認して、一瞬表情が崩れたが、またすぐに真剣な顔に戻り、
道場生たちの乱取をチェックしている。
おそらくこれが終われば、さっき由乃ちゃんの言ってた休憩に入るのだろう。
で、私の隣の二人はというと、もの珍しいのか練習に魅入っていた。
仕方なく私の視線も自然そちらに向く。
その子供たちの練習風景は、微笑ましいながらも、
私を物思いにさせてしまうところがある。


『 ひきょうもの・・・!! 』

いつだったか友達だと思っていた彼女は私に向かってそう言い放った。
子供の遊び心で始まった他流試合は、子供なりの彼女のプライドをひどく傷つけ、
また、それに同調した周りの子たちは私の心を傷つけた。
どれくらい泣いたかは覚えてないけど、ひどく悲しかった事は覚えている。
あの後、彼女とは一度も話をせずに卒業を迎え別れた。
噂では剣道名門の中学に進んだらしい・・・。
私のことは嫌いになったが、剣道は嫌いにならなかったようだ。
当時の私はその事に安堵した・・・。
あぁ・・・よかった・・・と。
だって、私のせいで好きだった事を嫌いになるなんてことがあったら、
それはあまりにも・・・

「 ヤァァ!! 」
パシィ!!

・・・と不意に私の目前で起こったインパクトに私は現実に引き戻された。
綺麗で、なおかつ豪快な面うちだ。
声の音が高かったのでたぶん、女の子だろう。

「 ッ・・・、リャア!! 」

その相手はたぶん、同じ年頃の男の子だ。
その子は、やられた仕返しと言わんばかりに竹刀を振るう。
だが、女の子には完全に読まれていたようで、
軽く受け流される。

「 胴ー!! 」

受け流しからの、胴うち・・・
先程の面と同様に完全に決まった。

「 それまで! 」

その声は令さんの声だ。
その乱取終了の合図を聞いて、練習生たちは開始位置に戻り、
面をとり礼をする。
私の視線は何故か自然に、さきほどの二人へといった。
髪が肩にかからない程度の長さの可愛らしい女の子と、
少し乱雑な髪をしている男の子。
二人とも息があがっていて呼吸が激しい。
だが、それよりも女の子の毅然とした姿勢に対し、
ひどく悔しそうな顔をしている男の子が気になった。

「 武・・・ 」

そこで令さんがその男の子のほうに向かって口を開いた。
どうやら男の子は武という名前らしい。

「 あなた、先週に私が注意したこと覚えてる? 
全然直ってないじゃない・・・ 」

その言葉に男の子は、ただうつむいて黙っている。

「 そんなんじゃ、誰に対しても失礼でしょ。 
ちゃんとやる気がないのだったら、やめなさい 」

う〜ん、令さんって本当の先生みたいだ・・・
今、この道場全体に、なにか耐えがたい空気が充満している。
例えるなら・・・、いや例えというかそのまんまだけど、
先生に怒られてる時の誰も口出しがし難いあの空気・・・

そんな中、隣の人たちはというと・・・
祐巳ちゃんは、典型的で手を握りどこか不安そうに観ている。
由乃ちゃんは、いつものことと何もきにしてないっぽい・・・
祥子さんは、・・・別になんでもないみたい・・・

私のほうはというと、もうこういうのは慣れているので、
なんていうか逆に感心している。
たぶん、どこも一緒なんだろう・・・

ちなみに、私がよく顔を出す道場では、こういう場合は壁の方に向かい練習終了まで正座させられる・・・

ま、それはともかく・・・
状況は・・・

「 聴いてるの!? 」
「 うるせぇ! じゃぁやめてやるよっ! 」

令さんの言葉に、男の子はいわゆる逆切れで、竹刀を思いっ床に叩きつける。

「 ちょっ、武! 」

今度は対峙していた女の子・・・
だが、その子の言葉も聴かず、男の子は私のちょうど横を走り抜け、
道場を出て行った。
ただし、ちゃんと靴は履いていったようだ・・・(靴下はいてないっぽいけど・・・)

令さんは相手の予想外の行動に少しとまどったようだが、
とりあえず、平静に他の練習生たちに休憩の時間を告げた。

「 いいの? あの子・・・ 」

そこで、こちらに寄ってきた令さんに祥子さんが口をひらく。

「 こういう子供たちに何かを教えてるところじゃ、よくあることだよ・・・。
どうするかは後は本人次第なんだけど・・・ 」
「 そう・・・ 」

二人がそんな会話をしている中、
何時の間にか、祐巳ちゃんは由乃さんに連れられてかお茶係をしている。

手持ち無沙汰な私はというと、少し思うところもあり、
先程男の子が床に叩きつけた竹刀が転がってきたのを手にとった・・・

「 ・・・ 」

あぁ、うん・・・
やっぱり思ったとおりだ。
その竹刀を手に取った私は、まぁなんというか・・・
不覚にも護衛の任務を忘れて竹刀を持って道場を後にするのであった。



13. わりと平凡な日 2



道場を出て行った少年は意外とすぐに見つかった。
リリアンからここまでの道のりの途中で公園を見かけたので、
そこにアタリをつけたら、ドンピシャだったのだ。

「 ・・・ふむ 」

ベンチに座った少年は、俯いたままじっとしている。
もしかしたら泣いているのかもしれないが、
顔がみえないのでよくわからない。
私は、少年の座るベンチのほうへ一歩ずつゆっくりと歩みを進める

ザッザッザッ・・・と、

公園の砂を踏みしめる音は、この静かな公園によく響く。
少年もその音に気づいたのか、顔を見上げてこちらを確認した。
どうやら泣いていたというわけではないらしい・・・
ただ、少年は『なんか用でもあるのかよ・・・』とでもいいたげに、無言でこちらを睨んだ。

「 はい 」
「 ・・・? 」
「 これ・・・、君の竹刀 」

私は、手にもっていた竹刀を、少年に差し出す。
すると少年は、一瞬とまどったが、すぐにコチラを睨み返した。

「 いらねぇよ! こんなもの・・・! 
っていうか、なんなんだよオマエッ! 」
「 ・・・ふむ 」

私は無言で少年に向けて手を伸ばす・・・

「 ・・・? 」

で・・・、

「 ・・・な 」

両側の頬っぺをおもいっきり引っ張った。

「 フェフェエ! ファヒフフゥファヒョー! (訳: テメエ!何すんだよ!)」

ふふふ・・・
ちょっとおもしろい。
とりあえず私は、にっこりと笑い口を開いた。

「 いけないなぁ・・・。 初対面の年上の人に対して、『オマエ』だの『テメェ』だの・・・。
せめて、『お姉さん』とか『お姉ちゃん』あるでしょぉ? わかるかなぁ・・・武君? 」

さらに頬っぺたを上下に引っ張る。
少年の方もたまらなくなったのか・・・

「 ふぇ・・・、ふぇえひゃん・・・(訳: ね・・・ねえちゃん・・・) 」

と口にした。

「 ま、いいでしょう・・・ 」

少し、心惜しいが手を離してやった。
少年はというと、悔しそうにこちらを見ている。
たぶん、口には出さないが、胸の中でいろいろ文句をいってるのだろう・・・。

「 まぁ、それはともかく。 ほら・・・竹刀 」
「 ・・・ 」

再び、竹刀をさしだすと、少年は俯いて黙ってしまった。
う〜ん、やれやれ・・・

「 いい竹刀だね・・・。 この竹刀 」
「 ・・・? 」

少年が顔をあげて、こちらを見た。
何を言い出すんだ?この人は? ・・・みたいな顔をしている。

「 手入れもちゃんといきとどいている・・・。 なんていうかな・・・
 愛がある・・・ 」
「 うげぇ・・・なんだよソレ? 気持ちわりぃ・・・ 」
「 ・・・そう? 」

私としては、感じた事をそのまま口にしただけなのだが・・・、
どうもお気にめさないらしい。
刀には持主の魂が宿るというが、私はそれは竹刀でも同じだと思っている。
この竹刀は、見た目だけでなく、『何か』を感じる・・・。

「 じゃあさ・・・、仕合しよう・・・仕合 」
「 はぁ・・・? 」
「 君には、この竹刀。 で、私は・・・ 」

そう言って私は、眼鏡をポケットにしまい、足元に落ちている枯れ枝を手にとった。

「 コレで・・・ 」
「 なっ! バカにしてんのか!? 」
「 うん、してる・・・。 だからその竹刀で後悔させてみて 」

挑発の上乗せ。
そうすると、少年は予想通りの反応をみせてくれた。
う〜ん、たやすいのう・・・

「 ちょっとは、剣道やってるんだろうけど・・・、
あんま、バカにすんなよ!? 」

そう言って、少年は竹刀を手に踏み込んできた。
合図無しで、いきなり仕合。
まぁ私はそのほうが馴れっこなんですが・・・

「 ヤァァ! 」

掛け声と共に、頭上からの面打ち。
半身移動をして紙一重・・・

「 っ・・・コノ! 」

面打ちで切下げた竹刀を切り返しで胴打ち。
軽くバックステップでやはり紙一重・・・

竹刀は空振り、ただし私がバックステップをしたのをいいことに、
構えなおしで、今度は突き。
だけど、半身をずらしてまたも紙一重・・・

そんなやり取りが、もう10合もしただろうか。

「 なんであたらねぇんだぁ・・・? 」

少年は息を切らせながら呟いた。
呼吸は荒く、連続する呼吸音がこちらまで聞こえてくる。

「 ほら、まだまだ・・・ 」
「 うるせぇ! メーンッ!! 」

気合があるのはいいことだが、
空回っている。 重心が浮き、上半身が前に出すぎている。
すっと、身をかわすと、目標を失った少年は地面へとダイブしてしまった。

ザザザァ!と、砂と布のこすれる音がする。

まぁ痛そうだが、これくらいなら大丈夫だろう。
少年はもう、諦めたのかそのまま立ち上がらなかった。

「 ちくしょぉ・・・ 」
「 ・・・ 」

少年に歩み寄り手をさしのべる。

「 ほら・・・立って・・・ 」
「 ・・・ 」
 
少年は無言で私の手をとり立ち上がる。
その様子は意気消沈といった感じだ。
私は、少年の衣についた、砂をはたきつつ尋ねた。

「 ・・・で、どうして剣道やめるなんて言ったの? 」
「 ・・・才能ないから 」
「 そう・・・? 君、けっこういい筋してる思うけど。 同年代の男の子の中じゃ、
かなり強いんじゃない? 」

先程までとはうってかわって、素直な反応だ。
どうやら自分自身に自信を無くしたらしい・・・。

だけど、今私が言ったのは本当のこと。
この少年はおもいきりがいい。
そのほかの技巧などは、後の経験が埋めてくれるだろう。

「 何いってんだよ・・・。 観てただろ。 柊(ひいらぎ)にボロボロに負けたところ・・・。
それに今だって・・・ 」
「 『柊』っていうのはさっきの女の子のこと・・・? 」
「 そうだよ・・・ 」
「 あの子に負けたから才能ないの・・・? それってすごく失礼な考えじゃない? 」
「 剣道をずっと前に始めたのは俺だったんだよ・・・。 んで、あいつ昔から、おとなしくて、
なんていうか、虐められてたから一昨年に剣道に誘ったんだ・・・ 」
「 で、いつのまにか追い抜かれてたと・・・? 」

その問いに少年は黙って頷いた・・・
気持ちはわからないでもないのだが、仕方ないといえば仕方がない。
なぜならば・・・

「 君たちくらいの時期は女の子の方が先に成長期がくるからね・・・ 」

そう。成長期に入ると同年代では、女の子のほうが大きくなって、
身体能力なんかも男の子を上回ったりすることもある。

「 なんだよソレ・・・。 そんなんでそんなに変るのか? 」
「 うん、かなり・・・。 それにその柊って子もさ・・・。
一生懸命練習はしてたんでしょ? 」
「 まぁ・・・ 」
「 それに、才能とか勝ち負け以前に、君は大事なことを忘れている 」
「 なんだよソレ・・・? 」
「 う〜ん、 ソレが知りたくば、私から一本とってもらいましょうか・・・。
ホラっ・・・! 」

そういって、私は枯れ枝を手に間合いをとる。
少年のほうはというと、あまり乗り気じゃないようだ。

「 さっき、さんざんやったじゃんか・・・ 」
「 休憩が入っただけで、まだ終わったわけじゃないよ 」
「 ・・・ 」





ところかわって・・・

「 あら? 美由希さんは・・・? 」

いつのまにやら・・・といったところだろうか。
祥子は、美由希の姿がないのに気づく。
目線で令にも聞いてみるが、令は首を横に振った。

「 あの・・・ 」

そこに話かけたのは、さきほど試合をしていた女の子だった。

「 お連れの方は、先程、武の竹刀を持って出ていかれましたけど・・・ 」

その言葉を聞いて二人はキョトンとした・・・

「 竹刀を届けにいったってこと? 」
「 ・・・そうでしょうね 」
「 なんだか美由希さんって、未だに読めないわ・・・ 」
「 ・・・ 」

仕方ないといった感じで、令が口を開いた

「 迎えにいってくるわ・・・。 悪いけど少し待ってて。
それと由乃、悪いけど父さんを呼んでここを頼んでおいて 」
「 うん。わかった 」

由乃の了解を確認すると、
壁にかけてある上着を着て、
令が外に出て行った。







「 ヤァ! 」

少年の竹刀が空を切る。

「 ホラ!下半身が追いつかないから上体を崩す 」

先程までとは違い私は下がらずに、相手にプレッシャーをかける。
少年が踏み出すのとほぼ同時に私も踏み出し交差ざま一瞬の一合だ。

「 そんな難しいことわかるか・・・! 」
「 難しいことなんかじゃないわ。 あなたが今までに練習してきたことなんだから 」

勢い余った少年は前のめりにこけそうになるが、なんとか踏みとどまる。
振り返りさま互いに、間合いをとり構えなおす。

「 相手をみるのもいいけど、まず自分の姿を確認をするの 」
「 自分を? 」
「 相手との位置、構え、間合い・・・ 
そういったものを、今までに何度も練習してきたでしょ 」 
「 ・・・ 」
「 目を閉じて、 いつもの自分の姿を思い浮かべて・・・ 」

基本とは実戦において、最重要がうえに基本・・・
それを忘れては、これまでに積んだものは全て無駄なこと。
少年は目を閉じた。

「 深呼吸して・・・ 」

少年は言われたとおりに
息を大きく吸って吐く・・・

「 いつも練習している自分を思い浮かべれた? 」

首を縦に振って頷く。

「 ならば・・・ 」
「 ・・・ 」
「 踏み込んで来る! 」

その言葉と同時に少年は目を開けて踏み込んできた。
上段の正中から来る面ウチ・・・
一足かつ、重心が崩れていない。
今までとは全く違う打ち込みだ。

「 ッ・・・ 」

私は、前足を少年の左側、利き腕足と逆のほうへ半歩踏み出し、それを軸に半身回転で、
受け流す。
今までならば、ここで終わるところだが・・・

「 ヤーッ!! 」

今までのように体が崩れていないおかげで、そのままこちらの動きに合わせて、
少年は追撃してくる。
横薙ぎ、突きといったように連続の追随。
まだ一度もあたっていないが、少年には今までのような危なさが感じられない。
ちらりと顔を拝むと、ひどく集中しているといった様子だ。
たぶん、息するのも忘れているだろう。
なんて考えていたら・・・

「 フッ!! 」
「 あっ!? 」

避け様に枯れ枝に竹刀がかすった。
力強い竹刀が、枯れきった小枝にかすっただけなのだが、
ポキっ・・・と真っ二つに・・・

「 あ・・・ 」

そのことに気付いた少年は目を丸くする・・・。

「 あたった・・・ 」
「 うん、あたったね・・・ 」

鳩が豆鉄砲・・・といった様子。
しかし次の瞬間急に、肩をおとし地に膝をついた。

「 あたったんだけど・・・ 」
「 あたったよ? 」
「 なんか、すんげぇ疲れた・・・ 」
「 ・・・ 」

まぁそれもそうだろう。
息するのを忘れるほど集中していたのだから・・・

「 こんなの毎試合やってたら死ぬって・・・ 」

気温がかなり低いので、少年の吐く息が夜とはいえ、
街灯のおかげではっきりとみえる。

「 まぁ慣れないうちはそんなものだよ。 
そのうちに無意識にできるようになるからさ 」
「 あ・・・、ありえねぇ〜・・・ 」

少年の呼吸が整うのを待って、私は手を差し伸べた。

「 で・・・、どう? 」
「 どうって何が? 」

私の手をとり立ち上がりながら少年が応える。

「 剣道・・・おもしろいでしょ? 」

その言葉に少年は一瞬黙り込む・・・

「 ・・・結局、それが言いたかったわけ? 」
「 アハハハ・・・、そのとおり 」

図星をつかれて悔しいのだろう。
少年は明後日のほうを向いて、照れくさそうに頷いた。

「 少し嫌な事があったくらいで、何もやめることないよ・・・ 」
「 ・・・ 」
「 負けて悔しいんならさ、勝つまで頑張ればいいの 」
「 ・・・俺さ 」
「 ? 」
「 俺、強くなりたいんだよ・・・。 姉ちゃん強いんだろ? 俺に剣道教えてよ! 」

いやいや・・・
なんともかわいい反応ではないですか。
だからといって、「ならば着いて来い!」なんて言えようもないんだけど・・・
そこで、どうするかというと、
私は彼の頬っぺを、またおもいっきり引っ張ったりする。

「 ンファ!? ファヒフフゥファヒョー! (訳: んが!何すんだよ!)」
「 言う相手が違うでしょうに・・・。 ホラ・・・ 」

そうして私は少年の背中を押し出す。
押し出した方向のその向こうには、いつのまにやら迎えに来たのであろう令さんと、さきほどの少女がいる。
少年もそのことに気付いたようだ。

「 いや、だからそうじゃなくてさ・・・! 俺は・・・ 」
「 免許皆伝だから 」
「 は? 」

私は少年の言葉をさえぎるように言った。

「 私が教えれることは全部教えたってこと。 剣道・・・好きなんでしょ? 」
「 ・・・ 」

少しまだ不満そうだが
今度はちゃんと、真正面に私をみて、うなづいた。
 
「 じゃ、もう行きなさい 」

そういうと少年は、「ありがとうございました」と礼をして、公園の入り口、二人の待つほうへ歩いていった。
二人のもとへ辿り着いた少年は、なんだか元気そうに悪態ついているように見える。
令さんと、一言二言何か言葉を交わしたのだろう。
そうして令さんを残し、少年少女は道場のほうへなにやら口喧嘩をしながら先に帰っていった。
それを見送って、令さんのほうへ近づいていくと、令さんは.不思議そうにこう尋ねた。

「 なんか、ずいぶん元気になってたけど・・・、どうしたの? 」
「 いや、ちょっとお姉さんがやさしく説教しただけですよ 」
「 ・・・? 」

で、まぁこの時のわりと、すがすがしい気分だったわけなんですが・・・





「 君、今そこに何の目的でいるか忘れてない・・・? 」

電話の向こう、銀髪悪魔は少し怒っている・・・。

「 いや、本当に申し訳ないです。 反省してます 」

だが、私は知っている。
怒ってはいるのだが、その半分実はこういう私の反応を心から楽しんでいるのだと・・・

「 まったく・・・、彼も呆れていたぞ・・・ 」

おやおや?

「 『彼』・・・男性ですか・・・? 」
「 あ〜・・・、しまった。 今の忘れてくれ 」
「 『レプレ』のことだとは一言も・・・ 」
「 ・・・ 」

わーい。 何か初めて勝っちゃいましたよ。
今の嬉しさを表現するなら、そう・・・
机の中から、つかっていなかったお年玉袋を見つけた時のような・・・

「 まぁ、ともかくだ・・・。 何もなかったからいいけど、これからは気をつけるように・・・ 」
「 了解であります! 」
「 ・・・今度、覚えてろよ 」
「 なにをでしょうw 」

ツーツーツー・・・

いや、完全勝利って気持ちいいなぁ・・・
そうして携帯の電源を切り、私は横になった。
時刻は既に11時を回っている。
祥子さんは既に眠っているだろう。
今日一日のことを思い出すと、なんとなく腕がうずく。

「 ま、ちょっとだけなら大丈夫だよね 」

私は、無銘の二刀を手にとりそっとドアをあけ、中庭を目指した・・・






〜同日 放課後・・・

時刻は夕刻の5時をまわったというところだろうか・・・
会議が早く終わったので、まだ時間に少し余裕がある。
せっかくなので私は、聖堂行くことにした。
聖堂に続く道は、基本的に生徒はあまり通らない。
宗教学校といっても、実際に信仰している生徒はあまりいない。
特に何かを考えるでもなく歩いているうちに聖堂に辿り着いた。
立派な両開きのドアのドアノブに手をかけ、ドアをあける。
ドアはギー・・・という、歴史を感じさせるような特有の音を出して開いた。

( あら・・・? )

誰もいないと思っていた、いやむしろ決め付けていたのだけれど、
そこには予想に反して、1人の人影が見える。
奥にいるので、暗くてよくわからない。
綺麗に正装している男性のようだ。
おそらく手には聖書・・・

( 神父様・・・? )

一瞬そんな考えが頭によぎったのだけれど、
この学校には神父様はいない。
そんな私の邪推を余所にその男性がこちらに気付いて振りかえった。

「 おや・・・? 君は確か・・・、 ロサ・ギガンティア・アンブゥトゥンの・・・。
名前はたしか・・・ 」
「 藤堂志摩子です 」

そこにいた男性は神父様ではなく、この学校の教諭だった。
私は直接、授業などでは会う事はないのだけれど、生徒達の間では
評判のいい先生だ。

「 あぁ・・・すまないね。 一年生は授業を受け持ってないから、名前までは覚えていないんだ 」

先生は笑いながら、それでいて申し訳なさそうに言った。
ただ、私としてはそんなことより気になることがあったので尋ねてみた。

「 先生はクリスチャンなのですか? 」
「 ・・・? 」

その質問に先生は少し不思議そうな顔をする。
意味がわからないのではなく、意図がわからないのだろう。
私も今言って、少し唐突すぎたような気がする。

「 う〜ん・・・。 この学校で訊かれるには、なかなか珍しい質問だね 」
「 すいません 」
「 いや、誤る必要はないんだ。  ただ理由を聞いていいかな? 」

質問をしたのだが、いつのまにか切返されている。
だが、特に困る事でもないので私は素直にその質問に答えた。

「 この学校の教諭でクリスチャンの方は少数ですから・・・特に男性の方はいないはずです 」

それを聴いた先生はなにやら感心しているといった様子だ。

「 なるほど・・・、 ボクはここに来て間もないからなんだかそれは意外ですね。 
それと、これが君の質問に対する答になるけど、僕自身もそうなんだ 」

先生は『クリスチャンか否か?』という問いにNOと答えた。
そうなると余計に疑問が発生する事になる。

「 『では、なぜここにいるのか・・・? 』でしょう? 僕自身はキリストを信じているということはないんですよ・・・。 
ただ、信仰という文化に対しては理解あるつもりです。 いや、もっと平たく言うなら『救いを求める心』というのは誰にでもあると思います・・・ 」
「 ? 」
「 ようするに、僕の場合はなんでもいいんですよ。 仏教、ヒンドゥー、ユダヤ、イスラーム・・・いろいろありますが、 経文は違えど、究極的に至るところは同じだと思っています 」
「 ・・・ 」
「 おや・・・何か変な話になりましたね・・・。 え〜と質問は『なぜここにいるのか・・・? 』ですよね? 」

私は首を縦に頷いた。

「 その答は『興味があるから・・・』・・・です。 これでいいですか? 」
「 つまり、先生は神様を信じているというわけではないんですね・・・ 」
「 えぇ、その通りです・・・ 」
「 そういうのって、なんだか不思議です 」
「 たしかに熱心な信仰者・・・例えば君のような人から観れば、冒涜以外のなんでもないような気がしますね 」
「 いえ、そこまでは・・・ 」

先生と話していると、何か不思議な感じがする。
話の内容とかは問題ではない。
なんというか、その雰囲気、存在感が、私の知っている・・・もう何年も会っていない『あの人』に似ている。
いっそ、ここで本人に問いただしたい気もするが、
そんなことあるはずがないと、私のどこかで決め付けている。

「 どうかしましたか? 」

優しい先生・・・
生徒に人気のある先生・・・
最近、転任してきた先生・・・


あなたはいったいだれですか・・・





気がつくと、時刻は5時半をまわっていた。
あの後もずっと、先生とは他愛もない話をしていた。

「 暗くなる前に帰ったほうがいい・・・ 」

そう言って先生は私に帰るように促した。
私は鞄を手にとり、聖堂の扉をあける。
外はすでに暗闇がかかっている。

「 じゃぁ、気をつけて 」
 
そう言って見送ってくれる先生に・・・

「 はい。ごきげんよう・・・神代先生 」

ドアはまた、開いたときの同じように音を立てて閉まった・・・









あとがき・・・

やめてませんよw
いや、ほんとに・・・
っていうか1人でも読む人がいるのだろうか・・・ってくらい忘れられている頃だろうなぁ・・・w
もうペースはヤヴぁいくらい遅いですな。
というか、ここ数ヶ月めちゃくちゃ忙しいのですよ・・・w
マリとらもチェックできとりませぬ・・・(;´Д⊂)
ゲームは作るけどやってないという状況・・・

ただでさえ更新遅いのに、話が進まないこの話・・・
コレカライッタイドウシヨウ・・・



05/02/06




美由希、任務忘れてる……。
美姫 「彼女らしいエピソードだったわね」
うんうん。最後の方の志摩子の話にも幾つか気になる所が。
美姫 「神代先生はもしかして……」
その辺も気になるな。
ああ〜、次回が待ち遠しい。
美姫 「次回も楽しみにしてますね」
ではでは〜。



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