Side:はやて


スバル達が地獄門の方を頑張ってくれてるから、私等は市街地の方での戦闘を頑張らなあかんね?
……今もこうして、一番大きな地獄門から悪魔が溢れ出してきてる訳やからね……ホンマ、この絵面だけ見たら、地獄が現世に顕現したとしか思えない程のモンやで!
幸せに、静かに暮らしてる人達にこないな地獄を突きつけよってからに……スカリエッティって言うのは、予想以上の外道畜生なんは間違いなさそうや……まぁ、其れ位
じゃなかったら、こんなクソッ垂れな事は考えへんやろうからな!!

ホンマ、腸煮えくり返る思いやで――!!



「その気持ちは分からんでもないが、一部隊の隊長ならば、冷静さを失ってはならない――冷静さを失っては、部下達に適切な指示を出す事は出来ないからな。
 其れに、今の私達がすべき事は、スカリエッティを倒す事ではなく、地獄門から溢れ出て来る悪魔達から、住人を護る事だろう?……違うかな、八神はやて司令殿?」



クレドさん……確かにその通りやな。
あまりにも酷すぎる事態に、ちょ〜〜〜〜っとばかしテンパってもうたみたいやけど、もう大丈夫や。

地獄門破壊組は、必ずその任を果たすやろうし、なのはちゃんとネロ君だって、きっと――ううん、絶対に目を覚ます筈や!!ヴィヴィオを助け出す為にも絶対にな!!

やったら私は、仲間を信じて、市街地に溢れ出した悪魔を、残らず撃滅するだけやで!!



「うおぉぉぉぉぉぉぉ……消えろ雑魚共!!」



加えて、アインスが大ハッスルしてくれとるからね……黒騎士と化していた事が、如何やら相当にストレスになってたのかも知れへんけど、アレだけの力は有り難いで。
てか、武器を持たせたらあそこまで強いとは、鬼に金棒、アインスに大剣やなホンマに。

何れにしても、此の市街地戦は絶対に負けられへんから、ハッスルして行こうやないかクレドさん?



「異論はない。私としても、全力でやる心算だったからな。」

「やったらまずは、景気付けに大暴れかましたろうやないか!!――其れこそ、騒音でなのはちゃんとネロ君が目を覚ましちゃんじゃないかって言う位にな!!!」

さぁ、狩りの時間やで!!














リリカルなのは×Devil May Cry  黒き騎士と白き魔導師 Mission98
『門番を倒せ〜The Over Strike〜』












Side:ノーヴェ


ギンガの帰天て言うのは、まぁ、予想はしてた――スカリエッティの手に落ちたって言う時点でな。
眼帯銀髪の話だと、ナンバーズの何人かは帰天してるって言う事だったから其処まで驚くモンでもねぇんだが、まさかこんな事になっちまうとは、流石に予想外だった!



「………」



――ギチギチ、ミリィ……!!



帰天しただろうギンガの姿が、更に変わりやがったんだからな!!
背には、蜘蛛の足みたいなモンが8本4対現れ、其れだけでも異形極まりないんだが、変化は其処で止まらずに腰から下が、まるで蛇みたいなモンになっちまったって
、此れじゃあ完全に悪魔じゃねぇかよ!!
しかも、帰天した以上は、基本能力も底上げされてるだろうから、敵としては厄介な事この上ねぇのは否めないぜ……コイツは少々、面倒な事になりやがったみたいだ。

だが必ずどこかに攻略法が有る筈だから、先ずは其れを見つけねぇとだな。そうじゃなきゃギンガを救う事なんて出来やしねぇだろうからよ。



「そうですね。
 しかしこの見てくれは、非常に不愉快ですけれどエキドナに酷似しているような気がします。背中の蜘蛛の足の様な……多分触手の様なモノの有無はありますけど。」

「だとすると、あのギン姉はアタシやノーヴェと違って、自由に空を飛ぶ事が出来るのかもしれない――其れだけでも、結構厄介かも。
 加えて、蛇状の下半身は鞭みたいに動かす事が出来るだろうが、其れを振り回されたら、格闘の間合いに入るのだって簡単じゃないかも知れないんだけど……其処
 は、数の利で何とかできる感じかな?」

「つーか、するしかねぇだろ?幸いにして、アタシ達には不可視の魔法を使えるヴィッツさんが居るから、風属性の魔法で牽制して貰うのが上策なんじゃねぇか?
 それで、ギンガの動きをある程度制限して貰った上で、アタシとスバルで格闘戦を仕掛ける――あの触手は厄介そうだが、蹴り技が無い分だけ未だ楽なほうだろ。」

あの触手も、恐らくは突く、払うって言った感じの攻撃しか出来ねぇだろうからな。
其れを踏まえりゃ、攻撃を当てる事も、攻撃を避ける事も其れほど難しくなさそうだが――最大の問題は、帰天した事によってドレだけギンガの耐久力が増したかだな。
もしも、ダンテさんやバージルさん並の耐久力を有していたとしたら、アタシ等に勝ち目はねぇ……ギンガの耐久力を超える前に、ガス欠を起こしてゲームオーバーだ。

こればっかりは、そうでない事を祈るしかねぇか……

「ったく、ホーリーウォーターがありゃ、もっと楽だったかもだな?」

「かも知れないけど、ないモノを言ったってしょうがないんじゃない?」

「わーってるって……だが、否が応でも、そう思わずにはいられねーんだわ、この状況だとな。」

ハッキリ言うと、目の前の帰天したギンガは、上級悪魔すら凌駕するだけの能力を持ってるんじゃねえかって位に、力が溢れ出してやがるから、らしくないとは思いつつ
も、こんな事を言わずには居られねぇんだよ。ガチで、厄介な相手だからな。
だが、退く気なんざ毛頭ねぇよ――



――轟!!



相手が強いからって、そんな理由で諦めちまったら、なのはさんに顔向けできねぇし、何よりもアタシ自身がそんな事は許せねぇんだ――だから此処は、退かずに行か
せて貰うぜギンガ!!

アンタを助ける為には、アンタを倒す以外に方法は無いみたいだからな?……アタシ達の持てる全ての力をぶつけてやる――アタシ達の全力全壊をな!!








――――――








No Side


ギンガが帰天して、異形の存在となり、其れをトリガーとして始まった第2ラウンドは、ノーヴェが予想したと通りの大激戦(或は泥仕合)の様相を呈してきていた。
帰天したギンガの能力は、予想通りに凄まじく、其れこそ攻撃の余波だけでなのはの誘導射撃弾並の威力があるのは間違いないだろう――尤も、其れでやられる程ノ
ーヴェ達は柔ではないのだが。


「オラァ、舐めんじゃねぇ!!」

「目を覚まして、ギン姉!!」



――バキィィィィイィィィ!!!



現実に、ノーヴェとスバルの『格闘コンビ』は、一撃必殺レベルの攻撃をギンガに叩き込みながらも、ギンガの攻撃をギリギリで回避しダメージを最小限に抑えていたの
だから、この姉妹の天性の格闘センスは見事と言うほかは無いだろう。

この2人が揃っただけでも、大概の敵を如何にか出来るだろうが、この布陣の最大の要であるのはヴィッツだ。
略全ての魔法が不可視となる風属性を操るヴィッツの魔法は、決定打にならずとも、ギンガを牽制して、その能力を完全に引き出させないようにする事位は朝飯前だ。
その力を最大限に発揮して、ギンガの力を風の枷で縛っていたのだから。

しかし乍ら、帰天したギンガも伊達ではない。


「がぁぁあっぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!…シネ!!!」


普段のギンガならば、絶対に口にしないようなセリフを吐きながら、背に生えた触手を、宛ら放射射撃の様に繰り出してスバルとノーヴェを攻撃し、更には蛇の様な下半
身を鞭のようにしならせてヴィッツにも攻撃を仕掛けて来る。

加えて、帰天したギンガは、全ての能力が特化型と同等になっていると言っても過言ではなく、攻撃の余波ですら、ノーヴェ達にとっては凄まじい攻撃であった――その
証拠に、直撃は受けてないにも係わらず、ノーヴェ達のバリアジャケットは所々が裂けていたのだから。

余波で此れならば、直撃を受けたら其れこそ戦闘不能は免れないのは、間違いないと見て良いだろう。――其れこそ並の魔導師ならば、其処まで考えが至った時点で
委縮してしまうものだ……と言うか、委縮してしまうのが当たり前とも言えるのだ。

だがしかし、ノーヴェもスバルも、そしてヴィッツも並ではない。普通ではない。一般的ではないのだ。
無論恐怖と言う感情が無い訳ではないが、恐怖を感じると言う事と、其れで委縮してしまうと言う事は全く別問題であり、機動六課の模擬戦で非殺傷設定の攻撃である
にも拘らず『死の恐怖を本気で感じた』(主になのはとスパーダの血筋の皆様が相手の時)ノーヴェ達にとって、この程度の事は如何と言う事は無いのだ。


「ったく、軽々しく『死ね』とか言うなよなギンガ?そんなのはアンタのキャラじゃねぇよ。」

「そう言う事は軽々しく言っちゃいけないってお母さんも言ってたのに……あとで密告(ちくっ)ちゃうよギン姉?」

「親友が、此処まで変わってしまう――否、変えられてしまったというのは、悲しいを通り越して怒りが湧きあがってきますね本気で。」


だから、表情は厳しくとも気持ちがガチガチに張りつめてはいない。其れこそ、緊張と余裕が適度に混ざった最高の精神状態と言っても過言ではない。
その精神状態に達する事が出来たのは、偏にギンガを助けたいと言う思いだが、思いの力と言うのはとても大きく、事大切な人を助けたい、護りたいと思う力は凄まじい
までのエネルギーを生み出す物だ――其れこそ、只の人間であっても悪魔を倒せる位の力が。

人間よりも圧倒的に強い悪魔が、歴史的に人間界を征服できなかったのは、この『思いの力』の有無が大きかったのだろう。





――閑話休題(其れは兎も角)





戦いは激しさを増すが、互いに決定打を与えられない状況となっていた。
ノーヴェとスバルは、触手に阻まれてギンガに格闘技をクリーンヒットさせる事が出来ず、ヴィッツの風属性の魔法もまた触手から放たれるソニックブームに相殺され、更
に風の拘束魔法も使っても触手は自由に動きギンガへの攻撃を的確に防いでいた。

一方のギンガも、触手のお蔭で大ダメージを喰らう事が無かったが、逆に触手のせいで格闘技が使えない状況となっていた。(帰天の際に足技は封印されているが。)
触手で振り払うと言う事は間合いが離れると言う事であり、そうなれば格闘技を使う機会は激減し、更に蛇状の下半身での攻撃や触手からの魔力弾は、これまた殆ど
クリーンヒットが望めないのだ。(余波でバリアジャケットを破損はさせているが。)


そんな状況の中で、先に動いたのはギンガの方だった。


「キエロ……」



――キュゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!ドガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!



「「「!!!!」」」


何と、行き成り自分を中心にして、周囲に魔力爆発を発生させたのだ。
はやてやアインスのデアボリックエミッションと比べれば、その攻撃範囲は大した事は無いが、直撃したら只では済まない故にノーヴェ達は即座に攻撃範囲外に退避し
様とするが……


んな、此れは!?

ギン姉の触手!!


「まさか………」


3人にギンガの触手が巻き付き、そして強制的に魔力爆発のエネルギーの中へと引き摺り込んだのだ。
此れは引き摺り込まれたノーヴェ達からしたら堪らない。帰天したギンガの力は既に分かっているが、分かっているからこそその攻撃がドレだけヤバいのかも理解し、そ
れを喰らわない様にして来たのに、此処でその攻撃がクリーンヒットしたのだから。


「「「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁっぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」」」


均衡は崩れ、一気にノーヴェ達には大ダメージ。
しかも此れだけでは終わらない。


「クチハテロ、ゴミガ……」


何とギンガは、触手で捕らえたノーヴェ達を順番に自分の近くに引き寄せ、殴り飛ばしたのだ。其れも1発ではなく、殴り飛ばす度に違う相手を引き寄せまた殴るを繰り
返して、凄まじいまでのダメージをノーヴェ達に与えて行く。

其れでもノーヴェとギンガは戦闘機人であり、生身の人間と比べれば身体が頑丈だから其れに耐える事は出来る――しかし、正真正銘生身の人間であるヴィッツに関
しては、そうも行かないのである。
彼女も彼女で、風魔法での防御を行ってはいたのだが、帰天したギンガの攻撃力は風の盾を貫くほどに強烈で、ダメージを相殺する事は出来なかったらしい。
その証拠に(致命傷ではないのだろうが)、内臓を損傷したらしくその口からは血が流れ出ているのだから。


そして、この攻撃が夫々に対して10回行われたところで、漸くノーヴェ達は解放されたが、全員が戦闘不能寸前のダメージを負う結果となっていた。


そして其れだけでは終わらない。


「コレデ、オワリダァァァァァァァアァ!!」

「ヤベェ!!!」



――ドッガァァァァァァァァアッァアッァァァアッァァァァァァアァァァアァァァァァァン!!!



触手に集めた魔力エネルギーを一気に直射砲撃として放って来たのだ――其れこそ破壊力だけならば、なのはのディバインバスターをも凌駕するであろう一撃を。
尤も其れは、ノーヴェが咄嗟に砲撃の矢面に立って魔力バリアを張った事で直撃は免れたが、その代償は大きかった……


「ノーヴェ……其れ!!」

「ちぃ……右腕は死んじまったか……」


辛うじて攻撃を防いだモノの、その代償としてノーヴェの右腕は内部フレームが剥き出しになって火花を散らし、事実上の使用不能状態になってしまったのだ。
尤も、攻撃を防ぐ事が出来なかったらば、3人纏めてお陀仏でお釈迦になっていた可能性が高い事を考えれば、ノーヴェの右腕1本で済んだというのは僥倖かも知れな
いが、この局面での戦力ダウンは有り難くない事だ。

だが、こんな状況にあってもノーヴェの顔には不敵な笑みが浮かんでいた。


「右腕は死んじまったが、今ので確信した……ギンガの心は完全には押し込められてねぇ。
 もしも本当にギンガの自我が完全に失われて、悪魔になっちまったんだとしたら、アタシの右腕は吹き飛ばされてただろうが、そうはならなかった!だからギンガの自
 我は、まだあの中に残ってるんだ!!」


其れは、帰天しても未だギンガの自我は残っているという事を知る事が出来たからだ。
完全に自我を失って敵の手駒となり果てたのならば助け出すのは容易ではないが、自我が1%でも残ってれば助け出せる確率は一気に数倍に跳ね上がるのだから。

そして其れは、スバルとヴィッツにも極限状態での希望の光となる。



「ギン姉の自我は、死んでない?……って言う事は!!」

「アレを倒せば、ギンガさんは確実に取り戻せると言う事ですね?」


「その可能性があるってだけだけどな。」


状況から言うならば、其れは可能性の話でしかないが、可能性があるのならば上等だろう。0.1%でも可能性があるのならば、その可能性を信じるのが機動六課だ。
だから退かない、止まらない、恐れない!!


「でも、実際にどうやってギン姉を解放するの?」

「何も難しい事はねぇさ――帰天のエネルギーを上回るエネルギーを持ってして、ギンガをブッ飛ばしてやりゃあ良い。
 流石にギンガは戦闘不能になっちまうだろうが、帰天のエネルギーをブッ飛ばす事が出来ればギンガは解放されるから、まぁ、戦闘不能は治療代って所だろ。」

「暴論じゃない其れって?」

「ですが、理には適っていますから異論はありません。」



そして作戦は決まった。
この死に体に近い状態では、無謀とも言えるかも知れないが、しかしノーヴェ達の眼は死んでいないから、マダマダやれるだろう。寧ろやらなかったら嘘と言えるのだ。


「此の一撃でアンタを助ける……行くぜ、ギンガ!」

「ギン姉……ぶつけるよ、アタシの全てを!!」


――ドルゥゥゥン!!!



その意思に応えるように、マッハキャリバーとジェットエッジも魔力エンジンをフルスロットル状態になる。
そして次の瞬間に、スバルはウィングロードを、ノーヴェはエアライナーを展開して、超高速でギンガへと向かって行く。文字通り目にも留まらない速さを持ってしてだ。

尤も、その速さも帰天したギンガにしてみれば対処できない物ではなく、即座に触手で薙ぎ払おうとするのだが――



「させません!!」



その触手はヴィッツの風拘束魔法で動きを完全に完封されていた。
今までの戦闘からギンガ本体を拘束しても触手は動けると言う事を学んだヴィッツは、ギンガ本体ではなく触手の方を拘束して、その動きを完全に制限して見せたのだ。

無論この状態では本体は動く事が出来るが、逆に言うと使えるのは腕2本のみなのだ――如何に帰天して強化されたとは言え、両の腕のみでノーヴェとスバルの格闘
を捌く事が出来るかと言われたら、其れは間違いなく否だ。

スバルもノーヴェも、仮の話ではあるがインターミドルに出場したら優勝間違いなしの使い手故に、その猛攻は捌き切れるモノではない。ノーヴェが右腕を使えないとして
もだ。


「決めるぞスバル!!」

「OKノーヴェ、全力全壊だね!!」


そして、この攻防の中で一瞬開いたギンガのガードの隙をノーヴェとスバルは見逃さなかった。
ヴィッツの拘束魔法で触手が完封されているお蔭もあるだろうが、そのお蔭で、必殺の一撃を放つだけの魔力を溜める事が出来たのだから此れは最大限の好機に他
ならないだろう。


「「一撃必殺!!」」


その好機で決めるべく、ノーヴェの左手と、スバルの右手には高密度の魔力球が生成されている。其れこそ、必殺レベルの破壊力を有した魔力球がだ。


「「ディバインバスター!!!」」



――バガァァァァァァァァァァァァァァン!!!



その魔力球を、スバルは右拳で殴り、右腕が使ええないノーヴェは魔力球を放り投げてから、其れをオーバーヘッドキックの要領で蹴り飛ばして超強力な直射魔法砲撃
が手加減抜きで炸裂!!

そしてその効果は絶大だ。
渾身のディバインバスターを喰らったギンガの身体からは、帰天した事による異様なモノが剥がれ落ちているのだ――ノーヴェとスバルの砲撃は帰天を上回ったのだ。








――――――







Side:ノーヴェ


はぁ、はぁ……やってやったぜクソッ垂れが。
此れがアタシ達の全力全壊だ………此れを喰らっても平気だってんなら、諦めるしかねぇんだが………



「ガハ……此処は……スバル、ノーヴェ…其れに、ヴィッツさん?」



如何やらギンガは無事みてぇだな?……巧いこと、帰天のエネルギーを吹き飛ばせたみたいで良かったよギンガ……あんな姿はアンタには全然似合ってねぇからな。
戻ってきてくれてよかったよギンガ。


「妹と親友に迷惑をかけるとか、お姉ちゃん失格かしらね?……本当に、良くやってくれたわ。
 だけど、私を倒したたけじゃ不十分――地獄門のエミュレーターを破壊しないと、根本的な解決にはならないわ……此れが悪魔を呼び出しているのだから。」



やっぱりコイツはぶっ壊さないとダメな訳か。――まぁ、元よりぶっ壊す心算だったから問題は無いけど―――



――キィィィン



って、なんだこりゃ!?
地獄門の根元が光ったと思ったら、アタシには鈍色の具足が装備され、スバルには同色の籠手が装備されてた―――体何なんだコイツは?



「其れは、スカリエッティが開発した人造の魔具よ……エミュレーターとは言え、地獄門を制御するには悪魔の武器が必要だったから、其れを人工的に作ったのよ。
 でも其れは、制御装置を失った地獄門は破壊されれば二度と復活できないって言う事でもあるから……人工魔具を手にした貴女達が此れを砕けば、この地獄門はそ
 の力を完全に失うわ。」



ギンガ……だが、そう言う事ならぶっ壊す以外の選択肢はねぇ!!――行くぞスバル!!



「合点承知!!」


――ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……


魔力は臨界点突破だ……コイツで決める!!

「喰らえ!!」

「此れで決める!!」



次の瞬間に、アタシの横蹴りとスバルの右ストレートが地獄門に炸裂し、地獄門には亀裂が入って、其のまま崩れ始めた。
普通なら、その崩れた瓦礫を避けるんだろうが、生憎とアタシもスバルも普通じゃねぇから、崩れた瓦礫を蹴り飛ばし殴り飛ばして細分化していく……それも、落下位置
を計算して、巧く積み上がるように――此れで準備完了だな。



「「いぃやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ………!!でりゃぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」



そしてその石板の山を、アタシは踵落としで、スバルは手刀で切り裂いて行く……正に一撃必殺って所だ。此れで此処の地獄門はもうその機能を果たす事は出来ない
だろうからな……マッタクもっていい気味だぜ。

「此れで1つ目……あと2つか。」

ともあれ、残る地獄門のエミュレーターは2つ。
アンタ達が負ける事なんて絶対に想像出来ないけど、油断だけはしないでやってくれよ、ダンテさんヴィータさん、そしてバージルさんとシグナムさん!!

伝説の魔剣士の息子達と、夜天の守護騎士のトップ2が組んだタッグってのは無敵にして最強なのは間違いないだろうからな……負ける姿ですら想像出来ねぇよ。


残り2本のエミュレーター……絶対に破壊してくれよな!!其れが、アタシ達の望みでもあるんだからさ。













 To Be Continued… 




何とかギンガを元に戻すことが出来たな。
美姫 「本当に良かったわね」
ああ。とは言え、まだ戦闘は終わってはいない。
美姫 「地獄門のエミュレーターもまだ二つ残っているしね」
まだまだ予断は許されないな。
美姫 「次回がどうなるのか気になる所ね」
次回も楽しみにしています。
美姫 「待っていますね〜」
ではでは。



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