Side:スカリエッティ
ふむ、ジェスター君が持って来た悪魔のコアの中でも、特に強い力を秘めて居た此のコアだが、再生してみて納得したよ……これ程の大悪魔のコアだったとはね。
下級悪魔のコアは、ガジェットに搭載して出撃させたが、此れだけの大悪魔だと、其のままの姿で出て貰った方が力を発揮できるかも知れないねぇ?
『……此処は何処だ?』
「おや、お目覚めかな?……初めましてだね『炎獄の覇王』ことベリアル殿……誠に勝手ながら、貴方の事を再生させて貰ったよ。」
『人間風情が我を蘇えらせたと言うのか?……実に興味深いな。
だが、この炎獄の覇王を蘇えらせて如何しようと言うのだ人間?――もしやと思うが、我の力を使いたいなどとは言うまいな?』
そのもしやだね。
炎獄の覇王・ベリアル殿には、是非とも我が野望成就の為に力を貸して頂きたい――無論、悪魔と契約を成すための対価は用意してあるよ。
『野望成就の為に我の力を欲するとは、トンでもない命知らずが居たモノだ。
対価を用意したとの事だが、その対価が見合わぬ物であった場合は、我は容赦なく貴様の命を喰らう……其れでも構わないのだな?』
どうぞご自由に。
ですが、対価には満足していただけると思いますよ?―――貴方の敵として、魔剣士スパーダの血を引く者達を用意させて頂いたからね…満足できるでしょう?
『スパーダの血筋とだと!?……確かに其れは願ってもない対価だ!!
フォルトゥナでの屈辱は忘れん―――今度こそ、スパーダの血筋は根絶やしにしてくれる!!!』
まぁ、期待しているよベリアル殿――精々思い切り暴れてくれたまえ。
ジェスター君が、ファントムと言う大悪魔をけしかけた様だから、此れは、凄い戦いになる事は間違いないだろう……ククク、精々鑑賞させて貰うとしようか?
精々頑張ってくれたまえよ機動六課の諸君。君達の頑張りが、同時に私達の野望成就にも係わってくるのだからね。
先ずはデビルガジェット相手に何処まで出来るかを見させて貰うとしようかな?……ガッカリさせないでくれたまえ、機動六課の精鋭魔導師達よ――
リリカルなのは×Devil May Cry 黒き騎士と白き魔導師 Mission55
『初陣〜The First Alert〜』
No Side
列車暴走の知らせを受けたネロ達は、すぐさまヘリで現場に向かっていた。
人数が人数なので、2機のヘリでスターズとライトニングの双方を夫々運ぶ事にしたらしいのだ――まぁ、ある意味で最も信頼できる移動方法であると言える。
「見えたぜなのは!アレが暴走してる列車だな?」
「うん、間違いないよネロ!車体番号も、はやてちゃんから貰った資料と一致するし、アレが暴走列車だよ!
……それじゃあ、出撃前に改めて――私達の任務は、列車の停止とロストロギアの確保!其れを最優先にして動いてね?」
「「「了解!!」」」
「All right Boss.(任せときな隊長。)精々暴れさせて貰うさ!!」
「良いだろう、力を貸してやる。」
そして、隊員のやる気もまた充実!この辺は、なのはが士気を上げるのが上手であると言わざるを得ない――たった一言で、隊員の緊張を解したのだから。
其れのみならず、なのはの一言でスバル達のやる気も充実しているのだから、なのはの影響力は凄まじく強いモノなのだろう。
尤も、ネロは其れに対しても何時もの笑みを浮かべて、軽口を交えて対応し、スターズの方に配置されたバージルもまた、クールに現状を見極めていた。
「良い返事だね?……其れじゃあ行くよ!アルトさん、後部ハッチの解放をお願いします!!」
『アイサー!!頑張ってくださいよ皆さん!!』
其れに満足そうな笑みを浮かべると、なのははパイロットのアルトに対して、後部ハッチの解放を促す。
程なく、後部ハッチは解放され、其処からの出撃が可能になった――となれば、即時出撃となるのは火を見るよりも明らかだろう。
「スターズ01、高町なのは、行きます!!くーちゃん!!」
「うん、一緒に行く。」
「スターズ02、ヴィータ、行くぞ!!」
「スターズ03、ドゥーエ・ナカジマ、出るわよ!」
「スターズ04、ネロ……出るぜ!!」
「スターズ05、スバル・ナカジマ、行きます!」
「スターズ06、ティアナ・ランスター、出撃します!」
「スターズ07、ウェンディ・ナカジマ、全力で行くっすよーーーー!!」
出撃コールと共に、先ずはスターズのメンバーが全出撃!!
「俺達も行くか。」
「はい、頑張りましょう!」
「では、一暴れと行きますか。」
続いて、バージル、アミタ、シュテルが出撃。この3人は民間協力者としてスターズに所属の扱いであるようだ。
ネロとバージル以外のメンバーは、スカイダイビングをしながらセットアップを完了し、戦闘準備はバッチりと言う所だろう。
更に、スターズの出撃と同時に、フェイトが隊長を務めるライトニングも出撃!!
ライトニングには、ダンテとレディ、ディアーチェとレヴィが加わっているので、戦力としては正に申し分ない。ともすれば、過剰戦力とも言えるだろう。
「ウィングロード!!」
「エアライナー!!」
セットアップも終わり、戦闘態勢が整ったところで、スバルが『ウィングロード』を、ノーヴェが『エアライナー』を夫々展開し、飛べない者の足場を確保する。
誰に言われた訳でもないが、状況を的確に判断しての足場の生成は見事であると言えるだろう。
「何度見ても、面白れぇ技だよな此れ?エアハイクとは違って足場じゃなくて道を、其れも一瞬じゃなくて永続的に造っちまうんだからなぁ?
なぁ嬢ちゃん、今度俺にも教えてくれよ?コイツが使えりゃ、空飛んでる敵と戦うのも、幾分楽になりそうだ。」
「いやぁ、此れって教えて出来るモノでもないんですけどねぇ……先天的な能力とか、そう言う感じなんで……」
「貴様は、ネヴァンを装備してデビルトリガーを発動すれば、飛ぶ事は出来るのではなかったか?」
「そうなんだが、デビルトリガーは制限時間あるし、エアレイドは飛行速度は其処まで速くねぇからなぁ?もっとこう、手軽に空を移動する手段が欲しい訳よ?」
「ならば、ネロかなのはに飛行魔法を教わるが良い。因みに俺は、何れ教えてもらう予定で居る。」
「親父が子供やその彼女から技習うってのは如何なんだ?」
「代わりにネロには次元斬関係の真髄を、なのはにはデビルトリガーバーストを教えてやる予定だから、其れでバーターだ。」
「つーかさ、キャリバー装備してるスバルと、ジェット装備してるアタシのスピードに、普通に走って付いて来るって、アンタ等本気で何モンだよ!?
ジェットとキャリバーの最大速度は80km近いってのに、息も乱さずに普通に付いて来るとか、あり得ねぇ!絶対に有り得ねぇ!!」
「HAHAHA、ソイツはアレだ、俺とバージルは半分だけ悪魔だからな?身体能力は普通に人間とは比べ物にならない位にバカ高いのさ。」
こんな会話をしながらも、バージル、ダンテ、スバル、ノーヴェ……奇しくも『赤と青の双子コンビ』である4人は順調に先行していく。
その上空では、ディエチがウェンディのライディングボードに相乗りして移動し、エリオはキャロと共に移動中である。
そして、ティアナとレディは……
「持ち込み申請しといてよかったって所ね、此れは。」
「ホント、何が何処で役に立つかは分からないわよね?」
ティアナが事前に申請して持ち込んでいた、自前のバイクにレディがタンデム乗車してウィングロードを疾走中。
余談だが、レディとティアナは使用武器に類似したギミック(カリーナ=アンのワイヤーショットと、クロスミラージュのアンカーガンモード)が搭載されている事から、そ
れらのギミックを如何使うかで、意見交換をする機会が多いらしく、其れなりに良い友人関係を築いているらしい。
「スピード上げるわよレディ、確り掴まってなさいよ?」
「大丈夫、寧ろ激しいのは大歓迎よ!フルスピードで、ブッ飛ばしちゃいなさい!!」
「乗り物酔いしても、責任持たないからね!」
言うが早いか、ティアナはアクセルを踏み込んで急加速!!あっと言う間にバイクは時速80qに達し、スバル達に追いつく。
そしてこの高速移動の甲斐あってか、あっという間に暴走する鉄道に追いつく事が出来た――此処からが、真のミッションスタートと言えるだろう。
――――――
Side:ネロ
よっと……取り敢えず暴走列車に飛び乗る事は出来た訳だが、先ずはコイツを止めればいいんだろなのは?
「うん!操縦室に、いざと言う時の為の『緊急停止ボタン』がある筈だから、其れで車両を完全停止させてくれるかな?」
「Leave NANOHA.(任せときな、なのは。)その位ならお安い御用だぜ………オラァ!!!」
――バキィィィィィィ!!
「………車両の天井ぶち破るって如何なのかな?」
他に中に入る方法がなかったんだから仕方ないだろ?其れに此れは、六課の必要経費として落ちるだろうから問題ねぇさ。
万が一の場合には、レティが何とかするだろうから問題なしだ――つーか、被害を最小限に留める為に仕方なかった破壊に難癖付ける方がどうかしてるだろ?
「言われてみれば、確かにそうだね……なら何の問題もないよ。
緊急停止装置が作動しなかった場合には『強制停止』もやってくれて構わないから!!」
了解だ、どんな手を使ってもコイツを止めて―――
――ドォォォォォォォォォォォン!!
『『『『『…………………』』』』』
と思った矢先に、謎のロボットの御登場と来たか……狙いは、ロストロギアか?何にしても、捨て置く事は出来ねぇが……
「バスター!!」
「燃えちゃえ。」
――バゴガァァァァァァァァァァァァァァァッァァアァァァァァァン!!!!
なのは、其れに久遠も!……中々に派手な一撃をブチかましてくれるぜ!!
「無人機……ガジェットの方は私達に任せてネロ!
此処は引き受けるから、ネロは車両の停止の方をお願い!――大丈夫だよ、こんなガジェット如きに負けてあげる心算は毛頭ないからね!」
まぁ、ガジェット如きじゃなのはの相手は勤まらねぇだろうさ……精々、バスターで一撃撃滅ってのが関の山だからな。
OK、そっちは任せるぜなのは!直ぐにこの暴走列車を止めて来るから、まかり間違っても死ぬんじゃねぇぞ?
「言われなくても大丈夫だよ!
ネロの方こそ気を付けてね?車内にガジェットが入り込んでないとは言いきれないから。」
「Ha!そんなモン、居たら居たでぶち殺すだけだ!―――そうだろ?」
「だね……だけど、無茶だけはしないでね……」
――ちゅ……
……分かった、無茶だけはしないよ……女神様から、最高の祝福を送られちまったからな……今の俺は、冗談抜きで神をも超える存在だぜ!!
やってやろうじゃねぇか!!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
んで、到着した操縦席なんだが、誰も居ねぇ……無人操作の列車だったって事か……だったら、態々操縦席なんか作るなって思った俺は、絶対に悪くねぇよな?
まぁ、いざと言う時の為の手動操作が必要だったって事なんだろうが―――取り敢えず、緊急停止装置はコイツだな?
――シーン……
アン?反応なしだと?
此れが緊急停止のボタンなんだろ?止まれ、止まれって言ってんだろうが!!
――シ〜〜〜〜〜〜〜〜ン……
幾らボタンを押しても反応なしと来たか……このポンコツが!!
――ババァン!!
ザマミロ、大人しく停止しなかったテメェが悪いんだからな?
――ギギ………ミシ……ピィイィィィィン
ん?操縦室内の照明が、レッドからブルーに変わった?
此れは、緊急停止装置が起動したのか?……思わずブルーローズの一撃をブチかましちまったが、其れが逆に良かったみたいだな…怪我の功明ってやつだぜ。
ともあれ、此れで暴走列車は止まる筈だから、後は輸送中のロストロギアを確保して、外のガジェットを一掃すればミッションコンプリートだな。
ガジェットの出どころは分からねぇが、精々俺達に盾突いた事を後悔しろよな?――俺となのはが居る限り、六課の勝利は絶対だからな!!
ドレだけの性能を持たせたところで、ガジェット如きはゴミ屑同然だって言う事を骨の髄にまで刻み込むと良いぜ、クソッ垂れ共が!!
――――――
Side:なのは
車両が減速し始めた!停止に成功したんだねネロ!…なら、後はこのガジェットを一掃すればミッションコンプリートだよ。
だけど現れたガジェットは、能力的には大した事はないんだけど、数で攻めて来るって言うのは厄介極まりないね?
どうやって戦力を整えたのかは知らないけど、ガジェットの数は六課のフォワード陣の数を遥かに上回っている感じだからね……けど、好き勝手にはさせないの!
「ディバイィィィィン………バスター!!!!」
――バガァァァァァアァァァァァァァァァン!!!
其れでも、ガジェットならこの一撃で撃滅出来る筈だよ……私の全力の一撃なんだから!
――シュゥゥゥゥゥ……ギギギ……
と思ったら、破壊した筈のガジェットが再起動?……此れは流石に予想して居なかったの。
しかも、只再起動しただけじゃなくて、見た目が大きく変わってる――まるで、マリオネット……まさか、悪魔がガジェットに憑依したって言うの!?予想外だよ!!
此れは、普通に相手したら、少し厄介かも知れないね?……だったら、レイジングハート!!
『All right.Devil Trigger Drive ignition.(了解。デビルトリガーを発動します。)』
「「I go by full strength!(全力全開!)」」
「此れは…バルディッシュ!!」
『Yes sir.Devil Trigger.(了解。デビルトリガー発動。)』
「「Strong wind and crash of thunder!(疾風迅雷!)」」
フェイトちゃんもデビルトリガーを発動したみたいだし、こうなった以上、私達の勝ちは絶対だよ!!
例え悪魔が憑依したガジェットが相手だって、機動六課を崩す事は出来ないって言う事を、教えてあげるから覚悟しておくと良いの!!
「「「ガァァァァッァァァアァァァァァァァ!!!!!」」」
む……背後から?……悪くない攻撃だけど、此処に居るのは私だけじゃないんだよ?
「Don't touch NANOHA!Blast off!!(なのはに触るんじゃねぇ!ぶっ飛びやがれ!!)」
「背後からしか襲えぬとはな……Vanish underling.(失せろ、三下が。)」
――ズバァァァァァァァァァァァ!!
ネロのストリークと、バージルさんの疾走居合が炸裂して、ガジェットマリオネット(仮)も一網打尽て言うところだね……良いタイミングだったよネロ、バージルさん。
「コイツ等如きに遅れを取る事は出来ねぇだろ?」
「身の程知らずの雑魚には、相応のやり方と言う物がある……尤も、この程度では刀の錆にもならん雑魚でしかないのだが、其れは今は不問としよう。
だが、悪魔の憑代となったガジェットは、間違いなく俺達の敵だろう?……ならば、潰すだけの事だ――機動六課の全力を持ってしてな。
新人の連中もまた、中々出来るようだからな?……コイツ等如きに、後れを取る事はあるまい。」
そうですね……幾ら悪魔が乗り移ってるとは言っても、ガジェット如きは私達の敵じゃありません!
行くよ、ネロ!バージルさん!!
「言われなくてもその心算だ――思い切り暴れさせて貰うぜ!!」
「この程度で、俺達を止める事が出来ると思うとは滑稽だな?――格の違いを思い知るが良い、雑魚が。」
誰の命令で、此処に来たかは知らないけど、襲った相手が悪かったね?
貴方達には、今此処で強制退場をして貰う……拒否権は無いよ?――スパーダの血統と、ネフィリムの末裔からは逃げられないって言う事を知ると良いよ!!
絶対に負けない……私は、私達は――機動六課は、絶対に負けないからね!!!
To Be Continued…
|