Side:なのは
此度の襲撃は、取り敢えず退ける事が出来たけど、機動六課的にはそれで『はいお終い』って言う事は出来ないんだよね……だからこそ、はやてちゃんも司令室に六課
の皆を集めた訳だからね。
「先ずは、六課の諸君はお疲れ様や。
折角の休日やったのに、其れを返上して動いてくれたおかげで、ミッド市街への被害はゼロに留める事ができたからな――六課の部隊長として礼を言わせてな。」
「礼なんぞ必要ねぇよはやて、俺達は俺達のやるべき事をやっただけだ。
大体にして、テメェが休日だからって、目の前で起こった事を無視できる奴は六課には居ねぇ――どいつもこいつもテメェの意思で出張ったんだ、礼は要らねぇだろ?」
「坊主の言う通りだぜはやて嬢ちゃん?
俺達は俺達のやりたいようにやっただけだ――其れが結果として、誰かの役に立ってたって言うのは、其れは其れで悪い気はしねぇけどな。」
「故に、礼など要らん。
礼を言う暇があるならば、その時間を己のために使うが良い。――一部隊を引き連れる部隊長と言うモノは、往々にして疲労がたまり易い物だからな。」
なんだけど、行き成りのはやてちゃんの発言に、スパーダの血統3人が、珍しく意見が一致したみたいだね。――まぁ、今は本筋と関係のない事だから無視するとして。
私達を此処に集めたって言う事は、何か大きな情報を得たって言う事だよねはやてちゃん?
「まぁ、色々とな……やけど、此度の戦闘で得られた情報は、悪いモンやない……きっと、此れから先の展開によっては有用なモノも有るからなぁ!!!」
「流石ははやてちゃんだね!!」
敵に回したら厄介な事この上ないけど、味方の、しかもバックスとして働いてくれてる分には、はやてちゃんは最強の仲間と言っても過言じゃないからね。
取り敢えず、先ずはデバイスが記録していたデータを解析しないとだね!!
リリカルなのは×Devil May Cry 黒き騎士と白き魔導師 Mission77
『運命の出会い〜Vivio〜』
「さてと、大体の事は、デバイスの記録画像で分かったから、後ははやてちゃんのデバイスに記録されてた映像だけなんだけど、中々再生されないね?
若しかして、戦闘行為でデータが破損しちゃって、砂嵐的な映像しか残って居なかったのかな?」
「………」
「はやて?」
「はやてちゃん?」
如何したの、行き成り黙りこくっちゃて!?
若しかして……って言うか、若しかしなくても、破損した映像データとかじゃなくて、何か重大なモノが記録されているの?はやてちゃんのシュベルトクロイツには!!?
「まぁ、そう言う事や……相変わらず、こっちが気付いてほしくない事に関しては、良く勘が働くな、なのはちゃんは。
今から映像を再生するけど、余りのすさまじさに、失神しないようにな……あれは、私でも信じられへんかったからな……」
はやてちゃんが其処まで言うなんて、一体何が記録されてるって言うんだろう?
「其れは、此れを見て貰えば分かる事なんやけど、なのはちゃんとフェイトちゃん、そしてシグナム達は心して見たってな?
ハッキリ言って、今でも此れが性質の悪い冗談であって欲しいと思てるくらいなんや、私自身がな――ホンマに、何がどうなってもうたのか、想像もつかへんわ此れ。」
――ヴィン……
「え……?」
「そ、そんな、如何して!?」
「そんな、馬鹿な……何故アイツが!?」
「じょ、冗談にしたって性質が悪すぎだろコイツは!!」
「……う、嘘でしょ?どうしてあの子が……」
「流石に、己の目を疑うな……」
た、確かにはやてちゃんの言うように、心して見る物だね此れは。
だって、記録映像に映っていたはやてちゃんの相手は、初代のリインフォース……アインスさんだったんだから。
黒い甲冑と、ブロンズ色の肌、浮き出た青い紋様と、瞳のない白一色の目に異様な印象を受けるけど、あの長い銀髪と特徴的な髪型は、間違いなくアインスさんなの!
「な、コイツは黒騎士だと!?……また現れやがったのか……!」
そして、予想外にネロも反応して来た。
そう言えば、訓練校時代に、黒い悪魔騎士と遭遇したって言う事を言ってたけど、その時の相手ってこの人だったんだ――まぁ、此のネロの一言に、はやてちゃんは、当
前の様に超反応して来た訳なんだけどね。
「会った事が有るんかネロ君!?」
「訓練校時代に一度だけな。――そん時に黒騎士の記憶みたいなもんを見て、アンタ等と何か関係が有ったのかと思ったんだが、なのはに聞いても、知らないって言う
事だったから、特に関係もないと思って言ってなかっただけだ。」
「いや、肌がブロンズ色の知り合いなんて本当にいないからそう言っただけだからね?」
だけど、あの時ネロが言っていた黒騎士は、本当にアインスさんだったんだね……
でも、アインスさんは、あの時に消えちゃったはずなのに、どうして黒い甲冑を纏った悪魔の騎士として存在しているの?
幾ら何でも、こんな事を『はいそうですか』って受け入れる事なんて出来ないよ!!――一体、アインスさんに、何が起こったって言うの!?
「黒騎士………ネロよ、以前にコイツに会った事が有ると言っていたが、コイツの名は聞いたか?」
「え?あ、あぁ一応聞いたぜ?
帰って来たのは、念話での答えだったが――ネロ・アンジェロ、確かそう名乗っていた筈だぜ?」
「ネロ・アンジェロ……成程な、そう言う事か?」
疑問ばかりが浮かんでくる状況に、一石を投じてくれたのはバージルさんだった。
ネロに、黒騎士の事を……って言うか黒騎士の名前を聞いたみたいだけど、その名前を聞いて、バージルさんなりの答えに行きついたって言う感じかな、此れは多分。
「一人で納得してるなよバージル?
俺や、六課の面子に分かるように説明してくれや――この黒騎士が、ネロ・アンジェロってのは、アンタにとっては衝撃的な事だったんだろ?えぇ、バージルよぉ?」
「衝撃的どころか、目を疑ったわ。
ネロ・アンジェロとは、魔帝の手駒となって居た時の俺であり、そして魔帝が作り出して俺に植え付けた、疑似人格生命体と言った所だ。
こっちに来てから、俺の中からは居なくなったと思っていたが、俺が転移した時代よりも前の時代に転移して、あの女を次なる憑代にしているとはな……反吐が出る。」
えっと、其れってつまり、嘗てバージルさんの中に有った疑似人格の魂が、アインスさんに憑依したって言う事なのかな?
「予想の範疇ではあるが、十中八九そうであると思っておいた方が良いだろう……まさか、俺の汚点とも言える存在と、再び合い見える事になろうとは思わなかったが。
だが、もしもそうであった場合、奴が使うのはスパーダの剣技だ――故に、最低でもシグナム程の腕前がなくては太刀打ちできんだろう。
ネロ・アンジェロは、只の模倣ではなく、疑似人格の分際でありながら、スパーダの剣を自己流にアレンジして使う、厄介極まりない奴だったからな。」
「確かに、訓練校時代に会った時も、アイツはスパーダの剣を使ってたな……しかも、基本は同じ乍ら、オッサンの剣とは違う、黒騎士流のスパーダの剣を。」
「……何や其れ……アインスを、ネロ・アンジェロってのから解放する手段はあらへんの!?
ずっと辛い思いして来て、やっと呪いから解き放たれたって言うのに、世界の為に自分の存在を消してもうたあの子が、今また誰かに良い様に操られてなんてのは見
過ごせへん!!なんか方法があるんやろ!?あるんやったら教えて、バージルさん!」
「方法は二つある。
一つ目は、ネロの閻魔刀で奴を斬る事だ。閻魔刀は人と魔を分かつ刀故、アインスとか言う女とネロ・アンジェロを分離する事も可能だろう。
二つ目は、非殺傷での最大級の魔力攻撃をブチ当ててやる事だ。非殺傷設定での攻撃は肉体ダメージは皆無だが、精神にダメージが入るのだろう?
其れの極大攻撃を受ければ、己の肉体を持たない疑似人格生命体のネロ・アンジェロは消滅し、乗っ取られていた女の精神が復活する筈だ。」
「成程……って言うか、其れだったら私とネロが出張れば何とかなりそうですね?
閻魔刀での斬撃も、最大級の純粋魔力攻撃も、何方も放つ事が出来ますし、アインスさんでもアインスさんじゃない黒騎士になんか負ける筈がありませんから!!」
「ま、其れが上策だろうな。
だが、今のバージルの話を聞いた限りじゃ、黒騎士はアインスってのを乗っ取ってるだけなんだろ?……なら、俺となのはのタッグじゃなくても余裕で行けるだろ多分?
局の精鋭と、有望なルーキーが揃ってる機動六課だぜ?黒騎士一人ぶっ倒して、嘗ての仲間を救い出す事位は造作もねぇ事なんじゃねぇか?」
其れもそうだねネロ。
私達なら、誰が相手にしてもアインスさんをネロ・アンジェロから解き放つ事が出来る筈なの!
「ククク……その威勢の良さは実に良い物だぞなのは、ネロ。
だが、黒騎士はこの俺の手で倒す――俺の人生に於ける最大の汚点である、黒騎士ネロ・アンジェロは、俺がこの手で討たねば清算出来ぬのでな……!」
でも、やっぱりって言うか何て言うか、ネロ・アンジェロを討伐する気満々なのはバージルさんだよね?
確かに、自分の汚点は自分で拭いたいものだからね……だけど、バージルさんは魔力砲撃は出来ないし、閻魔刀もない――何か、策があるんですか?
「その辺は抜かりないから安心していろ。
この前、デバイスのメンテナンスをする際に、マリエル・アテンザに村正に閻魔刀の特製を付与するように要請し、そして見事に閻魔刀の特性を付けてくれたのでな。
……まぁ、一体如何やって人と魔を分かつ能力を、村正に付与したのか問いたい所ではあるが、俺の要望に応えてくれたのだから、無粋な事は言うまい。」
「閻魔刀の特性を再現て、どんだけなんだよマリーは!?」
管理局一の天才的頭脳の持ち主って言っても罰は当たらないレベルだからね、マリーさんは。
でも、閻魔刀と同じ特性を得た村正が有って、しかもバージルさんが相手になるならアインスさんを、ネロ・アンジェロから解放するのは略確実だと言って良いと思うの!
何たって、バージルさんはネロをも上回る、目下最強の剣士だからね♪
それではやてちゃん、今回の件を踏まえて、機動六課としては此れから如何言うスタンスで動いて行く心算なのかな?
「アインスの事はアレやけど、基本的には今まで通りや。
せやけど、敵さんの目的がハッキリして、更に相手がスカリエッティやて言う事も確定したから、此れからは、何か起きた時には鎮圧で終わらせる心算はあらへんよ。
ガジェットと悪魔は言うに及ばず、スカリエッティの一味も、現場に現れた場合には撃破して捕縛。場合によっては、非殺傷解除での攻撃も考えとかなアカンで。」
まぁ、そうなるよね。
非殺傷って言うのは便利だけど、此方が非殺傷であるからと言って、相手が非殺傷であるとは限らない――寧ろ、犯罪者なら非殺傷は設定してないって思ってた方が
良いかもだからね……最悪の場合は、相手を傷付ける覚悟はしておかないとだよ。
「何れにしても、今回こんだけの事をして来たっちゅう事は、敵さんの戦力が其れなりに充実して来たって言う事に他ならないやろな?
敵の本拠地が分からへんから、こっちから仕掛ける事は出来へんけど、連中が仕掛けて来た時には手加減なしで対処したって!相手は、こっちの常識が一切通用せ
んテロリストやから、其れこそ殺す心算でぶち当たってや!!」
殺す心算で……其れは物凄く重い言い方だけど、だけど六課の皆なら、その重さを背負う覚悟は出来てるよ?――そうなるように教導したからね。
「殺すってのは物騒だが、了解したぜ八神司令!」
「そんな事態に対処する為に、アタシ達は此処にいるんすからね?……ガンガンブチかましてやってやるッス!!」
「寧ろ、其れも出来ないんじゃ、兄さんの理想を現実にする事も、兄さんの汚名を晴らす事も出来ないですからね……私も了解です、八神司令!!」
その甲斐あって、ノーヴェ、ウェンディ、ティアナが即時己の意を示し、それにつられるようにスバル達も自分の意を示してくれた……私の教導は、伝わってたんだね。
でも、確かに何が相手であろうとも、機動六課に『敗北』の二文字だけは有り得ない事だよ。
相手が誰であろうとも、私達は絶対に退かないの!――黒幕であろうスカリエッティにも、最大級の魔力砲をブチかましてやる予定だからね!!
機動六課は、不屈にして不撓……それを、精々己の身に刻み込むと良いの!!――私達は絶対に負けないよ……例え、貴方達がどんな方法を使ったとしてもね!!
――――――
――翌日
Side:ネロ
今日は昨日の振り替え休日って事で、一日オフなんだが、だからと言って何かする事が有る訳でもねぇんだよな……なのはとのデートは中途半端になっちまったが、改
めてやり直しってのもあんまり気が乗らねぇからな…(盛り上がりにかけちまうからよ…)
と、そう思ってたんだが、何処かにお出かけかなのは?
「あ、ネロ……うん、お出かけかな?
この間の時に、保護されて直ぐに聖王病院に運ばれた子がいるでしょ?――はやてちゃんが、正式に其の子を六課で保護する事を決めたんだ。
それで、私は此れから其の子を迎えに行く予定なんだけど――良かったら、ネロも一緒に如何かな?」
「良いのか?――良いってんなら、御一緒させて貰うぜ。」
保護した奴が、どんな子なのかってのも興味あるし、誰よりも先にその子と会えるってのは、何となく得した気分だからな。
――で、そのウサギのぬいぐるみは何だよ?
「その子へのプレゼントかな?
行き成り大人ばっかりの世界で保護するって言う事だと、緊張するかも知れないから、其れを緩和する為にね。
可成り独断と偏見が入ってるかも知れないけど、子供は、取り立てて女の子はぬいぐるみが好きなモノだから、此のうさぎさんで先ずは心をつかもうかなって思って。」
「ふ〜ん?……まぁ、良い手じゃねぇのか?
確かに子供ってのは、往々にしてぬいぐるみが好きなモンだし、ウサギのぬいぐるみってのはその中でもクマのぬいぐるみと並んで、ダントツの人気だろ?
其れを使って、ハートキャッチってのは、別に悪い事じゃねぇと思うぜ俺は。」
其れに、どんな手段を使おうとも、心が籠ってなきゃ伝わるモンも伝わらねぇからな?
そのウサギのぬいぐるみに、俺となのはの心が籠ってりゃ、きっと伝わる筈だ――って言うか、言われるまでも無く伝える心算なんだろ、なのは。
「うん……何て言うか、放っておく事が出来ないからね。
私自身、子供の頃に寂しい思いをした事が有るから、この子にはそんな思いをしてほしくないって、無意識のうちに思ってるのかも知れないけどね。」
「別に、それでいいんじゃねぇか?
テメェが感じた寂しさを、他の誰かに味わわせたくないって思うのは間違いじゃねぇだろ?つーか、間違いである筈がねぇぜ。」
俺にも親はいなかったが、キリエとクレドのおかげで寂しい思いはしないで済んだからな。
だから、俺達『機動六課』がその子の家族になってやりゃ良いだろ?――そうすれば、少なくともそいつが寂しい思いをする事だけは無いだろうと思うからさ。
「うん、そうだね♪」
良い表情だぜなのは。
やっぱお前は、悩んだ顔してるよりも、明るく笑ってたほうが何倍も魅力的だぜ――ま、俺もそんななのはの事が好きになっちまった訳なんだけどな。
けどまぁ、取り敢えずは聖王病院とやらに行くとするか。
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つ〜訳で、聖王病院とやらに到着した訳だが……まさか、行き成り目的の子と遭遇するとは思わなかったぜ。
しかも、相手は半分べそかいた状態でだからなぁ?……さて、如何したもんか――フォルトゥナの孤児院を手伝ってた時には、こんな状態の子供は居なかったからな…
「如何したの?何で泣いてるの?」
「グス……居ないの……ママもパパも何処にも、居ないの。
一杯探したのに、何処にもいないの……私は、独りぼっち………」
「そっか……ママとパパとはぐれちゃったんだね?
確かに其れは大変な事かもしれないけど、私とネロ――このコートのお兄さんも一緒に、貴女のママとパパを探してあげるから♪」
其処で俺かよ?いや、異論はねぇけどな?
だけど、其れで泣き止むって感じはしねぇぞ此れ?てか、其れ以前に完全に怯えちまてるんじゃねぇかこの子は?俺達にって事じゃなくて、色んなモンに対して。
「かも知れないね。
……大丈夫だよ、私達は貴女に何もしないから。――自分の名前、分かるかな?」
「………ヴィヴィオ。」
「ヴィヴィオか……うん、良い名前だね♪」
だけど、流石はなのはだな。
すかさずしゃがんで目線の高さを合わせると、出来る限り優しく話しかけて名前を聞きだしたか……俺には出来ねぇ事だな――孤児院を手伝ってた経験が有ってもだ。
「其れじゃあ今度は、私達の番だね?
私の名前は高町なのは、宜しくねヴィヴィオ♪――其れでこっちのコートのお兄さんが……」
「ネロだ。宜しくな、ヴィヴィオ。」
んで、流れに乗って自己紹介。
折角だから握手しようと思って右手を差し出したんだが……コイツは失敗だったか?幾ら何でも、ゴツゴツした悪魔の右手は、恐い以外の何物でもねぇよなぁ?
ヴィヴィオも躊躇しちまってるし……なら、こんなのは如何だ?
――カキィン!
「へ?氷?」
「だけじゃないぜ?お次は炎だ!」
――ボウ!
「すご〜い……!」
右腕に収納した魔具の力で、氷と炎を出して見せたら、思いのほか受けがいいみたいだな?
炎を消したら、即右手を両手で掴んできたのを見ても、失敗じゃなかったってのは分かるし、その流れにのって、なのはともうち解ける事が出来たみたいだぜ。
まぁ、折角仲良くなれたんだ、六課に戻る前に、少しばかり此処で遊んでくのも良いかもしれない――
「高町一等空佐、ネロ一等空士、其処を退いていただけますか?」
と思ったんだが、行き成り現れたコイツは何モンだ?
斬り揃えられた髪に、バリアジャケットと思しき服を纏い、トンファー型のデバイスを構えて俺達に――って言うよりも、ヴィヴィオに敵意を向けて来てやがる。
「シャッハさん!?」
「知り合いか?」
「うん……聖王教会のシスター・シャッハ。はやてちゃんの知り合いの一人だよ。」
「はやての知り合い――っつ〜事は、通じて機動六課の戦力の一端でもあるって事か。」
「その通りです。
ですが、そんな事よりも、其処を退いてください――その子は危険な存在なんです!!」
はやての知り合いってんなら、悪い奴じゃねぇんだろうが、その物言いには納得できねぇな?
大体にしてヴィヴィオが危険な存在ってのは如何言う事だ?コイツは何もしてねぇ、六課が保護した普通の女の子だろうが!
てか、完全にヴィヴィオがビビってるだろ!
俺のコートの裾掴んで、震えてるし、こんな小さな子供に恐怖を与えるとか、何考えてんだお前?つーか、危険だって言うなら、先ずは何が如何危険なのか説明しろよ!
「私もネロと同意見だよシャッハさん。」
「高町一等空尉!?――ですが、この子は!!」
「大丈夫です、私とネロに任せて下さい。――それに、私達はこの子を預かりに来たんですから。」
「…………分かりました。そう言う事ならば、彼方達にお任せします。」
って、なのはが出張ったら、思った以上にアッサリ退いたな?
六課と揉め事は起こしたくなかったのか、其れとも単純になのはの静かな迫力に押されたのか……まぁ、多分両方だろうな。後者の方が比率が大きいかもしれないが。
だがまぁ、此れで一件落着か?
ヴィヴィオは目を丸くしてるが、俺達に対する警戒心は無くなったみたいだしな。
しかし、全く予想外ではあったが、なのはのちょっと違う一面を見れたってのは、何となく得した気分だぜ。
にしても、ヴィヴィオが危険な存在ってのは、本気で如何言う事なんだ?――調べようもない事だが、一応は心の片隅に留めておいた方が良いかもしれねぇな。
To Be Continued…
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