Side:ネロ
ん……朝か――時間はAM8:00、起きるには良い時間かもな。
俺の隣には、一糸纏わぬ姿のなのはが寝てる……まぁ早い話、キスを済ませたあと、なんだが気分的に盛り上がって、まぁ要するにヤッちまった訳だ。
その場の雰囲気と勢いってのは恐ろしいと思うが、だからって後悔とかそう言うのは一切ない――テメェの愛した女を抱いて後悔するなんざ、有り得ねぇ事だろ?
まぁ、其れは其れとして……
「独占欲の塊か俺は?」
自分で言ってりゃ世話無いが、そう思うのも仕方ない。
うなじに、首筋に、鎖骨に、胸に、腹の傷痕……計5箇所に『所有印』付けちまったからなぁ?……ドンだけ自己主張すれば気が済むってんだ俺は?
でも、それでも『足りない』って思う辺り、『愛に限界量はない』ってのは本当かも知れないな。隣で寝てるなのはの事が、こんなにも愛おしいから。
「ん……んん……おはよう、ネロ。」
「Good morning NANOHA.(おはよう、なのは。)」
そんな事を考えてたら、なのはもお目覚めか。
頬を赤く染めて、恥ずかしいのか胸から下をシーツで隠してる……んだが、その姿が余計に艶っぽいと言うか色っぽいと言うか…思わず昨日を思い出しちまった。
「えっと……その………だ、大丈夫だったか?」
「だ、大丈夫だよ!?うん、大丈夫なの!!///
えっと、其れで……あの……着替えるから、向こう向いててもらって良いかな?」
「あ、あぁスマナイ!」
慌てて反対を向くが、バッチリ見ちまったななのはの身体を……アレを抱いたのか俺は。
背後から聞こえる衣擦れの音が、何とも艶めかしい感じだ――ふぅ、俺も着替えるか、何時までもマッパって訳にも行かねぇしな。
「ねぇネロ、着替え終わった?」
「ん?今し方終わったが、なんだなのは?」
「えい♪」
――バスン
うおっと……なんだよ、行き成り抱き付いて来るなんて……如何したんだなのは?
てか、俺じゃなかったら確実に倒れてるからな?危ないから、他の人にはやっちゃダメだぜ?
「は〜〜い♪」
「良い返事だ……で、如何した?」
「出発前にギューって、思いっきりハグしてほしいな〜〜〜〜って……ダメ?」
「ダメ!……な筈なだろうが。其れ位の『お願い』は何時でも聞いてやるさ――俺も、なのはをハグするのは好きだからな。」
ったく、期せずして初デートの後の朝はむず痒くて、くすぐったくって、何とも言えない位の『甘い朝』になったみたいだ――其れもまた、悪い気分じゃないけどな。
リリカルなのは×Devil May Cry 黒き騎士と白き魔導師 Mission46
『新たな胎動〜To StrikerS〜』
Side:なのは
さて、そして週明けの月曜日。
私と、ネロと、ドゥーエちゃんはレティ提督に呼び出されて、レティ提督のオフィスで待ってる……何か重要な事でもあったのかなぁ?
「ゴメンナサイね、待たせてしまったかしら?」
「あ、レティ提督……いえ、其れほどは待って居ません――5分前の精神で行動しただけですから。」
それでレティさん、今日は如何して私達3人を呼び出したんですか?
最近は、別に訓練施設を吹っ飛ばすような模擬戦もしてないし、特に叱られるような事もしてないと思いますよ?過激な犯人逮捕は、してなくも無いですけれど。
「叱られるような事をしてるって自覚があるなら、あの全力全壊上等の模擬戦は自重してほしいモノだけれど、それは言うだけ無駄で徒労だから、言わないわ。
それに、今回はお説教で彼方達を呼んだ訳ではないの。
……単刀直入に言うわ、高町なのは、ドゥーエ・ナカジマ、ネロ……貴方達3名には、本日付けで辞令が下りたわ。
4月から、八神はやて二佐の立ち上げた試験的部隊『機動六課』の配属になるわ――試験的な部隊運用だから1年限りだけれど、良いわね?」
!!……このタイミングで出向要請って事は、やったんだねはやてちゃん!
ずっと夢だった『自分だけの部隊』を立ち上げる事に成功したんだ――だったら是非もありません、高町なのは、4月より八神はやて二佐の新部隊に出向します。
「私もOKよ?漸く準備が出来た……そう言う事でしょ?」
「なのはもドゥーエも迷わずか?……だったら、俺が此処で拒否る訳には行かないよな?つーか、辞令が下りたんなら拒否権とかなさそうだし。
何よりも『アノ』はやてが新設した部隊ってのには興味があるし、俺の力を必要としてくれてるんなら、其れに応えない事は出来ないからな……やってやるぜ!」
その意気だよ♪
と、言う訳で高町なのは以下2名、4月より八神二佐の新設部隊『機動六課』に出向します♪
「コイツは、また色々と楽しめそうだが、俺達3人が出向するとなると、独立機動小隊の方は如何なるんだ?
隊長も副隊長も、揃って出向しちまったら、武装小隊として機能しなくなっちまうと思うんだが……その辺は如何するんだよ?」
「其れに関しては大丈夫だよ?
私達が居ない間は、小隊の皆はレティ提督の私設護衛隊――要するに『SP』になって貰うから。元々その予定だったしね。」
「成程な……って、『元々』ってのは如何言う事だ?
ドゥーエも『漸く準備が出来た』とか言ってたし……若しかしなくても、辞令の交付は体裁を整えるだけの事で、出向は決まってたのか?なのはとドゥーエは?」
まぁ、そうなるんだけど、話しても良いですよねレティ提督?
「えぇ、勿論よ。
寧ろ、ネロ君に色々説明する為に私のオフィスを選んだ訳だし――此処なら、誰かに盗聴される事も盗撮される事もないですもの。」
「じゃあ、遠慮なく。」
確かにネロの言う通り、私とドゥーエちゃんが、はやてちゃんの新設部隊に出向する事は決まってたんだよ、其れも3年前からね。
「そんなに前から……」
「うん。それで、その目的は『管理局の改革と、最高評議会の解体』にあるの。……前に話したよね、最高評議会の事は?」
「あぁ、覚えてるぜ?
管理局の本来の仕事そっちのけで、自分の利権や地位や財産を護る事に躍起になってるクソッ垂れ共の集まりだろ?話を聞くだけでムカつく連中だ。」
そう、その最高評議会だよ。
今の管理局は、大きく分けて最高評議会の派閥と、レティ提督やクロノ君……フェイトちゃんのお兄ちゃんをを中心とした改革派の派閥に分かれているの。
此れだけ大きな組織だから、局内で派閥が出来るのはある意味で当然なんだけど、最高評議会派閥はミッドの市民の事なんてまるで考えてない人達が殆ど。
それどころか、質量兵器の禁止を盾に市民の自己防衛能力を極端に低下させ、自分達が其れを支配する――そう言った風潮に染まってる人達の集団なの。
まぁ、中には陸の英雄って謳われてる『レジアス・ゲイズ中将』みたいに、最高評議会に見切りを付ける人も居るには居るんだけどね。
だけど、最高評議会は管理局発時から存在してる最高機関だから、物凄く強い影響力を持ってるのもまた事実なの……改革の最大の障害なのは間違いない。
それを解体する為の部隊が、はやてちゃんの新設した『機動六課』なの。
最高評議会の裏を暴いて、そして評議会のトップを消し去って管理局を改革する――ランクリミッターを無視して隊員を集めた最強部隊だよ。
「そいつは何とも………だが、評議会のトップを消すってのは穏やかじゃねぇな?
普通に逮捕して、豚箱に蹴り込むとか、そう言うのじゃ駄目なのか?悪魔相手なら兎も角、無用な人殺しはしたくねぇんだけどな?」
「其れについては同感だけど、この資料を見てくれるかなネロ?何か気付かない?」
「あん?………コイツは……70年くらい前から、評議会のトップが変わってないな?
30歳でトップに居座ったとして100歳以上だろ?……其れが3人もって、流石におかしくねぇか?いや、世襲制で名を継いだってんならあるかも知れないが…」
世襲制なら確かにありだけど、その記録は何処にもない。
つまり、其処にある名前の人は全員が同一人物なんだよ………流石にオカシイでしょ?
「オカシイどころの騒ぎじゃねぇだろ?
確かに100歳超えて生きてる奴は居るが、一派閥の長を務めるってのは無理があるぜ?よぼよぼの爺さん婆さんで、巨大派閥を纏めるのは無理だろ多分。」
「そう、普通に考えれば無理よ……だから、ソイツ等はこんな状態になったって訳。」
「………Is this true?(マジか此れ?)
培養ポッドの中に浮かぶ脳味噌って……性質の悪いB級ホラーを見てる気分だ……コイツ等が最高評議会のトップだってのかよ?」
その通りなの。
不死の欲望に捕らわれた人達が、身体を捨てて脳と脳髄だけの状態で生き続けてる……この悍ましい存在こそが、時空管理局最高評議会の総元締めなの!!
加えて、此れは自分達が不老不死となる為に、裏でトンでもない事をしてたって事だよ?其れこそミッドの市民を犠牲にするような事を!!
だから、この人達は倒さなきゃいけないし、最高評議会は解体しなくちゃダメなんだ!
「It was understood well NANOHA.(良く分かったぜなのは。)
要するにそいつ等は、あの爺さん以上にブッ飛ばすべき相手だって事だろ?……上等だぜ!俺の右腕は、そう言う奴等をぶち殺すために有るんだからな!!」
――轟!!
うわ〜〜……デビルトリガーを発動した訳じゃないけど、ネロから『怒りのオーラ』が全開で溢れだしてるね。
「平和に暮らしてる奴等が、クソッ垂れ共の食い物にされるの以上にムカつく事はねぇぜ。
ぶっ潰してやろうじゃねぇか最高評議会………俺となのはを敵に回した事を、精々後悔してカミサマにお祈りでもしてるんだな!徹底的にやってやるぜ!!!」
ネロも、私達の目的に同調してくれたみたいだね?……機動六課に最強の戦力が追加だよはやてちゃん♪
新年度の4月……其れが、革命の始まる時だよ!!
――――――
Side:ネロ
はやての新設部隊にそんな目的があったとは驚きだが、折角スカウトされたんだから、やる以上は徹底的にやってやるぜ!
「その意気やで〜〜〜……まぁ、最大限ぶっちゃけると、ドナイな事態でも、なのはちゃんとネロ君が出張れば、大概何とかなるような気がするんやけどね。
せやけど、漸く……3年も掛かって、漸くスタートラインや……局内で実績詰んで、二佐の地位に上り詰めるのは、ホンマに簡単な事やなかったわ。
あんま褒められた事やないけど、場合によっては身体を使う事も有ったからなぁ?………歩くロストロギアを抱きたいなんて奇特な人もおったからね。
やけど、そんな奴等は逆に利用してやったわ!必要な事聞くだけ聞きだして、ヤル直前にシャマルがコア抜きの要領でプチッとな…私を舐めんなや、ジジィが。」
オイオイ……目的の為に、随分とクレイジーな事して来たみたいだな?
てか、普通に自分の身体を対価に差し出せるはやてに脱帽だよ……怖くなかったのか?
「怖い事なんて何も有らへんて。
シャマルはスタンバイOK状態やし、万が一シャマルに何かあった時の為に、シグナムとヴィータが常に部屋の外で待機してくれてたからなぁ?不安皆無や♪」
なら良いけどな。……ったく、爺どもは最低だなマジで。
「まぁ、其れは其れとそてや……なのはちゃん、そのうなじ蚊にでも刺されたんか?」
「ほえ?べつにさされてないよ?」
んで、行き成りの話題転換!?
つーか、なのはのうなじの痕って俺が付けたやつじゃないのか!?……サイドポニーで隠せると思ったんだが、予想逸上に目聡いじゃないかはやてよぉ!!
「そうなん?
てっきり私は『ネロ君』って言う、極上イケメンの虫に刺されたんかと思ったんやけどね〜〜〜〜!!」
「うにゃぁぁぁぁぁ!?//////!!」
「その反応やとビンゴかなぁ?ホテルを相部屋のセミダブルにした甲斐があったで!!
其れでドナイやった?ネロ君とヤッタんやろ?ドナイな感じやった?……若しかして、乱れまくっとったんか、なのはちゃ〜〜〜〜〜〜〜〜ん!!!」
「あう///…へう……ふにゃぁぁぁぁ〜〜〜〜///」
ったく、そのへんにしとけよはやて?
アンタの予想通り、デートの後で俺となのははヤッちまった……其れを否定する気はないが、だからって、それを根掘り葉掘り聞くのは如何かと思うぜ、俺は?
つーか、人の心の領域にズカズカ入り込むのは、気心の知れた相手でも良くねーと思うんだけどさ……
「人の色恋沙汰以上に面白いモンはあらへんで?」
「OK、中々に最低だな部隊長様よ!」
下手したら、セクハラで訴えられるぞアンタ。
まぁ、なのははそんな事はいしないだろうけどな――つーか、俺の彼女で遊ぶなよな?度が過ぎるようなら、バスターでぶん投げてやるぜ?
「其れは勘弁や……まぁ、可愛いなのはちゃんが拝めたって事で手打にしとこ。
せやけど、此れはなのはちゃんの親友として言わせて貰うけど……なのはちゃんの事を泣かせたら許さへんからねネロ君?」
誰が泣かせるかよ。
俺はなのはを愛してる。テメェが惚れて、愛した女を泣かせるなんて出来る筈がねぇだろ?嬉し涙は除いたとしてだ。
大事にするさ……なのはは俺だけの『最高のお姫様』だからな。
「はうぅぅ!!………直球すぎるよネロ///……あうぅぅ…顔が熱いよぅ……///」
「此処までドキッパリと言われると、からかう事すら出来へん……あぁ、もう妬けるくらいのラブラブっぷりや!!いっその事結婚してまぇぇぇっぇぇ!!
寧ろしろ!!このまま一気にゴールインしてまえ!!思いっきり祝福したるわ、おんどりゃぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁ!!」
完全に暴走してるなコイツは……ドゥーエ、フェイト、頼んでいいか?
「「勿論!目を覚ませ、はやて!!」」
言うが早いか速攻で行ったな……若しかしたら、4月からの機動六課では、こんな光景が普通になっちまうのかもしれないが、其れは其れで刺激的で面白いぜ。
まぁ、何もない事が一番なんだが、多分そうはいかねぇだろうからな……I'll exert myself and go NANOHA!(気張ってこうぜ、なのは!!)
「うん!言われるまでもないよ!!
やるとなった以上は、妥協をしないで全力全壊!!其れが私の信念なの!!」
「そう来なくっちゃな!新しい部隊でも、俺達の全力全壊を魅せてやろうぜ!!
つーか、俺となのはのタッグの前に敵はねぇだろ?何がドレだけ来ようとも、来た端からぶっ倒してきゃ、最後にゃ親玉に大当たりだからな?やってやるぜ!!」
「うん!思いっきり行こう!!」
なのはと一緒ならどんな事でも出来る……誇張とかそんなんじゃなくて、マジでそう思えるぜ。
覚悟しとけよクソッ垂れの脳味噌共……スパーダの血族と、ネフィリムの末裔が、テメェ等に断罪の刃をくれてやるから、その時を楽しみにしておけよな?
機動六課の起動まであと少し……コイツは最高のパーティが始まるかも知れないな!!
――――――
Side:ジェスター
こりゃまた、何とも趣味の良いアジトだが………此れから如何するんだいスカリエッティの旦那よぉ?
俺っちの知りうる限りの情報は、アンタに回してやったが――其れでもアレから得られる力は微弱じゃなかったはずだ……其れを利用するんだろアンタはなぁ?
「ククク………無論その心算だ。
だが、只叩き潰すのではあまりにも芸がない……人々を恐怖と混乱に陥れた上で始末する……何ともワクワクする戦術だとは思わないか?」
「キシシシシシシシシ!良いねぇ、その案!即採用だよ
けど、あのぼーやと、栗毛の姉ちゃんも相当に強くなってるだろうからなぁ……やれるだけの事はやっといた方が良いと思うぜ?」
悪魔のぼーやと、栗毛の姉ちゃんの前では無力かもしれないけどな。
キシシシシシ……さぁ、始めようぜぼーやと嬢ちゃん!イカレタパーティの始まりだ……精々、思いっ気り楽しもうじゃないのよ〜〜〜〜〜〜〜♪
俺っちも、最大級のおもてなしを考えてるから、楽しくやろうぜ〜〜〜〜?
キシシシシ……アンタと組んだのは正解だったぜ大将!
本気で面白い事が出来そうだからな〜〜……クヒヒヒヒ……ヒヒャハハハハ……イヒャ〜〜〜〜〜ヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!
今から楽しみで、もう待ちきれないぜ……精々俺っちを、退屈させないでくれよ、ぼーやと嬢ちゃん!!いひゃ〜〜〜〜ひゃっひゃっひゃっひゃっひゃ!!!
さぁて、新しい物語の幕開けだぜ〜〜〜〜〜!!ひゃ〜〜〜〜〜っはっはっはっはっはっはっはっはっはっは!!!!
To Be Continued…
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