Side:バージル


地獄門に辿り着くのは簡単ではないと思っていたが、予想通りに有象無象の雑魚が現れたか……この程度では、準備運動にもならんが、現れたのならば斬り捨てて先
に進むだけの事だ……俺達の目的は、あくまでも地獄門の破壊なのだからな。

Die。(死ね。)

紫電一閃!!

うおらぁ!打っ飛びやがれ!!



――ズバァァァァァアァァッァァァァァ!!!



ふん……この程度ではウォーミングアップにすらならん上に、経験値の足しにもならん。
俺と、ユニゾンデバイスを得て最強クラスの力を得たシグナムを止めると言うのならば、最低でもフロストレベルの悪魔を用意しておけ。数に物を言わせた、スケアクロウ
やマリオネットの大軍程度では、俺達に掠り傷すら負わせる事は出来ん。

「この程度の力で、俺達に勝つ心算か?……愚かだな。
 だが、態々挑んで来た者を無碍にするほど、俺達も冷酷ではないのでな……少しばかり遊んでやろう。せめて、ウォーミングアップの足しに位はなる事を願うぞ。」

「其れをコイツ等に願うのは酷ではないのかバージル?
 己惚れる訳ではないが、本気を出したお前と、アギトとユニゾンした私達では、下級悪魔所か、中級悪魔ですら塵芥に等しい存在ゆえに瞬殺しか有り得ん…だろう?」



言われてみれば、其れもそうだな。
この程度の雑魚には、一々時間をかけるだけ無駄な事だった……ならば、一気に磨り潰して地獄門に向かうのみ!!――さぁ、死にたくなければ、道を開けるが良い。

尤も、此方の要求を拒否したところで、貴様等は斬り捨てるだけだがな。














リリカルなのは×Devil May Cry  黒き騎士と白き魔導師 Mission99
『第2の門〜Vergil&Signum〜』












とは言え、矢張り数の差と言うのは厄介なモノだとしか言いようがない――俺もシグナムも数の差などはハンデにもならないが、ひっきりなしに現れると言うのは、鬱陶
しい事この上ない。
倒した傍から補充されるのだから、ある意味反則技も良い所だが……その効果は中々に効果を発揮していると言えるだろう――俺もシグナムも、思うように先に進む事
が出来ない訳だからな。



「ちぃ……雑魚共が!!
 負ける相手ではないが、此れだけの数で来られると、面倒な事は否めないな……私の飛竜一閃でも、此れを一掃できるかと言われれば、其れは否だからな――
 張り、此れだけの軍勢を一撃で沈黙させる攻撃は絶対に必要だろう。
 其れを考えると、高町の離脱は、我等にとって大きな痛手と言えるな……」

「確かに、奴の砲撃は、やろうと思えば万の軍勢を一撃の下に葬り去る事が出来ただろうからな――マッタク、恐ろしい事だが。」

だが、高町なのはが居なくとも、複数の敵を同時に倒す事ならば俺にだって出来る――先ず、この有象無象の雑魚軍団を、一掃してくれる……死の覚悟は出来たか?



――ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……バシュン!!!



神をも超える力、思い知れ……!!



――ズバァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!



『『『『『『『『『『ギヤァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!』』』』』』』』』』

「一瞬で此れだけの悪魔を一掃するとは……相変わらず、恐ろしい技だな、お前の『次元斬・絶』は?」

「集中力を極限まで高めねばならない故、乱発は出来んが、複数の相手を倒す場合には役に立つからな。
 少なくとも、今のでこの場の敵は殲滅した……無論マダマダ出て来るだろうが、次に大量に出て来るとするならば地獄門の手前と言う所だろう。」

「門番の前にか……お決まりの展開と言えるな。
 しかしバージルよ、今までに倒した下級悪魔は、確かに有象無象の雑魚だったが……心持ち、此れまで戦ってきた連中と比べると、少々強くなっている気がするのだ
 が、私の気のせいなのだろうか?」



いや、お前の気のせいではなく、実際に此れまでよりも能力が底上げされているのは事実だ――原因は言うまでも無く、あの地獄門だがな。
地獄門とは、魔界と人間界を直接繋ぐものであるから、境界線の隙間や綻びを抜けて来る手間が省ける分、悪魔共もより本来の力を発揮しやすく、更に悪い事に、地獄
門その物が、悪魔共に力を与える増幅器としての機能を備えているのだ。

極端に強化する訳ではないが、群れで現れる雑魚共の能力が底上げされると言うのは、並のデビルハンターにとっては脅威となるだろう。



「並の……ならば如何考えても並ではない、お前の弟ならば如何だ?」

「ダンテの心配などするだけ無駄だ。奴の心配をするくらいならば、夕餉の献立を考える方が遥かに有意義と言うモノだぞ?
 俺の実体験から言わせて貰うが、ダンテは文字通り『殺しても死なない』奴なのでな……アイツには強化された雑魚など、試し切りの相手にもならんのは明白だぞ?」

「殺しても死なないか……其れは恐ろしいな?」



殺しても死なない、殺す心算で戦ったのに倒せない……人の心を持った悪魔と言うのは、かくも面倒だと言う事の典型だなダンテは。二度と敵には、したくないモノだ。
尤も、其れだけに、味方ならば頼りになるのだがな。



「……敵になったその時は、オリーブのピクルスを強制的に食べさせようとすれば何とかなると思うんだが……オリーブが無い場合ならば、納豆で。」

「そんな単純な筈がと思ったが、ダンテに限っては其れが否定できんのが悲しいな、我が弟乍ら。
 と言うか、オリーブも納豆も美味だと思うのだが、何故嫌うのか理解出来ん。オリーブのピクルスはワインによく合うし、熱々の白飯に納豆は最高の組み合わせだぞ。」

「確かに、其れは抜群の組み合わせだな。大好物だ。」



其れは、中々に気が合うな?――フン!!!



「疾!!」



――ズバァァァァァァッァァァァァァッァァァッァ!!!!



『『『『『ガバァァァァァァァァァァァァァァァァァアァァァァァァァァ!!!』』』』』



気が合うが故に、此れだけの連携が出来るのかもしれんがな――まぁ、背後からしか襲う事が出来ぬようなクズ共に、ミスミス俺の首をくれてやる心算は毛頭ないが。
だが、其れはお前も同じだろう、シグナムよ?



「無論だ。……誰であろうとも、此の首をくれてやる心算などないさ。例えそれが、魔界の王であったとしてもだ。
 何よりも私は、夜天の魔導書の守護騎士『ヴォルケンリッター』の筆頭騎士だ!この程度の雑魚にやられたとあっては、死んでも主に顔向けが出来ないのでな!!
 騎士の誇りに懸けても、私は勝って生き延びる!!それが、主はやてに対する、最大の務めだからな。」

「何があっても生きるか……その意思が有れば大丈夫だな。
 その思いを、悪魔共は愚かだと断するが、其れの思いがドレだけ強いのかと言うのは、今の俺なら理解する事が出来る――其れこそが、人の強さの源なのだろう。
 ……其れよりも、少しばかり有象無象共のレベルが上がったようだな?」

「相変わらず大入りだが、其れだけに倒し甲斐も有ると言うモノだがな。」



『『『『『『『『『『ギシャァァァァァァァァァァァァァ!!!』』』』』』』』』』

『『グゴォオォォォォォォォォォォォ!!!』』

『『『『『『『『ギギギギギギギギギギギギギギ!!!』』』』』』』』

『『『『『『『『カァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!』』』』』』』』



ブラッドゴート、サイクロプス、エニグマにアルケニーか……ブラッドゴートとエニグマは下級だが、サイクロプスやアルケニーと言った中級が出て来ると言う事は、ゴール
である地獄門まで、大分近付いたと言う所か。

取り敢えず殲滅だが、アルケニーの大軍は任せるぞシグナム?奴等は、極端に火に弱い故、お前ならば数が相手でもやられてしまう事はあるまい?



「有利な属性を持って居乍ら負けると言うのは、余程の間抜けか実力不足の三流だろう?
 まして今の私はアギトとユニゾンして能力が底上げされ、言うなれば発動限界のないデビルトリガーを使っている様なモノだ。中級悪魔の大軍であっても負けん!!」

うざってぇ蟲なんざ、焼き殺してやるのが一番だからな!!



愚問だったようだな?ならば地獄門前の最後の戦いを始めるとするか。
精々後悔しろ雑魚共、貴様等が蹂躙しようとした相手は、スパーダの血を引く魔剣士と、夜天の魔導書の筆頭騎士と言う、最強クラスの剣士だったと言う事にな。








――――――








No Side


そして始まった戦いだが、其れは戦いとは呼べないような一方的な蹂躙とも呼ぶべき物だった。

先ずシグナムだが、アルケニーに対して有利な属性で攻撃出来ると言う事を加味しても、その力の差は圧倒的だった。


「覇ぁ!!失せろ!!」

オラァ!燃え尽きろぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!


一足飛びでアルケニーに近付いたかと思えば、着地する前に炎の斬撃を喰らわせ、そのままアルケニーを足場にして跳躍!その際に、確りと踏切と同時に蹴りを入れる
のを忘れていないのだから流石だろう。

そして跳躍した先に居たアルケニーに一太刀食らわせ、同じ要領で跳躍し別のアルケニーを一閃!飛翔魔法を使わずとも、アルケニーを文字通り踏み台にして、舞うが
如き華麗且つ力強い、炎の剣舞とも言うべき戦いが行われていた。

勿論、アルケニーとて反撃は行うし、倒されたら倒されたで新たな個体が現れるのだが、シグナムの剣舞を止めるには至らない。其れこそ、アルケニーの長とも言える、
一回り身体の大きなアルケニー――クイーン・アルケニーですら、このシグナムを止める事は出来ないのだ。



『『『『『コォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!』』』』』



だが、ここで新たな戦力として5体のフロストが現れた。
強靭な氷の身体と、中位悪魔と同等の魔力を備えた、魔帝の最高傑作とも言える強敵だ。――が、矢張り炎には極めて弱いと言う弱点があるのだが。
其れでも、身体の分解と再構成を可能とし、其れを利用した瞬間移動染みた移動能力と、氷で身を包んで自己再生まですると言うのは、敵にするには厄介極まりない。

尤も其れは、並のデビルハンターであるならばだ。

氷に対して、絶対有利とも言える炎属性を扱うシグナムにとって、フロストが難敵かと問われたら、其れは絶対に否だ。


「アルケニーの追加だけではなく、フロストまでか……小賢しいわ!!!」


気合一発、レヴァンティンを鞘に納めると、其のままカートリッジを1発ロードし、レヴァンティンに魔力が装填されて唸りを上げる。


「焼き尽くせレヴァンティン!炎嵐!!

『Schlangebeissen.』


そしてそのままアレヴァンティンを抜刀し、シュランゲフォルムで攻防一体の攻撃を繰り出す!!陣風と同じ系統の技だが、強烈な炎属性を纏わせた攻撃であったせい
か、群がるアルケニーもフロストも、この一撃で沈む事となった。


「瞬刃烈火、迷いはない。」


――キン


攻撃が終わり、シグナムがレヴァンティンを納刀した瞬間に、攻撃を喰らったすべての敵が地に伏し、そして撃滅されたのだ――相性を考慮してもシグナムの実力が凄
まじい事は変わりないだろう




一方のバージルだが……


「何処を見ている?俺は此処だぞ?……もう少しだけ広い視野を持つが良い。」

『『『『『ギギャァァァァァァァァアッァッァアァァァァァ!!!』』』』』


此方も此方で、危なげない程の完全勝利をおさめていた。
数だけで言うならばシグナムの2倍以上だが、其れであってもバージルにとっては大した物では無かった――瞬間移動『エアトリック』を駆使して敵の間を高速移動して
その中で、必殺の居合を叩き込んで居たのだから。


「多少強くなったとは言え、所詮雑魚は雑魚か……大人しく眠るがいい。」



――キン……



そしてその攻撃は効果抜群!
村正を納刀すると同時に悪魔に剣閃が走り、そしてそのまま斬り捨てられた――神速の居合と言うモノは、正に目にも留まらぬ超高速すら凌駕するモノなのだろう。

バージルもシグナムも、此れにて雑魚は撃滅完了だ!!――が、そうは簡単に終わらないのが世の常だ。



『やるな、人間風情が……』


此処で、魔帝の腹心でも有った最上級の悪魔であるファントムがその姿を現したのだ。
嘗てダンテに倒され、そしてネロにも倒された溶岩蜘蛛が、どうやらスカリエッティの悪魔の技術によって蘇り、バージルとシグナムの前にその姿を現したのだ、それも此
れまでよりも強い力を身に宿してだ。



「貴様か……又しても現れるとは、中々の執念深さだ――頭が良いとは言い難いがな。
 嘗てダンテに殺され、そしてネロに負け、今度は俺の前に現れるか?………良いだろう、望み通りに殺してやる。其れこそ、二度と再生出来ないように徹底的にな。」

「文字通りの撃滅だな……其方の方が、私の性にもあっているが。」



しかし乍ら、バージルとシグナムには何の動揺も何もない。
まぁ、此れは当然だろう。バージルもシグナムも元より物怖じしない性格だが、シグナムもバージルも本物の戦場を体験しているので、安い威嚇程度で怯む事は有り得
ないのだ

だが、其れは逆にファントムからしたら面白くないと言う事だ。
自分程の巨躯を持ち、人間など一捻りに出来るだけの力を有しているにもかかわらず、バージルもシグナムも己の事をまるで歯牙に懸けていないかのような態度を取っ
てくれたのだから。

そして、沸点の低いファントムは、其れこそ面白い位に怒りに火が付いたようだ。


『人間風情が、踏みつぶしてくれる!!』


此のセリフと同時に、全体重を乗せたボディプレスを繰り出すが、ファントムの様な巨体から繰り出される攻撃は動きが単調になりがちで、其れを見切るのは難しくない。


「フン…」

「見切った!」

『馬鹿な!!!如何して貴様なんぞガァァァアァぁぁぁッぁああぁ!!』



そして、ファントムにとっては得物が反撃して来ると言う事は考えて居なかったのだろう。此れで倒せると思っていたのだから当然だろうが。
しかし、バージルとシグナムの連携は此処では終わらない。


「消えろ、悪魔が!!」

「私達を、あまり甘く考えるなよ?」


ファントムの外装甲の隙間を的確に一閃!!
その効果は凄まじく、ファントムの巨体を吹き飛ばした!そして其れだけではなく、バージルは神経を研ぎ澄まし、シグナムはレヴァンティンの力を底上げする事でファン
トムを狩るべく、その力を高める!!



『人間風情が……死ねぇ!!!』



当然ファントムとて、簡単に狩られる訳には行かないので、己の爪を最大限に利用した攻撃を繰り出すが、その攻撃は、アッサリと躱され――



「邪魔をするな雑魚が――見苦しいぞ。」


其処にシグナムの強烈な居合が一閃!!
外装甲の隙間を的確に切り裂いたその一撃は凄まじく、魔界屈指の実力者であるファントムと言えども、其れに耐える事など出来る筈がない――弱点を直接攻撃され
たのならば尚更だ。



『ギヤァァァァァァァァァアァァァァァァァァッァァァァァッァァァ!!!』

「耳障りな声で喚くな雑魚が……大人しく冥界で眠っているが良い。――そして、二度と俺達の前に姿を現すな……ファントム!!
 幻影は幻影らしく、儚く消え去るが良い!!」



そのせいで、聞くに耐えない悲鳴がファントムから発せられるが、バージルにとってはそんな事はマッタク持って、塵ほどの価値も無く―――


「終わりだ……」


音も無くファントムに近付いたかと思うと、その身を掴み――



――バキバキバキバキ!ゴスゴスゴスゴスゴス!!どががががあががががががああがっがががあがっがあ!!!




「貴様では相手にならん、出直してくるが良い。」


一瞬で、ファントムを撃滅!!――その力を圧倒的に見せつける結果となったのだった。
そしてバージル自身は知る由もないが、バージルは最強とも言える獄滅奥義『瞬獄殺』を会得するに至ったのだった。――此れはもう最強で間違いないだろう。








――――――








Side:バージル


所詮雑魚は雑魚か……腹の足しにもならん。
其れなりに楽しませてくれることを期待していたが、蓋を開けてみれば多少力を増した程度の有象無象が、居るだけだったからな……だが、其れも此処で終わりだな。



「如何やら、ゴールに辿り着いたようだ――間近で見ると、凄まじい大きさだな地獄門と言うのは……だが、其れは其れとしてて感じているだろう、バージルよ?」

「あぁ、如何やら門番の登場らしいな。」




『スパーダの血を引く裏切者…一匹たりして、生かしておくわけにはいかん!!』

『…………』




吠えて居ろ雑魚が!!貴様如きは俺達の相手ではないと言う事をその身に刻み込むが良い!!――そして、其れは貴様もだ、黒騎士ネロ・アンジェロよ!!



『………!!』



予想外のゲストだったが、此れで貴様との決着を付ける事が出来るだろう―――精々、足掻いてみせるが良い……足掻いて如何にかなるモノでは無かろうがな。

何れにしても、先ずは己の過去の汚点を完全に消し去らねばな……来るが良い、俺の過去の欠片よ。二度と現れる事が出来ぬよう、魂の核まで斬り刻んでくれる。


俺とシグナムが勝つと言う結果は、スカリエッティに絶対に覆る事のない力の差を示すと言う事にもなるからな。
――我等が刃の錆となる覚悟、そろそろ決めて貰おうか!!そして知るが良い、神をも超えた力が如何程であるのかと言う事を、貴様自身の身を持ってな……!!


取り敢えず先ずは、この地獄門、封じさせて貰うぞ!!












 To Be Continued… 




シグナムたちの前に立ち塞がった方が寧ろ可哀想に感じるな。
美姫 「本当よね。正に圧倒的な力量差だったわね」
だな。特に問題もなく殲滅したし。
美姫 「とは言え、門番は流石に簡単にはいかないでしょうね」
どうなるかな。次回も楽しみです。
美姫 「次回も待っていますね」
ではでは。



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