Side:ゼスト
あそこか……あの巨大建造物に、スカリエッティが居るのだな?――何を企んでいるかなどと言う事は、この際如何でも良い事であり、今更興味もないが、奴がレジアス
を如何したかと言う事に付いては、問いたださねばなるまい。
場合によっては、一戦交える事になるだろうが、勝てずとも、奴に決定的な一撃を喰らわせる事が出来たならば、死に損ないの働きとしては、寧ろ上々と言う所だろうな。
して、あの巨大建造物の中で、何が起きているかは把握できたかアギトよ?
「ん〜〜〜〜……サーチャー飛ばして、見て見たんだけど、此れは何つ〜か、トンでもねえ事になってる感じだぜ旦那?
スカリエッティの野郎は帰天してるみたいなんだが、其れに管理局のエース・オブ・エースと、異形の右腕を持った野郎と、エース・オブ・エースの使い魔が、現在進行形
で絶賛バトルの真最中で。しかも、数の上で有利とは言え、完全にスカリエッティの奴を圧倒してやがる!!」
「なに!?其れは本当か!!」
「旦那に嘘を吐くかよ!!
コイツ等、マジでハンパねぇ強さだぜ…帰天したスカリエッティが、まるで子供扱いかよ!?スカリエッティからの攻撃も、大して効いてる感じじゃねぇし、凄すぎんだろ!」
自身を悪魔化させる帰天を使ったスカリエッティを圧倒するとは、どうやら次代を担うべき活きの良い若者が奮闘しているようだな?
全くの偶然だが、此れは俺にとっても僥倖だ――其れだけの相手と戦っているのならば、スカリエッティには必ずどこかで隙が生じる筈だから、其処を狙わせて貰う!!
ベルカの騎士としては恥ずべき闇討ちにも等しいが、今の俺では、そうでもしなければ帰天したスカリエッティに一太刀入れる事すら叶わんだろうからな……この際、己の
プライドなどは、かなぐり捨てるべきだろう――此処までの生き恥を曝して来た故に、今更失う物もないからな。
「恐らくは、此れが俺の最後の戦となるだろうが……最後まで、俺に力を貸してくれるかアギト?」
「――!!あ、当たり前の事聞くなよな!!アタシは旦那のお蔭で、今こうして生きてられるんだ!!アタシにとって、旦那は文字通りの命の恩人なんだ!!
だから、最後の最後まで、アタシは旦那と一緒に居る。旦那が望むなら、幾らだって力を貸してやる!!」
そうか……如何やら最低の二度目の生の中で、俺は最高のパートナーと巡り合えたらしい。
ならば行くぞアギト!!ベルカの騎士として、そしてゼスト・グランガイツとして、此の生き恥を曝す二度目の生に終止符を打つとしよう…スカリエッティの首を取る事でな!
リリカルなのは×Devil May Cry 黒き騎士と白き魔導師 Mission94
『反乱の徒〜Numbers Cinque〜』
Side:ネロ
スカリエッティの野郎、テメェの身体を神の中に沈めやがったか……っつ〜事は、不完全ながら神が起動するって訳で、そうなると次に来る攻撃は、アレで間違いなだろ。
なのは、久遠、此のデカブツから距離を取れ、距離を取れば今のコイツの攻撃は当たらねぇからな。
「「うん、分かった。」」
「了解!」
おし、デカブツは既に攻撃モーションに入ってたが、攻撃が繰り出されるより早く、なのはと久遠は有効射程圏外に移動したぜ。つまりその攻撃は空振りに終わるんだが…
――バガァァァァァァァァァァァァッァアッァン!!!
巨大な拳が力任せに振り下ろされた場所には、良く床が崩れなかったなと思うレベルのクレーターが出来てやがるからな……アレを真面に喰らったら、ヤバいのは確実っ
て言うか、幾ら悪魔の血を引いてる俺や、ネフィリムの末裔であるなのは、最上級レベルの妖怪の久遠でも、アレを喰らったら重傷は免れねぇからな。
「「確かに、アレだけの破壊力の一撃を真面に喰らったら、幾ら何でもゲームオーバー確実だと思うの。
幸い、此れだけの巨体だから攻撃モーションが丸分かりで、避ける事に難は無いんだけど、この空間であの腕を振り回されたら、結構厄介かもね。」」
「「あぁ、厄介だ――振り回す事が出来ればの話だけどな。」」
「出来ればって、如何言う事?」
ゆりかごってクソ兵器の機構を有してるって事だったが、アレはヤッパリ俺が元居た世界で、魔剣教団のインチキ爺さんが切り札にしてた神擬きと基本的には同じで、真の
力を解放するには、如何あっても『スパーダの血』が必要って事さ。
つまり、其れが無い状態で起動させても、本来の力の半分を出せれば上出来って所で、最大限ぶっちゃけっと『パンチを1発打つ。』『腕を動かして対象を掴む』程度の動き
しか出来ねぇってこった。
しかも、この神擬きは、此の趣味の悪い外装の中に数えんのが面倒くさくなる位の悪魔の魂をぶち込んでやがるから、スパーダの血が無い状態で動かすってのは、幾ら
スカリエッティの野郎が帰天してるとは言っても、パンチ一発打つだけで可成りの力を使っちまうから――
――ヴィン……
「「スカリエッティ……!」」
「出てきちゃったよ?」
1回攻撃したら、神擬きの中から出て力を回復させる必要があるって訳だ。尤も、力の回復中は、アイツを覆ってるバリアの強度が増すから少しばかり厄介なんだが、俺達
には大した問題じゃねぇよ。
確かに1人で挑んだら厄介極まりねぇが、スパーダの孫である俺と、ネフィリムの末裔であるなのは、でもって最高位の九尾の久遠の3人なら、その程度は屁のツッパリ
にもならねぇってんだ。
「「確かにね。……って言うか、何処で覚えたのそのセリフ?」」
「「大分前になるが、俺がプロレス好きってのを知ったはやてが『キ○肉マン』とか言うコミックを貸してくれて、其れでな。」」
まぁ、そんな事は如何でも良いぜ。
其れよりもなのは、此処からはデビルトリガーを解除して行くぜ?俺は兎も角、なのはのデビルトリガーは有限だから、ある程度は温存しておいた方が良いだろうからな。
――シュゥゥゥン…
「其れもそうだね――だけど、デビルトリガーを解除したら、私達の戦闘力は半減しちゃうけど大丈夫なのかな?」
「其れに付いては大丈夫だ、此処からはレッドクイーンじゃなくて閻魔刀を使うからな。
伝説の魔剣士が残した『人と魔を分かつ』刀は、帰天したスカリエッティに対しては、相当な力を発揮してくれるだろうし、刀ってのは使ってて面白いからな。」
兎に角だ、神を不完全な状態で起動したところで、そんなモンは俺達にとっては何の脅威にもなりゃしないぜスカリエッティ?
其れ以前に、俺となのはのコンビを倒したいなら、最低でもファントムかベリアルを1ダース用意してこいよな?其れ位じゃないと相手にすらならねぇってんだ、割とガチで。
しかも、今此処には久遠まで居るんだぜ?ハッキリ言って、テメェなんぞは俺達の相手として役者不足なんだよスカリエッティ。
「如何足掻いたって、お前は俺達には勝てねぇよ、余程の事が起こらない限りはな。
だから、悪い事は言わねぇ、ヴィヴィオを解放して、その汚いケツ見せてさっさと逃げ帰りなスカリエッティ、お前じゃ俺達に勝つ事は出来ねぇよ。」
「大した自信だな?或は其れもまた、スパーダの血を引いているが故か……だが、生憎と私は天邪鬼でね、諦めろと言われると余計に燃えて来る性質なのだよ!!
加えて、天運はまだ私に味方してくれるようだからね?」
なんだと?……って、成程そう言う事かよ。
何時の間にか、俺達の周りには、スカリエッティの配下である戦闘機人が4人も集まって来やがってた……コイツ等相手に負ける事は無いだろうが、戦いに介入して来る
となると些か厄介だな?コイツ等への対処もしなくちゃならねぇ訳だしな。
「良いタイミングで来てくれたね、チンク、セイン、オットー、ディード?今まで何をしていたのかは気になるけれど、君達が居てくれるのならば私としても心強い。
高町なのはとネロの2人を、牽制してくれたまえ――君達では勝つ事は出来ないだろうが、彼等を牽制する事くらいならば出来るだろう?」
「了解しましたドクター……と、以前の私ならば言っていただろうな。
だが、今はそうは言わない!!今のドクターは、私の知るドクターではなく、ジェスターと出会った事で闇の力に魅入られてしまった、力に憑りつかれた魔物でしかない。
故に、今の貴方の命令を聞く事は出来ない……其処には、理想も何もないのだからな。」
「……其れは、反抗の意思と見て良いのかなチンク?否、他の3人に関しても同様かな此れは?」
「ま、そんなとこだね?陛下を誘拐する時は、自分の能力を最大限に使う事が出来るかも知れないって思ってたんだけど、ぶっちゃけあんまり面白くなかったんだよねぇ?
速攻で捕まっちゃったってのも有るけど、トーレ姉とセッテのあの力は普通にあり得ねぇでしょ?幾ら戦闘機人だとは言っても、悪魔の力を身に宿すとか有り得ねぇし。
それと、まだ耳に残ってんだよね、陛下と其処の兄ちゃんの、互いの事を呼ぶ叫び声がさ……理解したんだ『なんて事をしたのか』って。
まぁ、六課が崩壊したお蔭で逃げ果せる事が出来た訳だけど、チンク姉の任務の話も聞いて、もうアンタに従う事は出来ないって、そう思ったんだよ!!」
「私も、姉さまと同じです。」
「僕も、そうだね。」
「ほう……此れは完全に予想外の事態だ。」
厄介と思ったら、あの銀髪眼帯幼女、中々に言うじゃねぇか?しかも、自分以外に3人引き連れて反抗の意を示すとか、ダンテ風に言うなら結構ガッツがあるって所だな。
だが、コイツは思わぬ援軍ってやつだぜ。少なくとも、コイツ等は俺達に攻撃する意思はなさそうだし、スカリエッティを共通の敵としてる訳だから、共闘はできるんじゃねぇ
かと思うんだが、なのはは如何思う?
「信頼しろって言うのは、些か無理があるかも知れないけど、スカリエッティの反応を見る限り、私達を動揺させるための演技じゃないと思うから、反抗は本気だと思うの。
兎に角、今は事が事だけに細かい事は言わないけど、全てが終わったら取り敢えず事情聴取だけはさせてもらうからね?」
「当然だろうな……だが、今この時は共に戦う事を誓おう。
魔に魅入られ、そして心身ともに悪魔となったドクターを、父を救う事は最早できないだろうから、ならば娘として其れを止めるのが務めだ……!!」
「アタシ等もチンク姉と同意見て事で宜しく。双子も其れで良いでしょ?」
「「(コクリ)」」
なら、共闘の方向でだな。
しかし、お笑いだなぁスカリエッティよぉ?テメェは帰天によって相当な力を身につけ、このカミサマ擬きまで作ったってのに、テメェの娘達はお前に従う気はないと来たぜ?
ドンだけ力を手にしても、テメェの配下に裏切られるようじゃ色々お終いだろお前?悪い事は言わねぇから、この辺で大人しく投降しといた方が身の為だと思うぜマジで。
「くくく……くははははははははは!!!まさか、まさか自ら作り出した娘達に反逆されるとは、マッタク持って予想外の事だったよ!!
しかも、クアットロの提言から、人らしい感情を排除したオットーとディードまでもが反抗するとは驚きだ。何故そうなってしまったのか、是非とも研究したいモノだよ!!
だが、刃向うと言うのならば、娘とは言え容赦はしない……精々、神の力を得た私に反抗の意を示してしまった事を後悔すると良いさ!!」
「そのセリフ、そっくりそのまま返してやるよマッドサイエンティスト。
テメェこそ、スパーダの血筋とネフィリムの末裔……てか、俺となのはに喧嘩を売っちまった事を後悔しな。黒騎士と白魔導師は、暫定だが管理局最強タッグだからよ。」
「大体にして、そんな事を悠長に言ってる暇があるのかな?――戦いの場に於いて、一つの方向にしか意識を向けていないのは、死に直結するよ?」
「なに?」
「ランブルデトネイター!!」
「レイストーム。」
「ツインブレイズ。」
――バガァァァァァァァァン!!!
「ぐわぁっぁぁあぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
なのはの言う通りだぜスカリエッティ?
テメェが長ゼリフかましてる間に、チンクとオットーとディードは、既にテメェへの攻撃を完了してたんだよ。まぁ、この程度じゃ決定打にはならないだろうが、其れでも割かし
効いただろスカリエッティ?
このまま圧倒してやるよ。精々地獄に堕ちるまでの間に、テメェの罪を数えな!!――それが、テメェに出来る唯一の事だぜ、クソッ垂れのマッドサイエンティスト!!
――――――
No Side
チンク他3名を新たに加えて再開されたバトルは、完全にネロとなのは達がスカリエッティを圧倒していた。帰天したスカリエッティは、並の上級悪魔以上であるのにだ。
此れには、ネロがレッドクイーンではなく閻魔刀を使っている事も大きいだろう――人と魔界を分かつ刀の持つ力は、帰天したスカリエッティにも有効だったのである。
実際に、此の戦闘に於けるネロの活躍ぶりは目を見張るものがあるだろう。
「Be gone!(失せろ!)」
バージル直伝の『羅閃天翔』から、『閻魔刀飛翔斬』に繋ぎ、これまたバージル直伝の『旋風斬』で斬り上げ、更にスナッチで掴み、地面に向かって力任せにスラムダンク。
此れだけでも、並の魔導師ならばKOレベルなのだが、帰天したスカリエッティは其の類では無い。
「あくまでも逆らうか……ならば神の力を知るが良い!
すくさま神を再起動して反撃に出んとするが、其れもまた無駄でしかない。
何故ならば、ネロからしたらこのカミサマ擬きは一度戦っているが故に、雑魚ボスにしかならないのである。下手したら、雑魚ボス以下の存在なのかも知れない。
「神の力だと?知りたくねえょそんなモン!」
――バガァァァァァァアン!!
そして、繰り出された神の一撃に対して、ネロがカウンターのバスターをブチかまし、其の成果として、カミサマ擬きの中からスカリエッティを引き摺り出したのである。
同時に強制的に引きずり出されたスカリエッティは魔法バリアすら展開していない、文字通りの丸裸状態なのだ。
勿論、其れを見逃すなのは達ではない。魔法バリアがない状態ならば、如何なる攻撃もダイレクトに通ると言う事に他ならないのだから、此れは絶好の好機なのだ。
「此れが好機!喰らえ、ハイペリオンスマッシャー!!」
「燃やす……おぉぉぉおぉぉぉぉ、喰らいやがれぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
――ドゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォッォォォォォン!!!
――ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!
其処に突き刺さるのは、なのはの全力砲撃であるハイペリオンスマッシャーと、久遠の強烈な炎での薙ぎ払い攻撃!
如何に帰天してるとは言っても、オーバーSの魔導師の本気の砲撃と、3S級の妖怪である九尾の炎攻撃を真正面から喰らえば無事では済まないだろう。現実に攻撃を喰
らったスカリエッティは相当なダメージを被る結果になったのだから。
尤も、其れでも落ちない辺りに、スカリエッティの帰天が如何に高いレベルで行われたのかという事を見て取れると言うものだろう。
「此れで終わりだドクター!!此れが、私が娘として出来る、最大の事だ……」
「終わりにしようか?」
「此処がラストステージですわね……」
「全力かな?」
更に、其処にチンク、セイン、ディード、オットーが攻撃を仕掛ける。
その攻撃には一切の迷いがない故に、決まれば、倒せなくとも帰天したスカリエッティに対して有効なダメージを与える事が出来るだろう。寧ろ与えられるはずである。
だが……
「よもや此処までとは……だが、君達は少し調子に乗り過ぎたなチンク――!!」
――カチリ
「「「「!?」」」」
――ガクン
チンク達の攻撃がヒットする刹那、スカリエッティが何かのスイッチを押した瞬間に、チンク、セイン、オットー、ディードの4人は、金縛りにあったかのように、動く事が出来な
くなってしまったのだ――それこそ、指一本動かす事ですら困難なレベルである。
「な、何だ此れは…!?」
「ククク……まさか、私が君達が反抗する可能性を考えていなかったとでも思うのかね?
万が一のことを考えて、君達には特殊な制御プログラムを搭載していたのさ!!其れを発動した以上、君達は私に対して攻撃する事は出来ないのだよ!!」
答えは単純明快で、スカリエッティが万が一の保険としてチンク達に設定していた制御プログラムを発動したのである。
詳細は不明だが、ある程度は個人を絞って発動できるのだろう。現実に、そのプログラムが作用しているのは、チンクと、セインと、オットーと、ディードだけなのだから。
とは言え、此処で身体の自由が効かなくなると言うのは非常に宜しくない。
「此れで散るが良い!!!」
――バガァァァァァァアァァン!!!
更にはスカリエッティが、動けなくなったチンク達に対して、強烈な魔力衝撃をブチかまし、その勢いのままに壁に叩き付けてその意識を刈り取る。
しかもそれだけではなく、吹き飛ばした4人に対して、強烈な魔力弾を此れでもかと言う位に発射する。秒間5発と言う異常な速さで発射する。完全に殺す気満々だろう。
「「「「うわぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁ!!!」」」」
その結果は圧巻!!
吹き飛ばされたチンク達は、目一杯の魔力弾を喰らった事で、気を失い、戦場からの強制離脱を余儀なくされてしまったのだから――
だが、其れは必ずしも良い結果だけだったとは言えないだろう。
「テメェ……自分の娘を此処までやるとか、幾ら何でもやり過ぎだろ?
其れ以前に、反抗の意を示した相手は問答無用でぶっ殺すとか本気か?――いや、至って本気なんだろうが、だとしたら本気が狂いまくってるぜ、テメェはよ!!」
「あの子達を吹き飛ばしたのは見事だったけど――だけど、私とネロとくーちゃんのチームにおいては、敗北の二文字は無いからね……全力全壊ブチかますだけなの!」
其れが結果として、ネロとなのはの闘志を更に燃え上がらせたのだから。
同時に此処からが、ネロとなのはと久遠の真のターンであると言えるだろう――其れ位に、この3人の闘気は、スカ○ターでは計れない位の数値になっている事だろう。
だからこそ止まらない。
「撃ち貫く!!!ディバイィィィィン……バスターァァァアッァァァァァァァァァァァァアァァァァァァァァァアァ!!!」
『Divine Buster.』
先ずはなのはの必殺砲撃が、再構成されたスカリエッティのバリア(チンク達を吹き飛ばす際に再構成した)を、まるでビスケットを砕くかの様に簡単に貫通粉砕をし……
「うおりゃぁぁぁぁ……燃えろぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
――ドスゥ!!ドガバァァァァァァァァァァァァァァン!!
「ぐおわぁ!!!」
すかさず久遠が、一足飛びの肘打ちから、強烈な炎をスカリエッティブチかまして、中空から地上へと引きずりおろす。小さいながらも、流石は九尾故、侮れない力である。
そして、強制的に引きずりおろされたスカリエッティを待っていたのは……
「You're going down……!!(跪け……!!)」
閻魔刀で抜刀の構えをしていたネロである。
しかも、この構えは只の抜刀の構えではなく、ネロの最強技とも言える『ショウダウン』の構えであるのだ……つまりはそう言う事なのだろう。
「Not interested in your bullshit!Dusts to dusts Ashes to ashes……!!(テメェの御託なんざ如何でも良いんだ!塵は塵に、灰は灰にだ……!!)」
目にも留まらぬ閻魔刀の高速斬撃と、幻影刀の発射は、間違いなくスカリエッティに決定的なダメージを与える事が出来た筈だろう。少なくとも、普通なら即死なのだ。
いや、実際にダメージは入ったのだろう。ショウダウンを喰らったスカリエッティは、再び神と同化しようとしたのだから。
しかし、其れを許すネロとなのはではない。
即座にスカリエッティの意図を看破し、ネロは閻魔刀を振りかぶり、なのははA.C.Sを展開して突撃を敢行する。此れが決まれば、間違いなく必殺の一撃となるだろう。
だが――
――ヴォン……
「「!!!?」」
攻撃がヒットするその瞬間に、スカリエッティは神擬きの中に消え、代わりに胸部のコアからは気を失ったヴィヴィオが現れた。
此れには、ネロもなのはも虚を突かれ、攻撃の手が緩んでしまった。(尤も、『娘』が行き成り目の前に現れたら攻撃を躊躇うのは、ある意味で当然の事で有ると思うが。)
そして、其れが命取りとなった。
――ガシィ!!!
「きゃあ!!」
「クソ、ぬかったか!!」
攻撃の手が緩んだネロとなのはを、神擬きの巨大な手が、完全に掴み取り、その動きを封じてしまっていた――つまりは、最悪極まりない状況になってしまったのである。
To Be Continued…
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