Side:なのは


まさか、ヴィヴィオを取り戻した後で捕らわれの身になるとは思ってなかったけど、不思議と不安も何もない……まぁ、其れはある意味で当然の事だって言えるよね。
だって、私達の目の前には、スカリッティと対峙してるネロが居るから。伝説の魔剣士の、誇り高い魂を受け継いだ『三代目の英雄』が其処に居るから!!



「ママ……」

「大丈夫だよヴィヴィオ。パパが、スカリエッティに負けるなんて言う事は、万が一にも……うぅん、京に一つも有り得ないから。
 だから、パパの勝利を信じて待とうね?――ネロは、貴女のパパは、私よりも強い、世界最強のパパなんだから、きっと……否、絶対に負けはしないんだから♪」

「ママ……分かった、パパを信じるよ!」



其れで良し!私達が信じている以上、ネロが負ける事は有り得ないよ!!



「なのは、ヴィヴィオ……少し待っててくれ、必ず助けるから!!」

「ネロ……」

うん、分かってる!そして信じてるよネロ、貴方ならスカリエッティを撃滅してくれるって!!
だから、この脳味噌がエレクトしちゃったマッドサイエンティストに教えてあげて欲しいの――如何して、悪魔の軍勢が人間界を侵略できなかったのかって言う事を!

魔剣士スパーダの伝説を、現代のミッドチルダで再現する時だよネロ!



「言われるまでもねぇ……このクソ野郎には徹底的に叩き込んでやるぜ、スパーダの強さの本質ってモンをな!!」

「なら、骨の髄まで叩き込んじゃって!」

「All right Boss!(了解だぜ隊長!)」



さぁ、最終決戦の幕開けだね!!――尤も、結末は決まっているけどね。











リリカルなのは×Devil May Cry  黒き騎士と白き魔導師 Mission110
『魔人と魔塵〜Legend Battle〜』










Side:ネロ


神に捕らわれている状態とは言え、なのはは話しが出来る状態みたいだな?――其れは、ヴィヴィオもだけど。
だが、最愛のなのはと、暫定的とは言え娘のヴィヴィオを、そんな悪趣味な場所に置いとくってのは気分が悪いんでな、テメェをぶっ倒して解放させて貰うぜスカリエ
ッティ!文句はねぇだろ?



「出来るならやってみるがいい、スパーダの孫よ。
 そして知るが良い、如何にスパーダの血を引く者であろうとも、神と化した者に勝つ事は出来ないと言う事をね!!」

「誰が神だって?もう一度言ってくれよ、耳が遠くなっちまったみたいで、良く聞こえなかったんだ。」

「……馬鹿にしてるのかね、君は?」



馬鹿にしてる?違うな、徹底的に舐めてんだよ、クソマッド。
確かに帰天した事で、テメェは凄まじい力を持ってるのは否定しないが、それでもバージルやオッサンと比べればマダマダだぜ?正直言って、今の俺の敵じゃねぇ。

仮に、此処からテメェが本気を出した所で、デビルトリガーを発動すれば、俺の方が上だろうからな……最初っから、テメェなんぞ相手じゃねぇんだよ、クソマッドが。



「おい坊主、そろそろ終わりにしようぜ!」

「神擬きとの戯れにも、些か飽きたのでな。」



あぁ、分かってるよオッサン、バージル!
こっちも、もうすぐ終わる――俺が終わらせる!!だから、もう少しだけ待っててくれよ!!



「生意気な……本気で私に勝つ心算で居るのかね?」

「心算?……馬鹿言ってんじゃねぇよ、クレイジーマッド。
 心算じゃなくて、俺もなのはも、最初から勝つ為に此処に来たんだぜ?勿論、外で戦ってる六課の連中だって同じさ、絶対に勝つ為に戦ってんだ、全力出してな。」

だから、負けはねぇ所か、俺達が最後に勝つのは確定してんだぜ?
大体にして、六課(俺達)に喧嘩売った時点で、テメェの命運は決まってたんだぜスカリエッティ?……始まる前から、テメェにゃ敗北の未来が確定してたって事だ!

ま、俺もなのはもヴィヴィオを人質に取られた事で、不覚を取ったのは変えようのない事実だが、その清算はテメェをぶっ倒す事でさせてもらうとするぜオイ?



「……其処まで言うのならば、良いだろう、私の本気を見せてあげるとしようじゃないか!
 帰天し、そして神の完成と共に得た、私の本当の力を見るが良い!!そして恐怖すると良いさ、禍禍しくも美しい、この『魔神』とも言うべき私の姿に!!!」



――轟!!!



コイツは……帰天の力を全開にしたって所か?
あのインチキ爺さんも大分人間辞めた見た目になっちまってたが、スカリエッティの野郎はそれ以上だな?
ブロンズ色の肌に不気味な紋様が幾つも浮かんで、目の色が反転して、背中には禍々しい翼が生え、額からは大きく湾曲した角が伸び、口からは牙が顔を覗かせ
てる上に、頭髪は一本一本が蛇に変化……グロテスクにも程がアンだろ此れは。

おまけに、自分で作ったんだろうが、魔剣スパーダの贋作品を持ってるってんだから笑えないぜ――それこそ、スパーダの信奉者に殺されても文句は言えねぇよ。



「ふふふふふ、如何かな?此れが私の本気と言うモノだよ。
 大分生意気な事を言ってくれたが、此れを見ても、まだ私に勝てるとでも?」

「思ってるに決まってんだろアホンダラ。
 自称天才のクセにそんな事も分からねぇのか、腐れマッド。なら、その脳味噌を○コメ味噌とかに詰め替えて出直して来やがれ、この誇大妄想の社会不適合者。」

それに、その程度で俺がビビると思ってんのかよ?
生憎と俺は、訓練生時代はなのはに鍛えられて、武装隊時代はなのはと一緒に幾多の死線を潜り抜け、六課に配属になってからもヤバい任務を熟して来た――
から、今更テメェが本気出したところで怖くもなんともねぇんだよ!

大体にして、俺はデビルトリガーを発動してないんだぜ?
なのに、勝った気でいるってのは滑稽極まりねぇ――が、冥土の土産に見せてやるよ、デビルトリガーを超えた、超デビルトリガーってやつをな!!

「「Do it!(やってやるよ!)」」



――豪!!



「!!それは、その姿は!!」



皮肉な事だが、この神擬きに取り込まれた事で、自分の意思で発動できるようになった超デビルトリガーってやつだ。
人の心と理性を保ちつつ、身体を完全に悪魔化させるデビルトリガーの真骨頂――其れを、その身で味わわせてやるよスカリエッティ!もう充分だって言う位にな。

精々、辞世の句でも考えときな!!








――――――








No Side


超デビルトリガーを発動して悪魔化したネロと、帰天の力で悪魔化したスカリエッティ――共に悪魔化はしたが、その根幹がまるで異なる2人の悪魔の戦いは、序盤
から、苛烈さを極めていた。


「私こそが神だ!神を称えよ!!」

「「その口閉じてろクソマッド。」」


スカリエッティが宙に浮いた状態でバリアを張れば、ネロがエアトリックで肉薄し、レッドクイーンのコンボで、バリアを破壊せんと猛攻撃を敢行してスカリエッティを攻め
たてる。
ダンテをして『パワーだけなら俺以上』と称されたパワーを駆使しての斬撃は重く、レッドクイーンが振られる度に、罅が入り、


「「Try this!!(喰らいやがれ!!)」」


――バリィィィィン!!


渾身のキャリバーの前に、バリアは粉々に砕け散った。
だが、スカリエッティとてバリア頼みの馬鹿ではなく、バリアが砕け散った後は、贋作のスパーダ(以降偽スパーダと表記)を魔力で操作し、自身の周囲を旋回させる
事で、攻防一体の陣を作り出して、ネロの攻撃に対抗する。

何よりも、自身の腕で剣を振るって居る訳ではないので、ネロの腕力に打ち負ける事も無いのだ――マッドサイエンティストは、矢張り知恵も良く回るモノらしい。


「「贋作使ってる割りにはやるじゃねぇか?
  口先だけの中身なしかとも思ったが、並の上級悪魔クラスの力はあるって、考えを改めといてやるぜスカリエッティ?」」

「其れは光栄だよネロ君。
 君こそ、素晴らしいパワーだ。エース・オブ・エースたる彼女が、君の勝利を信じて疑わないと言うのも納得できると言うモノだ……尤も、私は負けんがね?」

「「そいつは如何かな?なのは、今だ!!」」

「何!?」

「「な〜〜んてな!騙されてんじゃねぇよ、タコ!……いや、この場合はタコの方に失礼かもな!!」」

「な!?がはぁぁ!?」


だが此処で、あくまでもバックスである所の科学者と、常に一戦に出て戦って来た武装隊員の差が出てしまった。
スカリエッティとて、戦いのデータは自身にインストールしてあるが、知っているのとやった事があるのでは、其れは決定的な差がある訳で、知っているだけの素人で
あるが故に、ネロの単純なフェイントに引っ掛かり、なのはの方を向いたところに一撃を喰らってしまったのである。

そして此れは、ネロにとっての好機。
カウンター気味に炸裂したルーレットスピンから、一気にレッドクイーンのイクシードをMAX発動し、追撃のダブルダウンを一閃し、スカリエッティを地面に叩き付ける!

勿論、其れで終わるネロではない!
自らもダブルダウンの勢いで地面に降りると、吹き飛ばされたスカリエッティをスナッチで引き寄せ、袈裟切り→払い切り→逆袈裟二連斬→横薙ぎ→斬り下ろしの6
連コンボを叩き込んで吹き飛ばし……


「「Eat this!Maximum Over drive!!(喰らいな!マキシマムオーバードライブ!!)


無数の衝撃波斬撃で、追撃(と言うにはあまりにも威力がデカすぎるが)する。

今のネロは、なのはとヴィヴィオを救い出すと言う気持ちに、その2人を人質に取ったスカリエッティへの怒りが加わり、その力を大きく底上げしている故に、攻撃の破
壊力だって半端じゃないのだ。


「「Hey,hey,hey!Come on! babes!Is that all you've got?(如何した、如何した!来いよオラ!其れで本気なのか?)」」

「あまり舐めない方がいいと思うがね、私は!」


それでも、ネロの煽りに応える形で、マキシマムオーバードライブで発生した粉塵の中から、スカリエッティが偽スパーダを使ってのスティンガーで反撃の強襲!!
尤も、其れは既にネロには予想済みで、楽々レッドクイーンで防がれてしまうのだが、此処でスカリエッティの悪魔の英知が生み出した剣が、その力を発揮した。



――ピキ……ピキピキピキ!!



「「なに!?レッドクイーンが……!!」」


マリーにデバイス化され、レヴァンティンやグラーフアイゼンに匹敵する強度を持つデバイスとなったレッドクイーンに、偽スパーダの攻撃を受け止めた瞬間に無数の
罅が入り、事実上の使用不能状態に陥ってしまったのである。


「どうやら、武器破壊と言った所かな?」

「「みたいだな……マリーが調整したレッドクイーンに罅を入れるとか、贋作とはいえスパーダの力は恐ろしいモンだぜ。
  だけどな、レッドクイーンが使えないなら、コイツを使うまでだぜ――此処からは、閻魔刀で相手をしてやる。光栄に思えよな下衆マッド!」」


それでも、ネロにはまだ閻魔刀が有る。レッドクイーンよりも遥かに頑丈な、魔界の業物である魔刀・閻魔刀が!!
右腕に収納しておいたそれを取り出したその瞬間に、ネロ自身にも変化が起きた。


――キュゥゥゥゥゥゥン……轟!!!


突如魔人化が解け、しかし同時に凄まじい魔力が爆発したのだ。


「此れは……デビルトリガーを、超えたのか?」


見れば、ネロは人の姿に戻り、デビルトリガー特有の二重音声ではなくなっているが、その瞳は紅く輝き、身体はデビルトリガー特有のオーラを纏っている状態であ
り、その身から発せられる力は、先程までと微塵も変わらないのだ。

其れはつまり、ネロ自身が言うように、デビルトリガーを超えたのだろう。
或は、完全に悪魔の姿になって尚、人の心を失わずに戦ったが故に、超デビルトリガーの力は其のままに、人の姿を保てるようになったのかもしれない。


「ま、如何でも良いかそんな事は。
 大事なのは、俺が閻魔刀を抜いた以上、テメェの死は絶対って事だスカリエッティ!」

「今更閻魔刀如きで、私を超える心算かね?片腹痛い!
 君の方こそ、愛する彼女と、娘の前で、私に葬られてしまう運命なのだ!!そして、君の血肉と、彼女達を神の一部として取り込み、私は神の神となるのだ!!」

「Ha!誇大妄想もその辺にしとけよ、悪魔に魅入られた弩阿呆垂れが!!」


其処から再び戦闘開始!


スカリエッティが放つ無数の魔力弾に対し、ネロは幻影刀を展開してそれを相殺し、一気に間合いを詰めて閻魔刀で斬りつける……が、スカリエッティも帰天した事で
研ぎ澄まされた感覚で、其れに超反応して激しい剣戟にもつれ込む。

其れこそ、一流時代劇も真っ青の、見事な剣戟であると言えるだろう。

魔力で偽スパーダを振るうスカリエッティに対し、ネロもバージル直伝の刀捌きで応戦し、時には鞘を使っての剣戟も披露すると言う、正に最終決戦に相応しい攻防
が繰り広げられている。

鋼鉄の刃がかち合う度に舞い散る火花に、煌く白刃に目が離せない。

だが、ここでもネロとスカリエッティの差が出た。


「負けないでネロ!!」

「頑張って、パパーーーーーーー!!!」

「OK!任せときな!!」


捕らわれの身である、なのはとヴィヴィオからの声援を受けたネロが、一気に攻勢に出たのだ。
『愛する者が居るからこそ、人は無限に強くなれる』とは誰の言葉だったか分からないが、ネロは其れを自身で見事に体現して見せたのである。


「オラァ!!!」

「!!!」


逆手に持った鞘を強引に叩き付けると、一瞬怯んだスカリエッティの隙を逃さずに、其のまま身を屈めての水面蹴りをブチかまし、足元を崩されて体制を崩した所で頭
をホールドしてから持ち上げ、垂直落下DDTを敢行!!

更に其れだけでは終わらず、其処から二連続のジャーマンスープレックスに繋いで、ジャンピングパイルドライバーに繋ぎ……


「あ、この流れってもしかして……ロシアレスリングの帝王たる赤きサイクロンの奥義かな?」

「勘が良いな?流石はなのはだぜ!!
 喰らいやがれ、史上最強にして最大のプロレス技……ファイナル・アトミック・バスター!!!


トドメにスクリューパイルドライバー一閃!!
史上最強と名高い、ロシアのプロレスラーの紅きサイクロンことザ○ギエフの最強奥義は、確実にスカリエッティにダメージを叩き込んだだろうが、それで終わりなどと
言う事は有り得ない。


「テメェの愚行を悔いな!」


ダウンしたスカリエッティを立たせるや否や、今度は拳の猛ラッシュ!
兎に角殴る!殴って殴って殴りまくる!其れこそ息つく暇さえ与えずに殴る!終いには、押し倒してマウントを取った上で、マシンガンの如く拳を繰り出して、文字通
りのフルボッコに処す。


普通なら此れで決まりそうなものだが、帰天したスカリエッティは意外にしぶとく、まだ戦える状態であるらしい。


「ぐ……私は、まだ……」

「未だ死んでねぇのかよ?呆れたタフさだぜ、スカリエッティ?……そのタフさだけは褒めてやるよ――だが、其れも此処までだ。
 You're going down!!(跪け!!)


だが、其れもネロの前には大した意味を持たなかった。
一度閻魔刀を納刀したネロは、次の瞬間に閻魔刀を抜刀し、同時に自身の姿を消して、スカリエッティに無数の次元斬と疾風居合を叩き込む……早い話が『絶刀』で
スカリエッティを斬り裂いたのだ。


「スパーダを超えた三代目の力、精々思い知りな。」


ネロの納刀と同時に、スカリエッティからは鮮血が舞う――此の戦いに、決着がついた瞬間だった。








――――――








Side:ネロ


「馬鹿な……何故私が負ける!?
 神を作り、伝説の魔剣をも再現し、絶対の力を得た私がなぜ……何故貴様如きに!!!」



Ha、そんな事も分からねぇとは、大した天才だな、腐れマッド?
スパーダは悪魔だが、人の優しさに触れ、他者を愛する尊さを知り、その力を持ってして、魔の軍勢を退けたが、テメェにはその他者を愛する心がねぇんだよクソが。

スパーダは人を愛した、だが、テメェにはその思いが欠けているって事さ!――だから、俺には勝てねぇんだよ。分かったか!!

さて、ソロソロ、ケリ付けさせて貰うぜ?



「う、動くな!動けば彼女達を……!!」

「殺すってか?……やってみろよ、出来るもんならな。
 まぁ、そうはさせねぇけどよ……助けるって約束したからな――そらよ!!」

「!!?」



OK!予想通り、投げ放った閻魔刀に意識が向いたな?………其れが命取りだぜ!!



――ドガァァァァァァァァァァァァン!!!



「グハァ!!!」



一瞬意識が逸れたスカリエッティに、魔力で巨大化させた悪魔の右腕を叩きつけて動きを封じ、投げ放った閻魔刀を逆手でキャッチし、逆手居合を三閃して準備OK。
此れで決めるぜ、なのは!!



「うん!!ヴィヴィオ!!」

「ほえ?」



以心伝心て事でもないだろうが、俺の呼びかけで、察したなのはが、ヴィヴィオを胸元に抱え込んで、此の惨劇を見せないようにしてくれた……だから、此れで終わ
りだぜ、スカリエッティ!!



――ザクゥ!!!



「が……馬鹿な……この私が!!」

「此れでフィニッシュだ、スカリエッティ。」

如何に帰天して居たとは言え、閻魔刀で心臓を貫かれたら只では済まねぇだろうからな……コイツでゲームセットだ、精々あの世でテメェの罪を数えるんだな!!
そんでもって……



「ネロ……」

「パパ……」

「悪かったな、待たせちまって。」

なのはとヴィヴィオも無事奪還だ――なら、後は脱出するだけだ。………尤も、フォルトゥナの時の事を考えると、此処で終わりって言う事は、無いんだろうけどな。
取り敢えずは、外に出ないとだぜ。








――――――








Side:バージル


神擬きの力は、矢張り侮れん……神を名乗る等、烏滸がましいにも程があるとは言え、この巨体から繰り出される攻撃は、全てが一撃必殺クラスだからな。
今もその拳が、俺に振り下ろされて――



――ガキィィィン!!




来たのだが、予想以上に衝撃が少ない?……それ以前に、此れは神擬きが沈黙したのか――と言う事は、やったのだなネロ!!



――ピキ!ピキ!!バリィィィィィィィィィン!!



其れを肯定するかのように、神擬きの額のクリスタルを割って、中からヴィヴィオを抱きかかえたなのはを更に抱きかかえたネロが現れたか……勝ったのだな、あの
マッドサイエンティストに。



「ま、遅れを取る相手じゃなかったからな。」

「だとしても、遅刻だぜ坊主?」

「はいはい、謝れば良いんだろ?」



ククク……ダンテの軽口に、軽口で返す辺り、まだまだ余裕と言う事か?だとしたら、呆れたタフさだが、スパーダの血を引く者であるのならば、其れ位でなくてはな。
何よりも、未だ終わりでは無い様だからな?



『グオォォォォォォォォォォォォォォオォォオォォ!!!』



一度は沈黙した神擬きが、復活したようだからな……しかも、その顔をスカリエッティに変えてな。
恐らくは、ネロに倒されたスカリエッティが、執念で己の魂を神擬きに融合したのだろうが、その執念深さには悪魔も脱帽物だ……心底称賛に値すると言えるだろう。

だが、其れでも貴様は滅ぶべき者だ……我が刃の錆となるがいい!!



「待てよ、此処は俺がやる。俺が決着をつける。――此処は、ミッドチルダは、俺が護るべき街だからな。」

「ネロ?
 ……ふむ、言われてみれば確かにそうかも知れんな?」

ならばやってしまえネロ。
お前の、その右手の力で、スカリエッティにトドメを刺し、ミッドチルダの未来を勝ち取って見せるが良い!!
そして、スカリエッティに冥土の土産に教えてやるが良い、お前の悪魔の右腕が、一体何のために存在しているのかと言う、その絶対的な理由と言うモノをな!!!













 To Be Continued… 




ネロとスカリエッティの対決はネロの勝ちか。
美姫 「みたいね。無事になのはたちも救出できたし」
良かった、良かったと言うのは少しだけ早いか。
美姫 「まだ神擬きが残っているみたいだしね」
しかも、しつこさに関してはトップクラスか。
美姫 「スカリエッティが融合してって、本当にしつこいわね」
大丈夫だとは思うけれど、今度こそ最後となるか。
美姫 「どうなるのか、続きが楽しみです」
次回も待っています。
美姫 「待っていますね〜」



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